「天辺を狙いたい」「目指すところはかっこいいこと」「東京ドームとか小さい話じゃない」…今日、これらの言葉を公言するバンドはどれほどいるだろうか？そして、the GazettEほどサウンドとパフォーマンスで体現しているバンドは決して多くないだろう。
 
2002年に結成した彼らはデビューより一貫してセルフプロデュースを貫き、独特な世界観と妥協なく追求するハイクオリティなサウンドを作り続けている。リリースするシングルは全てオリコン総合チャートTOP10にランクイン。国内のヴィジュアルロックシーンを牽引するだけでなく、ヘヴィロックシーンでもその名を轟かせている彼ら。日本を代表するヴィジュアルロックバンドとして2007年にはヨーロッパツアーも成功させている。
 
今年の活動だけ見ても目まぐるしい。1月にはさいたまスーパーアリーナにて「LIVE TOUR 12-13 GROAN OF DIPLOSOMIA FINAL MELT」を行った。その模様を収録したLIVE DVD「LIVE TOUR12-13 [DIVISION]FINAL MELT LIVE AT 03.10 SAITAMA SUPER ARENA」を6月にリリース。8月にはロシアで行われた「KUBANA ROCK Fes」に出演。「SUMMER SONIC 2013」では東京、大阪両会場での出演を果たした。
 
そんなわが国、ひいては世界のヴィジュアルロックをリードしていると言っても過言ではない、the GazettEのニューシングル「FADELESS」が8月21日にリリースされる。これは彼らにとって2010年春のSony Music Records移籍以来6枚目、実に2年ぶりのシングルであり、10月にリリース予定の7thアルバム『BEAUTIFUL DEFORMITY』に先駆けての発売となる。
 
1曲目は表題の「FADELESS」。冒頭、歪んだギターが響く。思わず身体を揺らしてしまう。1曲目の数秒で彼らの世界へと誘われてしまう。楽器の音の配置が絶妙である。ここにこの音が鳴ったら気持ち良いなと思ったところにしっかり音が鳴っているのである。細かく構築されたサウンドなのは間違いない。
 
2曲目は「QUIET」。トーン、トン、トーンとシンセサイザーの音が。気が付いたらギターの音が聞こえてくる。楽器の音は強く鳴り響く半面、歌詞はセンチメンタルで、音が「精一杯の強がり」を演出しているように感じる。RUKI（Vocal）の優しく包む歌声に耳を奪われてしまう。
 
今回は「-Optical Impression-」と「-Auditory Impression-」の2バージョンが発売されるが、「-Auditory Impression-」のみ「FORBIDDEN BEAVER」が3曲目に収録されている。軽快なリズムに合わせて刺激的な言葉が吐き出される。破壊的な粗々しい音の中にも闇の中で一輪だけスポットライトを浴びた薔薇のような華やかさがある。絶対恋をしてはいけない売春婦への恋心を連想させる一曲になっている。
 
なお、「-Optical Impression-」には1曲目「FADELESS」のミュージッククリップを収録したDVDが付いているので、是非とも両方ともチェックしてほしい。
 
そして10月のニューアルバム『BEAUTIFUL DEFORMITY』発売も待ち遠しい所だが、9月には約6年ぶりとなるワールドツアー「the GazettE WORLD TOUR 13」が、ヨーロッパを中心に7ヶ国9公演で行われる。日本国内でも11月から全国22都市をめぐるツアー「LIVE TOUR 13[BEAUTIFUL DEFORMITY ]MAGNIFICENT MALFORMED BOX」が開催される。世界、日本と活躍する彼らの華やかでダーティーな世界をライブで体感しよう。