連載

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indigo la End 「さよならベル」
TEXT:まりな

夢というのは実に不思議だ。
 
現実では起こらないだろうという事が起こり、やけにそれが鮮やかでリアルだったりして、夢が今日一日の気分につながるというようなこともある。
表題曲「さよならベル」はそんな信じたくないような、夢の曲だ。
 
 
激しく鳴る目覚ましのベルのような、ストラトキャスターのギターの繊細で神経質な音から始まる。合わせて一緒に歌うようなベースと、歌詞の世界観を邪魔しないよう歌を中心に、慎重に鳴らされるバンドサウンドの渦。しかし2番のAメロからはそれぞれの楽器の音が少し感情的に変わって歌の中に入りこんでくる。その瞬間がなんとも小気味良い。
 
曲自体はキャッチーで一度聴けば耳に残るようなメロディになっているが、歌詞の中に含まれる夢か現実か区別のつかない”もや感”は絶妙である。
 
「ハイファイな夢を見てたんだ」
「誰か早く起こしてくれよ」
 
ハイファイとはHigh Fidelityの略で高忠実度、高再現性の意味、つまりリアルな夢という事だ。
あまりに鮮やかで現実的すぎる夢に対しての不安と焦りが感じられる。
 
 
一方、カップリングの「SLY QUEEN」はインディゴ節が炸裂した曲だ。Radioheadの楽曲「Paranoid Android」のような異常な曲展開をする。これは3rdミニアルバム「あの街レコード」以前の彼らの曲調、サウンドを彷彿させる。まるで1曲の中に3曲入っているような多面性、これこそがindigo la Endだ!と従来のファンは、しめしめと思うだろう。
 
加えて1曲目の「さよならベル」は今までの”彼ららしさ”を失わないまま昇華していく、これからのバンドの展望を感じさせる。
 
 
indigo la Endのボーカル、川谷絵音は策略家だ。
自分の表現したいものをそのまま出すのではなく、自身の音楽のルーツであるJ-POPのヒットチャートを踏まえた上で、意識的に受け入れられやすい形に変えて行く。そんなことが出来る策士的な面を持っていると思う。
 
2つのバンドを同時進行、全ての詞曲を書き、そして楽曲提供もこなす。これだけ多忙の中でも、川谷が今一番絶好調であることは明らかだ。本人も自覚しているだろうし、今回の2ndシングル「さよならベル」にも顕著に表れている。そしてメンバーの演奏も合わせて、バンドシーンで唯一無二の存在となっていることは確かなのだ。
 

 


 
◆リリース情報
indigo la End 2ndシングル「さよならベル」
2014年12月24日(水)発売
・品番:WPCL-12037 金額:700円(+税)
初回プレス封入特典
ワンマンツアー「幸せが溢れたら」追加公演CD封入先行応募専用シリアルコード封入
<収録曲>
M01. さよならベル
M02. SLY QUEEN
※全楽曲、作詞作曲:川谷絵音 

◆ライブ情報
indigo la End 2015年ワンマンツアー「幸せが溢れたら」

・2015年02月20日(金)【新 潟】GOLDENPIGS RED STAGE
・2015年02月22日(日)【札 幌】BESSI HALL
・2015年02月27日(金)【仙 台】MACANA
・2015年03月01日(日)【金 沢】AZ
・2015年03月06日(金)【岡 山】CRAZYMAMA KINGDOM
・2015年03月08日(日)【福 岡】DRUM LOGOS
・2015年03月11日(水)【長 崎】DRUN Be-7
・2015年03月13日(金)【名古屋】ボトムライン
・2015年03月15日(日)【大 阪】BIG CAT
・2015年03月17日(火)【中 野】サンプラザ
・2015年03月20日(金)【赤 坂】BLITZ (※追加公演)

追加公演 先行販売:12/24 (※2nd SG「さよならベル」初回プレス盤・CD封入にて詳細発表) 一般発売:2/7

 
◆indigo la End 公式サイト
http://wmg.jp/artist/indigolaend/