連載

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D.W.ニコルズ『SUNRISE』
TEXT:河南太郎

楽しそうに演奏しているバンドがある限り、僕らリスナーは楽しい音楽をいつまでも受け取ることができる。音楽好きにとってこれほどの幸せというのは考えられないのではないだろうか。
 
楽しい音に溢れていて、そのエネルギーはまるで燦々と日差しの強いお日様のようなバンド、D.W.ニコルズが、またもハッピーな気持ちになれるアルバムを届けてくれた。
 
「イイ曲しか作らない」をモットーにしている彼らだからこそ作れない音がしっかりと存在している。一人で弾き語りライブを続けていたわたなべだいすけ(Vocal & Guitar)にいち早く才能を見出したのが千葉真奈美(Bass)だ。当時ライブハウスで働いていた千葉真奈美わたなべだいすけに声をかけ、D.W.ニコルズを結成。
 
そこに、様々なバンドから引く手数多だった鈴木健太(Guitar)と岡田梨沙(Drums)が参加し、2007年3月より現在の4人編成で活動を開始。音楽を愛するすべての人たちに向けられた彼らの歌は、まっすぐに心に届いて楽しい気持ち、優しい気持ちにさせてくれる。そんな、D.W.ニコルズ3枚目のフルアルバム『SUNRISE』が10月9日にリリースされる。
 
M01. 「ニューディライジング」
1曲目からエネルギーたっぷりで身体が踊ってしまう。アコースティックギターだからこそ出る温かみのある音質、心地良い!サビの「東の空が赤くなって 新しい朝を告げる」という歌詞が、新しい朝が来るから今日も頑張ろう!と思わせてくれる。毎日の生活の疲れや、嫌になってしまうことに対して、背中を押してくれる曲である。フェスで聴いたら間違いなくテンションが上がるであろう。
 
M03. 「ありがとう」
アコギをストロークしている音が優しく包み込んでくれる。わたなべだいすけの歌は力強く真っ直ぐと耳に届いてくる。当たり前の言葉なのにこんなにも大切にしたいと思える。そしてこの曲から自分は一人で生きている訳ではないのだと言われているような気がした。”ありがとう”と言える相手がいることはこの言葉を言う以上に素敵なことではないだろうか。
 
M04. 「おはようグッドモーニング」
ズンダズンダっとギターとクラップで始まる。楽しいグルーヴ感に誘われる。楽器の音が笑顔で語っているようでとても楽しいサウンドになっている。「おはよう」なんて生まれて何度も口にしているはずなのに、この言葉の大切さと素敵さを感じる。不思議とコーヒーの匂いとトーストの匂いが漂ってくるような錯覚すら覚える。
 
M05. 「City boy! City girl!」
80年代を感じるサウンド。鈴木健太がギターで適当に弾き始めたコード進行にわたなべだいすけがハンドマイクで歌って出来てしまったというこの曲。わたなべだいすけは松浦弥太郎氏をのライフスタイルに憧れていて、この曲の中にも弥太郎イズムがふんだんに散りばめられている。「City boy! City girl! オシャレしてでかける City boy! City girl! 音楽で踊る」まるでリスナーにこうやって聴いてほしいと訴えているようでもある。夏が終わって秋になるこの時期にピッタリな曲である。
 
M06. 「マウンテンハンドライン」
好きな女の子を山手線のホームで発見!でも、隣には彼氏がいて楽しそうにしている…。なんて経験をした男子諸君は少なくないはずである。「マウンテンハンドライン」はそんな男達に向けられた応援ソングである。清々しさがある楽曲、ベースの安定感のあるサウンドが浮つく歌詞を支えている。音が後半になればなるほど盛り上がっていく曲構成も楽しい。
 
M11. 「東京」
アコースティックギターがしっかり存在感を表している。きっとわたなべだいすけが上京してきて感じていたことや、今でも拭い切れない「東京」への違和感を描いた曲であろう。サビの「東京は夢のカケラでできてる 叶ったり 叶わなかったり どっちでもなかったり そうやってカケラになった夢がくっついたり 重なったりして この街はできてる」という歌詞が言い得て妙である。ミュージシャンとして成功している彼らだが、原点回帰のようなこの曲は、夢を追いかけている人なら心にストレートに届くであろう。
 
温かく、力強い彼らの音楽はどんどん色々な人を魅力していくだろう。それを現場で、ライブで身体で感じてほしい。
 


◆リリース情報
ニューアルバム『SUNRISE』
2013年10月09日発売
■初回限定盤 CD+DVD TYCT-69025 / ¥3,500(tax in)
DVD収録内容 ・新曲ミュージッククリップ1曲 ・LIVE映像3~5曲 ・ドキュメンタリー映像 トータル約40分を収録予定。
■通常盤CD のみ TYCT-60025 / ¥2,800(tax in)
<収録曲>
M01. ニューデイライジング
M02. どんなときも
M03. ありがとう
M04. おはようグッドモーニング
M05. City boy! City girl!
M06. マウンテンハンドライン
M07. GBT
M08. PUSH
M09. 初恋に咲く花
M10. Sunny
M11. 東京
M12. 笑い

 
◆ライブ情報
MINAMI WHEEL 2013
・2013年10月12日(土)【大 阪】ミナミエリア ライブハウス20ヶ所以上
http://funky802.com/minami/
 
・2013年11月08日(金)【恵比寿】LIQUIDROOM
・2013年12月06日(金)【新 潟】CLUB RIVERST
 


◆D.W.ニコルズ プロフィール
ソングライターのわたなべだいすけ(Vocal & Guitar)は神奈川県葉山町で生まれ育った生粋の太陽のこども。
歌を作っては海にむかってうたっていたがなにかが違うと気付き、上京。しばらくは弾き語りでライブ活動をつづけるものの、おもうような評価を得られずふてくされはじめていた2005年8月、誰よりも早くその才能を見出した千葉真奈美(Bass)を含む三人編成でD.W.ニコルズを結成。活動を始める。
いくつものバンドから、そのプレイヤーとしてのセンスを認められ、ひくてあまただった鈴木健太(Guitar)、岡田梨沙(Drums)の二人を加えた現在の四人編成になったのは2007年3月。
日々のバンド活動ですっかり音楽と両想いになったD.W.ニコルズは、日々その愛を惜しみなくそそぎつづけている。音楽と、それを愛するすべての人たちにむけて。
 

◆D.W.ニコルズ オフィシャルサイト
http://www.dwnicols.com/