演奏

ACTION DEBUT 25th ANNIVERSARY “THE PARTY!!”

TEXT:noei! PHOTO:曲香-mageshang-

クリスマスの足音が聞こえる12月23日。大阪心斎橋「club Alive!」でACTIONのデビュー25周年を祝う『ACTION DEBUT 25thANNIVERSARY “THE PARTY!! ”』が開かれました。ACTIONといえば、言わずもがな山水館NOVELAで伝説を作った高橋ヨシロウを中心としたバンド。日本のハードロック・ヘヴィメタル界を牽引してきた王者バンドです。いったい25周年のイベントは、どのような内容になるのでしょうか。
 
1番手に登場したのはEROS→(エロス)。2008年から始動したバンドで、高橋ヨシロウ(Bass & Vocal)、秋田エイジロウ(Drums)、TAKECHIYO(Guitar & Chorus)のトリオユニットです。もちろん3人とも現在のACTIONのメンバーであり、EROS→はもう一つのACTIONと言えるトリオバンドなのです。しかし、ACTIONとの大きな違いは、高橋ヨシロウがベースを弾いていること。かつて劇団☆新感線の公演に演奏で出演した際にはベースを弾いていたこともありますが、バンド活動としてはNOVELA以来です。
 
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EROS→のライブはハードでキャッチーなロックナンバー「MEIKI」で幕が開きました。そんなノリのいいオープニングに続くのは「誘惑の罠〜YABAI〜」。音楽性の懐の深さを感じるちょっとジャズっぽいところも聴かせるナンバーです。そして「ガラスの夢」へ。儚さを感じるサウンドに、愛する人と別れた孤独な夜を歌った切ないナンバー。賛美歌が印象的なスローなSEから始まる「悲劇へのプロローグ」は、愛の始まりは悲劇の始まりというシェークスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」と同じテーマ。高橋ヨシロウの思いを込めたボーカルが会場を包み込んでいきます!
 
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「名前の割には真面目な音楽をやっている」という高橋ヨシロウの会場を和ませてくれるMCの後は「TEARS OF LOVE」。「何かを言いかけて口を塞ぐ」「言葉など何の意味もない」という歌詞が心に残ります。曲が始まると思わせて演奏を止め、オーディエンスの笑いを誘うMCをはさんで演奏は続きます。「BACK STAGE QUEEN」は、意識的なハウリングからTAKECHIYOのギターが炸裂。高橋ヨシロウ秋田エイジロウのリズムセクションが気持ちいい迫力!後半のラストスパートは、勢いのある陽気で挑発的な「VIOLENCE」、そしてラストにぴったりのナンバー「THE PARTY」で楽しく盛り上がって終了!
 
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【EROS→ 公式サイト】
http://www.100000volt.com/
【セットリスト】
1.MEIKI
2.誘惑の罠〜YABAI〜
3.ガラスの夢
4.悲劇へのプロローグ
5.TEARS OF LOVE
6.BACK STAGE QUEEN
7.VIOLENCE
8.THE PARTY

続けて登場したミュージシャンに会場がどよめきます。その人の名は嘉門達夫(Guitar & Vocal)。一見するとACTIONとは接点が無いように思いますが、実はACTIONとの間には深い縁があるそうです。ACTIONのデビュー25周年に対して、嘉門達夫は26年。ちょうど25年前にNHKのオーディションを受けたときに一緒になり、お互いとても印象に残っていたらしく、後に番組で一緒になったり、久し振りに出会った時も、話が尽きなかったとか。また、嘉門達夫が立ち上げた事務所「さくら咲く」にACTIONが所属していることもあり、今回はお祝いに駆けつけたようです。
 
1曲目は懐かしい曲から最近までのヒットソングの替え唄を繋げた「キング・オブ・替え唄メドレー」、まさに嘉門達夫の真骨頂。北島三郎の「函館の女」から宇宙戦艦ヤマトのテーマソングまで、ノンストップで替え唄が続きます。続けてMCでは「リリース数ではサザンオールスターズを抜いていますが、売り上げでは大幅に負けています」と笑いも誘いながら活動歴を説明、面白すぎます。
 
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そして「鼻から牛乳」の新バージョン「新・鼻から牛乳」へ。旧バージョンは宿題を忘れて先生に問い詰められる生徒という設定もありましたが、新バージョンでは彼女に携帯電話を見られたりして浮気の証拠を問い詰められる彼氏という設定。曲中で彼女から問い詰められる度、恒例の“フレーズ”が割り込むのですが、その度に照明の色が真っ赤に変わるという演出が最高です。
 
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続いて「唄・ネタワンダーランド」は、ゴッドファーザー「愛のテーマ」からベンチャーズ「パイプライン」まで洋楽の替え唄が続き、さらに年末らしく2009年の出来事を振り返る内容も織り交ぜたものになっていました。何でもライブ当日の午前中に作ったようです。5曲目は受験生のために作った新曲「さくら咲く」。そして、最後は驚きの企画!なんと、EROS→とのコラボレーション!名付けて“KAMON
ROCK
”だそうです。そして曲は「血液型別ハンバーガーショップ」!。オーディエンスへの素敵なクリスマスプレゼントになったはず。
 
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【嘉門達夫 公式サイト】
http://www.sakurasaku-office.co.jp/kamon/

【インフォメーション】
本誌コラム「少年は音楽と恋に同時に目覚める」大好評連載中!

【セットリスト】
1.キング・オブ・替え唄メドレー
2.新・鼻から牛乳
3.唄・ネタワンダーランド
4.さくら咲く
5.血液型別ハンバーガーショップ

本日ラストの登場はACTIONを信奉するミュージシャンが集まったACTION TRIBUTE BAND。メンバーは、森川健司(Vocal)、岡田♪jam♪ミノル(Guitar)、TAKU(Bass)、村中♪ろまん♪暁生(Drums)、青木彰一(Keyboard)の5人。1曲目は「待ちくたびれた今」。ACTIONがデビューした1984年リリースの『ACTION KIT2』に収録されている曲です。森川健司のハイトーンボイスに鼓膜が揺れます。続けて曲の切れ目なく「NOT SO BAD」へ。これは最新アルバムの『Mystic Blue』に収録されている曲。25周年ということをライブの選曲でも伝えてくれているのが感じられます。
 
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そんなメンバーがACTIONに対するお祝いの言葉を述べた後は、ACTIONの前身である山水館バージョンの「ヒドラ伯爵の館」。タイトルにあるヒドラとはギリシャ神話に登場する九つの頭を持つ大蛇で、その頭が蠢く感じを表現したような粘っこく重々しいナンバー。続けて「SHOWER TIME」へ。メンバー曰く「大阪ガスのCMに使って欲しかった曲」だそうです。キーボードの音色を十二分に活かした軽やかでキャッチーなアレンジの「JADE」では、今までのハードな曲調とは一転した雰囲気に。TAKUは10代の頃から、ACTIONのメンバーと親交があるようです。音楽も人生観も影響を受けていると語ります。村中♪ろまん♪暁生もまた同じく、ドラムにもその思いを感じます。 
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名曲「HONEY DRIPPER」では、テルミンのようなシンセサイザーの音が入ってきて印象的。ライブ当日は12月23日だったのでクリスマスの話題に触れた後、メンバーそれぞれが所属しているバンドの告知。ここでゲストとして清水確郎(Guitar)とノマジーン(Vocal)が登場。ちなみに清水確郎は、NOVELAのデビューライブを小学生の頃に観ていたとか。そしていよいよクライマックス!ACTIONの伝家の宝刀ともいうべき「ACTION!100000VOLT」。ノマジーンは本当にACTIONが大好きだ!という笑顔で、その気持ちを会場中に伝えてくれます。ギターソロでは、ミノルがステージ中央の台に飛び乗ってプレイ!ステージ上もオーディエンスもスタッフも、会場にいる全員がお約束のポーズ!圧巻の一言!
 
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【セットリスト】
1.待ちくたびれた今
2.NOT SO BAD
3.ヒドラ伯爵の館
4.SHOWER TIME
5.JADE
6.HONEY DRIPPER
7.ACTION!100000VOLT

PhotoACTIONは25年も走り続けている大ベテランということもあり、オーディエンスの年齢層が実に幅広く、彼等の功績をリアルタイムで目の当たりにしてきたファンいれば、後追いで知ったというファンもいます。中には親子二代で親と子が一緒にロックを楽しんでいる風景を目にしました。本当にたくさんの人々に愛され続けているバンドということを、肌で感じられる“THE PARTY!!”でした。