特集

激撮!万年ナイト~Second Virgin Night!!~

TEXT:桂伸也 PHOTO:万年平男

我がBEEAST内部ではもう、名物男と言っても過言ではないカメラマン、万年平男。その彼が、「過去撮影したバンドからお薦めのグループを招聘し、思う存分ライブと撮影を楽しみたい」という、驚異の独断企画『万年ナイト』。以前BEEASTでもレポートしたこのイベントも、遂に第二回が開催。このイベントの模様と、そこから感じる“自分達で作り上げていこう”とする意思を、名カメラマン、万年平男の見事な画像と共にお送りしたいと思う。

 
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1)リハーサル
 
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イベントの前は、各アーティスト共に若干緊張したおもむき。ここには、それぞれのプレイ、ステージに対する気持ちに集中していることで、イベントを楽しむ余裕はまだ見られず淡々と目の前の仕事をこなしているようにも見えた。万年平男自身も、「お客さん沢山来てくれるかな...」と、若干心配の色も見えた。
そして、開場。心配をよそに多くの人が会場を埋め、そのリラックスした楽しい雰囲気が会場を満たしていく。そして、幕は開かれた。

 
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2)ステージ
1.PINKISH CROWN
 

 
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トランスっぽい前衛的なサウンドから登場した4人のガールズ・バンド、PINKISH CROWN。メンバーはAkane(Vocal)、百合(Vocal)、らぶりぃ(Guitar)、Ami(Bass)。へヴィなサウンドの中で華やかさと派手さのあるトランス系のリズム。更に百合Akaneの強力なヴォーカル二人によるハーモニーは迫力十分、その音域の広さと、声の厚み共に実力十分、更に息もピッタリと申し分ない。シンプルながら重低音に主眼を置いたバッキングとのマッチングもバッチリだ。
全般にリズムが8ビートより、ディスコっぽい16分主体にしているだけに、また聴こえも変わって聴こえる。最後にはフロアと共にジャンプ、ジャンプと盛り上がる。個性的な曲調と、看板とも言えるデュオヴォーカルが非常に魅力的であり、キュートでも妖艶でもあるそのルックスとパフォーマンスは、さすが万年平男のハートを奪っただけのことはある。
 
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◆公式サイト
http://pinkishcrown.aikotoba.jp/
◆セットリスト:
M01. Look Me
M02. 陽炎
M03. Infinity Space
M04. I am a Dream
M05. High up in the sky

 
【告知タイム1】
 
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この転換の間に、フロア脇のDJブースに登場したのは、お笑い芸人ガールズの姫くり。イベントを飽きさせない工夫として気持ちの転換も図ってもらい、更に万年平男が注目している様々なアーティストの告知を行う場を設けるという計らい。なんと最初は、我がBEEASTの紹介。この粋な計らいには感謝、感謝だ。
続いては、The Alice Mauve。「ハードロックのニュースタンダードを目指す」というスローガンを掲げたホープ。この日はギターの屋敷隆一が登場し、2月の企画ライブを告知。更に、1ステージ目に出演したPINKISH CROWNのヴォーカリスト、百合が自身のプロジェクト黒死蝶がライブの告知。それぞれのアーティストに対し、姫くりの二人は「お正月は何をされてました?」「お餅は何個食べました?」と、一見全く関係ない質問でその場の雰囲気を和ませていた。
 

◆公式サイト
 
姫くり(オフィシャルブログ)
http://ameblo.jp/himekuri87/
 
The Alice Mauve
http://the-alice-mauve.illust.jp/
 
黒死蝶
http://beauty.geocities.jp/blackbutterfly_roselily/koku4.html

 

2.LA★69
 

 
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昨年アルバムをリリースし、大きな話題を呼んでいるLA★69。メンバーはMark(Vocal)、Jack 69 Hyuga(Guitar)、Kazuki(Bass)、キャプテン★いえっち(Drum)。L.A.メタルに燃えた日本人の心を今に伝えるエバンジェリストだ。ベースの音、ギターの音、ドラムの音、ヴォーカルのヴォイス、パフォーマンスの一つにまで強い拘りを見せる彼ら。Markが叫ぶ。「行くぞ吉祥寺!We are LA★69!!」激しいアクションを見せるメンバーの中でも、しっかりとフロアを見つめるMark。彼らのさりげない仕草の一つ一つにゾクゾクする魅力を感じ、フロアの女の子達はノックアウトされる。そのパフォーマンスは、メンバーとの息を合わせることで更に強い魅力を放っていく。まるで雑誌のグラビアに写る画像のような、衝撃的な画が、コマ撮り画像の様に続いて写される魅力的なステージ。「さっきまで寒かったけど、今会う伊是!熱ければ熱いほど万年平男さんが元気になっていくからよ!思いっきりぶっ飛ばしていこうぜ!!」その言葉どおり、体を動かさずに入られない彼らの魅力に押されて、暑いステージが最後まで続いた。自分達の魅力を頑なに守り続ける、迷いなくロックする姿は、万年平男のお墨付きだ。
 
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◆公式サイト
http://la-69.com/
◆セットリスト:
M01. STAND UP AND SHOUT
M02. BABY THE LUCKY STAR
M03. GENERATION ROCK STAR
M04. WE ARE , YOU ARE SPECIAL “ONE”
M05. R&R with I Love You
M06. Julia

 

【告知タイム2】
 
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またここで告知タイム。登場した姫くりの二人は、改めて名刺代わりの持ち芸として、某テレビ番組で披露した「バンクーバーオリンピックで銀メダルを取った妹、浅田真央と番組で対面し、自分のことのように喜ぶ姉、浅田舞」を披露。ブースの傍にいた一人の女性を相手にいきなり渾身の芸を繰り出す彼女、その様子に、いきなり絡まれた女性は事態が把握できずに大困惑。その女性はなんと、後の告知に登場する予定のRie a.k.a Suzakuだった。突然の出来事が、場内に大爆笑を誘う。
ここで登場したのは、新進気鋭のガールズ・バンドRe:MAKER。まだバンドとしての活動は始まったばかりだが、メンバーそれぞれにガールズながらもハイテクニックを身上とするだけに、期待はかなり大きい。続いて登場したのは、VAMPIRE PREDGEのギタリスト、ツカーサと、どうバンドのメンバーであり、先程PINKISH CROWNでもベースをプレイしていたAmi。ユーモアたっぷりのヴァンパイア、ツカーサの楽しいトークが、会場を更に暖かく盛り上げる。
 

◆公式サイト
 
Re:MAKER
http://www.re-maker.asia/
 
VAMPIRE PREDGE
http://vampire-pledge.vivian.jp/

 

3.VELVET★CHERRY
 

 
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SEなしでいきなり登場する4人、VELVET★CHERRY。メンバーはAkane(Vocal)、☆Shinichi☆(Guitar)、Maki(Support Bass)、Isamu(Support Drum)。その潔さには、彼らのプレイに対する自身すら伺える。Akaneの抜群の歌唱力を生かした、☆Shinichi☆の手掛けた楽曲は魅力いっぱい、更に彼女得意の節回しは、楽曲からVELVET★CHERRYならではという個性を放ち続けている。その相棒ともいうべき☆Shinichi☆のギターも、ストレートでオーソドックスながらツボを良く押さえたプレイと、スマートでセクシーなルックスで、バンド自体の魅力をより印象的に見せていく。更に迫力十分なサポートのIsamuMakiのリズムセクションは、グっと楽曲を盛り上げる。ラストに向かうに従い、大きな盛り上がりと迫力を見せるステージ。自分達の音に絶対的な自信を持っているだけに、よりその持ち味を生かしていけば、更なる躍進が期待できる。その活躍を万年平男も大いに期待している。
 
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◆公式サイト
http://www.velvetcherry.com/
◆セットリスト:
M01. Dolly
M02. faraway
M03. Sad
M04. Hate
M05. Gypsy blood
M06. Black crow
M07. 絆

 

【告知タイム3】
 
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遂に最後の告知タイム。先程の持ち芸披露でのハプニングをお互いに再認識し改めて親交を深めた、Rie a.k.a Suzaku姫くり達。そのアーティスト名の由来からリリースタイトルの紹介、そして告知とヴォリューム満載。既にその筋では大きな注目を集めているギタリストだけに、こちらも用注目だ。更に現在、彼女のバンドで活躍しているのが、先程VELVET★CHERRYでドラムをプレイしていたIsamuと、今回のイベントの深さを感じる。最後に登場したのは、メジャーで活躍しているEIZO Japanのスタッフ。こちらは親交のあるLA★69のドラマー、いえっちのサポートにて、ユニークな告知を披露。「さかもとえいぞうさんは、日本の誇る最高のヘヴィ・メタル・ヴォーカリストです!」と、いえっちが絶賛。その賞賛に、スタッフとの紹介は更に会場を暖め、クライマックスに向けて、会場内に楽しい雰囲気を盛り上げる。
 

◆公式サイト
 
Rie a.k.a Suzaku
http://www.poppin.jp/rie_web/
 
EIZO Japan
http://eizojapan.com/

 

4.MISSILES
 

 
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そして、この日のトリを務めるMISSILES。メンバーはTakaichi(Guitar, Vocal)、Honey’Lamia’ Cool(Bass)、MOH-CHAN(Drum)。開始から抜群のドライブ感で爆走という感じだ。先発のLA★69が派手さと華やかさで勝負する「陽」ならば、さしずめこちらは「陰」、バッドボーイズ的なカッコよさを撒き散らし、カミソリのような危険性で勝負だ。音圧抜群、ワイルドに襲い掛かってくるベースとギター、そしてほくそ笑むようなTakaichiのクレイジーなヴォーカル。3ピースという、薄くなりがちな音構成のハンデなど全く感じさせない構成が見事、バランスも、音の厚さも抜群だ。とにかくギターを弾きまくるのみのTakaichi。それで音痩せしないのも魅力だ。そして、まるでジャズのインタープレイのようにお互いのプレイを補完しあっているのが驚異的であり、これぞ彼らの魅力でもある。そこには、表からはわからないメンバー間にある信頼感の強さを伺える。そしてクライマックスでは、代表曲でもある「一人一殺」では、最大の見せ場でもある、Takaichiの刀の抜き場、そして刀を口にくわえたままのアグレッシブなギターソロと見せることにも手抜かりはない。殺気すら感じさせるステージだ。
 
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◆公式サイト
http://www.missiles.jp/
◆セットリスト:
M01. FREEZE FREEZE FREEZE
M02. ギター横須賀サンダー
M03. DEAD CITY CHAIN~ギターソロ
M04. レッド・ギャラクシー・バーン
M05. LOOSE~ドラムソロ
M06. 一人一殺
M07. ROCK’N’ROLL 震度7
M08. 彗星 GO
~アンコール
M09.No Fun

 
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3)イベント終了、打ち上げ
 
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かくして、イベントは大盛況のうちに終了した。会場入りからリハーサルと、忙しなく、また若干の緊張すら見せていたアーティスト、スタッフ達は、打って変わって和やかな雰囲気で打ち上げに入る。そこには、単に演奏を前にした緊張感が解けたというだけではない、「イベントを一緒に成功させた」ということで新しく芽生えたつながりのような様子が垣間見られる。これこそ実は、万年平男の求めていたイベント開催の趣旨ではないだろうか。彼のこのイベントに対する思いを、改めてこの日を振り返りながら語ってもらった。
 

万年平男 インタビュー
 

—:イベントを終えてどんな気分ですか?
万年:もう感無量ですね。始まる前は胃がキリキリしましたが(笑)それに改めて思ったんですが、本当に良いバンドばっかりなんで、写したくなくてとりあえず聴いていたい、なんて思ったりもしてました(笑)ライブ自体がどれもすごく良かったし、協力してくれた人もたくさんいて、本当に良かったです。
 
—:今回どのようにバンドを選んで出演依頼されたのでしょうか?
万年:前回は、女性ボーカルをテーマとして思っていましたが、今回はもう特に何も考えずに、“これがいい!”っていうのをパッと声を掛けていきました。偉そうな言い方かもしれませんが、何か自分の気に入ったバンドが、自分のイベントで何か得られるものを得て、実力を付けていってもらえる、そういうイベントになればいいな、って思ってるんです。
 
—:このイベントで目指すところとは?
万年:もっと、あらゆる意味で敷居のないイベントになればいいな、って思います。例えばバンドを呼ぶと、やっぱりどうしてもまずはそのバンドをご贔屓にするファンがメインのお客さんとして固まってしまう傾向があるじゃないですか?そういう敷居を取り払って、何かそんなどこかお目当てのバンドはもちろん、このイベントに来た全てのバンドを楽しんでもらえるイベントにしたいと思っています。今回は転換の時間にコメディアンコンビ「姫くり」に出演を依頼し、司会をやってもらったのは、実はそういうことも含めたアイデアなんです。これでほかのファンの方も楽しめるし、告知のために出演バンド以外のバンドもつながったりと、出演側、観覧側、その他大勢が相互につながる関係って、こういうイベントならではできることで、とても意味のあることだと思うんですよね。そういうイベントを長く続けていければと思っています。

 
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このイベントについて感じることは、本当に「単なる対バン・イベント」ということではなく、一つのロック・イベントとして成立させようとする姿勢が強く見られることだ。アーティスト達が個々の力でその活動範囲を広げていくことはなかなか難しいのが実情ではあるが、このイベントでよく見られたアーティスト同士のつながりや様々な工夫を凝らすことで、単に細切れの対バンとはまた違う、ワンランク上のイベントを目指すことも出来る。その中核をなす万年平男の、アーティストに掛ける愛情、そしてアーティストが万年平男に向ける愛情こそが、このイベントの意義を作り上げていると言っても過言ではない。「何かを起こすのは自分だ」という勇気や意義、そして喜びを、この場は与えてくれているようにも見える。それは、この彼の画像からも滲み出ている。そんな今後の万年ナイト、そして万年平男自身を、引き続き注目していきたい。

【激撮!万年ナイト~Virgin Night!~】
第一回の模様もレポート!以下をクリック!

http://www.beeast69.com/gig/224