2001年に高校の学園祭に出演するために結成され、2006年にメジャーデビューしてから日本の音楽シーンのトップを駆け抜け続けているBase Ball Bear。2013年2月13日には15thシングル「PERFECT BLUE」と、自身初のベストアルバム『バンドBのベスト』を同時リリースした。そして間髪を入れずに、前作の2ndミニアルバム『初恋』に続いての3rdミニアルバム『THE CUT』が6月26日（水）にリリースされる。
 
トラック数だけ見ると4曲入りのようだが、その密度の濃さに驚く。まず、新曲が3曲。ジャパニーズ・ヒップホップの開祖と言っても過言ではないRHYMESTERとのコラボによる表題作「The Cut」。Base Ball Bearの持つサウンドを最大限に引き出したであろう、高速でアガるナンバーの「ストレンジダンサー」。声優として活躍し数多くの作品で主演を務める花澤香菜をゲストボーカルに迎える「恋する感覚」。
 
この3曲に加え、ベストアルバム『バンドBのベスト』を携えて、2013年4月に展開された全国ツアー「バンドBのゆくえツアー」のライブトラックが64分収録されている。「ミニ」と呼ぶにはもったいないほどのボリュームである。
 
「The Cut」では、共演するRHYMESTERの持つヒップホップグループとしての言語感覚と音楽感覚を、Base Ball Bearのそれとぶつけ合わせることにより、複雑な言語とサウンドの世界を作り上げているように感じた。「恋する感覚」では、関根史織（Bass）と花澤香菜のツインボーカルという形式をとり、ふんわりとした女性らしい、それでいてはっきりと主張する芯の強さをうかがわせるサウンドと響きを出すことに成功している。関根史織はこれまで、2007年12月リリースの2ndアルバム『十七歳』の中の一曲「WINK SNIPER」でリードボーカルを務めたほか、前述の「PERFECT BLUE」にはソロボーカル曲である「Typical Girl」が収録されている。王道ロックを思わせるサウンドを持つBase Ball Bearの中にあって、関根史織の歌声はリスナーの肩の力を抜いてくれるように響く。「バンドBのゆくえツアー」のライブの中でも、「yoakemae」などで関根史織の歌声を聞くことができる。王道ロックのサウンドに関根史織のフルーティーな歌声が混ざり会場が熱狂する様は、必聴という他ないだろう。
 
彼らは、このアルバムで冒険をしているのだろうか。いや、彼らの方向性は変わっていないだろう。自分たちのサウンドを持っている彼らだからこそ、他のアーティストとの共演という形でも「Base Ball Bearのサウンド」を響かせることができるのだ。誰にも真似できない、彼らだけの音楽世界。その世界はどこに向かうのだろうか。見届けていきたいものだ。
 

ディスク：1（CD）
M01. The Cut -feat. RHYMESTER-
M02. ストレンジダンサー
M03. 恋する感覚 -feat. 花澤香菜-
M04. 64-Minute Live Track From ” バンドB のゆくえツアー”
（2013/4/25 赤坂BLITZ & 4/28 札幌CUBE GARDEN）
♪CRAZY FOR YOU の季節
♪GIRL FRIEND
♪17 才
♪Tabibito In The Dark
♪kimino-me
♪抱きしめたい
♪真夏の条件
♪yoakemae
♪若者のゆくえ
♪祭りのあと
 

◆ライブインフォメーション
・2013年07月19日（金）【大阪】なんばHatch
Talking Rock! FES.2013
w.　BIGMAMA / andymori / クリープハイプ / HaKU（オープニングアクト）
・2013年08月03日（土）【茨城】国営ひたち海浜公園
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013
・2013年08月16日（金）【北海道】石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2013 in EZO
・2013年09月08日（日）【栃木】井頭公園 運動広場
RADIO BERRY ベリテンライブ 2013Special

◆Base Ball Bear　公式サイト
http://www.baseballbear.com/