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※東日本大震災等の影響により、記事の公開が遅れたことをお詫びいたします。(編集部)
TEXT:西川敦子
彼が旅立った直後にリリースされた「ピンク スパイダー」。この曲に関するインタビューでhideはこんな言葉を遺しています。「オレも作ろうかな、ロックオペラ」。 それから12年。hideの楽曲だけを使ったミュージカルを制作するプロジェクトが始動。そして、13回忌のメモリアルイヤーを締めくくる最後のイベントとしてROCKミュージカル『ピンクスパイダー』が上演されることになったのです。
ストーリーは、会ったことのないエス(武田真治/渡部豪太 ダブルキャスト)とメル(南沢奈央/高橋瞳 ダブルキャスト)が携帯を通じて交わす会話からスタートします。メルに夢を語るエス。でも、エスは言います。「ボクには羽がない。だから、飛べなくて」と。
飛べないとこぼしたエスでも飛べたのがPSYCHOMMUNITY。しかし、蝶の羽は奪われてしまいます。それを再びふたりに渡そうとしたのは、やはりTAKA。差し出された蝶の羽をエスは受け取るのでしょうか。エスの伸ばされた手の先にあったのは…。 PSYCHOMMUNITYでメルを見つけたエス。現実の世界へと戻ってきたエスがメルに語った言葉は…?
歌われる楽曲の歌詞によって、登場人物の心境や気持ちが表現されることが多いミュージカル。同時にセリフでも、それらは表現されます。『ピンクスパイダー』は、そういった従来のものとは少し異なったミュージカル。役者陣が口にするセリフは多くなく、歌詞にセリフに代わる言葉がズバリ出てくることもありません。多くは曲中の動きや表情によって語られ、ストーリーは進んでいきます。それだけに、同じ楽曲が使われていても、歌い手や場面によってまったく別の表情を持つことも。
キャストの起こすお芝居の化学反応と楽曲の中で進むストーリー。恐らく、100人が観れば100通りの受け取り方があるはず。hideの音楽がそうであったように、この作品もまた解釈はオーディエンスに委ねられている。そんなミュージカルが『ピンクスパイダー』!
【囲み会見レポート】
![]() 武田:ボクの初日は11日なので(まだ少し先ですが、明日初日を迎える)豪太くんはどう? 渡部:大丈夫だと思います。 高橋:私も(初日は)9日なんですけど、緊張してます。 南沢:私もすごく緊張していて。稽古中なのに胃が痛くなったり。完全に緊張してます。 武田:今回はダブルキャストなんですが、いいところをいっぱい学びたいと思います。それはダブルキャストでやれる特権だと思いますね。 渡部:(武田)真治さんが言ってくださるんですよね。「豪太、ここはもっとこうしたほうがいいぞ」って。それを真治さんがやって見せてくださるんですよ。なので、今までにない経験をさせてもらってます。 武田:この作品は、普通のミュージカルよりもステージ上の音が大きいんですよ。ミュージカルで生バンドが入っていると、ドラムの前にクリア板とかあって音を抑えたりするんですけど、もうバーンと出てますから。相当迫力があると思います。もちろん歌もありますし。 南沢:歌は高橋さんが専門なので、教わってます。発声からノドのケアまで。キャストのみなさんはミュージカルを経験されている方が多いので、ストレッチとかも稽古場で教えてもらいながら練習してます。 高橋:私もミュージカルの経験はゼロだし、観に行くっていうこともなかなかなかったことなので、先輩方にいろいろアドバイスいただきながら毎日稽古に励んでおりました。今回の『ピンクスパイダー』は私にとっては新しい刺激で新しい挑戦で。日々楽しいです。 武田:普通のミュージカルってメインの曲以外は2分弱くらいで終わるんですよ。でも、今回はhideさんへの思い入れもあって、曲の歌詞を切れないってことで始まったら4分間歌わなきゃいけないんですよね。それが二十数曲。 渡部:でも、楽しいので、幸せな4分間というか。あっというまに終わってしまいますね。曲の中でストーリーが展開するので、たぶん見ていておもしろいと思いますよ。 武田:このミュージカルのなかで何回か歌われる「ピンク スパイダー」も、それぞれの立場から歌うので全然違ってくるし。それがすごくおもしろくて。とても聴きごたえがあると思います。あと今回、すべての公演にJさんが出演してくださるんですね。で、このあいだみんなでちょっと稽古場打ち上げみたいなのをやったときにいろんなお話をうかがって。じつはこの作品って多くの方が想像されてるよりもポップな仕上がりになってると思うんですね。でも、それでいいんだみたいなことを言ってくださって。亡き人を知ったふうなふりして掘り下げるんじゃなくて、遺されたものを明るく楽しく解釈して、次の世代につないでいってくれみたいなことを言われて、すごくスーッとしたんですよ。Jさんと出会えてよかったなと思ってます。 渡部:そんな『ピンクスパイダー』。 高橋:3月8日から。 南沢:東京グローブ座にて。 武田:上演しています。よろしくお願いします!
~公演情報~ROCKミュージカル『ピンクスパイダー』
キャスト:武田真治/渡部豪太、南沢奈央/高橋瞳、TAKA(defspiral)、J(友情出演) ほか 公演日程: 問い合わせ: |