連載

メタルヘルス

SODOM 編
TEXT:桜坂秋太郎

夏本番です。猛暑が続いて死者が出ているとニュースで見ました。ひたすら暑い夏となっていますが、この時期に送られてきた今月の「disk union」お薦めの1枚は、SODOMソドム)。1989年にリリースされた3rdアルバムの再発です!SODOMは昔のバンド仲間が大好きで、よく聴かせてもらっていました。何となく走る前からイメージができます。立っているだけでも暑いこのシーズン。何は無くとも大量に汗をかくのは間違いなし!脱水に気をつけて頑張ります。

前回のCASANOVAもドイツでしたが、SODOMもドイツのバンドです。ジャーマンロックは、そのサウンドを問わず、なぜか私の琴線に触れるバンドが多いのです。ドイツにはまだ行ったことがないのですが、物凄く興味がある国です。ちなみに私は大のドイツ車フリーク。アメ車から乗り換えてハマってしまい、ここ15年間くらいはずっとドイツ車を乗り継いでいます。車と音楽には共通する部分もあると思うので、いつかドイツに行ってその真相に迫りたいと思っています。さて、今回のアルバムはこんな感じです!

disk union 今月の一押しアルバム
 
ジャケット

SODOM「AGENT ORANGE」
▼Disc
1. Agent Orange 6:05
2. Tired And Red 5:28
3. Incest 4:40
4. Remember The Fallen 4:21
5. Magic Dragon 5:59
6. Exhibition Bout 3:36
7. Ausgebombt 4:05
8. Baptism of Fire 3:50
9. Don’t Walk Away (TANK cover) 2:56
▼Bonus Disc
1. Incest (Live at Eissporthalle Braunschweig) 5:27
2. Agent Orange (Live von der Marooned) 3:54
3. Tired and Red (Live von der Marooned) 5:02
4. Remember The Fallen (Live from the album One Night In Bangkok) 4:06
5. Ausgebombt (Live – from the album One Night In Bangkok) 3:47
6. Ausgebombt (German Version) 3:07

【アルバム解説】
2010年7月21日発売!

Tom Angelripperを中心に元々はVENOMの多大なる影響下にあったサタニック/ブラック・メタル・バンドとしてシーンに登場したSODOM。3作目となったEP『EXPURSE OF SODOMY』で一気にスラッシュ・メタルへと転化し、次作2ndフル・アルバム『PERSECUTION MANIA』でスタイルを完全に確立。そして楽曲のクオリティが格段に向上し、ミドルから疾走へのパワフルさと破壊力が増した89年発表3rdフル・アルバムが今作。MOTORHEADやTANKに通じる硬派なドライヴ感に、ジャーマン・スラッシュ特有のヴァイオレントな要素が融合した彼等のスタイルが極まった作品。SODOMのみならずジャーマン・スラッシュ・メタルを代表する作品として今なお燦然と輝く名盤中の名盤!これまでの再発CDに収録されていたボーナス・トラック1曲(EP『AUSGEBOMBT』収録のTANKのカヴァー)に加え、EP『AUSGEBOMBT』収録のドイツ語ヴァージョンとライヴ音源/94年発表ライヴ・アルバム『MAROONED』から2曲/03年発表ライヴ・アルバム『ONE NIGHT IN BANGKOK』から2曲を収録したボーナスCD付き。

【SODOM 公式サイト】
http://sodomized.info/


Photo
【SODOM】実施中その1

1曲目はタイトルナンバーの「Agent Orange」。ベトナム戦争で使われた有名な枯葉剤というタイトルからして、本来なら考えさせられる作品です。今回というかこの企画“メタルヘルス”自体が、走ってみてどうよ?という視点の連載なので、そこはご了承ください。政治的な部分には踏み込みません。しかし歌詞の内容を考えなくても、この構成ヤバイです。何度もテンポが変わる曲は走りにくく、ランニングには向かないというのが今までのメタルヘルスの教訓です。しかしテンポが変わることで、何かが迫り来るような構成になっています。

そして嫌でもギターの刻みが散布機のエンジン音とリンクします。小型飛行機に乗ったことがある人なら、よくわかると思います。疾走感という言葉だけでは表現しきれません。そのまま「Tired And Red」へ。ツッタンツッタンの2ビートはランニングには辛いのですが、中盤いきなりスローなアコースティックな曲調に変化し、その後は走りやすいミドルテンポへ。気持ち良く走っていると後半またツッタンツッタン!ここでうっかり曲に合わせて全力疾走してしまうと後が大変です。

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【SODOM】実施中その2

「Incest」に変わっても、またツッタンツッタンですが、ここは冷静に曲を聴きながらマイペースで走ります。中盤はさっきと同じにミドルテンポで後半ツッタンという同じ構成です。続いて「Remember The Fallen」、この曲も途中でテンポが変わるのですが、ミドルテンポからミドルハイテンポ程度なので、違和感なく走れます。エンディングのギターは、これが“ディストーション”というエフェクター(ギターの音を変える装置)です!というお手本のような音が聴けます。

「Magic Dragon」これまたザクザクしたギターがカッコ良く、ブレイクの入り方とリズムの変わり方が絶妙で、楽曲としてはかなり好みです。いきなりツッタンツッタンの「Exhibition Bout」の頃になると、2ビートにも慣れてきたのか、もしくは体が疲れてきたのか、ハーフテンポでうまくビートをつかめるようになります。そして当然のように中盤にはテンポが変わるのですが、これだけ続くとさすがに慣れてきます。続いてMotörheadを彷彿させるR&Rナンバー「Ausgebombt」。今までの流れとはちょっと違うノリですが、これもアリ!みたいな感じです。

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【SODOM】最後の一曲が終わりフィナーレ

総マトメ的なナンバー「Baptism of Fire」から、TANKのカヴァー「Don’t Walk Away」へ。TANKのカヴァーで締めるというのは良いアイデアです。今TANKは、あのDoogie Whiteが歌っているようですね。さて、このアルバム全体を通して感じるのは構成力が凄いの一言。ランニングには曲間のリズムチェンジが厳しいことには変わりないのですが、リズムが変わることをドラマティックに展開できるのは圧巻です。これだけ練られていれば安心して聴けますが、一歩間違えたらとんでもない駄作になりかねないという危険な構成。SODOM、さすがです。

今回のアルバムは再発ということで、さりげなく2枚組。ライヴ版のボーナスCDが付いてます。そのまま2枚目へ突入します。「Incest」からスタート。ライヴ版カッコいいですね。「Agent Orange」のインパクトも録音版とはまた違ったものがあります。SODOMはトリオバンドなのに恐ろしいほどのエネルギーを感じます。途中でギター単独ソロが入る「Tired And Red」や「Remember The Fallen」は、断然ライヴ版の方がカッコいいです。最後は「Ausgebombt」がLIVEとドイツ語バージョンのダブル収録。LIVE版のドラムは最高です。“Ausgebombt”自体が“被爆・爆破”というドイツ語なので、ドイツ語バージョンも違和感なく聴けます。

SODOM「AGENT ORANGE」は2枚組ですが、全体で66分強というタイムなので、それほど長さを感じませんでした。前回はアクシデントがあったため、今回から30分程度経過した段階で、2,3分程度の水分補給の小休止を取ることにしたのも良かったです。それにしても最初に感じた「Agent Orange」が訴えてくることが心に残ってます。私が走っているのが森林っぽいところだからでしょうか。森林に姿を隠す敵を発見するために、木の葉を枯らすという短期的な発想から大量のダイオキシンをばら撒き、長期的な生態系への影響を今もベトナムは抱えています。私は自分の生活環境に感謝し、少しは健康には気をつけて生きたいと思います。まずは出来る範囲から始めましょう。メタボロックな同士達よ! さぁ一緒にメタルヘルス!

ランナー【SODOMの効果】
実施前:体重66.5kg/体脂肪24%
実施後:体重65.3kg/体脂肪22%

 
 
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