連載

ロック社会科見学 ステージ2★ロック古本屋店長編!

「ロックオンキング」今井店長に突撃取材!
TEXT&PHOTO:桜坂秋太郎

第2回目の『ロック社会科見学』は、「ロック古本屋店長」のお仕事に密着します!そもそもロック専門の古本屋さんとは?いったいどのようなところでしょうか。今井店長を通じて、その世界をご紹介しましょう!

古本の聖地“神田神保町”に2004年オープンした「ロックオンキング」は、珍しい音楽専門の古本屋さんです。今井店長は音楽好きが高じてこの道へ入ったため、常にお客様視点で商品を取り揃えています。

店内はレコードショップのような陳列で、ロック好きなら思わず笑顔間違いなし。主力の音楽雑誌のバックナンバーや、絶版となった楽譜がぎっしり詰まった棚、ファンクラブの会報誌やコンサートのパンフレットなど、アーティスト別に検索しやすくなっているのも見逃せないポイント。

Photo店長 今井宇志プロフィール

自身もロックが大好きで、エレキギターをプレイする。千葉県柏市の古書店にて10年を超えるキャリアを積んだ後、ロックオンキングをオープン。神保町での店舗販売はもちろん、通販では日本全国のマニアを唸らせる。レアな物なら絶対この店!と絶大な人気を誇る、まさにロック古本界のキング。店長の豊富な知識とフレンドリーな人柄も信頼の秘訣。

—ロック専門の古本屋を開店された経緯を教えてください。

Photo今井:それまで勤めていた古書店から独立して、2004年9月にオープンしました。自分がロック好きなので、音楽に特化した店は自然な流れでした。音楽を専門店にしている店が無いというのも、理由の一つです。

—専門知識が無いと専門店はできませんので、店長は相当なロックマニアとか?

今井:ロックと言っても多種多様で、とても全部を頭に入れることはできません(笑)ロックはもう何十年も歴史のある音楽ですし、これからもどんどん新しいアーティストが登場すると思います。知識も確かに大切ですが、お客さんの気持ちをロックオンキングは大切に考えています。

—古本屋になじみが無い読者もいると思うのですが、お客様はどのような方ですか?

Photo今井:共通しているのはロックが好きということでしょうか。買いに来てくれるお客さんも、買い取りで売りに来るお客さんも、ロックという一つの物で繋がっていると思います。専門店のロックオンキングなら、バンド名を言ってもらえれば、すぐにアイテムの話ができます。

—具体的にどのようなアイテムが売れ筋なのか教えてください。

今井:雑誌のバックナンバーは、誰々が表紙の何号と具体的に指名されるお客さんもいます。あとは絶版のバンドスコアですね。昔好きだったバンドの楽譜を探しているお客さんが多いです。どちらも新品はもう手に入りませんが、古本屋では見つけることもできます。

—何か探し物がある読者は、ロックオンキングにお願いすれば、探してもらえますか?

Photo今井:はい。もちろん必ず見つかる保障はありませんが(笑)お客さんが探している物を見つけて、お客さんから感謝されることも、この仕事の醍醐味です。まずはご連絡いただければと思います。

—雑誌や楽譜以外にはどのような物を取り扱っていますか?

今井:ファンクラブの会報は色々なバンドの物がありますね。それからコンサートパンフレットやチラシ、ポスターや写真集に小物なども。音楽に関係している物なら対象になります。買い取りも同様です。

—買い取りは全国対応ですか?

Photo今井:販売はもちろん通販で全国対応していますが、買い取りも全国対応しています。まずお電話でアーティストやアイテムの内容をうかがいます。その結果、納得いただけるようであれば、送付していただき査定します。お支払いは銀行振り込みです。店頭買い取りの場合も、まずはお電話していただければ。

—物によっては売る方も後ろ髪ひかれているでしょうね。

今井:大切な思い出の数々なので、捨てるには忍びないし、誰かに大切にしてほしいというお客さんが多いですね。中には商品と呼べないような物もありますが(笑)保存状態がきれいであれば、次に大切にしてくれる人へのお手伝いができると思います。

—確かに諸事情から手放すとしても、大好きなアーティストの物は、大好きな人に渡ってほしいですね。ところで店長の一日の過ごし方を教えてください。

Photo今井:朝はだいたい8時頃に起きて、すぐに売買に関するメールチェックをします。自宅でまず仕事していますね。その後、通販や買い取りの入出金関係をするため銀行へ行きます。古本マーケットがある日はマーケットへも行きます。店に出るのは午後からです。店に来てもまず売買のメールチェックをして、そして新入荷情報などをwebにアップします。

—お店に出てからはどうですか?

今井:午後からはお客さんとの電話や販売の対応で、あっという間に閉店時刻になります。空き時間があれば、仕入れた物を売れる状態にケアしたり陳列したり。閉店後は動向調査や市場調査などで夜が更けます。

—最後に読者に向けたコメントをください。

Photo今井:大切にしていた物を手放す時、ロックオンキングを思い出してください。そして長年探し求めている物がある方や、今だから手に入れたい物がある方も、ロックオンキングをよろしくお願いします。自分もロック大好きですし、お役に立てたら本当うれしいです。

 

この取材は平日の日中に実施しましたが、次々と来店される人の数に圧倒されました。週末はさらに多くの人が来店されるそうです。それだけロックオンキングが、ロック好きの間で定着しているのでしょう。

何かを求めて来店する人がいれば、買い取りの本を抱えて来店する人もいて、今井店長は目まぐるしい状態です。さらに問い合わせの電話が鳴り、その忙しさは私の想像を超えるものでした。

「ロックが好きだから、お役に立ちたい」それこそがロックオンキングの原動力なのでしょう。ロック古本屋は日本で唯一。店舗に足を運べない場合でも、全国対応で頼れる存在です。東京近郊の読者は、休日を利用してロックオンキングや御茶ノ水の楽器街を探索するのも良いかもしれません!

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<取材協力>
ロックオンキング
http://www.rockonking.com/

営業時間 13:00-19:00
日曜日  12:00-17:00
定休日:水曜日

〒101-0051
千代田区神田神保町1-19-1
藤本ビル3階
Tel:03-5281-2766

メール:info@rockonking.com
ブログ:http://blog.rockonking.com/

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