連載

メタルヘルス

THE CROWN 編
TEXT:桜坂秋太郎

前回のメタルヘルスで、南国へ移住したい!と書いた私ですが、今月のメタルヘルスはその南国からお届けします。南国ってどこよ?という感じですが、私がリタイヤ後に想定しているハワイのビーチを、メタルを聴きながらランニング。寒暖の差に弱い私は、一年を通して変化が少ない南国の気候が体に合います。今からリタイヤを楽しみに、日々仕事をしている中年バーコードロックンローラーは、私です(※バーコード=頭髪)。さて、今回の「disk union」指令は…THE CROWN!スウェーデンの人気メタルバンドです。アルバムは3rd 『Hell is Here』と、4th 『Deathrace King』 と5th 『Crowned in Terror』。この3枚の中から1枚!という悩ましいチョイス。悩みすぎて、走る前に結局3枚とも聴きこんでしまいました。

そして4th 『Deathrace King』を選択。アルバムのトータルタイムは50分弱というメニューです。ビーチは暑いので、そのくらいが無難でしょう。それでは出発!スタートは「Deathexplosion」。ハット(※ドラムのハイハット)のカウントからカッコイイ!そんなバンドはなかなかありません。ファストナンバーはランニングには向かないのですが、これはテンポが速すぎて、歩幅を小さくすると逆にバッチリはまりますね。バンドサウンドは、業界的にはデスラッシュ系(※デスメタル+スラッシュメタル)ということですが、THE CROWNのどのアルバムにも共通しているのは、疾走感のある演奏が(特にドラム)素晴らしいことですね。さて今回のアルバムはこんな感じです!

disk union 今月の一押しアルバム
 
ジャケット

THE CROWN「Deathrace King」
01. Deathexplosion 3:57
02. Executioner 3:45
03. Back From The Grave 3:07
04. Devil Gate Ride 4:10
05. Vengeance 4:45
06. Rebel Angel 4:21
07. I Won’t Follow 4:28
08. Blitzkrieg Witchcraft 3:38
09. Dead Man’s Song 4:09
10. Total Satan 4:07
11. Killing Star (superbia Luxuria Xxx) 8:37

【アルバム解説】
2010年10月23日発売!

スウェーデンのデスラッシュ・バンドの、バンド名をCROWN OF THONESからTHE CROWNに改名しての2作目となる’00年発表通算3rdアルバム。

Fredrik Nordstromをプロデューサーとして迎え制作された本作は、前作で見せたメロデス路線からデスラッシュ/デス&ロール路線へのシフト・チェンジが最高の形で完成形を見せた、彼等の最高傑作にしてデスラッシュ史上に残る不朽の名盤!
とにかく各楽曲のリフが凄まじくカッコ良く、Janne Saarenpaa<Ds>の強引なまでの爆裂ドラミングもあって最後までテンションが落ちません!
そしてJohan Lindstrand <Vo>の絶唱がまた悶絶級に最高!異常なまでの爆裂疾走感
を聴かせる「Deathexplosion」「Rebel Angel」は超名曲!!デスラッシャー必携盤なのは勿論、爆走音楽好きは聴かずに死んではならない聖盤です!!

【THE CROWN myspace】
http://www.myspace.com/thecrownonlineswe


Photo
【THE CROWN】実施中その1

デス系が苦手な人には微妙ですが、そうじゃないなら、THE CROWNは押さえておくべきバンドですね!次は死刑執行人という「Executioner」へ繋がり、そこからギターのフレーズが滅茶苦茶カッコイイ「Back From The Grave」へ。このナンバーは最高。とても気持ちがいいです。そして「Devil Gate Ride」…速い!本当にJanne Saarenpääのドラムは凄い。彼は1990年のバンド結成メンバーということもあり、THE CROWNのキーはドラムにあり。

ドラマチックな曲構成の「Vengeance」は、普通に聴く分には問題ありませんが、どうしてもリズムが変わるのでランニングには少々厳しいです。続いて「Rebel Angel」!これまたカッコイイ!ゾクゾクする一番の理由は、やはりドラム!ヤバいくらいのドラミングに、心をがっつり鷲づかみされます。細かいブレイクがビシビシ決まる「I Won’t Follow」から、「Blitzkrieg Witchcraft」へ。ランニングの視点からすると、音(リズム)に合わせるコツをつかんでないと、速いナンバーが続くと辛いです。習うより慣れろ!で、何度かトライしていると、段々リズムの取り方が上手になります。

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【THE CROWN】実施中その2

ミドルテンポの「Dead Man’s Song」。デスラッシュの枠を超えたようなナンバー。お茶の間向けのラジオで流れいても、まったくおかしくない仕上がりです。ランニング向きなので、個人的にはこのアルバムの中では一番のお気に入り。このテンポだと曲のリズムと体がシンクロできるので、バンドと一体化を味わえます。「Total Satan」ではJohan Lindstrandの歌が脳を直撃!デスヴォイスだけでなく、デスシャウトもバッチリ!おそらくこの人は、普通に歌っても凄く歌が上手いはず。

やはりビーチランニングは暑いので、少々きつくなってきました。ラストナンバーは、「Killing Star (superbia Luxuria Xxx)」。8分を超える大作なのに、聴きやすい仕上がりになっています。ギターソロのツインリードなどが一瞬入るあたりがハイセンス。それにしてもドラムのフレーズに耳がいってしまいます。カッコイイフレーズを叩いてます。テンポも変化するので、これはランニングで聴くよりも、嫌なことがあった日の帰りの電車で聴きたいナンバーですね。クライマックスに向かっていく疾走感がたまりません。

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【THE CROWN】最後の一曲が終わりフィナーレ

THE CROWNは、単なるデスラッシュではなく、ロックンロールのグルーヴテイストが入っているのがウリですが、“Death’n’Roll”というイメージで、数々のバンドに影響を与えています。これだけのハイクオリティな作品(今回取り上げたアルバム以外を含め)を、生み出したTHE CROWNなら、リスペクトされて当然。完璧なリズム隊とエッジがきいたソリッドな歪み系ギター、そしてデスヴォイス。それらが爆走系ロックンロール(俗に言うMotörheadタイプ)と融合。“Death’n’Roll”が琴線に触れてしまったら、もう抜け出せない、病みつきになる音楽かもしれません。

病みつきといえば、脂肪や糖類の過剰摂取に繋がる食生活も同じですね。大国アメリカはもちろん、日本においても、肥満は大きな問題となっています。生活習慣病になりたい!と思っている人はいません。しかし、脂肪や糖類の過剰摂取により、バランスを崩してしまう人が絶えません。肥満がいけないと思いつつ、1日の摂取カロリー以上を食べ、さらに大好きなドーナツを食べたりするので、私も偉そうなことは言えません。そして私のオプションは、痛風を装着しています。私の周り(同世代)は、糖尿のオプションが流行っているようです。

メタボリックになると、食事制限以外に適度な運動を勧められます。“適度な運動”とは何でしょうか?ご存じの方はあまりいないかもしれません。具体的には、“継続した運動を15分以上”というのが目安のようです。それに満たない運動は、脂肪でなく糖が燃焼するため、脂肪量は減少しないとか。3分の運動を5回というのもあまり意味がないようです。駅や職場では階段を使っているのに痩せない!という方は、まさにこのマジックに気がついてないのかも。脂肪を燃やしたいなら、そうです!メタルのアルバムを1枚聴きながら、走りましょう!メタボロックな同士達よ! さぁ一緒にメタルヘルス!

ランナー【THE CROWNの効果】
実施前:体重67.4kg/体脂肪22%
実施後:体重66.3kg/体脂肪19%