REPORT丨2026.04.26
【REPORT】ALHAMBRA「ニューアルバム『Skyward Pray』リリース記念ライヴ」
TEXT & PHOTO:桜坂 秋太郎
ALHAMBRA「ニューアルバム『Skyward Pray』リリース記念ライヴ」
2026.4.4 @渋谷clubasia
天空へと捧ぐ祈りの旋律……。2026年4月4日、春の雨が東京を濡らしている。渋谷の喧騒を抜け、会場のclubasiaへ。春の夜気が少し心地よく、どこか特別な夜になる予感がする。この日、開催されるのは、2026年3月26日に発売となったALHAMBRA(アルハンブラ)の5枚目となるニューアルバム『Skyward Pray』リリース記念ライヴだ。
ファンが待ち焦がれた、約14年ぶりオリジナル・フルアルバムを冠したこのステージは、会場を埋め尽くしたオーディエンスのみならず、ツイキャスを通じたライブ配信を見守る全国のファンにとっても、その心に不滅の叙事詩のように刻まれる時間となるに違いない。

暗転した場内に響き渡るニューアルバムからの「SKYWARD PRAY Chapter1 Requiem For The Tragedy 第一章 〜嘆きへのレクイエム〜」。劇的な組曲である三部構成の「SKYWARD PRAY」の第一章をSEとして、オーディエンスの大歓声の中、メンバーがステージへ現れる。原澤 秀樹(Drums)、YUHKI(Keyboards)、長谷川 淳(Bass)、梶原 稔広(Guitar)、そして世良 純子(Vocals)。





第二章の「SKYWARD PRAY Chapter2 The Quiet Before Ascension 第二章 〜静寂の翼/甦る翼〜」からライヴがスタート。世良 純子の歌声が放たれた瞬間、会場の空気が一変し、ALHAMBRAの世界へ引き込まれる。続けて第三章の「SKYWARD PRAY Chapter3 Skyward Pray 第三章 〜孤高の天使〜」へ。かつて傷ついた翼を抱き、地を這うような悲しみを知る天使が、再び空へと指を伸ばす物語に、オーディエンスの目の前で命が吹き込まれていく。





そのままニューアルバムからの「Forevermore 〜記憶のフレーム〜」へ。梶原 稔広の奏でる叙情的なギターの旋律が、記憶のフレームをなぞるように、オーディエンス一人ひとりの心にある思い出を呼び覚まし、大きなシンガロングが会場を包む。そして「Perfect Blue」。原澤 秀樹の精緻かつパワフルなドラミングが、楽曲に強靭なダイナミズムを与えている。それに応えるように、オーディエンスは激しく腕を振り上げている。





ライヴの中盤、YUHKI がALHAMBRAの第6のメンバーといっても過言ではないと紹介し、ゲストの佐々井 康雄(Vocals)が登場。ニューアルバムの「Mediterranean Sea」へ。佐々井 康雄の低音ヴォイスと、世良 純子の高音ヴォイスが、時に抱き合いながら螺旋を描いて上昇するかのような様が、ドラマティックで圧巻!の一言だ。そしてALHAMBRAの新メンバーとなった長谷川 淳の重厚なフレーズからメロディアスな高音域までを自在に行き来するベースソロへ。





続く「Fadista」は、佐々井 康雄と世良 純子のツインヴォーカルと、YUHKIと梶原 稔広の掛け合い、長谷川 淳の踊るベースライン、原澤 秀樹の力強いビート、その熱きアンサンブルに心が燃えるようだ。佐々井 康雄が舞台袖に消えると間髪入れずニューアルバムから「Photograph」。世良 純子のダイナミックでありながらも哀愁を帯びた歌声に涙があふれてくる。そのままYUHKIのピアノソロへ。要塞のようなシンセサイザーの群れの中、ピアノと向き合うYUHKIの背中が美しい。





インストゥルメンタルナンバーの「Estacion」では、YUHKIが拳を突き出してオーディエンスをあおり、シンセサイザーのテクニカルなフレーズが炸裂する!そして椅子から立ち上がった原澤 秀樹が、テクニックとエモーションを融合したドラムソロをスタート。ドラムソロの途中でオーディエンスとの掛け合いもあり、会場の熱量をグッと押し上げる。ステージ上のYUHKIからも「ヒデキ完璧!」と声が上がる。





世良 純子が衣装を着替えて登場し、ニューアルバムから「The Next Dimention」へ。会場のテンションは最高潮!オーディエンスが今日一番のシンガロングをバンドへぶつける。続けてニューアルバムからの「A Fleeting Actress」では、オーディエンスの高く掲げた拳が熱く燃えている。そしてライヴ本編最後は、ニューアルバムのラストを飾るナンバー。切なさと希望が同居する絶品の旋律を持つ「Anemone」だ。世良 純子の歌声が、儚くも強く咲く花のように会場を優しく包み込み、幕が閉じる。





鳴り止まない拍手の中、メンバーがアンコールに登場。この日は三度のアンコールに応えることになる。1回目のアンコールは世良 純子とYUHKIのほっこりしたMCから一転し、攻撃的な「Walkure」へ。「最強のメンバー」とYUHKIがいう現ALHAMBRAの「戦う意志」を認識できる。途中で佐々井 康雄が登場し、楽曲のドラマティックな展開に深みを与える。会場中のオーディエンスの腕がステージへ向けて高くビートを刻む。
◆Set List
M01. Skyward Pray
M02. Forevermore
M03. Perfect Blue
M04. Mediteranen Sea
M05. Fadista
M06. Photograph
M07. Estacion
M08. The Next Dimention
M09. A Fleeting Actress
M10. Anemone
M11. Walkure(-encore1-)
M12. Orion(-encore2-)
M13. Earnest(-encore2-)
M14. Rise Again(-encore3-)
M15. Missing You(-encore3-)
ALHAMBRA
世良 純子(Junko Sera)/ Vocals
YUHKI / Keyboards
梶原 稔(Toshihiro Kajihara)/ Guitar
長谷川 淳(Atsushi Hasegawa)/ Bass
原澤 秀樹(Hideki)/ Drums
ALHAMBRA Official Website
https://alhambra.ws

ALHAMBRA
「SKYWARD PRAY Chapter3 Skyward Pray 第三章~孤高の天使~」MV
2回目のアンコールでは、ライヴでやらなかった事が無いという「Orion」。スピード感と美しいメロディに浸った後は、そのまま「Earnest」へ。ALHAMBRAを代表する劇的な疾走感の2曲、シンフォニックなサウンドシャワーが気持ち良い。今日この場所へと辿り着いたALHAMBRAの歩みを、楽曲を通して感じる。それぞれの時を乗り越えてきたファンにとっても、これらの曲はもはや自分たちの人生の一部かもしれない。





3回目のアンコールは、世良 純子と佐々井 康雄が物販新作の「Rise Again」タオルを振り回す「Rise Again」へ。ショルダーキーボードを持ち、ステージ前方でプレイするYUHKIが、ライヴで盛り上がれるように作ったというダンサブルナンバー。再び立ち上がる、という今のALHAMBRAのメッセージが凝縮されていナンバーだ。そしてこの日の最後の演奏となる「Missing You」。物販新作の『Skyward Pray』アルバムジャケットのTシャツを着たメンバーも、縦横無尽にステージを動いての、まさに熱演!





ショルダーキーボードのYUHKIが、長谷川 淳や梶原 稔広とステージ中央に並んで笑顔を見せる。世良 純子と佐々井 康雄が、コール&レスポンスでオーディエンスとの一体感を作り、原澤 秀樹はそれらを目で追いながらも、完璧なドラミングで会場をクライマックスへと誘う。ニューアルバム『Skyward Pray』の発売記念ライヴは、どこまでも純粋で、かつてないほど力強い、今のALHAMBRAを全身で感じることができる貴重な時間だ。
そしてアンコールが終わり、会場には温かな余韻だけが残る。ライヴ会場から出ると、渋谷の街にはまだ少しだけ小雨が降っている。この雨はALHAMBRAの再始動を祝う雨なのかもしれない。日本最高峰のテクニカルな凄みを見せつけながらも、聴き手の心に寄り添うような、優しさを失わないALHAMBRAの音楽の祈りが、渋谷の夜の雑踏に響いている。
