連載

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The SALOVERS 「アンデスの街でこんな夜はHOT HOT HOT!」
TEXT:金井孝介

ha高校の文化祭で、友達がバンドをやるというので観にいったことがある。普段は一緒にふざけあっているような、普通の友達だった。しかし、舞台に立った彼は違った。彼はその瞬間、バンドマンだった。「友達がバンドやったら、格好よかった。」聴いていると、そんな感情が立ち上がってくる。The SALOVERSは、そういうバンドだと思う。彼らの2nd Single「アンデスの街でこんな夜はHOT HOT HOT!」が、7月31日(水)に発売される。4月にリリースされた全国流通盤1st Single「床には君のカーディガン」に続き、早くも2ndの発売だ。今、かなり盛り上がっているバンドであることは間違いない。
 
メンバー全員が1991年~1992年生まれということで、若い感情が伝わってくるサウンドをかもし出す。筆者も1991年生まれなので、共感する部分が非常にたくさんある。1曲目「HOT HOT HOT!」から、思春期を経てきた複雑な感情が爆発したような世界観に打ちのめされるが如く、一音たりとも聞き逃すことができなくなる人も多いだろう。「丸く丸くなりたくない トゲトゲしく生きていたい それなのに」「好きと好かれたいはもう 同じ感情なんだ」ギターのカッティングやドラムのビートは、かなりのクオリティである。確固たる技術を持ったバンドであることは間違いない。それなのに、この歌詞世界は何なのか。恋愛に悩む歌詞を歌うバンドや歌手はいくらでもいる。しかし、The SALOVERSのそれはどこか違う。カッコつけたい、けど好きな女の子の前になると、恥ずかしいくらいに何もできない。そんな「思春期こじらせ病」な青春を過ごした経験があるなら、間違いなく深夜に叫びだしたくなるような、あの感情の詰まった世界なのである。
 
2曲目「アンデスの街で」も、アンデスの街で愛する人との生活を夢見る男の話を歌うものである。思春期の妄想がかなりの場所まで来てしまったような、聴いているとその場所まで連れて行かれてしまいそうな、楽しくなる曲の仕上がりだ。しかしこのシングルの中には、妄想だけが詰まっているわけではない。3曲目「こんな夜は」では、驚くほどに現実味を帯びたエモーショナルな世界が展開されていく。「返信なんてさ二度としないでね あんなバカなメールは 痛みが欲しいだけさ」なぜなのか。思春期を通り越して大人になってしまったような、この痛みは何なのか。そんな感情を残したまま、このシングルは終わりを告げる。
 
大人にならなきゃいけない。そう教えられて生きてきた私たちだが、心のどこかには常に「思春期」が生きている。The SALOVERSは、そのことを肯定も否定もしない。ただ、自分たちの思いを歌い、世界を作り上げていくだけだ。カッコよくいたいけれど、それは難しい。せめて、音に乗せた自分たちの思いを聴いてくれれば、それでいい。そんな想いを彼らが持っているなら、それが一番カッコいい。そう思うのは、私だけではないだろう。The SALOVERS「アンデスの街でこんな夜はHOT HOT HOT!」注目の一枚である。
 


 
DZ_h1h4_130609_ol◆The SALOVERS 「アンデスの街でこんな夜はHOT HOT HOT!」
2013年07月31日発売
[初回生産限定盤 (全3 曲入CD+DVD)]
TOCT-45076 ¥1,890(税込)
<DVD 収録内容>
2013.6.6 レコ発ツアー〜床には君のカーディガン〜 @ 渋谷CLUB QUATTRO(其の壱)
(春のサリー ~神社に寄ろう~/ディタラトゥエンティ/City Girl/雨降りのベイサイド/オールド台湾/
愛しておくれ)
★秋冬行脚ツアー2013 〜ギャアーンと鳴るギター〜 CD 購入者先行予約情報封入!

[通常盤(全3 曲入CD)]
TOCT-45077 ¥1,260(税込)

<収録曲>
M01. HOT HOT HOT!
M02. アンデスの街で
M03. こんな夜は

◆ライブ情報
The SALOVERS 秋冬行脚ツアー2013 ~ギャアーンと鳴るギター~
2013/11/21(木) 【梅 田】AKASO
OPEN18:30/START19:00
2013/11/24(日) 【札 幌】COLONY
OPEN17:30/START18:00
2013/11/26(火) 【仙 台】MA.CA.NA
OPEN18:30/START19:00
2013/12/ 6(金) 【名古屋】APOLLO THEATER
OPEN18:30/START19:00
2013/12/14(土) 【新 潟】CLUB RIVERST
OPEN17:30/START18:00
2013/12/15(日) 【金 沢】van van V4
OPEN17:00/START17:30
2013/12/20(金) 【高 松】DIME
OPEN18:00/START18:30
2013/12/22(日) 【福 岡】Queblick
OPEN16:30/START17:00
2013/12/23(月祝)【広 島】ナミキジャンクション
OPEN17:30/START18:00
2013/12/26(木) 【代官山】UNIT
OPEN18:30/START19:00

チケット料金:オールスタンディング ¥2,800(税込・ドリンク代別)

◆The SALOVERS プロフィール
メンバーは古舘佑太郎(Vocal & Guitar)、藤川雄太(Drums)、藤井清也(Guitar)、小林亮平(Bass)。2008年、高校の同級生によって結成。2010年、FUJI ROCK FESTIVAL 2010 “ROOKIE A GO-GO”に出演。同年、中尾憲太郎(ex:ナンバーガール)をプロデューサーに迎え、インディーズ・ファーストアルバム『C’mon Dresden.』発売。2011年、完全一発録音/セルフプロデュースで制作されたインディーズ・セカンドアルバム『バンドを始めた頃』発売。2012年、いしわたり淳治(ex:スーパーカー)をプロデューサーに迎え、メジャーデビュー・フルアルバム『珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-』発売。2013年4月、初の全国流通盤となるファーストシングル『床には君のカーディガン』発売。それに伴いレコ発ツアーも開催される。


◆The SALOVERS 公式サイト
http://thesalovers.com/