演奏

激撮!万年ナイト〜Virgin Night!〜

TEXT:鈴木亮介 PHOTO:万年平男

3月27日土曜日。春休み+連休ということでいつにも増して賑やかな吉祥寺で、女性ボーカル4バンドが競演するライブイベント、その名も「万年ナイト」が開催された。万年?そう、BEEAST読者諸氏はこの名前に見覚えがあることだろう。本誌BEEASTのスタッフで、ライブカメラマンとして第一線をひた走る万年平男が「自分の好きな女性ボーカルを4組集めた」という企画ライブの第1弾だ。
 
これまで数多くのアーティストの撮影を行ってきた万年平男は、「このバンドとこのバンドが一緒にライブをやったらいいのになぁ・・・」と思うことがしばしばあったという。「じゃあ、自分で企画するか!」ということで、ライブイベント“激撮!万年ナイト~Virgin Night!~”が実現した。出演バンドは4組で、いずれも女性ボーカルのロックバンドだ。また、このライブはチャリティも兼ねており、収益は本誌BEEASTが支援している団体、 マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団に寄付されるという。

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18時、開演。勢いあるドラムを響かせて演奏を始めたトップバッターは、2008年9月に結成したPOP’in STRAW。メンバーはEMI(Vocal)、SHUSYU(Guitar)、HAYATO(Bass)、TSUYOSHI(Drums)で、埼玉を中心に活動している。ポップでメロウな楽曲がEMIの元気良いボーカルと相まって、会場をキラキラと明るくしていく。
 
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ボーカルのEMIは終始笑顔。心の底から楽しんでいるようだ。途中のMCでは「これを機にパーキンソン病のことを知る人が増えれば」と、チャリティについてもしっかり説明していた。

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【POP’in STRAW 公式サイト】

http://hp33.0zero.jp/670/popinstraw/

【セットリスト】

M01.VS ME!
M02. Party Time
M03. カラフルスマイル
M04. 告白
M05. ドキドキしようよ

【information】
・1stシングル「カラフルスマイル」 出演会場にて発売中
・毎週末に一日、大宮駅西口デッキにてストリートライブ開催中 詳細はHPへ

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続いて2番手に登場したのは2007年結成のRainy UNGLEBUN。以前BEEASTのライブレポでお伝えしたことがあるので馴染みのある人も多いだろう。今宵のメンバーはRay(Vocal)、KAZUI(Drums)の2人に加え、ATSURO(Bass)が脱退したためにベースとギターのサポートメンバーを入れて、合計4人での登場だ。
 
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冒頭、ボーカルのRayはエレキを手に、か細い体からは想像つかないパワーのあるボーカルを披露。間のMCでは「いつも万年さんには素敵な写真を撮っていただいて」と語る一方、今日のライブのタイトルを“盗撮!万年ナイト”と勘違いしたとのことで、平謝り。会場の笑いを誘っていた。

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【Rainy UNGLEBUN 公式サイト】

http://rainyunglebun.com/

【セットリスト】

M01.足跡
M02. シーツ
M03. オレンジ
M04. too much pain(THE BLUE HEARTSのカバー)
M05. サンデイ

【information】
・bayfm「MOZAIKU NIGHT 〜NO.1 MUSIC FACTORY」(毎週火曜深夜1:30〜5:00 生放送) ボーカル・RayがDJとして出演中

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3番手はCadiluck Bunny。こちらも以前BEEASTのライブレポでお伝えしたことがある元気の良いバンドだ。メンバーは船長のマイケル(Vocal)、戦闘員のシュンチー(Guitar)、航海士のジロー(Drums)の3名で、サポートに狙撃手のMr.ツヂ(Bass)と船医のレンジ(keyboard)を加えた5人編成だ。海賊をモチーフとした独特のノリと、一緒に船に乗って大海原を暴れまわっているような一体感が特長だ。
 
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冒頭、威勢の良いファンの掛け声に出迎えられて、海賊の旗を持ってマイケル船長が登場。ステージから身を乗り出して、ノリノリで歌う。「新世界」や「ナミダロック」など元気にぶっ飛ばす曲もあれば、「ベイビィカステラ」のようにしっとりと聴かせる曲もあり、この海賊船の幅の広さを感じた。

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【Cadiluck Bunny 公式サイト】
http://www.cadiluckbunny.com/

【セットリスト】

M01. ミツバ
M02. 新世界
M03. ナミダロック
M04. ベイビィカステラ
M05. ステレオ
M06. パレード

【information】
・次回ライブ予定
5/23(日)@原宿アストロホール
5/29(土)@渋谷ギルティー
6/18(金)@新宿RUIDO K4

・ニューアルバム「DNA」発売中

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そしてトリを飾るのはKISSKILLだ。昨年9月に本誌でも取り上げた「MOH-CHAN祭り」で演奏して以来、約半年ぶりのGIG。まずはオープニングSEのサイレンとともに、Takaichi(Gt.&Vo)、Honey(Bass)、MOH-CHAN(Drums)の3名がMISSILESとして登場。Takaichiが日本刀を抜くパフォーマンスを見せたかと思えば、MOH-CHANは客席背後のドリンクカウンター前に、急きょ用意した子ども用ミニドラムを高速で叩き、客席も大興奮!何とそのままドラムを運びつつ、床や壁を叩き続けてステージまで上って行った。
 
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後半はボーカルにRaiが登場し、4名のバンドKISSKILLとしてのステージへ。現在妊娠4カ月ということだが、テンションを抑えるどころか、お腹の中の子に助けられて攻めのボーカルで客席を魅了していた。Raiはこのライブを最後にしばらく産休に入るが、MCでは「来年にはまた復活したい」と宣言し、ファンを安心させていた。

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【KISSKILL 公式サイト】
http://www.kisskill.jp/

【MISSILES 公式サイト】
http://www.missiles.jp/

【セットリスト】

<MISSILES>
M01. 一人一殺
M02. プラズマ・アクション
M03. ROCK’N ROLL震度7
<KISSKILL>
M04. SHOTGUN HONEY
M05. FAKE
M06. LOVE’S FEEL
M07. BELIEVE
M08. JUST METAL FEELING

【information】
・MISSILES MySpace
http://www.myspace.com/missilesyokosuka

 
最後の曲を終えると、本日の主役・万年平男がバースデーケーキを持って登場。それはRaiの誕生日、そしてママになることを祝ってのものだった。会場もKISSKILLのファンはもちろん、POP’in STRAWRainy UNGLEBUNCadiluck Bunnyのメンバーやファンも客席中央に集まって、一様にKISSKILLの復活、そしてRaiの誕生日を祝っていた。
 
万年平男は、今回のライブにカメラマン仲間を複数誘っていた。それは、次のような思いがあったためだという。
 

万年:「自分は写真を撮ることでミュージシャンをサポートしています。音楽をやっている人はもちろんその音楽を通してロックシーンを盛り上げていますが、自分は写真を通してロックシーンを盛り上げたいと考えています。そういう人をどんどん増やしたいし、このライブがそういうきっかけになればいいですね」

 
確かに、こうしてしっかりと実力のあるバンドが一堂に会するライブイベントは、好きなアーティストをどんどん増やしていけるチャンスだ。お目当てのバンドだけでなく、その前後に未だ知らないバンドに触れ、開拓していける機会は貴重と言えよう。まだまだ呼びたいバンドやジャンルは数多く構想しているという万年平男。第二弾の開催に期待!!