2010年8月21日、BEEAST独自企画として、「START Beer’n Aid」と題したイベントを開催しました。故Ronnie James Dioが1985年に提唱した「アフリカ飢餓救済チャリティプロジェクト“STARS Hear’n Aid”」のマインドを引き継ぎ、チャリティ目的を入れた飲み会を“START”です。1985年といえば、とても記憶に残る年です。一番大きく覚えているのは“日本航空123便”の御巣鷹山への墜落事故。この年は世界的にも墜落事故が発生した年。世論と同じく私の中でも飛行機の安全神話が崩れた年でした。
そして電電公社はNTTへ、専売公社はJT(たばこ産業)へと民営化した年です。私の好きだったレース界では、F1はAlain Prost、ロードレース(2輪)ではFreddie Spencerや平忠彦が大暴れした時代です。そんな思い出深い1985年、1億人の飢餓を救うというスローガンで、洋楽史上最大のイベント「LIVE AID」が開催されました。そして誰もが知るQuincy JonesやMichael Jacksonを中心とした「We Are The World」がありました。まさにこれらは世界を一つにした企画です。その一連の流れに触発されて、ハードロック/ヘヴィメタルのアーティストで何かやろうと、Dioを率いていたRonnie James Dioを中心に夢の競演が実現したのが、「STARS Hear’n Aid」です。
「STARS Hear’n Aid」は、歌だけでなくハードロック/ヘヴィメタルらしく、ギターの競演がウリとなっていました。ざっと参加ミュージシャンをあげてみましょう。考えられてないような、驚きの顔ぶれです。「Ronnie James Dio / Rob Halford / Dave Meniketti / Kevin DuBrow / Don Dokken / Geoff Tate / Eric Bloom / Paul Shortino / Vivian Campbell / Yngwie Malmsteen / Eddie Ojeda / George Lynch / Craig Goldie / Neal Schon / Brad Gillis / Carlos Cavazo / Donald ”Buck Dharma” Roeser / Dave Murray / Adrian Smith / Jimmy Bain / Vinny Appice / Frankie Banali / Tommy Aldridge / Carmine Appice / Vince Neil / Blackie Lawless / Ted Nugent / Claude Schnell」。
リアルタイムではない方だとイメージしにくいかもしれませんので、ソロのYngwie Malmsteen以外のアーティストをバンド単位に直すと、「Dio / Judas Priest / Y&T / Quiet Riot / Dokken / Queensrÿche / Blue Öyster Cult / Rough Cutt / Twisted Sister / Giuffri / Journey / Night Ranger / Iron Maiden / King Kobra / Mötley Crüe / W.A.S.P.」、という今では考えれないラインナップとなっています。そんなラインナップで制作された「STARS Hear’n Aid」は、今聴いても実に素晴らしい作品で、ハードロック/ヘヴィメタルの世界で、これを越えるセッションは無理だろうと言われています。
そんな素晴らしき「STARS Hear’n Aid」に感銘を受けてから、25年の歳月が流れました。当時は怖いもの知らずのバカな青春時代だった私も、今や成人病の単なるハゲ親父。でも私は、社会活動(チャリティ等)をかなり真剣にやっていた時期もあって、いつかロックとチャリティをコラボレーションしたいと思ってきました。本誌BEEASTも、そういう視点からチャリティ活動を人知れず行っています。今回企画した「START Beer’n Aid」は、チャリティを表に出した企画を考えていた時に、「STARS Hear’n Aid」のイメージをそのまま頂こう!と考えました。このような形でパクる分には、故Ronnie James Dioも喜んでくれると勝手に思ったわけです。
会場はちょうど「ロック酒場探訪記」の第4回で訪れた、「Rock Bar Malmsteen」さんをお借りする形で実施しました。「STARS Hear’n Aid」でも花形だったYngwie Malmsteenをコンセプトにするバーですから、シチュエーション的にはバッチリです。BEEAST主催の単なる飲み会ではあるのですが、そこにひねりを加えることで、新しい流れに期待をしました。本誌の誌面上では告知していませんが、“読者メンバー”に毎週土曜に送られるメルマガ「週刊ビースト瓦版」にて、本誌スタッフへの質問や、裏メニューとしてギターレッスンの受講を募集しました。
ギターレッスンは、本誌スタッフの加藤伸太郎が読者の方へ直々にレクチャーを行うというもので、今回の読者(三上様)も、「悩みが解決した!」と喜んでいました。ご希望の内容は、ギターのテクニックの一つである“スウィープ・ピッキング”。どうしてもうまくできないという悩みに、まさにマンツーマン状態で“伸太郎テク”を伝授していました。思っていたよりも、読者満足に繋がったようです。
そして当日参加するスタッフを事前に通知していたので、質問はかなり集まりました。参加するスタッフが質問をチョイスすると良くないと思い、参加しないスタッフに質問を選んでもらいました。その結果を、ムービーの形でご紹介したいと思います。暗くてわかりにくい映像に、ソフトモザイクなエフェクトがかけられ、せっかくのイケメンなスタッフがよくわからないかもしれません。「START Beer’n Aid」の雰囲気だけ味わう程度に考えてください。例えれば、デパ地下の爪楊枝が刺さったサンプル食材みたいなものです。
BEEASTのスポンサーである焼鳥の店「いろ鳥どり」から差し入れされた大量の焼鳥に囲まれながら、飲み放題を実行していると、あっという間に時間が過ぎてしまいました。なんと予定を大幅に超えた23時30分にお開き。今回は初回ということもあり、段取りなどが完璧ではありませんでしたが、それでも内容の濃いトークができたのではないかと思います。イベント内容に、「会いに行けるアイドルがいる時代。会いに行ける編集部があってもいいじゃないか!ビーストスタッフと読者を繋ぐリアル飲み会」と書いたことに偽りは無かったと思います。そして次回があるのならば、より楽しい会にしたいと思います。その時は今回ご参加できなかった読者の方も、ぜひお気軽に!私たちと一杯やりましょう!
【チャリティ報告】
チャリティ先:マイケルJフォックス財団
http://www.michaeljfox.org/
寄付金額:8000円/約90$
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