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TEXT:羽月えり PHOTO:岩崎優

昨年で5年目となり、今ではすっかり毎年秋の恒例となったVAMPS主宰のハロウィンライヴ「HALLOWEEN PARTY 2012」の東京公演が千葉・幕張メッセで行われた。昨年はHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAも結成され、10月には豪華な共演アーティストとその本格的な仮装で話題を集めたハロウィンソング「HALLOWEEN PARTY」がリリースされた。年々進化していくHALLOWEEN PARTYの3日間の模様をたっぷりとお届けしたい。
 
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~3日目~  2012.10.28(Sun.)

 
Photoついに「HALLOWEEN PARTY 2012」の最終公演。2日目に引き続き1万7500人のファンが全国から駆けつけた。最終日を飾るのはBREAKERZMAN WITH A MISSIONAcid Black CherryVAMPSの4組だ。さすがに最終日とあって、スタート前の会場からは今まで以上に観客の熱い興奮が伝わってくる。またも開演前には大山のぶ代によるジャックオランタンの声が響き、会場も大爆笑!
 
爆発音と共にBREAKERZがスタート。この日は「HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA」の「HALLOWEEN PARTY」のPVの衣装で登場だ。「灼熱」で一気に会場を盛り上げる。全身包帯のミイラ男に扮したDAIGO(Vocal)は「(神戸公演と合わせて)5か所全部出演させていただきました。ミイラになるまで神(=HYDE)に一生ついていきます!」と観客の前で高らかに宣言。「REAL LOVE 2010」では途中血まみれの花嫁姿のAKIHIDE(Guitar)と熱くキスを交わすと客席からは悲鳴のような歓声があがる。
BREAKERZの中でもかなり激しい曲です、頭振れ~!」と最後の曲「DESTROY CRASHER」がスタートすると観客は答えるようにヘドバンを始める。一気に駆け抜けて最後は「HALLOWEEN PARTY、最高うぃっしゅ」と全員に決めさせ、ステージを後にした。
 
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続いて登場したのは頭がオオカミ、身体が人間というミステリアスなバンドMAN WITH A MISSIONだ。ワイルド芸人・スギちゃんやスーパーマンの仮装をしているオオカミもいる。軽快でキレの良い「DANCE EVERYBODY」から畳みかけるようにアップテンポのロックナンバーを披露し一気に観客を魅了する。「人間ノミナサマ、楽シンデマスカ?」と始まった曲はNIRVANAの「Smell’s Like Teen Spirit」のカヴァー!ラップを被せており、かなりカッコ良くアレンジされている。続く「FLY AGAIN」も骨太なロックでアップテンポでありながら楽器隊の音が安定しており曲全体が引き締まる。「ワレワレハ皆サマト姿カタチガ違ウノデ、誤解サレルコトモ多ク、毎日ガハロウィンノヨウナノデスガ」とユーモアたっぷりに語り、最後はハロウィンにピッタリな「Trick or Treat」を披露した。見た目のインパクトに加え、演奏の上手さと楽曲のクオリティの高さは観客に強烈なインパクトを与えた。
 
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続くAcid Black Cherryは前日のように馬車で登場。まずは花道へ到着し、メインステージの洋館の奥へと姿を消すメンバーたち。一曲目の「ジグソー」のイントロが流れると「HALLOWEEN PARTY」のPVで披露している身体を左右に引き裂かれた右が醜いガイコツ男、左が美しいタキシードの男性のガイコツ伯爵に扮したyasu(Vocal)が現れ妖しい雰囲気を漂わせながら歌いあげた。
Photo「ピストル」「楽園」と次々に披露し、キレのよさをロックナンバーでこれでもかと見せつける。会場の至る所で激しいヘドバンが見られ観客の興奮が伝わってくる。続く「チェリーチェリー」はキュートなサウンドをyasuが可愛く歌いながら「アキ様!」とAKIHIDE(Guitar)に振りワンフレーズ歌わせてキス!たまらずファンからは黄色い嬌声があがる。ラスト曲「SPELL MAGIC」では激しい楽曲に合わせて皆ヘドバンを繰り返す。真っ赤な照明に照らされて頭を振りまくる姿は圧巻だ。Acid Black Cherryは多様な楽曲でファンの心を掴み楽しませる素晴らしいライヴパフォーマンスを見せてくれた。
 
そしていよいよVAMPSの出番だ。前日と同じように馬車に乗って登場したメンバーたちもまた「HALLOWEEN PARTY」の衣装だ。HYDEが持っていたトーチからステージ上のトーチに火を灯すと次々と連鎖しVの字を形作る。「KYUKETSU-SATSUGAI VAMPS Ver-」「DEVIL SIDE」と激しいギターリフの印象的なへヴィチューンを立て続けに披露。HYDEが「みんな、元気に死んでるのー?今日もかわいいゴースト達が揃ってるじゃないの。激しいプレイする前に聴いてくれる?」と座りながら始まったのは「HALLOWEEN PARTY」のボサノババージョン。
Photo声色からその強弱まで微妙に変えながらしっとりと歌い上げるHYDEは彼にしかない独特な妖しげな色香で会場を虜にしていく。「お腹すいてきちゃった。アンタたち可愛いから食べちゃいたいわ。狩りに行こうぜ」と唇をいやらしく舐めて「HUNTING」がスタート。HYDEは品定めをするしぐさで観客を見まわす。「TROUBLE」では初日同様にブラックライトにHYDEの真っ赤な眼が光り、呪文を唱えるとゴーストたちがステージへ蘇り曲に合わせて好きなように動きVAMPSを盛り上げる。ラストはライヴではおなじみの「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」。K.A.Zはギターをかき鳴らしながら左右に振り回し、くるくる回転させて凄く楽しそうにプレイしている。吠えるように歌うHYDEがギターの残響の残る中「HAPPY HALLOWEEN」と叫び、迫力あるパフォーマンスを最後まで繰り広げた。
 
イベントの最後はHALOWEEN JUNKY ORCHESTRAだ。この日は出演者に加えてTommy february6逹瑯MUCC)、青木隆治ナイトメア)、明希シド)、分島花音が参加した。全身で指揮をするHYDEから目が離せなくなる「Penalty Waltz」をへてアフリカのゲーム「Rhythm Game」へ。最初にAliが間違うとKARAの「ミスター」が流れ、しかも女性のバックダンサー付き。最後にはなぜか、ほぼ全員がKARAの「ミスター」を踊ることになった。大好きなアーティストの腰くねくねダンスを目の当たりにし、興奮したファン達が卒倒しそうになっていたのは言うまでもない。
 
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前日に引き続き今日はHYDEからDAIGOにサプライズ。「一曲だけやっちゃっていいですかね?」とHYDEBREAKERZの「オーバーライト」と歌い出すとDAIGOの驚いてきょとんとした表情がアップで映し出され会場は大爆笑。感動しきりのDAIGOは途中から声を重ねてHYDEyasuDAIGOの見事なハーモニーが繰り広げられた。そして本当にラストソング「HALLOWEEN PARTY」を全員が大合唱。客席に、お菓子を投げながら「また来年会おうね、HAPPY HALLOWEEN!」とHYDEがファンに来年の約束をし、夢のような「HALLOWEEN PARTY 2012」は誰もが笑顔のなか名残を惜しみつつその幕を閉じた。
 

 

~会場 スケッチ~

ここからは会場の様子をお届けしよう。「HALLOWEEN PARTY 2012」は朝10時に開場し、思う存分観客が楽しめるように多くのアトラクションが設置されている。
 
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まず会場について入るとすぐに目に飛び込んでくるのはボディペイントのブースだ。「HALLOWEEN PARTY」オリジナルデザインのワンポイントペイントか自由なフリーペイントが選べる。ライヴに備えほとんどの観客が仮装をしているのだが、そこにワンポイントアクセントとして加えるには最適なアイテム!仮装をしていなくてもこれを付ければあっという間に仮装の一種になってしまう優れ物。沢山の観客が列を作って並んでいたのが印象的だ。
 
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その向かい側にあるのが縁日ブース。縁日というだけあってハロウィンにまつわるセットに様々な遊戯が用意されている。バターゴルフに輪投げ、ボール投げなど次々楽しめるシチュエーション。勝てば缶バッチが貰える上に、遊ぶとスタンプが押されそれを集めるとプレゼントも貰えるというスタンプラリーが開催されておりファンには嬉しい、とてもお得な縁日ブースだ。
 
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プレミアムフォトサービスコーナーでは限定のオリジナルセットの前で記念撮影が出来る。カメラマンが撮影した写真をプレミアムな台紙にセットして渡してくれる。仮装の記念にもなるこの素晴らしいサービスはやはり大人気で行列をなしていた。
 
さらに長蛇の列の先には衣装展示ブースがあり、今回は「HALLOWEEN PARTY」のミュージックビデオのセットを忠実に再現。背景のセットは実際に使用されたもの。VAMPSの過去のハロウィンライヴでの衣装のほか、出演者のPVの衣装がずらりと並んでいて豪華絢爛。グッズ物販コーナーでは、その側に大人気のガチャガチャがおいてあり、朝からずっと混雑していた。
 
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そしてメインともいえる「From KARAOKE to the STAGE」のステージ前では人だかりであふれている。朝の11時には予約が埋まってしまうというこの超人気のカラオケ予選大会。最優秀パフォーマーと優秀パフォーマーを厳選な審査で決定し、最優秀パフォーマーはアーティストと同じメインステージにて歌うことが出来るのだ。歌唱力だけではなく仮装からそのパフォーマンスまで全てが審査される超難関のこのコンテスト。14時までしか開催しないということで、歌える人数が限られており、エントリーの締め切りが必然的に早くなってしまう。初日は119人のエントリーで110人が出場、2日目は98人のエントリーで85人が出場、最終日は99人がエントリー。そして実際にメインステージに立てるのは3組。それだけでもどれほど難しいかわかるだろう。この予選会では司会のやまだひさしの楽しい進行のもと、待っている出場者や観客もノリノリで一緒に歌ったり踊ったり、さながらミニライヴのように満喫していた。
 
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カラオケ大会と同様に大人気だったのが仮装ファッションショー「HALLOWEEN COLLECTION」だ。このエリアでカメラマンに撮影してもらうと、楽屋裏で掲載されるのだ。すなわち出演アーティストが見ることになる。そこで選ばれた優秀者はメインステージの花道をキャットウォークのごとく歩くことができる。好きなアーティストのメンバーが自分の仮装を見てくれるとあれば気合いが入りまくるのも当然だ。このエリアではそんな凝りに凝った仮装の人同士が仲良くなっていたり、写真を取りあっていたりと、とても微笑ましいファン同士の交流を垣間見ることができた。
 
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このようなライヴイベントではとても大事なのが飲食ブース。ここではもちろん何もかもハロウィン仕様だ。「ガイコツプレート」に、「魔女のサバトサンド」、「SEX BLOOD ニックンロール」、「Trick or とろ~ろ」に「塩タンベロベロバー」など魅力的な名前のメニューがずらりと並ぶ。和風から洋風まで様々なメニューが用意されており、ライヴという戦いの前に腹ごしらえをする人々であふれていた。この絶妙なネーミングセンスには脱帽だ。
 
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「HALLOWEEN PARTY 2012」はライヴだけではなく、老若男女問わず誰もが楽しめるハロウィンのイベントだ。ここまで本格的に徹底したハロウィンの空間を作り出せるのも、主宰のVAMPSの類まれなる美意識とセンスはもちろんのこと、それに賛同し出来うる限りで作りこんでくる参加アーティスト、スタッフ、そして観客のおかげといえる。自分も参加しているという意識こそがこの素晴らしいエンターティメントの空間を作り出し成功させているのだ。豪華なアーティストの共演はもちろんのこと、この幻惑的でまるでファンタジーの世界のような「HALLOWEEN PARTY」は一度足を踏み入れたらモンスター達の魅力に取り憑かれ、もうその世界から離れる事はできないのだ。
 
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※本記事のステージ写真はオフィシャル提供(撮影:今元秀明、田中和子)によるものです。
 
◆BREAKERZ 公式サイト
http://breakerz-web.net
◆Acid Black Cherry 公式サイト
http://www.acidblackcherry.com
◆MAN WITH A MISSION 公式サイト
http://mwamjapan.info/
 
◆VAMPS 公式サイト
http://www.vampsxxx.com
◆HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA ホームページ
http://www.vamprose.com/halloweenparty/

 

◆HALLOWEEN PARTY 2012特設サイト
http://www.halloweenparty2012.com/index.html

 
1日目、2日目のレポートはこちらへ!
http://www.beeast69.com/feature/52766