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TEXT:西川敦子
先日、スタッフ・ヴォイスでも紹介した舞台『2069』。音楽・ダンス・会話のコラボレーションで繰り広げられる新感覚演劇ということに加えて、「BEEAST」読者なら考えるまでもなく「そんなの無理!」と叫んでしまいそうなLIVE禁止令が発令された世の中を描くということで、さっそく初日公演にオジャマして参りました!何もかもがデジタル化され、人間の見るもの、聞くもの、触れるものでさえも機械で処理されるようになった2069年。そんな世の中では、争いがなくなる代わりに人間の感情も希薄で。反抗しようとする者には、感情をコンロールするチップが埋め込まれ…。それはまるで人間ロボットのごとし。人間ロボットになりたくなければ、感情を押し殺すしかない時代。それが2069年。 ![]()
そんななか、できたのがLIVE禁止令。音楽も時代の流れとともにデジタル化され、歌を奏でるボーカロイドが現れ、すべてがデジタルの音のみに。生で楽器を演奏しながら歌うなど論外。それで何かを訴えようなんて、もってのほか! ギターや名盤といわれる数々の音楽アルバムにKEEP OUTの黄色いテープが貼り付けられたステージセットが、2069年の閉塞感を表現しているようでした。 そんな時代にあって、音楽を奏でるためだけに作られたのが人造人間・ミューロイド。なかでも人気を博していたOCEANはハジメ(矢吹卓也)、ケイ(大友陸)、アム(玉城裕規)からなるアイドルユニット。それぞれにIQが2億だったり、晩酌とフレンチトーストが好きだったり、好奇心旺盛で気になるものへの執着心が半端じゃなかったり。人造人間といえども個性あふれる3人を世話するのが人間である亮(市川恭広)の仕事で。そして、その仕事を亮に紹介したのが隼人(久永輝明)だった。 ![]()
そこに現れたのは、2069年の現代っ子ともいうべき翔太(小川直)。彼いわく、感情は面倒なもの。だから、必要ないと言う。そんな翔太がある日、感慨深げにギターを見つめる亮と出会ったことから、物語は大きく動き出すのです。 亮と亮が世話するミューロイドたちと交流し、少しずつ心が変化しはじめる翔太。その様子がOCEANLANEの楽曲をバックに描かれるのですが、そこに長々としたセリフはありません。音楽と彼らの動きやダンスだけで、翔太の変化を見事にオーディエンスに伝えているのです。また、同じく曲をバックに登場人物の関係性や過去、現在をフラッシュバック的に見せるといった手法も。そこにもやはりセリフはなく…。 ![]()
ミュージカルなら曲調・歌詞・ダンスが、ストレートプレイならセリフや役者の動きが。それが表現ツール。でも、そこから言葉を取り除いても、音楽があって人間がいれば感情や状況を伝えることが十分に可能だということを示してくれた『2069』。もちろん、そのためには役者をはじめスタッフの高いスキルも必要なのですが。それもこれもクリアした、まさに新感覚の演劇! さて、すっかり“人間らしく”なった翔太。彼があるとき手にした音楽雑誌には、見覚えのある人の姿が。それは、亮。そして、そこから翔太は亮が所属していた音楽ユニットのマネージャーが隼人だったことを思い出します。でも、亮にその記憶はなく、隼人を問いつめても答えは帰ってこない。確実に隼人はすべてのカラクリを知っている様子なのに。 ![]()
その隼人は不具合を抱えるケイの処理を密かに進め、それに気づいたハジメは…。隼人はいったい何者なのか? そして、感情を持たないはずのミューロイドであるハジメはケイを救うのか? いっぽう、翔太に雑誌を見せられた亮も何かがおかしいことに気づき始めていて。そこにもチラつく隼人の影。亮の消えた記憶は隼人の過去にも関係しているのでしょうか? やがて、OCEANや亮、翔太の不穏な動きを察知した政府は、アムに監視チップを埋め込み…。 人間であるがゆえに過去とさまざまな感情に苦しむ隼人、人造人間でありながら自らを犠牲にしても仲間を救おうと立ち上がるミューロイドたち、本来の自分を取り戻す亮が行き着く先は…? 彼らの選択には、感情というものを持たなかった翔太の言葉が大きく影響していました。「ライブ、やろうよ! 逃げたって何も変わらない」「大声で叫ぶ人生を選ぶ。たとえどうなったとしても」。 ![]()
もしもあなたが2069年に生きていたら。苦しみやつらさから解放されるために素直な気持ちを捨てますか? LIVEが禁止されてもおとなしく従いますか? きっと「BEEAST」読者は「NO!」と答えてくれますよね? だって、そんなのロックのスピリットじゃないもん!
【アフタートークライブレポート】
初日公演の修了後に行われたトークライブには、キャスト6人が勢揃い。いいカンパニーぶりをうかがわせてくれたトークライブのもようをお届けします。 久永:どうも、隼人役の久永輝明です。本日、司会を務めさせていただきます。今日のトークライブは、2069年はどんなことになっているかな〜というところを出演者に聞いてみたいなと。まず、ケイ役の(大友)陸から。 大友:オレから? …車が空を飛んでると思います。 久永:じゃあ、市川(恭広)先生に聞いてみましょうか。あ、自己紹介も兼ねて、で。 市川:亮役をやらせていただきました市川です。2069年、車が飛ぶんですよね? 人も飛んでるんじゃないですかね? 玉城:機械なしで飛んでるってこと? 市川:靴の中に重力をどうにかする装置かなんかがね。 久永:じゃあ、続きまして。どうぞ、自己紹介から。 矢吹:ハジメ役をやらせていただきました矢吹卓也です。2069年は人類が飛んでいくと思います。 玉城:もはや意味わかんないから(笑) 市川:どんどん飛ぶ流れで行くわけね? 楽しみだねぇ、最後。何が飛ぶんだろうねぇ。 久永:可続きましてアム役の…。 玉城:アム役の玉城裕規です。2069年ですよね? 何が浮いてるって、もはや全部浮いてるんじゃないですか? 大友:全部きちゃった(笑)(最後の小川、プレッシャーに耐えきれず右往左往) 市川:(小川に)まだ(ネタは)ある、まだあるよ(笑) 久永:さあじゃあ、直。 小川:えーっと翔太役の小川直です。……。 市川:今、考えてます。 矢吹:ドカーンと(笑えるのが)来るからな。 小川:昨日寝ずに考えたんですけど、何も浮かばなかったです。 一同:……。 玉城:ちょっと待って。 市川:何? 今の練習でしょ? 久永:リアルにいったらさ、直は今17歳でしょ? ほんで59年後やから、76歳や。何してる? 小川:それもいっぱい考えたんですけど、何も浮かび■※♪☆▲…。 一同:何言ってるかわかんないよっ(笑)! 久永:では、お時間ということで。最後にひとことずつポポポポーンと。じゃあ、直から。 小川:ありがとうございました! 矢吹:お足もとの悪いなか、どうもありがとうございました。 一同:……。 久永:終わりですか? 矢吹:ポンポンといこうって。 市川:え〜、お足! ありがとうございました!! 大友:それだけ? マズイでしょ(笑) 小川:最後、(久永)輝くんから一発ギャグ! 久永:では、参ります。(妙な節とゼスチャー付きで)鼻〜毛が伸びた〜らバイオリンになった♪ 一同:……。ありがとうございました!!
[information]
『2069』で重要な役割を担った音楽。使用された楽曲は、すべてOCEANLANEが手がけたもの。2010年7月28日には、『2069』のサウンドトラックがiTunes storeで独占配信されることが決定! 未発表曲「Gloria」を含む全13曲が収録されています。このサントラを聴きながら、もう一度頭のなかで『2069』を綴ってみては? OCEANLANE「2069 Soundtrack」1,800円(Tax in) ■Standing On My Side ■Shine On Me ■Answer to This Flower ■Fade in Time ■Terminal ■Golden Buzz ■Fighter Pilot ■Gloria ■Light Up My Soul ■Last Call ■I’ll Be Around ■Walk Along [公演情報] 『2069』 キャスト:市川恭広、矢吹卓也、玉城裕規、大友陸、久永輝明、小川直 スタッフ:加藤真紀子(脚本・演出)、森良之(舞台監督)、YUCCO(振付)、OCEANLANE(音楽)ほか 公演日程: ・東京公演: 2010年7月09日(金)〜11日(日)@SHIBUYA BOXX/チケット:3,500円(前売り・1ドリンク込)、4,000円(当日券・1ドリンク込)、7,000円(ライブセット券・1ドリンク込・特典付) ・OCEANLANE LIVE IN「2069」: 2010年7月12日(月)@SHIBUYA BOXX/チケット:3,500円(前売り・1ドリンク込)、4,000円(当日券・1ドリンク込)、7,000円(ライブセット券・1ドリンク込・特典付) 問い合わせ: DISK GARAGE TEL 03−5436−9600 主催:JOYSOUND/DISK GARAGE 企画:XING 制作:Knocturn/DISK GARAGE オフィシャルサイト:http://knocturn.com/2069/index.html |