連載

メタルヘルス

SODOM 編(2回目)
TEXT:桜坂秋太郎

中年ネタ爆裂!なメタルヘルスですが、今回は“更年期障害”について考えています。私も40歳を超えたくらいから、体調の回復が昔と違うことに気が付きました。この辺は同世代なら何かしら感じるものがあるはずです。今まで書いてきた成人病のオプション装着は、直接健康の話ですから、伝わりやすいと思います。今回の“更年期障害”は、ちょっと伝わりにくいかもしれませんが、多くの男性が、実は“更年期障害”となることがわかってきたそうです。

私も昔は“更年期障害”とは女性のものだと間違った認識をしていました。おそらくこれを読んでいる中年世代の方も、「それって、オンナの話じゃないの?」と思われる方もいることでしょう。そんな邪悪な“更年期障害”を吹き飛ばしたい気持ちから、今回の一品をチョイスしました。過去に一度「AGENT ORANGE」で、メタルヘルスに登場しているSODOMです。さて今回のアルバムはこんな感じです!

disk union 今月の一押しアルバム
 
ジャケット

SODOM
「In the Sign of Evil / Obsessed By Cruelty」

01. Intro 0:14
02. Outbreak Of Evil 4:34
03. Sepulchral Voice 4:31
04. Blasphemer 3:05
05. Witching Metal 3:13
06. Burst Intro 0:38
07. Burst Command Til War 2:43
08. Burst Outro 0:16
09. Deathlike Intro 1:53
10. Deathlike Silence 5:07
11. Brandish The Scepter 2:56
12. Proselytism Real 3:31
13. Equinox 3:33
14. Volcanic Slut 3:22
15. Obsessed By Cruelty 5:48
16. Fall Of Majesty Town 4:02
17. Nuctemeron 3:00
18. Pretenders To The Throne 2:39
19. Witchhammer 2:03

【アルバム解説】
2011年1月12日発売!

DESTRUCTION、KREATORと並んで「ジャーマン・スラッシュ三羽烏」と呼ばれたSODOMの極悪初期作品!!

アメリカ・ベイエリアに次ぐ巨大スラッシュ・メタル・シーンだったと言ってもいいジャーマン・スラッシュ・メタル。その中でもDESTRUCTION、 KREATORとともに「ジャーマン・スラッシュ三羽烏」として最高峰に位置したSODOM。しかし当初から真っ当にスラッシュ・メタルを突き詰めていた前述2バンドに対して、このSODOMは87年にリリースされたEP『EXPUERSE OF SODOMY 』から本格的なスラッシュ・メタルへと転身。それまではサタニック色満載の邪悪で粗暴なスタイルで異彩を放っていた。その彼等の初期音源である84年発表 EP『IN THE SIGN OF EVIL』と86年発表1stフル・アルバム『OBSESSED BY CRUELTY』のカップリング盤が本CD。VENOMやMOTORHEADからの影響を汲みながら、さらに邪悪な空気を放ちテクニック等を無視した粗暴さが渦巻く彼等の初期サウンドこそ同時期のHELLHAMMERやBATHORYらと並んで、後のシーンに多大な爪痕を残した。本格的スラッシュ・メタルとして開花した後の彼等よりも、スピード/攻撃性重視スラッシュ・メタル・ファンのみならず、ブラック・メタル、デス・メタル、そしてハードコア・ファンと言った幅広い層に熱烈な支持を得ているのも初期の彼等の特色と言える。

【SODOM 公式サイト】
http://sodomized.info/



【SODOM】実施中その1

このCDは、1984年にリリースされたEP『In the Sign of Evil』と、1986年にリリースされたアルバム『Obsessed By Cruelty』を合体させた物です。サウンドはさすがにノスタルジーなテイストですが、そこにある爆発的なメタルパッションは、今も聴く人に何かを訴えてきます。それでは「Intro」からスタートです。すぐに「Outbreak Of Evil」へ。スラッシュメタルなので、もちろんリズムパターンはスラッシュビート。

ランニングの呼吸は「スースー・ハーハー」なので、変拍子のナンバーはちょっと辛いのですが、ビートが速いだけなら、合わせることができます。80年代特有の“ディストーション”エフェクターなギターにノスタルジーを感じます。「Blasphemer」「Witching Metal」、悪くないペースです。ズレやミスタッチも収録されているので、部屋でヘッドフォンして聴くと気になりそうな部分はありますが、ランニングだとまったく気になりません!それも一つの何とか?でしょうか。


【SODOM】実施中その2

イントロ部分が1つの曲とカウントされているのも“いかにも”という感じですが、「Burst Command Til War」そのものも一瞬。ご丁寧に「Burst Outro」という効果音だけの曲で『IN THE SIGN OF EVIL』は締めくくりとなります。続いては『OBSESSED BY CRUELTY』へと作品は変わります。オルガンにヴォイスのイントロだけの「Deathlike Intro」。ランニングだとイントロの意味がイマイチわからりませんが、おそらく歌詞カードを見ていれば繋がりがわかるのでしょう。

「Deathlike Silence」以降はあっという間です。個人的に残念に思うのは、走っているとまったくギターのフレーズがわかりません。うっすら聴こえるフレーズはカッコイイので、もっと前面にギターを出したミックスを部屋で聴きたいところです。スローなテンポから始まり、リズムが変わるナンバーも、ゆるやかな変化なので体が反応できます。急激なリズム変化は不快ですが、不快感はまったくありません。ドラムのフィルがカッコイイはず?のナンバーや、イケているナンバーが、演奏の微妙な部分でもったいない感じはしますが、それまたテイストということでしょう。

スラッシュメタルだけに、ファストなナンバーが続いて疲れが出てきます。このCDは60分弱という長さですが、やはり45分を超えた頃からは、かなりきつくなります。80’節全開のリフに意識を持っていき、後半戦も乗り切ります。ランニングの後半戦だけでなく、人生の後半戦も頑張って乗り越えないといけません。私は男の“更年期障害”を知って、気をつけなければいけないことや、心配事が増える一方です。「歳は取りたくない」と良く聞くフレーズが、実感できて悲しくなります。


【SODOM】最後の一曲が終わりフィナーレ

ちなみに“更年期障害”の諸症状は、40歳から60歳くらいまでの範囲だそうです。「夜ゆっくり眠れなかったり、寝ても疲れが取れない!」「ちょっとしたことにイライラする!」「腰痛や関節痛がある」「なんとなくいつも調子が悪い」「不安感におそわれる」「無力感や脱力感におそわれる」「性的能力に自信が無い」などなど、当てはまることはありませんか? 何の自慢にもなりませんが、私はほぼ全部当てはまります。

私が一番大きいダメージだと思っているのは、集中力と記憶力の低下です。いつか昨日のことも忘れてしまう日が来るのではないかとおびえています。一般的には忘れ物をしたり注意力が散漫になるようです。音楽でいえば、ミュージシャンの中にも、時々音楽活動を辞めてしまう人がいますが、私が聞いたドクターいわく、それも“更年期障害”にはありがちな行動(大好きで打ち込んでいた物を、パッタリ止めてしまう行為)だとか。次回は原因や対策について考えてみたいと思います。メタボロックな同士達よ! さぁ一緒にメタルヘルス!

ランナー【SODOMの効果】
実施前:体重68.8kg/体脂肪22%
実施後:体重67.7kg/体脂肪21%