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TEXT & PHOTO:藤田麗子
2015年7月11日、韓国の4人組ガールズロックバンド、Walking After Uが韓国・ソウルにてワンマン・ライヴを開催した。首都・ソウルでのライヴ自体は2015年3月28日以来4ヶ月ぶり、ソウルでのワンマン・ライヴは2014年2月以来およそ1年半ぶりである。本国のみならず、日本で約50本の公演をこなし、“韓国最強ガールズバンド”の実力を見せつけた彼女たちのソウルでの久々のライヴということもあり、会場には多くのファンや音楽関係者が詰めかけた。日本からDIABLO GRANDEの高谷“Annie”学をゲストに迎え、新曲も初披露された今回のライヴは、海外(日本)でひと回り大きく成長した4人とファンとの絆が感じられる熱いひとときだった。 ◆Walking After U ≪워킹애프터유≫:
◆Walking After U ライヴ・アフターコメント映像
午後7時30分。会場内のモニターにWalking After Uの映像が映し出された。日本の街を歩く4人の姿を見つめながら、期待に満ちた表情で開演を待つファンたち。メンバーによるキュートな準備体操の映像が流れると、観客も一緒に体をほぐし始める。盛り上がる準備は万端だ。
その瞬間、1stアルバム『Unleash…』の1曲目に収録された「Burn」のイントロが鳴り響き、ステージを覆っていた幕が外された。真っ赤な光に照らされたステージに4人の姿が浮かび上がる。パワフルかつハスキーなペク・ヘインの歌声が響きわたり、一気に熱くなった会場をギタリストのソン・ジアがいっそう盛り上げていく。 1stアルバム収録曲を5曲立て続けに披露し、Foreignerのカヴァー曲「JukeBox hero」を挟んで、「Secret(비밀)」へ。ペク・ヘインが妖艶な雰囲気を放ちつつ、曲の後半ではメンバー全員が激しいヘッドバンギングを披露した。 続いて、キム・ソニによるキーボードのソロ演奏がスタート。時折、微笑みを浮かべながら、久石譲の「Summer」をしっとりと奏でる。これを引き継ぐように、明るい笑顔でステージ中央に躍り出たソン・ジアは、客席を見渡しながらギターソロを演奏し、会場を熱狂させた。
ソロコーナーが終了すると、完成したばかりだという新曲「Fact」「Vocation」「Carma」「이상{理想}」が初披露された。ここまで、ほぼ1時間ぶっ通しで演奏を続けた4人。ベースを振り回し、「ビールを2本!」とリクエストしながら熱唱を続けたペク・ヘインは、「이상」を歌い終えると、「今日は凄いですね~。喉から血が飛びました。見えませんでした?」という告白でファンを驚愕させた。
ペク・ヘインは「みなさんもどんどん呑んでくださいね」と客席に声をかけると、日本での生活について紹介。最初は日本の地下鉄の乗り換えに苦労したことや、いつも台車で機材を運んでいたキム・ソニが滞在先周辺の有名人になったというエピソードを披露した。 また、今年1月に参加したガールズロックイベント『WOMEN’S POWER SPECIAL』にも触れ、「日本の伝説的なガールズバンド、SHOW-YAと共演しました!」と報告。「打ち上げのとき、SHOW-YAのみなさんのほうから私たちに話しかけてくださったんです」と嬉しそうに明かし、「SS501を知っているか聞かれました(笑)。ファンだそうです」という意外な裏話も公開。「みなさん、K-POP熱風はすごいですよ!」と客席に語りかけた。 そして、いよいよ日本から来たスペシャルゲストの高谷“Annie”学が登場! Walking After Uの音源を聴いてライヴに足を運び、その才能に惚れ込んだという彼。「私たちの曲だったら、どの曲でもカヴァーしたいとおっしゃって……」というペク・ヘインの言葉に会場が沸く。「ハンサムでしょ?」という彼女に賛同し、あちこちから「チャル・センギョッソ~!(カッコいい!)」という声があがった。
高谷“Annie”学とペク・ヘインが歌ったのは「I Don’t Wanna Die」。高谷“Annie”学のソウルフルな歌声がWalking After Uの楽曲に乗り、新たな魅力が生み出されていく。2人の力強いハーモニーに会場中が聴き入り、曲が終わると「タカヤ!」コールが巻き起こった。
続いてスタートしたのは、Journeyの「Don’t Stop Believin’」。“Born and raised in south Detroit”という歌詞を“~south Korea”とアレンジした高谷“Annie”学の粋なサプライズに、韓国の観客は大盛り上がり。ソン・ジアの前にひざまずいてギターソロを盛り上げた彼は、大歓声の中、ステージを後にした。 「みんな、写真を撮るのに必死すぎだよ~」と話し始めたのは、ドラムのアッチャン。「今のって方言かな? 地方に行ってたから、つい……」と首をかしげつつ、トークを開始。ペク・ヘインと一緒にいる際、通りすがりの人に「あの子は女の子? 男の子かい? 彼氏?」と聞かれたことを明かし、会場を笑いの渦に巻き込む。さらに、このライヴの翌日7月12日に韓国南西部の光州(クァンジュ)のイベントに参加すること、その後も国内各地をめぐるツアーを開催し、秋には再び日本、そして台湾でもライヴを行うことを伝え、ファンを喜ばせた。 「No Way(아니야)」、「Blind」を経て、最後の曲「Eye(Can’t Stop Staring)」のイントロではキム・ソニもキーボードを離れてステージ中央で踊りまくり、場内の熱気はますます上昇。曲がスタートすると、サビの「ミッチョ、ミッチョ(たまんない、たまんない)」のフレーズと「Hey Hey Hey」の掛け声に合わせ、ステージと会場が一体になった。
4人がステージを去ると、すぐに「アンコール!」の声が。「1曲だけだよ!」という宣言と共に始まったのは、Led Zeppelinの「Rock’n Roll」。ラストはアッチャンがドラムの椅子の上に立ち、客席をあおり続ける。ペク・ヘインが「明日、光州だろうがなんだろうが……今日はここで一緒に死のう!」と叫び、全力を振り絞ってステージを締めくくった。
2時間近いライヴが終了するやいなや、汗だくのままグッズ販売コーナーで丁寧にサインに応じていた4人。ステージ上でのカリスマ性あふれる姿とはまた違う、あどけない笑顔が印象的だった。 2013年4月の結成から約2年。ロック不毛の地といわれる韓国で、自らの信じる音楽を追求し続けるのはたやすいことではなかっただろう。平均年齢22.7歳という若さながら、しっかりとした個性を持ち、ルックスと実力を兼ね備えたWalking After U。彼女たちがアジアの音楽シーンを大きく動かす日も遠くはなさそうだ。
◆Setlist
M01. Burn M02. P.O.T M03. Runaway M04. Bambi M05. The End M06. JukeBox hero(Foreigner cover) M07. Secret(비밀) M08. Keyboad Solo~Guitar Solo M09. Fact(新曲) M10. Vocation(新曲) M11. Carma(新曲) M12. 이상{理想}(新曲) M13. I Don’t Wanna Die(w/ 高谷”Annie”学) M14. Dont Stop Believin’(Journey cover w/ 高谷”Annie”学) M15. No Way(아니야) M16. Blind M17. Eye(Can’t Stop Staring) M18. Rock’n Roll(Led Zeppelin cover)[encore]
◆Walking After U Japan Official Website
http://www.bandwalkingafteru.com/ ◆Walking After U FacebookPage https://www.facebook.com/WalkingAfterU.korea ◆Walking After U Twitter https://twitter.com/band_wau ◆Live Information ・2015年09月20日(日)【東京】御徒町Jam Session ※『ビーストキャラバン~アコースティックミーティング Vol.2』への出演 (ペク・ヘインのみ:アコースティックスタイル) ・2015年09月22日(火)【東京】新宿WildSideTokyo ※詳細未定 ・2015年09月25日(金)【東京】吉祥寺CRESCENDO ※『nonLinear Metal DynamiX 2015~9 DAYS Special!!!』への出演 ・2015年09月27日(日)【東京】目黒THE LIVE STATION ※『WOMEN’S POWER Vol.59~東京編』への出演 ・2015年11月07日(土)【大阪】心斎橋Paradigm ※『Screaming Spirit FEST KOREA JAPAN 2015』への出演 ◆関連記事 |