演奏

DAIDA_LAIDA

TEXT & PHOTO:桂伸也

国内のロック・ベース・プレイヤーの中では他の追従を許さない、唯一無二の存在として君臨しているベーシスト、MASAKI。その彼が開催したセッションを機に集まった選りすぐりの凄腕プレイヤーで構成されるビッグ・プロジェクトDAIDA LAIDAが、遂にそのベールを脱いだ。スーパー・スターを集め結成されたバンドは過去にも多くの事例を見せつつも、時にバンドとしての姿を見せられずに終わってしまった例も少なくない。今回集まったこの面子は、日本のロック界で特に飛び抜けた存在感を示す猛者だけに、まだ全貌が見えない段階では、そんな一抹の不安もぬぐえなかったが、果たして彼らの見せるその様相やいかに?そして彼ら歩み行く道は見えてくるのか?様々な期待と疑問を見せていた彼らの、決起集会と銘打ったこのステージでの様子を追った。
 
◆DAIDA LAIDA:
NoB(Vocal)、白田一秀(Guitar)、MASAKI(Bass)、JOE(Drums)、清水賢治(Keyboard)
 

hana


【1.ステージ】
第1部

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薄暗いステージの中、現れた5人。その不確かなステージに、この日を待ちわびていたフロアの観衆からは、不安な様に見えたかもしれない。だがそれは次の瞬間、ライトを当てられたNoBの見せたはつらつとした表情に、一瞬にしてかき消された。ステージはDAIDA LAIDAのオリジナル曲「DAIDA LAIDA」でスタート。新進のバンドとはいえ、やはり百戦錬磨の猛者を集めたバンドだけに、そのプレイには自信を超えた貫禄すら感じる。更にバンドとしての結束も抜群、その圧巻の様は、オーディエンスがそろって引き込まれそうになるほどだ。

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出だし2曲の間では、MASAKIのベース・ソロが展開。バンド・リーダーとしての威厳を示すようなそのプレイは、単なる超絶ベース・ソロだから、テクニシャンのベースだから、といった断片的な衝撃ではなく、MASAKIという孤高の存在がその絶妙なアピールを行っているからに他ならない。そのことは、彼のソロではすっかりおなじみの小道具であるヤカンが示していた。「ヘイヘイ!You達!!DAIDA LAIDAを待っていたんじゃないのか!?」MASAKIの、声が足りないとばかりにあおる一言に、フロアから大声が上がる。

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強烈なオリジナルのキラー・ナンバーでカウンター・パンチをフロアに浴びせた後は、カバーソングとしてEUROPEの「Final Countdown」をプレイ。キャッチーなメロディを持ったこの曲を、原曲に忠実なプレイを見せる。日本を代表する程のテクニックを持った集団だけに、個々の持ち味を生かした大胆なアレンジが期待される中、この展開は意外だったが、逆にそのサウンドからすれば納得といわざるを得ない。原曲のイメージを忠実に演奏しながらも、彼らのその姿はおそらくカッコいいと思わざるを得ないだろう。生半可なコピーだけでは、オリジナルのカッコよさを超えられないだけでなく、単なる猿真似となってしまう恐れもあるが、彼らは自身のプレイですっかりとその壁を打ち破ってしまう程の、力量の凄まじさを見せ付ける。そしてこれに続いたのは、BB&A(Beck,Bogerd&Appice)プレイバージョンの「Superstition」。このバンドを結成した経緯がセッション活動だっただけに、原曲が歴史的なセッション・ナンバーであるこの楽曲はまさに、彼らにうってつけのプレイ・タイムだったといえよう。そんな雰囲気を、超絶プレイで存分にフロアに披露していく。

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そして、途中の公開インタビューを挟み、オリジナル曲へ。ちょうど公開インタビュー時に試聴として流れた「FALLIN’」と「RIDE ON」。そのプレイが現れた途端、前半のプレイはあくまで彼らがDAIDA LAIDAとしてフロアに、世に勝負を掛けるための試金石に打ち勝ったということをイメージさせる。そして、まるでその経緯に自信を増したように、個々が思い思いのプレイを存分に発揮する。両曲とも絶妙なフックを随所にちりばめたキラー・ナンバー。その中で激しいJOEと、豊かなハーモニーを聴かせる清水のバックアップをベースに、同率で対決するような白田MASAKIのバトル。そんな凄腕の猛者をしっかり統率し、抜群の存在感を見せるNoB。バンドとして機能しながらも、更にレベルの高いプレイで観客を圧倒していく。続いたラストナンバーは、Journeyの「Separate Ways」。ある意味、彼らの運命的な門出を表したようなそのメロディに、まるで立ち向かうような姿を誇示する彼ら。どんな苦難でも、このメンバーなら向かっていける、そんなドラマチックな様相を、この時ここに集まった聴衆の目に焼き付け、このステージに幕を閉じた。
 
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第2部
 
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前半が黒を基調としたファッションに身を包んでいたのに対し、対照的に全員が白を基調としたファッションでステージに現れる。2部構成となったこの日のステージを、それぞれの観衆に楽しんでもらおうとする粋な計らいだ。

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1度目のステージを終えた彼らのプレイは、既にそれを自信に換えて、更に堂々としたプレイを見せ付けていく。第1部と同じオリジナル2曲でスタートしたステージでは、その間に白田MASAKIの、超絶ソロタイムを挟み、ステージは更にその凄みを増す。そしてカバー・ソング。「Final Countdown」はそのままに続いた曲は、WHITESNAKEの「Here I Go Again」。そこでは、白田(Guitar)のギター・ソロまでもあのVivian Campbellがプレイしたフレーズをそっくりそのままプレイするという徹底振り。しかも、EUROPEWHITESNAKEという、全くサウンドの性質が異なる楽曲を続けて演奏し、それでもバンドとしてカッコいいと思わせるその力量には、ただ驚く他ない。

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前半と同じく、公開インタビューを終えた後は、同様にオリジナル曲「FALLIN’」と「RIDE ON」へ。そのプレイは、このステージによる手ごたえを十分感じたかのように強い自信を見せ、第1部にもまして更にフラッシーな演奏を披露しフロアを興奮させる。そして、ラスト・ソングにはDEEP PURPLEの「BURRN!」を繰り出す。そこには、DAIDA LAIDAの本質が熱いものであり、これから彼らが作り上げていく道程は、常に燃え上がっていくものであることを示しているようにも見えた。
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◆ライブ情報
「DAIDA LAIDA 1st GIG -READY TO GO- 」
2012/4/21(土)高田馬場CLUB PHASE
「DAIDA LAIDA 2nd GIG -EMOTIONAL CIRCUIT 2012-」
2012/6/09(土)大阪「LIVE SQUARE 2nd LINE」
2012/6/10(日)名古屋「HOLIDAY NAGOYA」
2012/6/16(土)東京「LIVE-BAR-The DOORS」
◆公式サイト
http://daidalaida.com
 
◆セットリスト
第1部:
M01.DAIDA LAIDA
M02.SHOUT
M03.The Final Count Down
M04.Superstition
~公開インタビュー~
M05.FALLIN’
M06.RIDE ON
M07.Separate Ways
 
第2部:
M01.DAIDA LAIDA
M02.SHOUT
M03.The Final Count Down
M04.Here I Go Again
~公開インタビュー~
M05.FALLIN’
M06.RIDE ON
M07.Burn

 

hana

 
【2.公開インタビュー】
 
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今回の趣向として、DAIDA LAIDAというバンドの実態を知ってもらうという趣向に基づき、第1部、第2部でそれぞれステージを一時中断し、新楽曲に対しての公開インタビューのコーナーが設けられた。司会はDAIDA LAIDAのメンバーとも親交の深い、音楽雑誌WeROCKの藤中編集長。元々はこの日初披露だった「FALLIN’」と「RIDE ON」に関してのインタビューを行う予定だったが、観衆と会場の雰囲気を考慮し、メンバーを2つのグループに分け、このバンドの実態を探るようなインタビューを展開するという、コアなファンにはたまらない催しとなった。「メンバーそれぞれの、バンド内での位置づけは?」という質問に、話は紆余曲折し「バンドメンバーを『太陽にほえろ!』のキャラクターで言うと?」等と外れた質問にすりかわったりして、抱腹絶倒のトークが続いたが、総じて見ると、メンバーそれぞれがお互いの人間性をよく理解し、強い結束がそこに存在していることを伺わせた。それは藤中編集長が言われた「全員が良い意味で前に出ているように見えながら、且つアレンジも絶妙で、バランスが取れている」という、第三者から見た印象に集約されているようにも見えた。

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◆音楽雑誌『WeROCK』公式サイト
http://rockinf.net/

 

hana

 
世界を席捲したMr.BIGというバンドがある。結成当初、彼らは自身のことをスーパー・バンドと呼ばれることを良しとしなかった。それは、あくまで彼らがバンドという集団であることを主張した結果においてのことだったが、この日DAIDA LAIDAが見せたそのポリシーには、全く同じような様子が窺えた。勿論、個々のメンバーによるプレイの凄まじさに、どんなキッズ達も舌を巻いてしまうであろうことは、疑いの余地もないくらいに驚愕の連続だったが、それがバンドとして機能した上でのパフォーマンスであったことはいうまでもない。そこには、各メンバーの個性による負の衝突は、微塵も感じられない。まだ走り始めたばかりの、初のステージでこれだけの完成度を見せたDAIDA LAIDAの面々。本当の勝負はこれからだが、既に彼らの表情に迷いはない。今後の彼らの動向も見逃せない。


 
 
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