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TEXT & PHOTO:桂伸也

【密着レポート第12弾:DAIDA LAIDA】

今年、衝撃のデビューを飾ったハード・ロック・グループ、DAIDA LAIDA。メンバーそれぞれがミュージシャンとしてはエキスパートであるにもかかわらず、まるでスーパー・バンドという言葉が似つかわしくないほどにバンドとしての完成度を誇り、日本ハード・ロック界ではトップクラスに数え上げられることを、誰もが疑わない存在だ。結成のニュースより約半年、正式な音源のリリースから東名阪ツアーに入り、この日いよいよそのファイナルとして東京でのステージを行った。果たして、この半年足らずの間に、彼らはどのように進化を遂げたのだろうか?この日の模様を密着取材にて探ったレポートをお送りしよう。

DAIDA LAIDA is:
NoB(Vocal)、白田“Rudy”一秀(以下、Rudy:Guitar)、MASAKI(Bass)、清水賢治(以下、清水:Keyboard)、JOE(Drums)
 
hana
 

 

1.ライブ前(13:30~)

14:00~ セッティング、サウンドチェック
 
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ステージでは、Drumセットを前にJOEが細かいセッティングをスタッフと共に行っていた。一方ではキーボードの清水がコンソール卓とのやり取り。清水と卓との間で忙しく飛び回るスタッフ。セッティングで一番速かったのはMASAKIだろうか。他のメンバーを尻目に軽くウォーミング・アップとして超絶フレーズをバリバリと弾きこなしていた。マネージャーに、今回のツアーの様子を聞いてみると、「いや~なかなか集まることのないメンバーが4日間一緒に居るっていうことで、結束が固まりましたね。酒の力によるおかげもあったでしょうが(笑)」ツアーは大盛況、この日は大阪でのステージを楽しんだファンの中から更にここまで遠征して来る予定のものが何人かいたという。
 
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いよいよサウンドチェック。すっかり静まり返った会場の中、JOEのドラムセットからバスドラの音がドン、ドンと鳴り響く。やがて手数は徐々に増え、派手なソロも流れ出す。続いて清水、MASAKI。どちらかというと音色の多い二人だが、それでもサウンドチェックはほどなく完了した。問題点は一点、予定の時間13:30を大幅に過ぎたこの時点で、Rudyがまだ会場に到着していなかった。しかし、メンバーは一向に慌てる素振りを見せなかった。彼の遅刻魔振りは、計算のうちのようだ。15:00過ぎ、ようやく会場にRudyがあらわれ、いそいそとギターのサウンドチェックを終えた。
 
15:30~ リハーサル
 
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ようやくリハーサルを行うための準備が整った。「本日はよろしくお願いします!」MASAKIの一言で、会場全体のモードが切り替わる。最初のプレイは「Hysteria」から。続いて、カバー曲「Desperado」へ。ヴォーカルのサウンドにリクエストを入れるNoB。「もうちょっとディレイ掛けてくれる?おお、ええやん、こんな感じ!OK!!」彼の語り口には、PA側への注文と言うより、何か「この音にしてくれたら、ステージが良くなるんやけどな」という、柔らかい雰囲気が見えてくる。それは皆でステージの完成度を上げるために必要なことを提案しているような語り口にも感じた。そんなほんの些細な出来事からも、彼らのスキルの高さ、ステージに対する意識の強さを感じさせる。全般に卓のほうでの音作りが多いヴォーカルでは調整に時間を掛けたが、全般に特に問題なくリハーサルは進んだ。
 
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カバー曲「Born This Way」をプレイする際に、NoBより清水に対して、エンディングの調整が入る。ステージリハ以前で、そこまで細かい調整を行っていないが、それでも後にステージでプレイされた時には、この時の調整どおりピッタリと息を合わせたプレイを展開した。ベテランのツワモノ揃いの意味が、更に強調されたようなシーンだ。合間に、ローディー・スタッフを呼ぶMASAKI。ベース・ソロパートで弾くタッピングフレーズを複数の音色で聴かせ、「どれがいい感じかな?」と意見を求める。ここにも、皆で高いレベルのステージングを目指そうとする姿勢が垣間見られた。一方、ギターのRudyのほうは、ほぼ手癖のようにギター・フレーズを合間に繰り出していた。VAN HALENの影響がはっきりとわかる「Cathedral」「Oh,Pretty Woman」「Ain’t Talkin bout love」と、ロック・ギターの名リフや名演がポンポンとリハーサルの合間に出てくる。折りしもこの日は、VAN HALENの来日公演決定が発表された直後だった。「VAN HALEN来るらしいぜ!」MASAKIが話しかけると、「え、本当?俺行っちゃう!!」と、Rudyの目は少年のように輝いた。
 
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結果的にNoBの立ち位置から聴こえるモニタの音で若干の調整はあったが、特に問題もなくリハーサルは終了、時間はほぼスケジュールどおり。遅れをピッタリと合わせてくる、プロ意識の高さを感じさせた。ステージに対する連絡事項がMASAKIから告げられ、開場準備に移った。彼のバンドのリーダーとしての自覚は十分、スタッフを統制する姿は、端で見ていても頼もしく感じられる。
 
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16:30~ 開場準備
 
楽屋に戻ったメンバーは一転、リラックスした雰囲気になったが、それは見方を変えれば、最高のステージを見せるために集中しているようにも見える。ゲストと談笑するMASAKIRudy。楽屋ではNoB清水JOEが思い思いに準備を進める。開場はあわただしくオープンの準備に入った。会場外では、開場前より長蛇の列が入り口に繋がる階段を埋め尽くしていた。
 
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2.ライブ(19:30~)

 
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アルバムのオープニング・ナンバーより登場するメンバーに、惜しみない歓声と拍手が送られた。「待ってました!!」最前列までビッチリと埋まったフロアに並ぶ人々の表情には、そんな思いが読み取られる。そして、SEのブレイクからけたたましいドラムと共に、オープニング・ナンバーの「DAIDA LAIDA~魂の唄~」がプレイされる。心躍らされる躍動感に溢れたナンバーは、すっかりDAIDA LAIDAの名刺のような存在となり、この日のステージに対する期待を倍増させる。「タ.マ.シ.イ!」と叫ぶサビに、正しく魂の先にまで揺り動かされるような衝撃を受ける観衆。まるでMr.BIGを髣髴させるようなRudyMASAKIの超絶ユニゾンプレイが、観衆のドギモを抜き、人々を彼らのステージへ更に強く引き込んでいく。そして、セクシー&ワイルドな魅力を放つ「Shout~獅子の唄~」へと続く。
 
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「一皮も二皮も剥け、ここまでやってまいりました!We are DAIDA LAIDA!」というNoBの叫びが、観衆の叫びを揺り起こした。その張り詰めたような叫び声は、皆の期待に後押しされながら、ようやくくるべきところに来た、というような達成感を表しているようだった。続いて疾走感を見せるヘヴィかつエモーショナルな「Hysteria~悪夢の唄~」から、エンディングのメロディアスで叙情的なMASAKIのBassソロで繋がる、キャッチーでアクティヴな「Believe~希望の唄~」と、常に前にグイグイと押してくるような勢いのあるナンバーで会場全体を包み込み、皆を圧倒していった。バンドのサウンドが、NoBの歌を最大限に光らせる働きをし、その効果により輝くようなNoBのヴォイスは、DAIDA LAIDAのバックボーンを強固に形成し、メンバー個々の持つ個性を自由に発揮する場を作り上げる。MCでNoBが冗談交じりに言った「一皮も二皮も剥けた」という言葉は、その意味どおりに彼らがDAIDA LAIDAというバンドと共に成長したことを示しているように見えた。
 
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また観衆を落ち着かせるMCを挟み、“バラードタイム”と銘打ってRudyのエモーショナルなギター・メロディから、EAGLESの名曲「Desperado」を、情感たっぷりにフロアに聴かせる。原曲のメロディアスかつ哀愁身すら感じさせるメロディのイメージはもとより、NoBが歌に備えている持ち味を十分に生かしたその歌声は、フロアの観衆全員をウットリとさせた。その後NoBが一度ステージから掃け、インストのカバーへ。選んだのは映画『Mission Impossible』のテーマソング。変拍子を巧みに、かつダイナミックに取り入れた楽曲は、強力なセッション猛者でもある彼らの選曲としても十分マッチし、ヘヴィで唸るようなRudyのメロディを強力にバックアップしながら、続くMASAKIよりRudyへ、MASAKIのトレードマークであるヤカンを、ソロプレイを行いながらバトンタッチしていくという離れ業を見せる。

そして清水のソロへと展開。特に清水のキーボードに絡むMASAKIのバトルは圧巻、その凄まじさには観衆一同、ただ圧倒されるしかないといったところだった。主にハーモニーのバックアップでバンドを支えている清水だが、ここではそんなポジションから彼自身を解放し、彼がスゴ腕集団DAIDA LAIDAのメンバーの一人であることを改めて認識させるような、目の覚めるフレーズを連発し観衆を魅了した。そしてMASAKIの、「On Drums、JOE!」の掛け声と共に、JOEの単独ソロに移った。ラテン調のリズムから16ビートへ、そして徐々に激しさを増していく。感極まったところでは大歓声がいくつも飛び交う。そして満面の表情でカウントを数え、怒涛のエンドテーマに移り、観衆を再び興奮のるつぼへ突き落とした。
 
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そこから更にはRudyの土壇場となる強烈なギターソロタイムへ。VAN HALENの「Eruption」か、はたまた高崎晃の「Exploader」か、ギターキッズを虜にした名演を彷彿とさせる、強烈なインパクトを持ったRudyのワールドがそこに展開され、会場中の目がステージに釘付けとなった。怒涛のキラー・ナンバーが続いた後は、エモーショナルなバラード、「Cry Baby~月の唄~」から、程よい流れで「Fallin’~罪の唄~」へ。ミディアムテンポのヘヴィなナンバーだが、曲の繋がりがとてもナチュラルにスッと観衆の耳に入ってくる。単に曲毎の完成度を求めるだけではなく、こうしてライブに生える展開にも神経を研ぎ澄ませている部分には、このバンドの、アーティスティックな面での、レベルの高さを改めて感じさせられる。その証拠に、「Fallin’~罪の唄~」まで続く盛り上がりに観衆はピッタリとはまり、サビではフロアの観衆揃ってコーラスを合わせてしまう。会場を全体で一つにする構成をまるで寸分違わない計算で作り上げているかのような玄人技。
 
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“第2のカバータイム”と銘打ち、登場したナンバーはなんとLADY GAGAの「Born This Way」。ダンサブルでグルーヴィーな原曲の持ち味はそのままに、溢れる衝動感をそのまま表したような、ワイルドなカッコよさを表現するNoBの本領がここでも十二分に発揮される。更にNoBのヴォーカルを最大限に引き立てるようなMASAKI、Rudyのアバンギャルドかつ超絶なソロプレイが、曲のクライマックスに向けての流れを強く押していく。リハでの清水と確認を取ったキメも寸分違わず決め、「お見事!」と言わざるをえないエンディングが、観衆を魅了した。

続いて、前回の東京のライブでも披露されたDeep Purpleの「Burn」。DAIDA LAIDAにとって、この曲は既にオリジナル曲と共に切っても切り離せない存在となっているに違いない。そのあふれるワイルドネスとパワー感で、会場を一時もじっとさせない。そしていよいよステージもクライマックス。「体力残すんじゃないぜ、いくぞ!」「Yeah!」「もっと!」「Yeah!」「もっと!」「Yeah!」目いっぱいお互いの士気を掛け合いで高めた後は、まるでマーチのように気持ちを前へ前へと押し込んでいく力を持った「Ride on~風の唄~」、そして溢れるスピード感とスリルの詰まった「Liar~真実の唄~」をラストナンバーとしてプレイ。会場がNoBの動きに合わせて波打つ。そしてエンディング。「Thank You!どうもありがとう!!」NoBの叫びでステージを離れるメンバー達。
 
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「まだまだ聴き足りない!」とばかりに鳴り響くアンコールに応え、登場したのはMASAKI。ブルージーなメロディからハーモニクス、アームダウン…そして続いたのは、日本のベース・ヒーローであることをまた改めて知らしめるかの如く弾き倒される超絶フレーズの数々。アンコールで登場し他愛もないジョークでフロアを和ませたその雰囲気から一転、張り詰めた緊張感の中で、ジェットコースターのごとく見せ付けられるそのプレイに、観衆はただ唖然とし聴き入るばかりだった。そしてフレーズがブレイクすると、また一つジョークを語った後に超絶プレイを続けるという余裕。続いてクリーンかつ重厚なタッピング・サウンドがハーモニー・メロディを奏で始める。モチーフは、坂本龍一の代表曲である「戦場のメリークリスマス」。機関銃の如く詰め込まれるフレーズだけでなく、こういったハーモニー・プレイやニュアンスのつけ方にも抜群のセンスを見せ、観衆を説き伏せる。フロアでは誰もが「やはりベースは彼が一番」と、舌を巻いていたように見られた。
 
その緊張した趣を振り払うかのごとく、MASAKIのユーモアたっぷりのトークで呼び込まれたNoB、Rudy、清水、JOE。この日のステージ、ツアーに対する感謝の念を伝ながら、NoBの代表曲の一つである「ペガサス幻想」へ。最後にこの日新曲として「Dreamer’s Train~勝負の唄~」を披露。曲の前にNoBが語る。「ROCKの神様は居るんだよ、な。こうして俺達五人を結び付けてくれて、こうやって皆で盛り上がることができました。多分、いや、絶対だな、死ぬまで俺達はDAIDA LAIDAを続けますので!!」その言葉が会場の人間同士の繋がりをより強いものにし、最高のエンディングをもたらした。
 
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3.ライブ後(21:00~)

 
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最高のステージが披露されたこの会場を、ファン達はなかなか去ろうとはしなかった。ステージが終わると、思い思いの形でメンバー達はホッとした気持ちをその姿にあらわしていた。この日集まってくれたゲストに丁寧に例をしていくMASAKI、旧友と酒の席のようにリラックスした談笑をするRudy、控え室でホッと一息つく清水、JOE、そして、緊迫した白熱のステージを披露しながらも、前後でも平静を保ち続けていたNoB。リーダーのMASAKIもそうだが、このベテラン・フロントマンであるNoBの存在も、DAIDA LAIDAの中では大きい。彼がそこにいることだけで、DAIDA LAIDAがそのイメージを明確に出来るため、他のメンバーは心置きなく自分のプレイに対し最大限の実力を発揮できる。落ち着きはらったその姿は、改めて彼がバンドの大きな柱である現れであるとも感じさせた。
 
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◆公式サイト
http://daidalaida.com/

◆セットリスト:
M01.DAIDA LAIDA~魂の唄~
M02.Shout~獅子の唄~
M03.Hysteria~悪夢の唄~
M04.Believe~希望の唄~
M05.Desperado
M06.Mission Impossible~Guitar Solo
M07.Cry Baby~月の唄~
M08.Fallin’~罪の唄~
M09.Born This Way
M10.Burn
M11.Ride on~風の唄~
M12.Liar~真実の唄~
【Encore】
E01.Bass Solo
E02.ペガサス幻想
E03.Dreamer’s Train~勝負の唄~

 
◆ライブ情報
「DAIDA LAIDAプレゼンツ-猛獣達の叫び-act.1 」
2012/10/02(火)Shibuya O-WEST
「DAIDA LAIDA 3rd GIG -Final Resistance 2012-」
2012/12/01(土)初台 LIVE-BAR The DOORS OPEN 16:00 / START 16:30

 

 
hana
 
今年2月に本誌にて取材した際と比較して、DAIDA LAIDAは更に進化していた。メンバー同士の結束力と、個々が持つ強烈な個性という一見矛盾したポイントのぶつかり合いは、見事にバンドのサウンドに繁栄され、程よいバランス感を持った珠玉のハード・ロックサウンドとしてフロアの観衆に降り注ぎ、ファン達をしっかりと満足させた。しかし、彼らの手の内はこれでは済まされない。「満足した?まさか!?まだこれからだぜ!!」NoBが最後に放ったナンバーの中で、そう叫んでいるような気もした。バンドとしての形を確立してきたDAIDA LAIDAにとっては、正しくここからが“勝負”の時、ファン達の夢を乗せ、DAIDA LAIDAの「Dreamer’s Train」は、まだ出発したばかりだ。次にたどり着くところは?彼らにとってそんなことは知ったことではない、彼らはどんな勝負にも勝ちを信じ、立ち向かっていくに違いないのだ。
 

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