本誌BEEASTが自信を持ってプッシュする太鼓判アーティストの特集、第34弾はChelsy(チェルシー)が登場します。メンバーは、MIO(Vocal & Guitar)、SHIZUKA(Bass & Chorus)、AMI(Drums & Chorus)の3人。まだ高校生だった2011年に結成し、2014年秋にメジャーデビュー。現在も都内の大学に通う”現役女子大生”バンドです。
5月27日(水)に3枚目のシングル「SistAr」をリリースし、インストアイベントやライブ出演など全国を飛び回り大活躍中の彼女たち。その魅力を誌面上でお伝えするだけでなく、実際に、特に同世代の音楽ファンにも触れてほしい!ということで、今回は東京・代々木の音楽専門学校ミューズ音楽院とChelsy、そして本誌BEEASTがタッグを組んで、6月2日(火)夜に公開インタビュー&アコースティックミニライブをミューズ音楽院にて開催しました。
Chelsyが同世代から支持を集める理由、そして今、”血のつながった姉妹のようにこれからも活動していきたい”という思いを曲に込め、発信した真意は…3人の熱い思いが飛び交った公開インタビューと、笑顔あふれるミニライブの模様を以下お届けします。
確かな演奏力が魅力の3Pガールズバンド。都内を中心に精力的にライブ活動を行っており、そのライブパフォーマンスは、“盛り上がる”と定評を受けている。また、2014年3月に発売された初のミニアルバム『I’LL BE ON MY WAY』がTOWER RECORDS渋谷店 J-INDIES チャートでウィークリー2位を獲得し、次世代のガールズバンドとして注目を浴びる。 大人気コミックが原作のTV アニメ「アオハライド」挿入歌にも大抜擢され、2014年9月24日にメジャーデビュー。ガールズバンドブームを牽引する新人バンドとなるべく、さらなる飛躍を目指す。
AMI:今インストアライブをしていて、いろんな人から直に感想が聴けたり、レスポンスがいただけるのが嬉しいし、改めて曲を演奏しているうちにこの曲に対する思いも大きくなっています。
AMI:はい。「みつばち軽音楽部」という現所属事務所の企画で、プロのミュージシャンの方に3カ月無料でレッスンを受けられるっていうオーディションをそれぞれ違うパートで受けていて、その後にChelsyを組もうという話を頂いて集まりました。
AMI:本当に性格が全員真逆で…三角形にしたら端っこと端っこと端っこにいるような3人なんですけど、音楽を通して知り合ったので、リハスタで音を一緒に鳴らしていくうちに、会話も弾んできて、一つのバンドになっていきました。
MIO:そうですね。学校も全員違うので。
MIO:シンガーソングライターになりたくて、通っていたライブハウスにあったフライヤーでオーディションを知りました。それを受けて今ここにいます。
MIO:本当に全然違うなって思います。最近またちょっとソロの活動もやっているのですが、バンドはみんなで音を出すものだから、支えられているという感じがすごくあります。ソロは自分のタイミングで音を出せるし、全部自分ということで、表現の仕方も変わってくるなって思います。
MIO:ソロでしかやったことがなかったので、どうやってバンドをやったらいいのかもわからなくて。探り探りで始めて、いっぱい音を合わせていくうちに楽しくなってきて、慣れてきました。
SHIZUKA:そうですね。「ほっとけないなぁ」みたいな感じはありますね。
SHIZUKA:そうです。AMIがリーダーです。
AMI:割と結成当初に決まりました。「自分がやるよ!」っていうメンバーがいなかったので、私がやることになりました。私はちょっとしっかりしていない部分があるので、自分に気合いを入れるという意味で、やろうと思ったんです。
AMI:そうですね。立候補者がいなかったので、立候補してみました!
SHIZUKA:「委員長やるよ」みたいなね。
AMI:そうそう!そんな感じ。
SHIZUKA:AMIはすごいムードメーカーなんです。
MIO:一番明るいです。
AMI:明るさを保つリーダーを引き受けています。
AMI:ライブのセットリストは基本的にSHIZUKAが案を最初に出してくれて、その上で皆でつなぎとかを考えていくことが多いです。
AMI:3年間がむしゃらに毎日生きてきたので、どこがキーポイントかと言われると難しいですが…Chelsy結成後にMIOが一度いなくなった時期があって、その時からもう一度Chelsyのボーカルに戻ってきてほしいって言ったときは皆で話し合ったし、ぶつかりました。でも、あのときがあったから今も続けてられるんだなと思います。
MIO:受験もあって、改めて自分が何をしたいのか、何をやりたかったのかを考えて、脱退という結論に達しました。脱退してから家にいることが多くなり、ソロで活動したこともあったんですけど、(AMIとSHIZUKAの)2人がテレビ(=2012年8月にフジテレビ「僕らの音楽」に出演)でmiwaさんのバックで演奏しているのを見て「何で私がこのセンターにいないんだろう」って思ったんです。すごく自分勝手なんですけど…。でも、その思いをメンバーに伝えることもなく。
AMI:そのときは既に新たなボーカルを探し始めていたのですが、なかなか自分たちがしっくり来るボーカリストに巡り会えなくて。そんな中、その年の12月にMIOのソロライブを観に行って、そこで「やっぱりMIOだな」と思ったんです。ライブ後に皆で「MIOちゃん戻ってきて」といっぱい話し合って…
SHIZUKA:リーダーがね、ごはん会を設定したりね!
MIO:そうですね。離れて気づくということがよくあると思うんですけど、そういう感じです。「もう一度ちゃんとChelsyで歌いたい」って思いました。
AMI:MIOの声質は私が思うに、どんなに明るい曲を歌っていてもすごく切なさが残るボーカルだと思っています。Chelsyは3人それぞれ作曲をして、様々なタイプの曲があるのですが、それをMIOが歌うとどれも絶対淡く切なくなるんです。そういう魅力がMIOにはあるので、その魅力が…MIOがいなくなっても心に残っていて、ソロライブという形で客観的に見たときも、やっぱりその魅力を感じて。
SHIZUKA:「SistAr」はデビュー前からずっとライブでやって来た曲です。1st、2ndとリリースしてきて、どちらも一人称の(「あたし」など一人目線の)歌詞だったんですけど、「SistAr」は”私たち”っていう歌詞で、メンバーの絆を再度確認するという…
AMI:再度確認というところはあるよね。ここまで2枚シングルをリリースして、3枚目が出せるとなったタイミングで、改めてどういう思いを持って前に進んで行くかをしっかり話し合いたいと思いました。それを再確認して、絆を一緒に確かめたいという思いが込められています。
AMI:そうですね…メジャーデビューをしたとき、私たち自身は今までと違うんだという感覚はあまりありませんでした。一番好きなのはライブなので、自分たちのライブパフォーマンスをもっともっと上げていこうっていうインディーズ時代からの延長としてのデビューでした。
AMI:でも、自分たちが日々ライブをやっていく上でもっと成長したいと日々思っていて、いろんな仕掛けもみんなで考えてやってはまた違った仕掛けをしてと…いろんなことを試行錯誤して、ライブも日々変化させていきました。
SHIZUKA:1年前くらいだったと思います。これは私が作曲しました。
SHIZUKA:私はMacのGarageBandで作っています。突然浮かんでくる派ではなくて、作ろうと思って作る派です。
SHIZUKA:高校生の頃だと思います。そのときはギター弾き語りで作っていました。学校の文化祭のミュージカルで曲を作ってくれる人を探していて、「できそうだな」と思って挑戦したのが最初ですね。
MIO:私はアコギ一本で作ります。私は長風呂なんですけど、お風呂でメロディがパッと浮かぶことが多いです。そこで歌詞ありきのメロディが浮かんできて、それをケータイで録音して作っています。
MIO:メロディが最初という人が多いと思いますが、私は歌詞から作ることが多くて、その歌詞の雰囲気にあったメロディをあてるっていうのが私のスタイルです。
AMI:私は小学校の頃から、自分で曲を作って遊んで歌うのがすごく好きで、その延長でピアノの弾き語りをしていました。最近はGarageBandで打ち込みもやるんですけど、私もどっちかと言うとMIOタイプです。歌詞を先にケータイのメモに埋めておいて、ストックがある状態で曲を作ろうと思ってピアノの前に座って…ピアノを弾いたときにメモを読みながら歌ってみて、メロディをあてて、それを打ち込むっていうスタイルが多いです。
AMI:そうですね。幼稚園を卒園するくらいから高校2年生までピアノを習わせてもらっていて、ずっとピアノだけやっていました。習っていたピアノの先生がユーモアあふれる方で、すごくピアノ教室が楽しかったです。そのときにクリスマス会で先生が作った曲がおもしろくて「私も曲を作ってみたい!」と思うようになって、一人で家で作って先生に聴かせていました。それで「すごーい!」って言われるのが嬉しくて、よく作っていました。
SHIZUKA:メンバーそれぞれが曲を作って、サウンドプロデューサー(近藤ひさし)さんに相談して、もっと詰めてから、さらにバンドでリハスタに入ってさらに細かいところを詰めていく、という形でやっています。
AMI:3人とも曲作りが好きなので、それを「今から曲を送るよ」とか何も連絡もしないで、勝手に一人ひとりプロデューサーにどんどん曲を送っています。その中でいいと思っていただいたものをアレンジしてもらって、そのアレンジされたものが3人皆に届いたときに「はい、これは誰々の曲です!」って。
MIO:そこで知る。
AMI:「めっちゃいい曲じゃん!」みたいな。
SHIZUKA:今はまだやっていないですが、これからどんどんやっていきたいですね。
MIO:これもアコギで作りました。彼氏と別れた女の子が、前に進もうと決意する曲です。一言で言ったら「別れたカップルの歌」という言葉でまとまってしまうんですが…別れる理由はたくさんあると思うんですけど、どんな理由だったとしても、絶対に前に進まなくちゃいけないってことがあって、ちょっと強がってでも自分に「前に進むんだ!」って。
AMI:強がりな女の子の曲なんですよねー。
MIO:「前に進む!」って口に出して言っただけで、自分の中で勇気につながると思います。
MIO:私はいろんな人の曲を聴いたり、様々なところにアンテナを貼ったりしています。何が一番身近にあって、何に対してリアルを感じるのかは…歌詞にハッとさせられるようなことがみんなあると思うんですが、それって自分の近くにあるのに気づけないものだったりするので、そういうものをメモにとっています。
SHIZUKA:私は小説とかマンガを読んでその主人公はこういうふうに思うかなって想像して書いています。
SHIZUKA:最初、私がデモを作ったときはミディアムバラードみたいな感じだったんですけど、プロデューサーさんと詰めていくうちにポップな感じになって、歌詞もガラッと変わりました。
AMI:O-WESTというハコを私たちが埋められたということはすごくみんなで喜んだんですけど、でもステージに立った瞬間にもっと遠くが見たいという思いが3人とも共通していて。
SHIZUKA:そうだね。
AMI:私たちの夢はアリーナツアーだから、ここで満足は出来ないという思いが「反省点」という言葉につながったのかなって思います。
MIO:そうですね。
AMI:ライブごとに大量の反省点はあるんですけど、それは日々改善していこうってみんなでぶつかり合っているので。
SHIZUKA:何でだろうね?
AMI:何でなんですかね?オーディションで出会って結成してから、自分たちの実力不足などで前に進めない時期もあったんですけど、それを乗り越えて今があるので。
AMI:「SistAr」という曲名は、本来のシスターの綴りの「er」でなく「Ar」になっていて、「stAr」、星という単語がシスターの中に入っています。私たちの目指すスター像がみんな一緒で、アリーナの舞台に立っている姿をみんな見ているからだと思います。
MIO:自分たちが個人個人でやりたい音楽じゃなくて「Chelsyっていう音楽」を3人とも作りたいと思っているのは大きのかなって思います。アリーナのステージで、ChelsyというバンドでChelsyという音楽をやりたいと思っているから…
AMI:曲作りもみんなChelsyというものに向かって作っています。自分の趣味だけでなくChelsyが歌ったらどうなるかというのを、ChelsyというところだけでなくChelsyの外側からも考えています。
AMI:私は高校生のときに東京事変さんや椎名林檎さんが好きで、コピーバンドもしていました。
MIO:私は、YUIさんに憧れてシンガーソングライターになりたいと思いました。洋楽も多いんですけど、Avril LavigneとかTaylor Swiftとか…阿部真央さんもよく聴いています。
SHIZUKA:私は高校生までは邦楽ばっかり聴いていて、Base Ball Bearさんが特に好きでした。最近はColdplayなどUKロックが好きです。
SHIZUKA:最初から最後までアゲアゲでは行けないじゃないですか?その緩急をどうやってつけるかをイメージして曲を当てはめていきます。結成当初はみんなで考えていたんですけど、最近は、私がたたきを考えるようになりました。
SHIZUKA:バラードでもポップでもどんな曲調でもどこかに切なさが出るのがChelsyのサウンドだと思っているので、こういう曲を作らなきゃとは思ってないです。
AMI:それはChelsyのいいところだよね。バンド像が固まっちゃうと、曲を作っていく上でも同じような曲になってしまうので。拒まずいろんなものに挑戦したいなと思います。
AMI:ギター女子がいっぱいいるんだ!
SHIZUKA:ね!うれしい!
MIO:私は最初に好きなアーティストの弾き語り本を買って、それを歌い弾き出来るようにずっと練習していましたね。「練習しよう!」と思ってやる感じではなくて、ただ弾けて歌えるようになりたい、これを歌ったら気持ちいだろうな、っていう感覚で本と向き合っていました。「好き」っていう気持ちが大事だと思います。
AMI:自分たちを知ってもらうためにどうしたらいいかというのは、毎回すごく考えています。個人個人で見せたり、知ってもらうツールは今どこにでもあるので、ビラ配りからツイキャス、YouTube、Twitter…いろんなことをしています。やっぱり思うのは、ちゃんといいライブをすればお客さんは見ていてくれるなって。
SHIZUKA:そうなんだよね。口コミとか広がるしね。
AMI:人から人へ。口コミって大事です!これから9月に向けていいライブをして、自分たちが出来ることは何でもして臨みたいなと思います。
AMI:自分たちの映像をしっかり見て悪いところを見つけたら、次のライブではそれが絶対にないようにしています。
MIO & SHIZUKA:いや全くその通りです。
AMI:その通りだそうです。あと、拒まず言う!ここはこうした方がいいということは。
SHIZUKA:ケンカ…殴りあいとかはしないよね。
MIO:話し合いだよね。
AMI:けっこう檄が飛び交う話し合いをします。ちゃんとぶつかって、思ったことは絶対に隠さずに言って、厳しいことを言ったとしてもChelsyとして前に進むための大切な発言だとみんな認識しているから、ちゃんと受け入れています。
SHIZUKA:Draft Kingさんは先輩で、対バンを何度もさせてもらっていて、同じガールズバンドとしても素晴らしい影響を受けています。
AMI:ライブを観るたびに変わるし、刺激を受けまくりですね。
MIO:ボーカリストでは、コレサワさんの表現や曲が素晴らしいなと思って刺激を受けています。
AMI:赤色のグリッターのドラムのクラカズヒデユキ君とは、初めてライブハウスで対バンした相手です。それからバンド人生の幼なじみみたいな感じで…赤色のグリッターは幕張メッセのステージにも立っているので、見ているとすごく刺激になりますね。