2010年に結成されたVELVET★CHERRYは、Akane（Vocal）、Shinichi（Guitar）、サンダー（Bass）、Mayo（Drums）からなる男女混成のハードロックバンドだ。サンダーとMayoが脱退していた時期もあったが2012年に復活、2曲入りの1st Single「Mad Flower」をリリース。そして今年に入りBlack-listed Recordsとの契約を交わし、1st Full Album『CRUSH ON!!』が2013年9月27日にリリースされた。今回はこのアルバムの魅力を紹介しよう。

全10トラックが収録されたアルバムは、海岸をドライブしながら聴きたくなるようなグルーヴ感たっぷりのロック・チューンぞろいだ。

1曲目の「Overdrive」は、日常生活に渇（かつ）を入れるようなエッジの立ったギターとパワフルなAkaneの声が印象的で、今歩みを始めたバンドを象徴するような前向きで明るいナンバーだ。ライブで盛り上がる光景が配信中のYouTube動画などからも想像出来る。J:COMとHEAVEN’S ROCKさいたま新都心のコラボレーションテレビ番組「J:HEAVEN」でも紹介され、注目を集めた曲だ。

4曲目の「絆」は過去にシングルカットされていた曲で、愁いを含んだShinichiのギターリフとMayo、サンダーの安定したリズムセクションが、ポップスにも通じるようなサビの明るいメロディとAkaneの歌を際立たせている。「強い絆で つながった手は 凍りついた 時を動かす～」という気持ちを後押ししてくれるような歌詞で、ライブの際に全員でコーラスしたくなるようなトラックなので、歌詞にもじっくりと目を向けて欲しい。

アップテンポなベースのイントロから始まる5曲目「Black Crow」、6曲目「Seventh Heaven」、8曲目「Candy」は、BEEASTの記事『Let The Music Do The Talking 〜テイク10「高谷学（BLINDMAN）」インタビュー』でもお馴染みの高谷“Annie”学（BLINDMAN、DIABLO GRANDE）がゲストボーカルとして参加したナンバー。非常にソリッドでメタリックなサウンドになっていて、アルバム中盤のアクセントにもなっている。

アルバム10曲目の「華」は、ヘヴィなサウンド、棘（とげ）のある詞と、キャッチーなメロディが交錯。バンドのカラーを印象付けるとともに、ラストを締めくくるのに相応しいナンバーとなっている。

様々なバンドでのキャリアを持つメンバーにより結成されたバンドだけに、これらのナンバーをはじめとして全体的に完成度が高く、1stアルバムとは思えない仕上がとなっている。全体的には「ストレートでハードなロック」といった印象だが、Akaneのルーツでもあるストリングスのオーケストレーションがふんだんに盛り込まれた「終わらない旅」も収録。ストレートでありながら奥の深い一枚だ。

日本を代表するハードロックバンドEARTHSHAKERのオープニングアクトとして出演することも決定しているVELVET★CHERRY。現在、アルバムを掲げたツアーを敢行中なので、ぜひライブへ足を運んで体感して欲しい。