手拍子が鳴る中、白を基調とした衣装が印象的なChelsyが姿を現し「Good-bye girl」でスタート。美しいメロディラインに重低音が心地よいナンバー「Happy End」と続く。3曲目は、切ない心情を綴ったバラード「I will」をしっとり歌い上げ、そのまま4thシングル「I miss you」に続くとイントロから手拍子がわき起こる。
 
一気に4曲終えたところでMC。AMI（Drums）がChelsyを初めて観るという人に向けて「Chelsyというバンド名にはいろんな意味があります！サッカーとかアメちゃんとかありますけど、それとはスペルがちがいまして、最後が“ｙ”でかわいい･･･（笑）。あれ？　名前だけでも覚えて帰ってください！」とちょっぴり天然（!?）を発揮し、会場を和ませる。
 
浮遊ｽﾙ猫とは、過去にイベントで共演した経験はあるものの、タイトなスケジュールのため話をする時間すらとれなかったとのこと。そのため、彼女たちにとっては待望の“2マン”実現なのだという。

ここでメンバーたちが、次の楽曲「You Make Me」に備え、サビの振り付けをレクチャー。軽快なバスドラとボーカル、ギターにのせて振りを合わせると、すぐに一体感が生まれ始めた。3回ほど合わせ完璧にシンクロしたところで本編のイントロにそのまま突入！この気持ちよい一体感は、やみつきになること間違いなしだ。前向きな歌詞から自然と笑顔がこぼれるポップチューンにフロアは大きく揺れる。
 
そして、至極のバラード「Rain」を披露し、後半へ突入。ドライブ感たっぷりの「Please Please Me」の後、各ソロもクールに決まり「YES」へとつないでいく。ラストは「escape」で飾り、全9曲一気に駆け抜けた。
 
キュートなルックスと、時折見せる大人の表情が魅力的なChelsy。爽やかな楽曲と等身大の歌詞、熱いステージにすっかり魅了されたひとときであった。

続いて、浮遊ｽﾙ猫が登場。薄暗い照明の中、3人の姿が浮かびあがると拍手がわき起こる。まずは、幻想的なイントロとコーラスワークが印象的な「mana」で幕開け、間髪いれずに「She is」でスパーク、「Spectre」では、やがわいちる（Bass & Vocal）が前方へ身を乗り出しオーディエンスをあおり踊らせる。
 
3曲終えたところで、いちるが「こんばんは。浮遊ｽﾙ猫です！元気ですか？下北沢！」と問いかけるとフロアは拍手と歓声で応える。男性陣の声援の大きさに「野郎の声しか聞こえないー（笑）」と返すと、女性陣も負けじとアピール。“猫ズ”（浮遊ｽﾙ猫のファンの通称）の広がりを感じさせる一幕も。
 
変幻自在に変化する曲調で、メリハリが気持ちいい「好奇の眼」から、さはら（Vocal & Guitar）の透き通る声と、いちるのパンチの効いたコーラスが交錯する「& ambivalence」で決めていく。続いての曲は雰囲気をガラリとかえてミディアムテンポの「over」。深海を思わせるゆらめくサウンドに身を任せて聴き入る観客たちが印象的だ。その後はアップテンポな「感性せよ」と、次々と空気を変えていく。

この日は、7月に開催されたワンマン公演のDVDのリリース初日でもあり、一層お祝いムードが漂う。「これからも“猫ズ”をたくさん増やして、仲良くしたい。もっともっと熱くなろうぜ！シモキタ！」と、いちるが呼びかけ鉄板曲「虚栄心パラドックス」のイントロに突入すると、この日一番の盛り上がりを見せる。
 
アッパーで挑発的ないちるのベースラインや、さはらの奏でるギターソロへ、フロアもエネルギッシュに応える。そのまま、おみ渾身のドラムソロから失恋ソング「愛の海」で後半も沸かせる。いよいよラストスパート、バスドラと手拍子の中「支離滅裂」からの「俯瞰」。これでもか、というくらいボルテージを上げてくる3人。途中3人が顔を見合わせ、息を合わせていく姿が印象的だ。
 
ぐいぐい食い込む重低音とドライブ感たっぷりのサウンドは、音の洪水となってGARDENを飲み込み観客を完全にノックアウトした。

放心状態のフロアからアンコールが起こり始める。笑顔で再び登場した3人は、Chelsyと”猫ズ”への感謝を述べつつ、DVDの紹介などを紹介した後、新曲の「ハラキリ★CITY」を演奏。アップテンポな前半と中盤はがらりとかわる、変則的な曲調の新曲は、今後のライブで盛り上がる定番ソングになりそうな予感。
 
短いMCのあと、さはらがギターを奏でながら、「今日この日がみんなにとって忘れられない一日になりますように･･･」と切り出して「Lemuel」をこの日のラストソングとした。
 
浮遊ｽﾙ猫は2月19日（金）に東京・渋谷Star loungeにて『猫缶vol.2』を開催することが決定。ポップでいてサイケデリック、透明感抜群でありながらビリビリ体に響くサウンドは、聴く者をトリップさせてくれること間違いないだろう。ライブを重ねるごとに完成度の高いステージを見せてくれる彼女たちの動向から目が離せない。

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