連載

Sound Harlem 朝倉 亘司 オーナーに突撃取材!
TEXT & PHOTO:桜坂秋太郎

連載「ロック社会科見学」第14回は、中古楽器専門店Sound Harlem(サウンドハーレム)をご紹介しましょう。新品の楽器は、街の楽器店へ行けば手に入ります。しかし、中古楽器となるとそうはいきません。中古ですから、一つとして同じコンディションの物はなく、信頼できるショップを見つけることが一番。

Sound Harlemは、楽器を売りたい人と買いたい人、両方からの信頼を得ていると評判のお店。今日はどのようなお話が聞けるのか楽しみです。新松戸へ向けて走る道は空いていて、都内からのアクセスも良好。鼻歌まじりのドライブで、あっという間にお店へ到着。人当たりの良さそうな朝倉オーナーが出迎えてくれます。

店内を見渡すと、楽器ファンにはたまらない空間。そういえば私の楽器屋初体験も、幼少に父親と行った中古楽器専門店だったことを思い出します。当時はGS(グループサウンズ)が終焉を迎えた頃で、今のようなデジタル機器はありませんでしたが、それでもどことなく同じ匂いを感じることができます。

朝倉 亘司 オーナー プロフィール

千葉県出身。学生時代は八王子に住み、バンド活動を始める。主に立川や新宿での活動と並行して複数のバイトを経験。中古を取り扱う釣り具やゴルフの店でバイトしたノウハウを楽器に応用して、埼玉にて独立。通販専門として小さくスタートしたが、わずかな期間で実店舗を構える。2年前に千葉の新松戸に移転。近隣のライヴハウスなどと一緒に、若者へのロック啓蒙を実践中。

— お店が閑静な住宅街の中にあって、少々驚きました。

朝倉:元々は埼玉の16号沿いで始めたのですが、2年前くらいにココへ引っ越してきました。エリア的には大宮から何となく探していたのですが、たまたまココを見つけて。

— 駅からも近いですし、来店されるお客様が多いですか?

朝倉:確かに直接来てくださる方もいますが、どちらかと言えば通販の方が多いかもしれません。来店される場合も、事前にメールや電話でやり取りしてからの方が中心です。曜日で言うと、土日に足を運んでいただくことが多いですね。

— お店のラインナップは色々な物がありますが、メインを教えてください。

朝倉:ウチはギターとシンセがメインですね。特にデジタル物は得意で結構やっていると思います。

— お店のホームページも、商品の写真がきれいでわかりやすいですね。

朝倉:ありがとうございます。ホームページも更新頻度が高いのですが、すごく商品の回転が早くて、一週間で店内の見た目が変わってしまうくらいです。

— 先ほど通販が多いとのことでしたが、エリアは全国ですか?

朝倉:そうです。ちょっと前に送料を安くしたところ、北海道や沖縄からのオーダーが増えました(笑)

— 以前は埼玉ということですが、お店のオープンはいつ頃ですか?

朝倉:2004年の9月にオープンしました。もう8年経ちますね。6年間を埼玉でやって、千葉で2年です。

— 場所が変わってお客様の反応はどうですか?

朝倉:あまり関係なかったです(笑)。通販中心にスタートして、今に至るので。今はこの付近にあるライヴハウスや大学・高校の学生達と、ロックを盛り上げようとしています。

— 元々楽器関係のお仕事をされていたのですか?

朝倉:全然関係ないです(笑)。長いことバンド活動をやっていましたので、バイトでフリーターみたいな感じです。釣り具やゴルフのお店でバイトをしていたので、そこのノウハウを使って、楽器に応用して始めました。

— お店はお一人ですか?

朝倉:従業員のスタッフが一人います。オープンから一緒です。彼は元々知り合いで、某楽器店でリペアマンをやっていまして。開店するにあたってスカウトしました(笑)

— バンドのパートはギターですか?

朝倉:いえヴォーカルです。ギターを弾きながら唄っていた時もあります。学生の頃は八王子に住んでいましたし、立川や新宿でライヴ活動が多かったです。

— バイトからいきなりの開業もすごいですね。

朝倉:お金がなかったので、できるところから始めました。埼玉でオープンしたのも、たまたま知り合いの車屋さんの一角を貸してもらえることになって。そういう感じなので、机と電話と倉庫を借りて。通販専門で始めました。

— 事業を軌道に乗せるのは大変だと思いますが、どのようなアプローチをされましたか?

朝倉:口コミとインターネットです。特に最初の一年は口コミ中心ですね。あとは楽器系の雑誌に広告を出しました。

— 中古の機械物ゆえ、単純に買ってきて売るという話ではありませんよね。

朝倉:ウチは中古専門なので、必ずフルメンテして販売しています。ギターは主に僕がやって、シンセはスタッフが直しています。

— エフェクターのメンテもされているのですか?

朝倉:はい。必ず分解して最良の状態にしてから販売しています。必要に応じて半田付けもやり直しています。

— なるほど。そういえば、ホームページにLEGEND OF ROCKというロック初心者向けのコーナーがありましたが、あれを始めた理由を教えてください。

朝倉:自分へのチャレンジですね。自分の好きなバンドを見つめ直してみようかなって(笑)。あれを見たお客様が来店時に、カッコイイバンドですね!なんて言ってくれると、すごくうれしいです。僕は思うのですが、若い世代は知らないだけで、知ってしまえば好きになるケースがとても多い気がしています。

— 確かにそういうケースはあるかもしれませんね。

朝倉:今はyoutubeなどがあるから、気になったバンドはすぐ調べることができます。映像と音をすぐにチェックできるのは時代ですよね。若い世代にも入口さえちゃんと用意してあげれば、まだまだロックって面白くなるんじゃないかなって。若いのにLed Zeppelinが好きって言う子もいますし。

— 若くても、ちゃんとロック聞いている人はいますよね(笑)

朝倉:そうなんです。ギターも上手い子が多いし。問題は、そこから発展しないのがネックです。ギターが上手いからどうなの?先に何があるの?というところを、僕ら大人の世代が考えてあげる必要があるのかなと。

— 来店される若い人にはアドバイスなどはされますか?

朝倉:学校の軽音に入って、先輩に連れて来られるパターンも多いのですが、その場合はどのような曲がやりたいのかを聞いて、それならこのギターが良いと思うよって話をしています。

— 若い人とのコミュニケーションで、面白い話はありますか?

朝倉:店内でJudas Priestのビデオを流していたら、何すかこれ!って言って写メ撮って帰るとか(笑)。でも彼らもその後どういうバンドなのか調べて、次に来る時はバンドの話が少しできるようになっています。そういうのは、うれしいですね。

— では最後に、インパクトある店名の由来を教えてください。

朝倉:ウチは、ノーコンセプトなんです。だから、お店の名前もそういうイメージで付けました。色々な単語を出して、語呂で組み合わせた感じです。音楽のごった煮みたいな、ノージャンル感を出したかったので、これだなって(笑)。

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インタビューを終え、帰り支度をしながらオフの日について聞いてみると、「スタッフと釣りに行ってルアーを投げています(笑)。音楽も好きですけど、釣りが好きですね。あとプロレス(笑)」とのこと。ロックとプロレスの相性の良さは抜群で、レスラー入場曲の多くがロックだということが証明しています。しかし実は釣りというのも、ロック好き男性が趣味にしている確率が高い物です。

Sound Harlemの一番の強みについて聞いてみると、「ウチは中古全般に幅広くやっていることと、他店が目をつけないような部分に力を入れているところでしょうか。普通の店ではもう価値がないような古いシンセを、ちゃんと復活させてプレイヤーに使ってもらうというのは、やっていて本当に面白いですね」

BEEAST読者向けの特典として、BEEASTを見たよ!と言えば、買取査定を10%アップしてくれるとの約束を取り付け、お店を後にします。お客様を大切に思うことはもちろん、オーナー自身が楽しんで商売をされている、そんな印象のSound Harlemです。まずはお店のホームページをブックマークして、ぜひ頻繁にチェックしてみてください!

Sound Harlem (サウンドハーレム)
所在地:
〒270-0034
千葉県松戸市新松戸4-27-2 三光ビル1F
営業時間:11:00-20:00 (水曜定休)
TEL : 047-309-2208
FAX : 047-309-2209
公式サイト:
http://www.soundharlem.com/

千葉県松戸市新松戸4丁目27−2




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