21世紀初頭にメロコア、いわゆる青春パンクブームがあった。当時の中高生を中心に支持を集め、多くのバンドがメジャーシーンに飛び出していったが、その1組がTAKUMA（Vocal & Guiter）、NAOKI（Bass & Vocal）、KOUICHI（Drums & Chorus）からなる、京都出身の10-FEETだ。デビュー当時は機材車で寝泊まりをしつつツアーをするなど、成功へ至るまでの道のりは決して平坦ではなかったという。そして、艱難辛苦を乗り越え今現在も最前線で活動し、常に進化し続けている。
その10-FEETが変則的なミニアルバムを6月18日（水）にリリースする。各6曲収録の『6-feat 2』と『Re: 6-feat』の2枚同時リリースであり、その2枚をまとめたものもリリースされる。『6-feat 2』は豪華ゲスト陣を迎えた10-FEETの実験的と言っても良い意欲作で、本レビューはこちらに当たる。『Re: 6-feat』は10-FEETが影響を受けてきたバンドのカバーアルバムとなっている（参照：新譜るLIFEダイアリー 10-FEET 『Re: 6-feat』）。
『6-feat 2』は2006年にリリースされ好評を博した『6-feat』に続く第2弾。10-FEETとMAN WITH A MISSION、東京スカパラダイスオーケストラ、tricotなど6組のアーティストとのコラボレーションした楽曲を6曲収録したアルバムで、6者6様の色を10-FEETの骨子に加える、“異種格闘技コラボレーション・アルバム”ということになっている。アルバムを通して聴くとそのコラボがあまりに多彩であり面食らうが、10-FEETの骨子とも言えるポップでキャッチーなロックサウンドはしっかりと骨格をなしている。
各曲の解説に入っていこう。1曲目の「super stomper」ではMAN WITH A MISSIONとコラボしており、昨年行われた「Ozzfest Japan 2013」に名を連ねた彼らに相応しいハードロックチューンに仕上がっている。
2曲目のコラボ・アーティストは“ハマの火の玉”の異名を持つ、FIRE BALLだ。ジャパニーズレゲェの重鎮であり、その名に恥じぬエネルギッシュかつパワフルなサウンドに仕上がっており、特に段々と盛り上がりを見せる展開は見事だ。
3曲目は世界規模で活動を続ける東京スカパラダイスオーケストラだ。スカサウンドが加わり、こちらはまさに貫禄の出来だ。
4曲目は日本を代表するヒップホップユニットRHYMESTERとコラボ。メッセージ性が強く、重厚なリフとキャッチーなサビが特徴的なナンバーとなっている。
5曲目は気鋭のロックバンドtricotとのコラボだ。中嶋イッキュウ（Vocal & Guiter）が全面的にボーカルを加え、アルバムにとても良いアクセントを加えている。
6曲目、本アルバムの最後を飾る曲をコラボしているのは10-FEETと同郷のツインボーカル編成ROTTENGRAFFTYである。テンポは速いが切ないメロディのサビが印象的であり、「その向こうへ！」という叫びは心に響く。
多種多様なアーティストとコラボレーションしていながらも、10-FEETは全くそれに引けをとらないというのが、このアルバムの一番のミソである。結成から常に進化を続ける10-FEET、次は一体どこへ行くのだろう？
◆リリース情報『6-feat 2』+『Re:6-feat』+ LIVE DVD（CD＋DVD）
UPCH-29168 / 4,500円（税込）
『6-feat 2』（CDのみ）
UPCH-20356 / 2,000円（税込）
＜収録曲＞
『6-feat 2』
M01. super stomper feat. MAN WITH A MISSION
M02. STONE COLD BREAK feat. FIRE BALL
M03. hammer ska feat. 東京スカパラダイスオーケストラ
M04. focus (re-focus) feat. RHYMESTER
M05. ライオン feat. tricot
M06. その向こうへ feat. ROTTENGRAFFTY
『Re: 6-feat』
M01. Stay Gold (Hi-STANDARD)
M02. BASKET CASE (Green Day)
M03. Linoleum (NOFX)
M04. GOOD GIRL (THE MAD CAPSULE MARKETS)
M05. NO.NEW YORK (BOOWY)
M06. 今宵の月のように (エレファントカシマシ)
『6-feat 2』+『Re:6-feat』+ LIVE DVD (DVD)
※3月26日＠Zepp DiverCity の10-FEET ワンマンライブに、『6-feat 2』参加の6アーティストがサプライズ出演。ライブDVDにはそのパフォーマンスを収録している。
◆ライブインフォメーション
・2014年06月21日（土）【沖 縄】宮古島コースタルリゾートヒララ
・2014年06月24日（火）【沖 縄】沖縄 桜坂セントラル
・2014年07月05日（土）【京 都】京都府立山城総合運動公園
・2014年07月06日（日）【京 都】京都府立山城総合運動公園
・2014年07月13日（日）【愛 媛】寒川豊岡海浜公園
・2014年07月19日（土）【岩 手】種山ヶ原森林公園
・2014年07月26日（土）【京 都】京都KBSホール
・2014年07月27日（日）【福 岡】海の中道海浜公園 野外劇場
・2014年08月06日（水）【広 島】広島CLUB QUATTRO
・2014年08月09日（土）【山 梨】山中湖交流プラザ「きらら」
・2014年08月10日（日）【茨 城】国営ひたち海浜公園
・2014年08月23日（土）【山 口】山口きらら博記念公園
・2014年08月24日（日）【長 崎】稲佐山公園野外ステージ
・2014年08月30日（土）【兵 庫】国営明石海峡公園芝生広場
・2014年09月07日（日）【栃 木】井頭公園 運動広場
・2014年09月14日（日）【大 阪】泉大津フェニックス
・2014年09月15日（月）【千 葉】袖ヶ浦海浜公園
・2014年09月27日（土）【岐 阜】中津川公園内 特設ステージ
◆10-FEET 公式サイト
http://www.10-feet.com/
◆関連記事
【連載】新譜るLIFEダイアリー 10-FEET 『Re:6-feat』
http://www.beeast69.com/news/rockinfo/106604
