特集


TEXT:鈴木亮介 PHOTO:三橋コータ

本誌BEEASTが自信を持ってプッシュする太鼓判アーティストの特集、第31弾はゆゆんが登場します。メンバーはゆりえ(Bass & Vocal)、まりな(Guitar)、イシカワミナ子(Drums)、イシバシリサ(Guitar)。2013年10月の結成以来、都内のライブハウスを中心に活動。着実にファンを増やしつつあります。
 
今回は東京・代々木の音楽専門学校「ミューズ音楽院」とタッグを組み、「OVER 22、女性ミュージシャンの生き様」と題して公開インタビューを行いました。
 
ゆゆんの4人は、10代の頃からそれぞれのバンドで頭角を現したのち、解散を経験。インタビューではゆゆんの結成からアルバム『今世』を軸に現在の活動、今後の展望など幅広く話を伺いましたが、そうしたバンドの活動にとどまらず、それぞれの考える「音楽を続けること」、それを「仕事にすること」、そして女性ミュージシャンならではの苦悩や乗り越え方、5年後10年後を見据えた人生設計…といった話も伺いました。(※インタビュー当日、イシカワミナ子は欠席)
 

ゆゆん
yuyun正式名称はゆ、ゆゆゆゆゆん
2013年9月結成。
メンバーはゆりえ(Bass & Vocal/ex:スカートの中)、
まりな(Guitar/ex:日本マドンナ)、
イシバシリサ(Guitar/ex:アイマイミー)、
イシカワミナ子(Drums/ex:The alps)の4名。
 
月2~4本ペースでライブをし、主に都内で活動中。
ミニアルバム『今世』が2014年10月24日より発売!

 

 

 

「1年で1曲をコピー」それぞれの音楽との出会い
—まずは自己紹介も兼ねて、3人の音楽を始めたきっかけやここまでの活動歴を教えてください。

 
ゆりえ:私が音楽を始めたのは高校2年生のときです。それまで所属していたダンス部を辞めて、ちょうどそのとき私の学年で軽音部を作ろうという動きがあって、面白そうだなって思って。
 

—それでバンドを組むことになって…楽器は何を?

 
ゆりえ:楽器は迷わずギターでした。バンド=ギターしかイメージがなかったので。
 

—最初に組んだバンドはどんなバンドでしたか?

 
ゆりえ:私が前にいたスカートの中というバンドの前身にあたるStill Flagっていうバンドなんですけど、メンバーはスカートの中と大体一緒で、スカートの中のようなことをやってましたね。最初はGO!GO!7188のコピーをして…
 

—それから、オリジナルを作って…

 
ゆりえ:初心者が集まったということもあって、それも練習嫌いな4人が集まってしまったということもあって…私は今でも変わらず練習嫌いなんですけど、だから、1年間同じ曲のコピーをずーっとやってたんですよね(笑)
 

—1年ずっと?

 
ゆりえ:そうなんです(笑)。GO!GO!7188の「ジェットにんぢん」を1年かけてやって、文化祭の時期になって1曲じゃ出られないことがわかって、あわててもう1曲コピーして。そののち…あのですね、単位を落とした場合軽音部から抜けてもらうということになり、4人とも大体落とし、辞めさせられ…
 
リサ:えー!
 
ゆりえ:軽音部にいられない、じゃあ解散する?続ける?いや、続けるってなって。
 

—練習が嫌いという4人がそろって、逆になぜ1年続いたんですか?

 
ゆりえ:めっちゃ楽しかったんですよね。よくバンドマンの人が言うと思うんですけど「初めてスタジオで鳴らしたジャーンって音が忘れられない」っていう、まさにそれです!今聴いたら笑えるくらい合ってなかったと思うんですが、目の前で生のドラムの音が鳴ってて、自分のギターの音が家と違う…アンプの設定とかなにも知らなかったですけど、大きい音で鳴ってるっていうのが楽しくて。その(1年かけてコピーした)1曲も、最初はイントロしかできなかったのがだんだん歌いながら弾けるようになってAメロも弾けて…というのが楽しかったんだと思います。
 

—ゆっくりなペースだけども音楽を自分たちなりに楽しみながら1つの曲をじっくりやって。

 
ゆりえ:そうです。
 

—ということは、自分たちの曲を作り始めたのは高校を卒業してからですか?

 
ゆりえ:そうですね。軽音部にいた頃は学校のイベントに出ていただけでしたが、高校を卒業して外のライブハウスでやるようになって…となると、みんなが知らない曲――つまりオリジナルなんですけれど――をやっているのを見て、恥ずかしくなっちゃったんですよ、急に。オリジナルを作らないと外のライブハウスではできないと思ったけど、へたくそなのも練習が嫌いなのも変わらないので、なるべく簡単な曲を作って。
 

—バンドの中で誰が作る?とか話し合って…

 
ゆりえ:うーん…最初、ドラムの子がピアノを弾けたので、1曲作ってきました。その子がV系好きということもあって、すごく難しくて暗い曲でしたが、それを一生懸命やって…
 

—それが18歳、19歳の頃?

 
ゆりえ:そうですね。すごい暗い曲…何だったかな?「雨に打たれても」…まず、(1人称が)「俺」なんですよね(笑)。「俺は立ち向かっていく!」みたいな感じで、なんか違うなぁと…。それっきり誰も作ってこないので、私が超適当に「こんな感じでー」って作ったら、それからなんとなく曲作り担当になって…
 

—初めて曲を作るときっていったいどういう風にして出来上がるものなんですか?作り方とか調べたりするのでしょうか。

 
ゆりえ:あーそうですよね。私たちはコピーを長くやっていたので、曲の流れ的なこと(構成)が頭に入っていて、なんとなくこんな感じかな?ってギターを弾いて。歌のメロディをつけるのが一番大変でしたね。
 

—それから2012年8月までスカートの中は活動を続けるわけですが、その間最も印象的なことってどんなことですか?

 
ゆりえ:印象的だったことは、解散したことですかね(笑)。解散っぽいムードが自分の中で…ああもうやめたいなって思っていて、そうすると…スカートの中の曲って、面白おかしかったんですよね。意味とかあんまりなくて。
 

—面白おかしかった、というのは?

 
ゆりえ:自分が思いついたものをポンポンやってたんですけど、あるときそれがキツいなぁと感じるようになったんです。それで、ちゃんとした歌がある、ウタモノ的な曲をやるようになって、でも思い通りの曲にならなくて。それが割と解散寸前の頃なんですが、みんなもつらかったんでしょうね、他のメンバーも。ある日、ホームページの日記にメンバーの1人がすごいことを書いてて。「辛い…」とか。
 

—そうなるともう、修復は難しいですね。

 
ゆりえ:その文章がすごくきれいな感じだったので、それに曲をつけて歌ってもらって。
 

—なんというか…ゆりえさんらしい!

 
ゆりえ:その直後に解散して…。後からお客さんに「解散の説明のような曲だよねあれ」って言われて、なるほどって自分でも気づきましたね。それが印象的でした。
 

—そうなんですね。そこら辺、もっともっと掘り下げたいところですが、別の機会に譲るとして(笑)、続いてまりなさんの、音楽を始めたきっかけやここまでの活動歴を教えてください。

 
まりな:私は家にアコギがあったので、それで井上陽水さんの「夢の中へ」を弾いたのが最初です。小学校6年生のときです。
 

—ギターがあったのですね。

 
まりな:ギターは母のです。生まれたときからずっとTHE BEATLESが流れているような家で…両親もフォークソング部で出会って結婚しているので、そういう環境で自然にギターを持ち始めたという感じですね。
 

—バンドを組んだのはいつ頃ですか?

 
まりな:中学校のときはずっと勉強と部活の日々でした。家で1人でアコギを弾いたり、ブルースハープをつけて吹いたりはしていて、高校に入ったら軽音部に入ろうと思って、そこでバンドを組みました。メンバーは軽音部2人とバスケ部とチアリーダー部という4人(笑)。最初はライブハウスに出てたんですけど、卒業が近づくと大学進学とか、みんな「それどころじゃない!」って感じでライブハウスに出られなくなって…その頃に出会った人と新しいバンドを組んで。
 

—それが前のバンド(日本マドンナ)ですね。高校卒業時に、進路はどんな風に考えていましたか?

 
まりな:いやーまったく考えなくて。学校はもううんざりだ、懲りたなぁと思って、学校に行くことは考えなくて。一応就職試験は、受けてくれって先生に頼まれて受けましたけど、頓珍漢な答えをしたのでもちろん受からなかったし、バンドやればいいなと思ってました。
 

—バンドをやることは自分の中では決まっていた?

 
まりな:そうですね。それ以外にやることがないので…わからないから選べないっていう感じですね。
 

—逆に言うと、バンドを続けてきた原動力、モチベーションは何だったのでしょう。

 
まりな:好きだから、じゃないですかね。バイトも音楽関係だし、それしかないですね。
 

—ではリサさん、音楽を始めたきっかけを教えてください。

 
リサ:中2のときに学校の友達がバンドやろうって言ってきて、そこでギターがいなかったから私はギターを始めました。私以外の子は軽音部の子が多くて、やるからにはプロを目指すから!という風潮だったんですよ。そこでバスケ部だった私も、楽器を触ったこともない段階から「やるからには本気でやろう」と思って。
 

—始めたときから既に、プロになろうと思っていたわけですね。

 
リサ:そうですね。最初はELLEGARDENとかのコピーをやって…編成はあんまり覚えてないんですけど、ドラムとベースとギターとボーカルがいて…で、ドラムがミナ子だったんですよ。
 
ゆりえ:へーそうだったんだ!
 
リサ:あと、アイマイミー(前のバンド)のボーカルが同じバスケ部で仲が良くて。そのバンドにいたかは覚えてないんですが…その後高校生になって軽音部に入りました。そこで組んだのがアイマイミーです。
 

—そうだったのですね。高校時代、どんなことが印象に残っていますか?

 
リサ:うーん…アイマイミーはちゃんと練習してました(笑)。毎年夏に部活の合宿があって、現役でバンドをやっている人がコーチが来てくれるんです。そこで1年生ながらも初めてオリジナルを作りました!
 
まりな:ドヤ顔!(笑)
 
ゆりえ:自慢…
 

—学校名は伏せますが、知る人ぞ知る強豪校ですよね。なんでそんなにいいバンドがたくさん生まれるんだ?っていう…

 
リサ:そうですね。先輩でメジャーデビューした人もいるし、先輩からの刺激があったし、合宿でもいいアドバイスをもらって…と充実した3年間でした。
 

—となると、高校卒業後もバンドを続けるのは必然ですね。

 
リサ:楽しかったので。大学もみんな同じ大学に進み、大学卒業までやってました。
 

「振られた気分」「ドラム1人にギター3人」 “ゆゆん”ができあがるまで
—ゆゆん結成の経緯を詳しく伺っていきたいと思います。結成は去年(2013年)の秋頃ということですが…最初に声をかけたのは誰から、どのような感じだったのでしょうか?

 
ゆりえ:私が前のバンドを解散して、「もう1人でやってやる!」って思ってたんですけど、いざエレキギター持って1人弾き語りでライブに出てみたら、人生で初めて「これは挫折だ!」っていうくらいひどくて。
 

—そうなんですか?

 
ゆりえ:みんなにも「あんまりわからなかった」って言われちゃって、すごく落ち込んで。人とやるからうまくいかないんだ、1人ならできる、って思ってたんですが…
 

—そう思っていたけど、実際には違った?

 
ゆりえ:やっぱバンドじゃないとだめなんだぁって。周りの人からも「バンドでやってるようなギターで1人でやってもわからないよ、やっぱゆりえはバンドなんじゃない?」って言われてそのときはイラっとしたんですけど(笑)、そうかーって。
 

—そこから、メンバーを探し始めて。

 
ゆりえ:貼り紙とかネットの掲示板にメンバー募集を書き込んだけどうまく集まらないので、知り合いをツテに…あんまり仲良しのバンドがいなかったんですよね。どうしようかなって思っていたところ、前やってたバンド(スカートの中)でCDを出したときのレーベルの社長から「あのバンドも解散したし、あの子まだバンドやりたいと思ってるっぽいよ?どう?」って紹介されたのが、こちらのまりなさんで。「うわ、まりなかー」って思って…
 
まりな:何でそういうこと言うの?(笑)
 
ゆりえ:すっごい恐ろしいバンドやってたんで(笑)。で、連絡先も聞いたんですけどどうしようかなぁって…
 
まりな:そうだったの?知らなかった!
 
ゆりえ:なかなかメールしないでいたら、まりなが新しく活動を始めだしちゃったから、「あ、もう、誘う前に終わった!」って、でも終わったら気が楽になって「新しい活動してるみたいだけど実は誘いたかったんだ~」ってメールしたよね?
 
まりな:え?そうだった?
 
ゆりえ:「そういうことなんだね、私は私でがんばるよ」みたいなメールしたら、「なんだか振られた気分です」って返事が来て。「あぁそうなんだ?」って、それで、実は互いにバンドを組みたいって思ってたことがわかったんです。
 
まりな:私は前々からゆりえさんがすごいなぁと思っていて、その1人の弾き語りライブも観に行って「わー」って思いながら観てたんですよ。曲も前のバンドの頃よりいいなぁって1人で絶賛してました。
 

—そんなゆりえさんからある日突然連絡が来て。

 
まりな:いや、たぶん私から最初にメールしたと思うんですよ。
 
ゆりえ:え、そうだっけ?
 
まりな:「何か手伝えることがあったら…」って。
 
ゆりえ:ああ、あの遠回しのメールね!
 

—確かにその文面だと遠回し感があります(笑)

 
ゆりえ:そういえば思い出しました。「手伝えること」ってどういう意味だろう?って最初はわからなくて。私のソロ弾き語りの物販とかを手伝ってくれるのかな?って(笑)
 

—危うくスタッフ志望だと勘違いされそうになったわけですね。それが昨年(2013年)の夏頃?

 
まりな:はい。
 

—そうすると、日本マドンナが解散したのがその少し前で(2013年4月)。前のバンドの活動が終わって、その間はどんな風に過ごしていたのですか?

 
まりな:そう、何もなくなってしまって、自分で曲作ってやってたんですよ。でも恥ずかしくて誰にも聞かせられないし、どうしようかなーって思っていて。だんだん体調も悪くなってきて、もう音楽聴きたくない!ってなって。そんなときに、ライブハウスの人に誘われて前のバンドのあんなちゃんと2人でやる機会があって、そのためにずっとドラムを練習してましたね。
 

—え?ギターではなく、ドラムに転向?

 
ゆりえ:そうなんですよ。なぜかドラムやり始めちゃったので、「あ、だめだ(誘えない)」ってあきらめたんですよ。
 

—それで先ほどの「振られた」メールにつながる、と。本当にギリギリのところだったんですね。

 
ゆりえ:それで、とりあえず2人でスタジオに入って…
 
まりな:ギター2人だけで入って、ゆりえさんがピアニカとか持ってきて(笑)。これから何が起こるんだろう?って。
 

—プランは?

 
ゆりえ:全く…
 

—それで、何の曲をやったんですか?

 
まりな:「牛乳」ですね。
 

—なるほど。ゆゆんでやろうと思っていた楽曲は既に出来上がっていたんですね。

 
ゆりえ:そうなんです。それで、(2人ではバンドができないので)ドラム探してみる?って話になって。当時からよく出ていた新宿レッドクロスのバーカウンターでお仕事をしてらっしゃる女性がドラムを叩いているのを知っていたので、思い切って声をかけたら「やるー!」って。
 
まりな:即答だったね。
 
ゆりえ:あ、じゃあお願いしまーすって言って。それで、ミナ子さんはお上手な方なので、私たちの演奏にそぐわないと思ったのか「もう1人入れたほうがいいと思う」っておっしゃって。確かにギター(ゆりえ)とギター(まりな)とドラム(ミナ子)だったらベースがいるのかなって。
 

—そうですね。それでベースを探そう、と。

 
ゆりえ:でもベーシストが見つからなくて。そこでミナ子さんが「ギターだったらいる」ってことで、リサを連れてきてくれて。けどギター3人になっちゃうからどうしよう…と悩んだ末、私がベースをやることになりました。
 

—それで、ゆりえさんがギターからベースに転向するわけですね。

 
ゆりえ:私よく覚えてるんですけど、ミナ子さんが「リサが入ってからすごくまとまってる気がする!」って言ってて。
 
まりな:ひどいよねー(笑)
 
ゆりえ:やっぱりそうかーって(笑)
 

—そのあたりの話を、リサさんの視点からも伺えれば。

 
リサ:ゆゆんが結成する2013年の夏にミナ子と一度THE BEATLESのコピーでライブに出たことがあって、そのときにミナ子が新しいバンドを組む話を聞いたんです。それで、私そのメンバーだったらベースでもいいから入りたい!って言って。ギターはめっちゃ好きだったけど、それ以上にどんな形でもいいからこのメンバーと一緒にバンドやりたいって思ったんです。
 

—その当時、リサさんはまだ前のバンド(アイマイミー)が活動中でしたよね。

 
リサ:アイマイミーは何ていうか…私以外のメンバーは就職活動をしたし、音楽をずっとやっていく人たちではなく楽しくやっていただけだったので。私はちゃんとやれるバンドを探していて、色々サポートとかもやっていました。
 

—アイマイミーは閃光ライオット2010のファイナルに残ったり、華々しく活動していたように思っていたのですが、バンドとしてプロを目指す…みたいなことはなかったんですか?

 
リサ:なかったですね。私は高校時代からずっとプロになりたいと思っていたし、周りとの温度差も感じていて、ずっと悩みながらも(アイマイミーを)7年やってました。
 

—その7年間に他のメンバーの考えが変わることはなかったんですね。

 
リサ:なかったですね。現実主義だったみたいです。
 

—それで、アイマイミーの活動をしつつも、違う活動も模索しつつ…

 
リサ:閃光ライオットに出たときにソニーの人が気に入ってくれて、シンガーソングライターのYUIさんやステレオポニーさんのライブのサポートギターをやったり、色々テレビやイベントに出演しました。
 

—それもまた大きな経験ですね。プロのギタリストとして、それを本業にしていこうということはなかったですか?

 
リサ:うーん…自分はずっとバンドがやりたかったので…
 

—なるほど、そういった心境の中で、ゆゆん結成の話が進んでいったわけですね。

 

予定調和じゃない”バラバラ”がいつのまにか支持されて…
—そこから「どういう活動をしたい」とか「どういうバンドにしていこう」といった、いわゆる方向性みたいなものは、どうやって決めていったのですか?

 
ゆりえ:話してなかったんですよね。こういうバンドにしようということを話さないまま、ライブハウスからお誘いを受けて、初ライブの日取りがポンと決まって、ライブができるように曲を作って、ライブやって…って感じでしたね。1回ライブをやった後の方が、4人的にも大変な…どこに向かってるのかなーっていうのがみんなあったと思いますね。普通話しますよね?こういうバンドやろうっていうのが。それがゼロでしたね。
 
まりな:全く考えていないし、ゆりえさんがどういう風にしたいか全くわからなくて。ゆりえさんの持ってくる曲が急に変わるんですよ。前までこうだったのにスタジオで突然きのうまでと違うことをやってみたり…それが楽しかったので、この人についていこうかなって。ね?
 
ゆりえ:申し訳ない!
 
まりな:それが面白かったんです。予定調和じゃなくて、「あ、そうなんだ?そういくんだ?」っていうのが面白くて。
 

—初ライブの反響はどうでしたか?

 
ゆりえ:そのときもまた「よくわからない」って言われちゃって。曲が難しいとか、バラバラとか…「良かったです」って言ってくれる人がいなかったんですよ。ミナ子さんはそれについて心配なさっていて、「これからこのバンドどういう感じなの?」ってよく聞かれて、私も悩んでもっと曲を簡単にした方がいいんじゃないかってスタジオでやってみたけど、でもよくわからないねぇって…
 

—なるほど。

 
ゆりえ:そうしたらついこの間、同じライブハウスの人に「バンドっぽくなってきていいんじゃん」って言ってもらえて。
 
リサ:良かった!
 
ゆりえ:なんだよ!って。やった曲一緒なんですけど、あ、いい感じなんだ?じゃあいいっかーって。
 

—それは何が原因なんでしょうね。

 
ゆりえ:具体的には特に変えてないんですよね。…だから、何だったんですかね、あのときのバッシングは(笑)。成長したんですかね?
 

—作詞作曲は全てゆりえさんが担当されているということですが、実際にスタジオでの音作りはどんな風に行っていますか?

 
ゆりえ:ドラムに関しては丸投げしてますね。最初の頃は特に、持ち曲を増やさなきゃということに頭がいっぱいで、「こうやって叩いて」「こういうリズムで」っていうのを全く言ってなかったので、申し訳なかったですね(笑)。でも、ドラムはよくわからないし、今もイメージだけです。
 
まりな:ゆりえさんが最初に持ってきたデモを聴いて、なるべくそのギターを表現したいと思っています。ゆりえさんのギターが好きだったので、ゆりえさんが(ベースに転向して)ギターを弾かないことになって残念だなぁと思っているので、私がそのギターをなるべくコピーというか、再現したいと思ってます。
 

—ゆりえさんのギターが本当に好きなんですね。前のバンドの頃から互いにいいライバルというか、意識していた部分はあるのでしょうか?

 
まりな:いやぁ…バンド同士はギスギスしてたんですけど(笑)、でも私はパッと見て「ギターの子が目に付くなぁ」と思って…
 
リサ:デカいからでしょ(笑)
 
まりな:あ、デカいからだったのかな…(笑)
 
ゆりえ:デブだったからね。
 
まりな:デカいなぁって…PV見ても、ギターの子すごいなぁって、なんか気になっちゃう。
 
ゆりえ:デブだったからね(笑)
 
まりな:デブっていうか、体も大きかったから(笑)
 
ゆりえ:スカートの中日本マドンナって、こっちは望んでないけど(お客さん目線で)「オレは日本マドンナの方が好き!」みたいに何かと比較対象だったので、まぁギスギスしますよね(笑)。でも1回くらいは言ったかもしれないけど、私はあんまり悪口は…
 
まりな:言ったんじゃん!私たちは全くだよ!「うまいよねー」って。
 
ゆりえ:それはウソだ!
 
まりな:いやいや、うますぎるよねって(笑)
 
ゆりえ:悪意が(笑)
 
まりな:あれどうやって弾くの?わからないねーって。
 

—ゆりえさんリスペクトの部分はありつつ、その他に自分なりのギターのこだわり、みたいなものはありますか?

 
まりな:うーん、私自身ソロはあんまり弾けないし、前のバンドでもソロなんて考えたことがなかったので、私は「気合い!」みたいな、精神的なものばかり重視していますね。
 

—技術より魂だ!っていう。

 
まりな:エフェクターも最初置かなかったんですけど、みんなにエフェクター使ってくれって言われたから「じゃあこれ1個置くわ」っていうくらいで(笑)。でも、ゆりえさんは私のギターをちゃんと認めてくれていたので、自分にできる精一杯のことをしようと思ってます。
 
リサ:まりなが「ジャーン!」ってやるのをスタジオで初めて見たときに、めっちゃかっこいいなと思って。私もコードを弾くのは好きだったんですが、一発に込める勢いが全然違うなと思って、コードはもう任せちゃおうって。自分はピロピロしてようかなと。メロを邪魔しないように…
 

—ギターが2人いると、どっちが何をやるかでもめる、という話をよく聞きますが…

 
リサ:それはなかったですね。ソロをどっちが弾くというのは最初特に決めてなかったので、お互いに考えて持ってきていい方を採用!っていう感じで。まりなが持ってくるフレーズは私が思いつかないフレーズだし。
 

インタビュー後編に続きます。
http://www.beeast69.com/feature/121203

 

◆リリース情報
ゆゆん ミニアルバム『今世』
¥700 ライブ会場限定販売
<収録曲>
M01. 牛乳
M02. にげよう
M03. テレパシー?
M04. ハーベスト
M05. やっほー
◆ゆゆん 公式サイト
http://www.music-scene.jp/yuyum/
◆ゆゆん 公式Twitterアカウント
https://twitter.com/yu_yu_yu_yuyum
 
◆ライブインフォメーション
・2015年01月27日(火)【下北沢】GARDEN
・2015年01月29日(木)【新 宿】紅布
・2015年02月06日(金)【下北沢】BASEMENT BAR
 
◆企画協力:ミューズ音楽院
http://www.muse.ac.jp/
 
◆インフォメーション
ロック・ポップスのジャンルでは日本で初めて1984年に
文科省の認可を受けた音楽専門学校。
OBにはB’z松本孝弘をはじめ、GRANRODEOe-ZUKA
藍坊主藤森真一など多数。
 
これまでの2年制専門課程に加え、社会人や大学生でも通いやすい、
1年制夜間コース(ボーカル専攻、ミュージック・ビジネス専攻)も
スタート! 詳細はコチラ!
http://www.muse.ac.jp/course/#course-top-night
 

 
muse
 
◆関連記事
【PHOTOレポ】ゆゆん@渋谷LUSH
http://www.beeast69.com/report/116505