BEEASTのコンセプトは“ロックと生きる…ライフスタイル応援マガジン”。コンセプトに基づいた新しいことをしたい！と考えていた時、浮かんだのが「オーディション」というものでした。BEEASTの読者層は30～50歳代と、その子供世代の10～20歳代が中心です。指標が“親子で読めるロックマガジン”となっていることからも、次世代への具体的なアクションとして橋渡し的なことが必要でした。会議に会議を重ね、関係者との話し合いがまとまるのに、約一年近い歳月を必要としましたが、実際にオーディション開催が現実となり、こうして連載をスタートする運びとなりました。
 
私自身、若い頃はYAMAHAが主催していたコンテストEAST WESTや、レーベル等のオーディションなどに数多くチャレンジした経験があります。音楽への情熱の多くは、演者側で培ってきました。思い出してみると、確実に今よりも音楽への“夢”があったと思います。今は誰もが何でも発信できる時代。人気動画サイトの投稿などで、一人でカリスマにもなれる時代ですが、かつては身近な異性にモテたい一心から始めたバンドで、いつしかロックスターの階段を見つめる若者は珍しくなく、実際にサクセスストーリーも現実の物としてありました。そのようなサクセスストーリーを知る大人達が、若者への“夢”のチャンスを新しく作るアクションを起こしたとも言えます。
 
バンドコンテストやオーディションは今も様々に開催されてはいますが、一人でも応募できる物は数少ないのが実態です。当然ジャンルがロックとなれば、バンド中心の物となるのは当たり前の話。しかしバンドというものは、奇跡の結晶であることを忘れてはいけません。各パートのメンバーが揃い、一つのバンドとなり、音楽が生まれる。素晴らしきその結晶は、いつの時代も求められているわけですが、バンドの形にならず、才能を開花できずに終わるケースの方が圧倒的に多いのです。
 
BEEASTならではのメディアが表に立つことをやるのであれば、夢のあることがしたい、夢を提供したい、そう強く思いました。その結果、一人でも応募できる…そんなロックオーディションをやろう！そう考えたわけです。オーディションは受けることはあっても、実施するのは初めて。新規分野へチャレンジするには特徴をしっかり持たないとなりませんので、BEEASTが得意分野とするロックな“ガールズ”の切り口で実施を決めました。そして心強いパートナーを探していたところ、オーディションのプロであり、モーニング娘。やBerryz⼯房などのアイドル系“ガールズ”に強いアップフロントワークスとのコラボレーション、さらにYAMAHAの協賛という理想的な形を実現することができました。

 
さて、オーディション自体はROXY GIRLS AUDITION事務局を発足し、今夏開催しましたが、本連載はオーディションの締め切り後からの後追いスタートとなります。全6回に分けて、オーディションの様子をお伝えしたいと思います。まず初回の連載は、オーディション概要と一次選考の様子をお知らせいたします。日本全国津々浦々から、夢を見たいガールズの応募があり、総数3512通が集まりました。ありがとうございます。特に9/16（土）締め切りの間際など、毎日大量の応募があり、整理担当者が悲鳴を上げるほどでした。
 
二次選考の日に合わせ、一次選考は締め切りの直後から開始。事務局は手を抜くことなく一通一通に目を通し、そして耳を傾けました。応募スタイルが郵送とインターネットの2パターンあるため、選考には多くの時間を費やしましたが、応募者の夢をしっかり受け止めるため、すべての熱い想いに応えたつもりです。そうした長い時間を経て、一次選考が終了。オーディションは二次選考へと進むわけですが、応募者全員への合否連絡を行うと宣言しているため、一次審査の結果を通知する作業が発生します。
 
一次審査の合否を全員へ伝えるということは、言うまでもなく落選をご連絡する方が多いので、喜びと悲しみの狭間の複雑な気持ちを事務局側も持っています。しかしオーディションなので、最終選考へむけたバトルが繰り広げられるのは常。二次選考へ向けた調整を続け、10/14（日）・10/27（土）・11/04（日）の三日を使って、面接と演奏を審査することが決まりました。次回は二次選考の初日、10/14（日）の様子をお伝えしたいと思います。
 
また二次選考は都心部（東京・大阪）開催のため、二次選考の現場に予定がつかない方の場合は、映像審査という別のスタイルを実施しています。事務局では優れた才能を発掘するために、不公平にならないように努めています。オーディションのキャッチコピー『熱きロック娘。ニッポンに輝け！』を合言葉に、熱き審査を現在進行中でおこなっております。