連載

lead_simple

真空ホロウ 『真空ホロウ』
TEXT:金井孝介

真空とは「何もない」こと。歩廊とは「歩く回廊」。何もないところを自分の足で歩き、道を作っていく。バンド名は、そんな想いから名づけられたという。そのバンド、真空ホロウの1stフルアルバム『真空ホロウ』が、4月8日(水)にリリースされた。
 
今回の1stフルアルバムは、1stミニアルバム『小さな世界』、2ndミニアルバム『少年A』から、それぞれ代表曲を収録し、さらにはインディーズ時代からの代表曲『被害妄想と自己暗示による不快感』の再録など、真空ホロウを長く追いかけているリスナーにとってはたまらない内容が詰まっている。そうでなくとも、彼らがこれまで何もないところから作り上げてきた「道」を感じられるのではないだろうか。
 
「スタートラインに立って ひとつになって その扉を開いて 差し込んだ光」―。一曲目「開戦前夜」の歌詞だ。ボーカル・ギターの松本明人は「原曲ができあがったのは、バンドを始めようとしていた頃です」とのコメントを残している。
 
何か表現したいことがある時に、人はどのようなことをするのだろうか。ある人は文章を書くかもしれないし、またある人は映像として何かを残そうとするのかもしれない。あるいは何もせず、日々の生活の中に埋没していくだけなのかもしれない。実際の問題として、何もしないという選択肢を選ぶ人が多いであろう世の中で、松本あるいは真空ホロウというバンドにとって、音楽は”光”であり続けるのだろう。曲を聴いてからしばらく経って、そのような想いが立ち上ってくる。
 
真空ホロウというバンドを感じる上で、重要なファクターとして存在する楽曲だけを、厳選に厳選を重ねて収録されたであろう本作において「必聴」という楽曲は存在しない。しかし無理やりにでも聞くべき順番を考えるならば、本作の最初に収録された「開戦前夜」、そして最後に収録されている「虹」かもしれない。最初から最後まで聞くと、自然とわかってくる。このアルバムは、全てが物語なのだ。真空ホロウという存在を、音楽を、バンドマン達を感じることのできる最良のテキストであり音楽なのだ。そう言い切ってしまうのはいささか気が引けるが、どうしてもそれ以外に適していると思われる言葉が見つからないのである。
 
全てが完成されたような音楽を作っていける彼らだからこそ、まだ見ぬ新たな世界と戦っているように私には見える。そんな前哨戦ともいえるような本作、是非自分の耳で聞いて、彼らの決意を感じ取っていただきたい。
 

 


 
shinkuhoJK◆リリース情報
1st フルアルバム『真空ホロウ』
・2015年04月08日(水)発売
初回生産限定盤(CD+DVD)
 3,426円+税 品番:ESCL-4398~4399
通常盤(CD)
 2,778円+税 品番:ESCL-4400

初回生産限定盤DVD
1. Highway My way Music Video 2. アナフィラキシーショック Music Video 3. 虹 Music Video 4. 回想列車 Music Video 5. Highway My way Making Video 6. アナフィラキシーショック(alternative ver.) 7. 虹(alternative ver.)

 


◆ライブ情報
真空ホロウ TOUR 2015梅雨
~回想列車で全国へ。嘘です本当は機材車です。~

・2015年06月05日(金)【香 川】高松DIME
・2015年06月19日(金)【北海道】札幌COLONY  
・2015年06月21日(日)【宮 城】仙台enn2nd
・2015年07月03日(金)【福 岡】Queblick
・2015年07月05日(日)【大 阪】Pangea
・2015年07月10日(金)【愛 知】名古屋APOLLO BASE
・2015年07月18日(土)【東 京】東京キネマ倶楽部

※6/5・19公演以外ワンマン公演
前売:2800円(税込/D別) ※6/5高松と6/19札幌は2500円

 


 

◆アルバム『真空ホロウ』特設サイト
http://shinku-horou.com/special/20150408/

◆真空ホロウ 公式サイト
http://shinku-horou.com/

 


◆関連記事
【連載】新譜るLIFEダイアリー 真空ホロウ『少年A』
http://www.beeast69.com/serial/simple/66835