特集

TEXT:桂伸也

本誌BEEASTが自信を持ってプッシュする太鼓判アーティストの特集!第20弾は、驚異的な演奏テクニックと奇抜かつ完成されたパフォーマンスでガールズバンドシーンの中でも高い評価を得ているGacharic Spinをお届けします!
 
すでに『密着レポート第9弾 Gacharic Spin 「Superガチャピ~ンチ!! ~サポートボーカル大集合~」』にてBEEASTでもライブレポートをお届けしている彼女ら。2006年の結成から、すでに大きな注目を集めるようになっている現在を比較すれば、太鼓判アーティストとしては遅過ぎると思われるかもしれません。しかし、前述のライブで乗り越えた昨年のバンド危機以降も新たな活動への意欲を忘れず、この3月にリリースされたフルアルバムとともに、鉄壁の4人構成に2名のパフォーマーを加えた6人体制での新たな活動再開宣言を行いました。そこで新たな活動への第一歩を踏み出そうとしている彼女らに対し、自信を持って太鼓判を押そうという結論に至りました。
 
すでに4人でのステージによる完成度は、何度かのステージで実証済みであり、新体制での構成はそれ以上のパフォーマンスを目指すという向きもあり、大きな期待が寄せられるGacharic Spin。今回はメンバーの4人に現体制となった経緯からその構成とともに自身のアーティストとしての活動に対する思いや、今後への希望を、リリースされたフルアルバムについてのエピソードとあわせて語ってもらいました。
 

 

Gacharic Spin
 
2009年結成。昨年3月にVocalが脱退し、オレオレオナが加入。FチョッパーKOGA(以下、チョッパー:Bass)、はな(Drums& Vocal)、オレオレオナ(以下、オレオ:Keyboards& Vocal)、TOMO-ZO(Guitar)からなる超攻撃的・ド派手な最強ガールズバンド!
 
教則DVDのリリースやAKB48が2012年2月15日に発売した25枚目のシングル「GIVE ME FIVE!」でバンド形式の楽曲披露をすることになったメンバーのために、FチョッパーKOGATOMO-ZOはなの3人が楽器演奏とパフォーマンスを指導するなど、プレイヤー個々としても活発な活動を見せている。急なVocal脱退のため、2012年2月から行われた『Superガチャピ~ンチ!!』ツアーでは、これまで競演経験のあるバンドのヴォーカリストや、メンバーと交友関係のあったアーティストをゲストボーカルに迎えてのライブとなった。また、2012年3月前年の東名阪ツアーや『Superガチャピ~ンチ!!』ツアーに、サポートメンバーとして参加していたボーカル&キーボードのオレオが正式にメンバーとなり、現在の4人構成となった。さらには前述の『Superガチャピ~ンチ!!』ツアーでサポート行ったヴォーカリストの一人である、LIGHTBRLINGERFukiとともにDOLL$BOXXを結成するなど様々な困難を乗り越えながら新たな活動の方向を模索。そして2013年3月に初となるフルアルバム『Delicious』のリリースとともに新たな体制での活動を再開することとなった。

 
hana
 

1.パフォーマンスは絶対!それを武器に、歩みを止めず突き進んでいきます!!

 

Gacharic Spinが2013年スタイルとして再始動となった経緯と、どのようなポリシーで今後活動が進んでいくかをお聞きかせいただければと思います。昨年後半にはDOLL$BOXX等いろんな活動を行われていましたが、そのあわただしい中で「ではとりあえず2013年はこのスタイルで行く」と決まったのはいつごろだったのでしょうか?

 
オレオ:DOLL$BOXXをやっていたときにはもう決まってたんじゃないかな?
 
チョッパー:そうですね。冬に入ってくらいのときだったと思います。
 

—このスタイルに落ち着こうとなった経緯はどのような感じだったのでしょうか?

 
チョッパー:昨年7月のツアー追加公演後よりヴォーカリストを探していましたが、今バンドでやっている、はなとオレオが歌うツインヴォーカルスタイルを超えるインパクトのあるヴォーカリストにはまだ出会えてなくて。やっぱり後からこのポジションに入るっていうことは、今以上の人材がいないと意味が無いので、「だったらまずはこのままのスタイルで行ったほうがいいんじゃないか?」ということになりました。そこからさらに、何かを入れたら新しいものになるか?自分たちを表現できるかという話になって、「ではパフォーマーを入れよう!」っていうことになりました。今はセンターがいないし、みんな演奏しているので両手を使えないし。
 

—パフォーマーとは、どんな役割の人物なのでしょうか?

 
チョッパー:基本的にはダンサーズなのですが、ダンスだけではないのでそう呼んでいます。Gacharic Spinって一人で何役もやるバンドですから。たとえばDOLL$BOXXはクールでカッコイイっていうイメージだけど、それと正反対でGacharic Spinはもっとエンターテイナーに徹して音楽やバンドといったカテゴライズをするのではなく、とにかく楽しめるステージを作っていこう、という風に変化していきました。だから新しい音源に関してもパフォーマーが2人はいることによって「ここはダンスソロを入れることにしよう」とか、結構「2013年ヴァージョン」的スタイルを意識して作った部分はあります。
 

—では、やはりまずは続けていくことへの責任も大きかったのでしょうか?「新しいヴォーカルが見つかるまではやらない」という選択肢もあったのかと思ったのですが…

 
チョッパー:そうですね、基本的に足を止めようということは考えていませんでした。見つからないけど待ってくれているファンのためにも、自分たちのためにも動き出そう、って。だから何が何でも新しいヴォーカルが入るまで活動を止めようという思いは無かったですね。あと今回探すのもヴォーカリストに限っていなかったっていうのもありました、「ヴォーカルじゃない人を探すのもいいんじゃない?」って。歌える人間が2人いる、他のバンドにはいないじゃないですか?ドラムとキーボードがヴォーカリストって。
 

—パフォーマンス重視というポイントはやはり意志の中でも強い思いがあるのでしょうか?ライブでバーン!と出せるものが無いとダメだ、みたいな。

 
はな:ええ、それはもう絶対ですね。
 

Gacharic Spinのステージってとても派手で、プレイヤー当人の表情にも生き生きとした表情が見られますが、やっぱりそれはみなさんがステージ自体に大きな魅力を感じるからこそなのでしょうか?

 
オレオ:そうですね、とっても気持ちいい(笑)
 
チョッパー:ステージに立っているときには、何かステージを盛り上げようという感じよりは皆を眺めているというよりは、盛り上がっているステージに皆を巻き込んでいる、みたいな感じになりますね。
 
はな:私は眺めています、「苦しゅうない」って(笑)
 
チョッパー:それは景色を眺める位置もパートによって違うからじゃないかな?
 
はな:そうだね。でも人の表情なんかを見ていると感動的になるんですよ。普段は感動的ではないのですが(笑)
 

—パフォーマーの話ですが、この2名というのは固定メンバーですか?

 
チョッパー:そうですね、基本はこの二人です。でもまだまだ増殖するかも(笑)正式メンバーはあくまでこの4人だけど、ステージに上がったら同じ正式メンバーだと思っています。
 

—今回2013年スタイルでこのパフォーマーが入ると決めて、曲作りにも心がけたところはありますか?

 
オレオ:ありますね。たとえば間奏で踊ったらいいな、っていう感じを意識するようなところとか。
 
はな:あとは全体的なビート感。今まではわりとロックなマイナーキーでのビートが多かったけど、4つ打ちのダンスビート感が出やすい雰囲気をトラックの作り方で考えたり、BPMを早くし過ぎないとか、踊りやすいテンポを考えて工夫したりしていますね。
 
TOMO-ZO:それと結構明るいハッピーな曲も今回作りましたし(笑)
 
チョッパー:Gacharic Spinってステージが派手で楽しいっていうイメージが強いけど、音源は結構切ない感じも多くて音源だけ聴くのとステージを見るのでは結構イメージが違うと思われることがあります。でも今回はステージの雰囲気に近いと思います。スゴくコミカルな曲もあれば、ガツガツ激しく攻めるような曲もある、ハッピーな曲もある。フルアルバムがバンドにとって初めてということもあるけど、特に今回は振り幅が広いです。いろんなものを詰め込んでいる感じ。この間この6人体制で初ライブを行って、その中から新曲も2曲やったんですけど、初めて見た人もファンの方も、「ちゃんとGacharic Spinが確立されていた」っていうことを言っていただいたので凄くうれしかったですね。
 

—今の構成は、基本的にメインヴォーカルフリーという感じでしょうかね?アルバムでもはなさん、オレオさんとさらにTOMO-ZOさんまで曲によってメインが違いますが。

 
チョッパー:そうですね。ヴォーカルだけじゃなくてヴォーカル+ドラム、ヴォーカル+キーボードというスタイルですし。
 

—ちなみにチョッパーさんは歌われないのでしょうか?(笑)

 
はな:チョッパーは次回のフルアルバムに向けて大事にとってあります(笑)今からこう言っておいてハードルを上げておいて、次作ではぶち壊す!みたいな(笑)
 
チョッパー:最終兵器なので(笑)。まあそれはそれとして、極端なことをいえばそれくらいムチャクチャでもいいかな、と思っているんです。いつもファンの人をいい意味で期待を裏切っていきたいし。今回パフォーマーを入れたのも「そう来たか!」みたいなところを狙っていますし。ヴォーカルが脱退した後もヴォーカルを入れずにオレオが入ってきて、次にパフォーマーが入って。「ヴォーカル入れろよ!?」って感じもあるかもしれませんが(笑)
 

—すでに4人でのステージも経験されているのでそれほどでもないのかもしれませんが、4人で楽器、ヴォーカルというスタイルはプラスになっている面や課題が見えたりしませんか?曲によってはかなり派手なコーラスもあり、プレイの難易度は上がったのではないかという印象がありますが、普通に出来てしまうのでしょうか?

 
はな:やっぱり難しいは難しいです。より歌にもっと集中しようという意識はあるので。でもこれに挑戦したことでその分神経が増えた感じはあります。歌う神経、ドラムを叩く神経、そして周りの音を聴く神経。それらが行き届くバランスをもっと均等にしていかないといけないので。だからドラムはドラムで寝ながらでも叩けるくらいに練習しなきゃいけないし、歌も問題なく歌えるようになって、それで両方やれば完璧、そこまで持っていくことが目標ですね。今回アルバムが出来てうれしいっていうのもあるけど、今はいっぱい聴いて体に入れています。
 
チョッパー:あと歌じゃないですが、今まではセンターにヴォーカルがいるとあおりをまかせて、必然的に真ん中は「自分のポジションじゃないな」と思う傾向がありましたが、今は逆に「誰があおっても関係ないじゃん!みんなで!」って思うようになりました。
 
はな:皆がヴォーカリストっていう感じです。私の中ではそれを確立できたのは昨年のフランスツアーに出たとき。この4人でボーン!といきなりステージに投げ出されてGO!みたいな感じだったんですよ(笑)。だからライブをやってツアーを回りながら試行錯誤、「今度はこうしようよ」「ああしようよ」みたいなことを皆で話し合って作りながら進めていたんです。で、あるとき機材が無いところがあってマイクが一本しか無い、っていうようなところがあったんですけど(笑)、そのマイクを皆で使いあっていたんです。その様子をドラムから見て、「みんなヴォーカリストだな」って思いました。だから歌を歌っているのは私とオレオですけど、全員ヴォーカリスト並みに「前に前に」というのが波乱万丈の昨年でより確立されたと思っています。
 

—ではチョッパーさんもTOMO-ZOさんも、ヴォーカリストというかセンターがいなくても違和感が無いのでしょうか?

 
TOMO-ZO:そうですね。慣れちゃったかも。
 
チョッパー:まあそうは言ってもサポートヴォーカルのツアーもやったし、曲によってはオレオが前に来る曲もあるし。あとはなオレオはステージで後ろにいるとは言いつつも歌ってはいるので、それほど気にはならないというか。「センターにいないから何?」みたいな(笑)
 

—逆に誰か真ん中にいると「邪魔だなあ」と思われることはありませんか?(笑)

 
チョッパー:そういうことはありませんが(笑)、曲によっては、この交差をもっとしようとか、ここはもっと聴かせたいから定位置をしっかり守ろうとか、そういうフォーメーションを考えたりしています。そして今回パフォーマーが2人増えたから、ツアーで変化していきたい。会場によって縦に広かったり、横に広かったり。会場によって本来はここにセッティングできるものが「今日は無理じゃない?」みたいなこともありえるし、人数も増えて機材も増えて大変だし、とにかく臨機応変にしていかなければいけない。今は2人が入った場合のフォーメーションを考えていますが、それをツアー中に自然に出来るようになりたいと思っています。この4人はもうアイコンタクトで出来るんです。それが新しく2人が入ったことで新しいフォローをし合わなければいけないけど、それで前に出るパワーをさらに増幅していきたいと思っていますね。
 

—今回はアルバムでサポートとしてMETALLIC SPIN(※北欧のガールズへヴィメタルバンド。『【ピックアップ!】強烈な個性と怪しいキャラ!?METALLIC SPIN登場!』参照)のNoseさんが北欧から参加されていますが、今後定常的にサポートメンバーを入れようという考えはありますか?

 
はな:まあ今後は分かりませんが、今回はラップ初挑戦ということで、どのように取り組めばと私が考えに行き詰まっているときに自ら参加して背中を押してくれたという…
 
チョッパー:あの方も初挑戦だって言っていましたよ(笑)
 
はな:あら、そうだったの!?(笑)ではお互い初挑戦みたいな(笑)
 
チョッパー:(緊張していたから)足ガクガクしながら飛行機に乗って帰ったって(笑)
 
 

2.型にはまらずはみ出まくっていろんなことに挑戦していきたい!スタイルは確立していますが、常に挑戦です!!

 

—今回リリースされたフルアルバム『Delicious』について教えていただきたいのですが、このタイミングでフルアルバムのリリースというのは、やはり今回のリリース自体が一つの転機という思いもあるのでしょうか?今回はGacharic Spinとしては初のフルアルバム発表ということですが、やはりシングルやミニアルバムとも違って体制もしっかりとしてないとなかなか決断もできないと思うのですが、その意味で「足並みを止めたくない」という思いもありつつ、一方ではスタイルをある程度確立したという意志も表現しているのではないかと思いまして。

 
チョッパー:それはありますね。新しいスタイルというということもあるし、2012年にいろいろあった上でヴォーカルを入れないという形をとって、新しいスタートっていうところがある一方で、メンバーが増える増えない、っていうことは別として、今いるメンバーが替わるわけではないので、4人が発信するものは変わらないというか。新しくファンの方や応援してくれている人たちに提示するものにはなっていると思います。この4人で行くよ!って。昨年は「今からヴォーカルを探しま~す」って、結局出会えなかったけど、「この4人でやろう」「パフォーマーを入れよう」っていうスタイルを提示する作品として…
 
オレオ:今年は「これで行くぜ!」的なね。「みんな、ついてきてね!」っていう意味の一枚。一方でスタイルとしての基盤はもちろん確立していますが、新しいものに対しては常に挑戦していこうと思っています。
 
チョッパー:そういう意味でこのアルバムではオレオがアコーディオンに挑戦するなど、常に武器は取り入れていこうという向きはあります。
 

—なるほど。この『Delicious』っていうタイトルをつけた意図はどのようなものでしょうか?

 
チョッパー:まあいろんな案がありまして、「Gacha Mix」とか、「Gacha Trans」とか。でも、覚えてもらいやすいっていうのと、「ここにおいしい作品がいっぱい詰まっていますよ」という意味合いですね。全部おいしい!バラエティ感を強く出したかったというところですね。ゴチャゴチャ感は相変わらずジャケットからも感じてもらえると思いますが、ゴチャゴチャガチャガチャしてる。
 

—曲はこのアルバム用に起こしたものですか。いつくらいから曲作りを始めたんのでしょうか?

 
チョッパー:昨年の秋くらいだと思いますが、実は昨年立ち上げたDOLL$BOXXと制作期間がカブっていて、そのころGacharic Spin用に作った曲もありました。
 

—ではそのDOLL$BOXXが一段落して、ようやくリハーサルを始めたというところで?

 
チョッパー:そうですね。まあその時点で3曲はほぼ歌詞やアレンジもある程度できていたので、そこから「こういう曲が足りないよね?」とか「こうしたほうが」とかいったアイデアを入れて。だからみんなお正月はありませんでした(笑)。DOLL$BOXXも12/28までライブがあったので…
 
はな:29日からGacharic Spinモード(笑)
 

—それはハードスケジュールですね。曲ごとにはそれぞれコンセプト的なものがあると思いますが、アルバム全体を通して『Delicious』というキーワード以外に何か込めた思いやコンセプトは何かあるのでしょうか?

 
チョッパー:コンセプトというか、2013年スタイルのパフォーマーが入るということを意識している意味では一貫しています。
 
はな:音的にも絶対にダンス感を出すことは意識していますね。
 

—普段曲はどなたかが誰か主導で作られるのでしょうか?

 
はな:主導はなく、皆でアイデアを持ち寄って、曲の形にしていくやり方ですね。
 

—断片的なイメージから構築していくということでしょうか?

 
はな:そうですね。フレーズから作る場合もあります。それをまた他の人に客観的に見てもらって、練り直したりしています。
 
チョッパー:歌詞もそれぞれのアイデアを生かしてAは誰々、Bは誰々、みたいに。で、「あと3文字足りないんだけど!?何かない!?」みたいな(笑)
 

—では、わりと最初から完成形が存在するものは少ない?

 
チョッパー:少ないですね。
 
はな:曲が先に出来ることもあって、その場合は「こういうイメージの詞を作りたいよね」っていうイメージをあわせて、ドン!と詞を作ったりとかいう場合もあります。
 

—曲によって男っぽいというか、ドシン!と来るような感じはありますね。かと思えば9曲目の「メロメロファンタジー」は、もろに女の子らしいというか。アルバムの中でもかなりカラーの違う印象を受けました。

 
チョッパー:一人ひとりがいろんなカラーを持っているので、すごく切ない詞も書けますけど、攻める歌詞も書けます。ただ選ぶ文字や単語は違うので、お互いにあわせたときに面白くなったり、指摘しあえたりできるんです。「これはちょっと子供っぽ過ぎるんじゃない?」というものもあったり、私は1曲、演歌みたいな歌詞を書いちゃったり(笑)。それをいいバランスで客観的に読んで伝わりやすいようにすることを心がけています。4人とも読んで分かりやすいほうがいいわけじゃないですか?そういう意味で、みんなで曲も歌詞もバン!と作っています。
 

—曲ごとにイメージの違いもあるので、たとえば曲ごとに詞の担当がいて「この人が書くとこんなイメージの曲になる」という傾向があるのかと思いました。でも詞についてもみんな分担されているということなんですよね?作り方がとてもユニークだと思います。

 
チョッパー:そういう意味で1曲1曲しっかり読んでもらえると楽しいよね?これだけ歌詞も曲も振り幅があると人それぞれ曲に対しての好みっていうのもあるし、それがどんなジャンルが好きな人が聴いてもらっても楽しいんじゃないかって。あとファミリーで応援してくださる方もいるんですけど、こんなちっちゃい子がなんでGacharic Spinの曲を好きになってくれるのかって思うことがあるんだけど、そこに答えがあるんじゃないか?って。ちっちゃい子が分かる歌詞もあれば、お母さんが気に入る歌詞も、お父さんが見てもグッとくる。そんな風に聴いてもらえるっていうところから、Gacharic Spinを応援していただける方って層が広いと思うんです。
 

ここでGacharic Spinのメンバーに、フルアルバム『Delicious』の曲を解説してもらった。
 
1.NEXT STAGE
 
チョッパー:タイトルどおり、自分たちがパワーアップして次のステージへ行くぜ!みたいな。そういう意味で自分たちの意思というか、思いを1曲目に持ってきました。やっぱり今までどおり激しい自分たちと、ピコピコとした感じの攻め具合というか。それを一番提示できる曲だと思って一番頭のナンバーとしました。「2013年スタイルは、私たちはこれだ!」という扉を開けた感じですね。
 
2.爆弾娘(ボンバーガール)
 
チョッパー:これも攻める曲。あとパフォーマーがすぐ覚えられるキャッチーな振りをつけてて。ライブで激しい曲って、中ではノるのが難しくて、ノり遅れちゃうときもあるけど、そういう意味ではみんなと一緒にビート感を楽しめる曲になっていますね。
 
3.今を生きてる ~2013年 春~
 
チョッパー:メッセージ性の強い曲ですね。歌詞のとおりだけど人が誕生してとても長い歴史がある中で、今生きている人って同じタイミングで生まれて育ってきたわけじゃないですか?それってすごい確率じゃない?しかもこうして出会って目を見て話を聞いたりする確率ってすごい数だなっていうことを書いてみたんです。だから、いろんな年代の人に響く曲じゃないかと思います。生きているのはおじいちゃんもちっちゃい子供も一緒だから。日々生きている中での葛藤や迷いはあるけど、こうして一緒に生きてくれていてありがとうっていう感謝というか。迷いもありながらも生きているよね?その中で一緒に生きていられることがうれしいんだっていうメッセージがあります。
 
4.My Bird
 

—ワルツのリズムですが、Gacharic Spinの楽曲でワルツって今までは無かったですよね?

はな:そうですね、このリズムは初めてですね。
チョッパー:そしてこの曲で、オレオがアコーディオンに初挑戦!
オレオ:泣きながら初挑戦!(笑)アコーディオンってキーボードの人はみんなできると思われるかもしれないけど、全然違うんですよ。普段弾いているキーボードからすると勝手が…もうすごく大変だし、音が一定に鳴らなくて、「こういう風に弾きたい」って思っても全然そうならなくて。それで、皆に泣きついて…皆に言ってもしょうがなかったんですが(笑)、でもその状況で頑張りました!
チョッパー:これはライブでもそのまま表現したいと思っているので、アコーディオンはステージ上に持ってくる予定です。今まではショルダーキーボードを回していたけど、今度はアコーディオンを(笑)
オレオ:回んないからね、どうやっても!(笑)
 
5.GS★PLANET
 

—メジャーキーの楽曲ですが、Gacharic Spinの楽曲って意外にメジャーキーの楽曲は少ないですよね?だから特にこのアルバムでもワンポイントになっていますね。

はな&チョッパー:そうなんですよ!(笑)
チョッパー:だからフルアルバムではその曲を増やしたいという思いがあって、そのキーポイントになる曲です。2013年スタイルでパフォーマーが入ったことによって、明るい華やかなイメージを作り出す、それを表したのが「GS★PLANET」なんです。「Gacharic Spinの世界にようこそ!」っていう感じ。ジャケットもそんな感じなんですが、ライブをとても意識したんです。「私たちに会いに来てくれたお客さんみんなで特別な空間を作ろう!」というような。Gacharic Spinのライブに来るときも、終わって帰るときに聴いても楽しいんじゃないかな?来るときにはこの曲でテンションを上げて、帰るときには「楽しかったな~」って、余韻に浸ってもらう感じで。
 
6.Never say never
 

—一転してハードロックっぽい曲ですね。ベースがかなりバキバキに弾き倒していて、腕の見せ所。頭にラップを入れて、派手な感じもしますね。

チョッパー:Gacharic Spinのそんなハードなところが出ているところだと思います。
TOMO-ZO:今回はA,B,C、サビと展開を多く作ることを考えたんです、ガチャガチャ感を出すというところで。でもそれを纏めることですごく聴けるものというところを意識しました。サビは結構メロディアスで聴きやすくすることを考えたんですよ。
チョッパー:Gacharic Spinってゴチャゴチャしているけど、とてもキャッチーだという印象もあるんです、今回はよりそれが1曲ごとに出ていると思います。この曲はかなり激しくてみんなプレイもいっぱいいっぱいだけど(笑)、メロディや歌詞は、やっぱりキャッチー。
はな:ミックスでギターやベースはサオ(マイク)を振っていて、本来あるべき位置とは違うところに当てはめているんです。だからそういうところも注意して聴いてもらうときっと面白いと思います。
 
7.perception
 
はな:「ものの見方」とか、「人それぞれの価値観」という意味ですね。

—その意味にあわせて、詞の内容も何か哲学的なものとなっているのでしょうか?

はな:まあ、そんな頭脳も持ちあわせたGacharic Spinというところで(笑)。あと、この曲は本来のテンポよりちょっと下げて、より踊れる、心地よくノれる感じにしたんです。

—ビートがちょっと重たい感じですよね。あとギターも結構弾きまくっていますね。

TOMO-ZO:弾きまくっちゃいましたね(笑)
はな:ソロのチョーキングの位置がちょっとずつずれていくあの感じが私は好き。
TOMO-ZO:ありがとうございます!(笑)
 
8.好きな人、だけど…
 

—アルバムの中でも少ない部類に入るバラードですよね。

チョッパー:あと私たちこれでも女の子なので(笑)、歌詞や雰囲気に、女の子がキュンとするような感じを意識しています。Gacharic Spinの女子の部分を見せました。

—ゲストの北欧の方の(笑)ラップも雰囲気を出していますね。

はな:ゲストの方も女性なんですよ(笑)。ギャルバンですよね、METALLIC SPINって。
チョッパー:男性側の歌詞、女性側の歌詞という雰囲気を両方入れてみたのは初めてで、こういう入れ方も今まで私たちが作ってきた曲の雰囲気ともまた違いますし。新しい挑戦ですね。

—これもなかなかギターが聴かせていますが、泣きが入っているというか渋いギターですよね。

チョッパー:本当に。ソロだけ聴くとめっちゃオッサンです(笑)
 
9.メロメロファンタジー
 

TOMO-ZOさん初のリードヴォーカルですね。

チョッパー:渋い50歳前くらいのギターの後に、永遠の14歳のヴォーカルが入る!と。野太いんですけどね(笑)
TOMO-ZO:やっぱりカワイイ担当なので、カワイらしさを出してみました(笑)
はな:私もレコーディングに立ち会いましたが、結構辛そうでしたよ(笑)
TOMO-ZO:普段あまりしゃべらないんですよ。だから、一番を歌ったら結構のどがかすれちゃいまして(笑)

—歌詞でちょっと気になったのは、「私のこと女の子として見てくれているのかな」という女の子の微妙な恋心的歌詞。他の曲では無い雰囲気ですよね。

チョッパー:でも確かにGacharic Spinの曲として「メロメロファンタジー」だけを聴いてもらったら、大分イメージが変わるかもね(笑)。あくまでもアルバムの1曲として聴いてもらえれば。
TOMO-ZO:CDショップでこれだけかかったら怖いですね(笑)。でも、はなちゃんとオレオに負けないくらいのクオリティで歌っているので(笑)。曲調も初のファンキーな感じ。
チョッパー:これ、難しいんですよベースが!こんなにハッピーな曲なのに。ライブ中はハッピーにできない(笑)曲調はとてもチャーミングな感じですけど、一人ひとりの演奏はかなりハードルが高くて難しいんです。でも、楽器をプレイされている人には面白さを感じられると思いますね。

 

 

—ラストナンバーは通常盤と会場限定販売盤で違う曲が収録されていますね。通常盤はシングルでリリースされた「Lock On!!」が現メンバーでのヴァージョンで入っているという。

 
チョッパー:やっぱり「Lock On!!」はGacharic Spinのテーマ曲ともいえる曲だし、ライブでも絶対にやっていますので。Gacharic Spinの自己紹介的なナンバーなので、新たな2013年スタイルではなオレオのスタイルで入れたいというのもあって。今までのファンの方にはうれしいと思ってもらいたいし、新しくGacharic Spinを知っていただく方にもアプローチできると思い、これを選びました。
 

—会場限定販売盤は「Ben-Jan-Dan」ですね。

 
チョッパー:もともと雰囲気があって面白い曲なんですが、今回はさらにパワーアップして面白い感じにしたので、絶対にライブ会場でゲットしないと、人生後悔しますよ!(笑)、あんな歌声は聴けないですから(笑)。最後に入っている曲というのは、ボーナストラックではないのですが、ボーナストラック的に2013年スタイルとして入れているので、是非両方盤とも聴いていただきたいと思います。
 

—PVとしても「NEXT STAGE」と「今を生きてる」の2曲を出される予定ですね。

 
チョッパー:そうですね。両楽曲ともに全く違う感じの曲なので、ここからGacharic Spinの振り幅はここですよ!みたいなところを提示したPVになっていると思います。そんな動いている自分たちを見てもらって、好きになってもらいたいと思いますので、PVもいいけど、是非ライブに会いに来ていただきたい!
 

—ライブツアーが3/10~7/15とのことですが、これもかなりハードそうですね。

 
はな:そうですね。5か月間で週2~3本だから約40本!
 
チョッパー:久しぶりの全国ツアーなので本当に楽しみです!やっぱり「また動き出したよ!」っていうことを全国の方に見せていきたいし。7/15は渋谷のO-EASTでのワンマンなのですが、これも新たな挑戦というか。
 

—渋谷O-EASTはワンマンだとGacharic Spinでは過去最大の会場ですかね。

 
チョッパー:そうですね。結構昨年ヴォーカルが脱退して「大丈夫?」とか「Gacharic Spinってどうなるの?」みたいなことを言われたことがありました。それをよりパワーに変えて「ここまで来たんだぞ」というところを見せたいと思って。無茶な挑戦をしていくこのバンドの(笑)、今年一番の挑戦になるポイントかなって。でも、それには全国でいいライブを届けることの積み重ねで成功するものだと思うので、一歩一歩のライブを頑張っていきたいと思います。
 

—たとえば今回の体制でのライブで何か企てているところはありますか?

 
チョッパー:やっぱり「手が使える」パフォーマーを入れているので、それを生かしたものはいろいろ考えています。ライブごとに違うことをやろうと考えていますので、是非一本でも多く見ていただければと思います。あとはTOMO-ZOの「メロメロファンタジー」をどこの場所でやるか(笑)
 
TOMO-ZO:レアな場所でね。大事なところで。
 

—楽しみですね!では、今年前半はGacharic Spinに全力投球ということですね。昨年は後半にDOLL$BOXXの始動や映画出演などありましたが、今年はいかがでしょう?

 
チョッパー:そうですね、やっぱりGacharic Spinはバンドの枠にはまらないバンドなので。女優もやるし、お笑いもやるし(笑)。何でもやりますよ!でもそのときに何をやるかは分からない、常に今を生きていますから。
 

—では、最後に今後、自分が「こうなっていきたい」という希望を込めた一言をいただければと思います。

 
TOMO-ZO:今年ダンサーズが2人入るということで、(永遠の14歳の私としては)お姉さんが2人入るのですが(笑)、お姉さんに負けないようにフレッシュさを笑顔で可愛く頑張っていきたいと思います!
 
はな:最近思ったんですけど、服の長袖に対して半袖ってあるじゃないですか?それって普通に考えると半袖ってたとえば腕のこの辺(肘のあたり)ですよね?でも実際にはこの辺(上腕部)ですよね。なんでこれが半袖なのかな?っていう疑問があるんですけど、私は(そんなこと関係なく)今年も春夏秋冬タンクトップで外を歩けるような強さを持っていきたいと思います!!(笑)
 
オレオ:オレオ様は、2012年セクシーデビューしてから、今後さらにセクシーに、世界が誇るセクシーバンドに…セクシーなキーボーディストとして、バンド界の「峰不二子」(※漫画『ルパン三世』に登場するセクシーキャラ)として頑張っていければと思います!
 
チョッパー:全国のツアーに回って、会場中がいろんなお客さんでいっぱいになる景色を見たいと思っています。ガチャマンもガチャピン子も、ガチャキッズも、ガチャファミリーも、ファンの人同士も仲良くしてもらって、Gacharic Spinという規模を大きくしてもらいたい。何か自分たちが大きくするんじゃなくて、みんなで一緒にデッカくしてもらいたいと思っているので、これからも型にはまらずはみ出まくっていろんなことに挑戦していきたいです!
 
hana
 
彼女らには、パフォーマンスに対する強い探求心があることはインタビューでも語られているとおり。しかし意外にも数あるロックバンドの中で、アーティスティックなポリシーとしてパフォーマンスを重視しているというバンドは少ないのではないでしょうか?より良い音楽を追求することは当然必要なことではありますが、彼女らの追求するものはその目標を一歩先に進めたもの、音だけではなく、それが最終的にどのような形で見られ、聴かれるかというところにポイントが置かれています。それは、自身が作るものの可能性を広げたと見ることもできるでしょう。今回、彼女らがバンドとして活動を再開するにあたり、「2013年スタイル」というテンポラリな体制でのスタートを宣言したものの、そのサウンドや、語り口から読み取られるステージの模様などには、どちらかというと完成された、確立されたイメージを感じ取りました。まさに彼女らの本当のスタートは、ここからであるといってもいいのではないかと思われます。
 
その高いレベルのパフォーマンスを表現するための強い向上心と忍耐力は、彼女らがアーティストとして成長していくための大きな武器でもありますが、そんなことを感じさせない明るさがその語り口は常に感じられたのが印象的でした。ガールズというくくりで見れば、恐らく彼女らほどにライブの数をこなしているアーティストはいないでしょう。音の魅力、見た目の魅力、そして意志の強さ。「ガールズ最強」の呼び名も高いGacharic Spin。攻めの姿勢を崩さない意志の強さと、より楽しいステージを目指す飽くなき探究心は、進化を遂げながら今後もさらに驚くようなステージを見せ続けてくれるに違いありません。是非、そのステージの素晴らしさを一度その目で確かめていただきたい!
 

Gacahric Spin 1st Full Album『Delicious』
発売日:
2013年3月6日
(通常版)
POCS-1080/3,000円(税込)
全10 曲入
収録曲:
M01. NEXT STAGE
M02. 爆弾娘(ボンバーガール)
M03. 今を生きてる ~2013年 春~
M04. My bird
M05. GS★PLANET
M06. Never say never
M07. perception
M08. 好きな人、だけど…
feat.NoseMETALLIC SPIN
M09. メロメロファンタジー
M10. Lock On!!-2013-

 

◆オフィシャルサイト
http://gacharicspin.com/
 
◆ライブ情報
Gacharic Spinレコ発”Delicious”ツアー
2013年03月10日(日) 【新 潟】 LOTS
2013年03月15日(金) 【東 京】 町田 The Play House(祝!!Delicious発売記念!!Gacharic Spinトーク&LIVE)
2013年03月31日(日) 【東 京】 八王子ヨーロービル
2013年04月05日(金) 【神奈川】 厚木サンダースネイク
2013年04月07日(日) 【千 葉】 柏PALOOZA
2013年04月12日(金) 【大 阪】 FANJ twice
2013年04月19日(金) 【愛 知】 名古屋ell.FITS ALL
2013年04月21日(日) 【徳 島】 GRIND HOUSE
2013年05月11日(土) 【長 野】 LIVE HOUSE J
2013年05月12日(日) 【福 井】 CHOP
2013年05月18日(土) 【栃 木】 HEAVEN’S ROCK 宇都宮 VJ-2
2013年05月19日(日) 【茨 城】 水戸LIGHT HOUSE
2013年07月15日(日) 【東 京】 渋谷O-EAST

 

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