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スタッフヴォイス

鈴木亮介 Vol.2

2009年07月09日

以前、日本インターネット新聞JANJANに「“じゃばら”って何? 花粉症に効果で過疎村に注文殺到」という記事を寄稿しまして、それが市民記者の月間賞を受賞…なんてことがありました。

和歌山の過疎村が地元特産品の柑橘類「じゃばら」を赤字だのお荷物だの言われながらも大切に育て続けていたら、それが花粉症に効果覿面だという口コミが広まり、大学の研究でもその効果が科学的に実証されて、全国から注文が殺到するようになった、というお話です。

その時に図書券を副賞でいただいたのですが、それに加えて「ポイント」というのも大量にたまっていたみたいで、しばらく放置していたのですが、先月末でポイントが無効になるという通告があり、交換しました。

それで、送られてきたのが…この写真です。
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お分かりになるでしょうか。コーヒー豆です。宅配便の袋をベリベリと開けた瞬間に飛び込んでくる芳ばしい香りに感激してしまいました。どうですか、この量。

そしてこのコーヒー豆の珍しいのは、東ティモール産ということ。東ティモールと言えば、2002年にインドネシアから(正確にはインドネシアの占領から解放され、ポルトガルから)独立した、人口およそ106万人の小さな国です。21世紀になってから初の独立国として話題になりましたね。

念願かなって独立した後も、苦境が続いています。農村での貧国は深刻で、08年には大統領らの襲撃事件が起きるなど、政情も不安定。経済的な自立が急務となっているのです。

そんな東ティモールの主要作物の一つが、このコーヒー。国内では年間1万4千トンが生産され、輸出品の約2割を占める重要な農作物です。東ティモールで、コーヒー。恥ずかしながら、今回我が家に届くまで、全く知りませんでした。

そして、おそらく東ティモール製品を手にするのは初だと思われます。思わず、海を超えてやってくるまでの過程を頭の中で想像してしまいました。当たり前なのだけど、「異国の地から来たんだよなぁ」という感慨が。アメリカ製でも中国製でも同じことなんですけどね。そうやって改めて意識してみると、なんだか不思議な気持ちになりました。

ものづくりには、必ず受け手と送り手が存在します。敢えて字を変えてみましょう。享け手と、贈り手。ちょっとした意識一つで、我々は有難い贈り物を享受することができるのです。相手が見えないからこそ、こういう気持ちを持つことって大切ですよね。

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