今、巷ではアニメの「けいおん!!」に人気があったり、AKB48が「GIVE ME FIVE!」で自分たちのバンドによる演奏を披露したりと、女の子が楽器の演奏やバンドを組むのに親しみやすい環境やキッカケが、以前よりも増えてきたように感じます。BEEASTでも今月からオーディション企画「ROXY GIRLS AUDITION」を開催して、日本中の「熱きロック娘。」の夢をサポートしています。
br>
BEEASTのコンセプトは「ロックと生きる…ライフスタイル応援マガジン」。オーディションでチャンスを作るだけではなく、「これから楽器を始める方にも何かしたい」「楽器を始めるキッカケを作りたい」そんな話を編集会議で繰り返しました。身近に音楽や楽器に詳しい人がいないと、なかなか始められないもの。そこで初心者のキッカケ作りの一つとして、気軽に楽器を始められるよう、BEEAST視点で新連載「アスヘノツバサ」をスタートします!
br>
本連載を手伝ってくれるのは、瀬戸ちひろ(以下:チロちゃん)。「146cmのちいさなちいさなエンジェル」と言われる彼女ですが、実は趣味が工場見学というアイドル界の“聖鉄女”。工場は、アーティストのプロモーションビデオなどでもよく使われます。何となくロックな匂いを感じた編集部は、そんなチロちゃんへ、初心者代表の生徒として本連載をお願いしました。
br>
生徒が決まったら、続いて先生を決めないとなりません。白羽の矢が立ったのは、福原善勝(以下:ヨシカツ先生)。音楽学校 MI JAPAN 東京校の講師として活躍中の、若手イケメン先生です。そしてヨシカツ先生は、BEEASTコラムニストでもお馴染み、教則本「地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ」で伝説を作り上げた小林信一のお弟子さんでもあります。
br>
「楽器屋さんに行ってみよう!」
br>
楽器を始めようと思っても、楽器が手元になければ始まりません。そこで第1回目はとにかく楽器屋さんに行っていろいろ体験してみようということで、チロちゃん、ヨシカツ先生と一緒に渋谷にある池部楽器店グランディ&ジャングルにお邪魔してみました。
br>
このグランディ&ジャングルはJR渋谷西口を出て歩道橋で国道246号線を渡ったすぐのところにあり、1FとB1Fの2フロアで初心者向けから上級者向けギター&ベース、弦やリプレイスメントパーツなどのアクセサリーまで何でも揃うお店です。
br>
ギター担当の西岡隆博スタッフ(以下:西岡さん)にお店の案内をしていただきました。音楽には興味はあるけどギターの演奏はまったくの初心者というチロちゃんですが、初めて入る楽器屋さんに興味津々です。
br>



ギター&ベースのコーナーを案内してもらうチロちゃん。やっぱり女の子だけあってカラフルなギターに目がいきます。グランディ&ジャングルでは約1000本のギター&ベースが品揃えされているそうです。チロちゃんが何かおもしろいものを見つけたようです。指差しているのはGIBSONのFlyingV。逆V字型をしているいわゆる変形ギターと呼ばれるギターですが、この形はMichael SchenkerやMichael Amott(Arch Enemy)などいろいろなギタリストが使用しているポピュラーな形のギターです。
br>


次にチロちゃんが手に取っているのはFERNANDESのZO-3。名前の通り象の形がモチーフになってる事がなかなか分からず悩むチロちゃん。このギターはアンプ内蔵なので、初心者にも簡単に扱えて、練習用にはもってこいのギターです。
br>


次はアクセサリーコーナーです。ピックだけで何十種類の品揃えで、チロちゃんはびっくりです。ティアドロップ型と呼ばれる普通の形のものだけでなくおにぎり型やサムピック型などあり、また厚さもソフト、ミディアム、ハードなどいろいろな厚さのものがあり、材質もセルロイド、ナイロン、メタルなど様々な種類が存在します。種類によって弾き心地や出る音のニュアンスが違ってくる事をヨシカツ先生に聞いて、チロちゃんは感心しきりです。
br>


弦にいたっては何百種類の品揃え!同じギターの弦でもゲージ(太さ)が何種類もあり、手の小さいチロちゃんは弦を押さえるのにあまり力のいらない細めのゲージの弦を西岡さんに勧められました。
br>


充実のリプレイスメントパーツ(修理用の部品)やアクセサリーです。何に使うものか全くわからず、うろたえるチロちゃん…これからギターに親しんでいけば、いろいろわかるようになりますよ!
br>



楽器の試奏も気軽にできます。試してみたい楽器があれば気軽に店員さんに声をかけてくださいとの事。自身も使用しているSCHECTERのギターを試奏するヨシカツ先生。チロちゃんもヨシカツ先生に教わりながらギターを弾いてみています。
やはり初心者ではどんなギターを買ったらいいのかも分からないものです。そこで西岡さんに初心者の方がギターを選ぶときのポイントをうかがってみました。
— 初心者に向けての楽器購入のアドバイスをお願いします。 br>
西岡さん:もし現在楽器を持っているのであれば一番大事なのはチューニングなので、チューニングメータは必要です。エレキギターであれば大きな音を出したいでしょうからアンプも必要ですが、家族や近所迷惑にならないことが大前提です。自分の生活にあったアイテムを手に入れることが大事ですね。まだいろいろわからない初心者の方向けに「初心者セット」というギターやアンプやチューナーなどがセットになった商品が1万円くらいで手に入るものがありますが、自分で理解しないで買ってしまうと長続きしなくなることがあります。まずはお店で相談してもらって、自分で理解して選んで買ってもらえるのが理想的な形ですね。家で練習するときに不便に思うところを解消していくもの、ピック、弦、アンプも然りですが、そういうところから揃えていくのがいいと思います。 br>
チロちゃん:セットは確かに便利だけど、家具みたいに組み合わせを選べる方が楽しいですよね? br>
西岡さん:例えばチューナーでも黒っぽいものではなくて、原色系のものを持っていたら使うのが楽しくなったりしますよね?せっかく買うんだから、楽しんで使えるものを選ぶことが大事です。 br>
チロちゃん:色の組み合わせを自分流にしたら楽しそう(笑)。自分の色を出せるし、自分が地味でもギターで主張できそう(笑)。 br>
西岡さん:ギターをやってる人だったら「この色が好きだ!」っていうのを誰でも持っていると思いますよ。 br>
ヨシカツ先生:僕はオレンジ色のギターを使ってます。自分の好きな色だとやっぱりモチベーションがあがりますよね(笑)。 br>
チロちゃん:キャラクターとコラボしているのも多いし、ZO-3もカワイイし、結構女の子向けデザインのものがありますね! br>
— 初めて選ぶギターはやっぱり重さとかで選んだ方がいいんでしょうか? br>
西岡さん:最初は重量の軽いものを選ぶ人が多いです。やっぱり女の子には軽さだったり、コンパクトさだったりというのが重要な要素になります。人気のある機種を選ぶっていう方法もありますが、使っているうちに物足りなくなる部分っていうのは必ず出てくるので、まず始めは使いやすさに重点を置いたものを選んで、次にもう1本買うときに経験をふまえた上で選ぶのがいいと思います。 br>
チロちゃん:最初は使いやすいのを選んで、だんだん自分流にしていくのがいいんですね。私、完全に見た目から入るタイプなんで、相談しないと最初から自己流になっちゃいそう(笑)。 br>
西岡さん:やっぱり触りたくなるギターじゃないとなかなか上達しないですよね。使うのが楽しくなるような楽器を選ぶことが一番大切なことです。 br>