連載

メタルヘルス

2009年8月16日 TEXT & PHOTO:桜坂秋太郎
またやってきました。「メタルヘルス」のコーナーです。正直、私の予想を大きく超える反響がありました。やはり40歳以上の方には切実な話なのでしょうか。そしてアラフォー予備軍の方も、明日は我が身の話題ですから、けして避けては通れない話です。

2008年4月から新しい特定検診制度「メタボリック症候群検診」(以下メタボ検診)の話は前回書きました。私は、現在保健指導を受けている最中ですが、その資料をビーストで公開してよいか?と確認したところ、色々なところをたらい回しされ、結論がまだ出ていない状況です。

「メタボリックシンドローム」(以下メタボ)は、「肥満」「糖尿病」「高血圧」「高脂血症」「喫煙」の危険因子が集積して陥る病態であり、『死の五重奏』と言われています。少し前までは「喫煙」が加わっておらず、『死の四重奏』と言われていたようですが、同じ四重奏でも「弦楽四重奏」とは雲泥の差です。

ましてや『死の五重奏』ですから、ヴィオラを追加した「弦楽五重奏」のミヒャエル・ハイドンや、チェロを追加した「弦楽五重奏」のボッケリーニを彷彿させるネーミングに、人生の『最終楽章』を考える年齢もまた、40歳以上なのだろうと思うこの頃です。

死を意識するというのは、周りの同世代の人間が若くして他界するだけでなく、この世代は親が永眠し始める世代であり、人間の生と死をリアルに体感していく年齢でもあると思います。世間的や一般的な統計論などは、対岸の火事よろしく、リアルさに欠けるというのが私の持論です。身近な人間が旅立つ時、そしてそれを見送る時、さらに残された者が成すべき事を考える時、それこそがリアルな生と死の意識ではないかと思っています。

今回選ばれたバンドはYAMAGEN’S DEVILELIET(ヤマゲンズデビルエリート)というメロディックデスメタル。この企画は特定のアーティストのアルバムをまるまる一枚聴きながら走るというものですから、一度聴いたら途中下車は許されません。前回はいきなり約1時間というアルバムで死にました。やはり企画的に一番大切なのは、アルバムのトータルタイムです。

今回指定されたアルバムは、YAMAGEN’S DEVILELIETの2009年5月に発売された3rdアルバム「DEATH CHARGE(デスチャージ)」。
“1.Invincible capacity-3:30”
“2.Arms Of Apocalypse-3:46”
“3.In death Aid-3:52”
“4.DUBIx2 School Days-3:13”
“5.Inferno-4:12”
“6.Exoscalation-3:12”
“7.Death Charge-5:05”
“8.MAELSTROM-4:10”

トータル約31分!8曲入りでも3分台の楽曲が多くてこれはラッキー!YAMAGEN’S DEVILELIET最高!
さて、事前の情報によると、このアルバムは「鋼鉄激走重低音」がキーワードのアルバムらしく、ギタープレーヤーYAMAGENの一人ソロプロジェクト『Compose&Guitar YAMAGEN』のようです。すべての作業を一人でこなし、高クオリティな作品をリリースするのは大変な作業なのは言うまでもありません。

この「DEATH CHARGE」は3rdアルバムということですが、2ndや1stの内容とは違い、ヴォーカルをフィーチャーされたようです。デス系のヴォーカルもご本人が歌っているとか。これがまたムードあるというか、雰囲気のあるヴォーカルで、かなり海外チックな印象を受けます。しかし歌詞カードには、「英語・造語・ハナモゲラ語」と書いてありますので、実際に歌っている内容については、このコーナーでは触れないようにします。

さて1曲目「Invincible capacity」、キター!これは海外のロックファッション店のBGMや、ハードロックカフェでPVが流れていてもおかしくないナンバー。スピード感と疾走感がありながら適度にキャッチーで、ロックファンならずともお薦めできるノリを持つ1曲目です。続く「Arms Of Apocalypse」はデスメタルなのですが、キーボードによる幻想的なフレーズにより、エキサイティング系の映画のサントラに入っているようなナンバーで、とても聴きやすいです。そのままこれぞデスな感じの「In death Aid」へとつながります。

4曲目の「DUBIx2 School Days」では雰囲気が変わり、ポップロックやメロコアが好きな人なら「ニヤリ」としてしまうナンバー。デス色は影を潜め、口ずさめるキャッチーなサビとアメリカンなリズム。西海岸のFMで流れてきても何らおかしくないシングルカット向きナンバーです。「Inferno」ではキーワードになっている「鋼鉄激走重低音」を感じるファストでダークなメタルナンバーですが、曲の構成がよく練られていてツボを心得ているなと言わざるを得ません。さらに「Exoscalation」では、デス系のバックに不思議なヴォーカルラインとキーボードが乗り、良い意味で日本っぽさが感じられないです。

7曲目「Death Charge」はアルバムのタイトルナンバーだけあり、これぞメロディックデスメタルという象徴的な仕上がりになっています。収録曲の中では一番長いナンバーで(それでも約5分ですが)、ドラマチックな構成に酔いしれることができるでしょう。ラストは「MAELSTROM」の激走エネルギッシュなインストナンバー。単なるスピードメタルではなく、メロディのしっかりしたインストなので、レースゲームの挿入ソングのような印象を受けます。

YAMAGEN’S DEVILELIETの3rdアルバム「DEATH CHARGE」、実によい作品です。メタボ対策の走るお供ソングだけではなく、毎朝の満員の通勤電車の中でも聴いてもらいたい、そんな作品です。私も正直、アルバム1枚丸ごと聴いて走った後、1曲目の「Invincible capacity」が聴きたくなってリフレインして聴いてしまいました。結果的には、アルバム+1曲分を走っています。しかしながらこの「DEATH CHARGE」は大好評で、ほぼ完売状態のようです。興味のある方は早めにゲットしないと入手できない可能性が高いです!ハリーアップ!


【YAMAGEN’S DEVILELIET】実施前の体脂肪の数値は21%

【YAMAGEN’S DEVILELIET】実施前の体重の数値は65.4kg

【YAMAGEN’S DEVILELIET】実施中その1

【YAMAGEN’S DEVILELIET】実施中その2

【YAMAGEN’S DEVILELIET】最後の一曲が終わりフィナーレ

【YAMAGEN’S DEVILELIET】実施後の体脂肪の数値は20%!

【YAMAGEN’S DEVILELIET】実施後の体重の数値は64.8kg!
photo
<今回取り上げたアルバム>
YAMAGEN’S DEVILELIET
DEATH CHARGE

YAMAGEN’S DEVILELIET オフィシャルサイト