連載

ロック1年生 エントリーNo.7 LOVE2009

TEXT & PHOTO:鈴木亮介

Photo7回目を迎える今回の「ロック1年生」は、原点に返って高校1年生の初心者バンドLOVE2009を紹介します。メンバーは入谷朱香さん(Vocal)、石倉あゆみさん(Guitar & Vocal)、中村美津穂さん(Guitar)、平田遥さん(Drums)、小倉七海さん(Keyboard)、岩本美和さん(Bass)の6人。全員同じ高校の1年生です。

メンバーは6人とも同じ高校の軽音部員。そんなLOVE2009の魅力は、本人たちも話していましたが、「元気があって楽しい」こと。高校の昼休みのような明るさがあり、とにかくにぎやかで笑いの絶えない取材となりました。

—まず、バンド結成のきっかけを教えてください。

岩本:LOVE2009が結成したのは今年の4月の終わりです。6人とも皆同じ1年生で、軽音楽部に入部しました。1年生が20人ほど所属していて、その中で皆バンドを組んでいったのですが、私たちはなかなか組む相手が見つからず…残ったこの6人がいつの間にか集まり、「じゃあ組もうか」と組むことになりました。

—元々高校では軽音楽部に入ろうと思っていたのですね。では皆さんが音楽を始めたのはいつ頃、どのようなきっかけですか?

Photo入谷:幼稚園の頃から中3までピアノをやっていました。高校受験の際にやめてしまったのですが、やはり音楽が好きだったので何か続けたいと思って、軽音楽部に入りました。

石倉:小さい頃から音楽が好きで、色んなジャンルに興味がありました。このバンドに入ってから、aikoの「キラキラ」をやる時に私は何をやるべきかと考えて、アコギを手にしました。それが今年の8月です。

中村:中学生の頃からロックっぽい音楽が好きでした。また、父(53歳)がギターをやっているのを見ていて興味を持ち、高校で軽音楽部に入ったのをきっかけにギターを始めました。父はギター歴40年とのことで、今でも弾いています。

平田:私は中学でバンドを組んでいました。仲の良かったメンバー4人で中2の夏から始めて、ドラム教室に通うことになりました。他の3人が既にベース、ギター、キーボードをやっていて、ドラムだけいなかったため、私がドラムをやることになりました。

Photo小倉:私は小2からピアノを始めて、今でも習っています。楽器を演奏するのが好きなのでバンドのようなことはずっとやりたいと思っていたのですが、機会がありませんでした。高校に入って先輩の部活紹介を見て、軽音楽部に入ろうと決意しました。

岩本:小4の時に学校の吹奏楽部に入って、クラリネットをやりました。母(45歳)がテナーサックスをやっていて、かっこいいと思ったのがきっかけです。その後、友人がアコギをやっていたのに惹かれて私も真似してやるようになり、小6の時にバンドを組みました。そのバンドは中3までやっていたのですが、キーボードの子が転校してしまい、自然消滅してしまいました。
軽音楽部に入った当初は、引き続きエレキギターをやろうと思っていたのですが、LOVE2009を組んだ時にベース志望者が誰もいないことが分かり…。実は私の兄(18歳)が高校生の時にバンドを組んでベースを弾いていたのですが、今年大学生になって、「使わなくなったから」とベースを譲り受けていたのです。それで慣れていたこともあって、思い切ってベースに転向することにしました。

—バンドの活動頻度はどのくらいですか?また、どのような曲をやっていますか?

Photo中村:週1日、毎週金曜に活動しています。今年秋に文化祭ライブがあったのですが、その時期はもう少し活動頻度を増やしていました。

平田:学校での活動が主なので、練習できる時間は1時間弱と少ないです。

岩本:文化祭ではaikoの「キラキラ」をやりました。また、SCANDALの「少女S」もやっていて、その他には、GO!GO!7188の「片思いファイター」やJanne Da Arcの「振り向けば」などを練習中です。

入谷:みんな好きな曲、やりたい曲が違って、バラバラです。

—確かに6人いると好きな曲も様々ですよね。バンドでやる曲はどのように決めているのですか?

Photo中村:何をやりたいかを皆で出し合います。まずは楽譜を買いに行って、見て難しそうなのは却下し、出来そうなものを選んでいます。

—ボーカルが2人いますが、曲によって分けているのですか?

石倉:主に入谷がメインボーカルで、私がハモっています。

—メンバーが6人いますが、苦労はありますか?逆に6人だからこそ良い!という点があれば教えてください。

岩本:暑い!部室が狭く、クーラーもないので、とにかく暑いのが大変な点です。扇風機を回すと楽譜が飛ぶし・・・。

中村:逆に良い点を挙げると、楽しいことです。さすがにメンバー全員で遊ぶことはないですが、6人揃うと和やかで楽しいです。

Photo平田:元気があることがLOVE2009の魅力です!

岩本:中学時代は、周囲が経験者ばかりだったので、ついていくのが大変でした。今はとにかく楽しんでやれています。

—9月の文化祭が初ライブでしたが、周囲の反響は?

平田:初ライブは緊張して、失敗しまくりでした。友人や先輩からは「ボーカルのハモりが良かった」「ステージングがとても良かった、ボーカルの動きがプロのようだった」と評価してもらいました。

岩本:両親がライブを見に来てくれました。父からは「安定しているけど、一人ひとりの技術がまだまだ成長できる」とアドバイスをもらいました。

Photo中村:父は自分からは話してくれないのですが、私から質問すると「ここはこうだ」とアドバイスをくれます。ギターに関しても、弦の張り方、アンプの使い方といった基本的なことから教えてくれます。

—最後に、今後の目標を教えてください。

中村:まずはライブをたくさんやりたいですね。どんどん経験を積みたいです。また、一人ひとりの技術力をアップさせていきたいです。

平田:みんな上達しよう!

Photoインタビュー後、池袋練習スタジオ「STUDIO VOX」にて演奏風景の撮影を行いました。外部のスタジオでの練習経験は数回ということで、慣れない機材のセッティングに戸惑う場面も見られました。しかし、誰かが一人止まると、すぐに他の5人が集まって、一緒に問題を解決していこうと一生懸命に挑んでいました。リーダーの中村美津穂さん(Guitar)に限らず、「次はこれをやろう」と岩本美和さん(Bass.)が提案したり、平田遥さん(Drums)が「急ごう!」と指示を出したりと、皆が皆、気を配りあっているのがとても印象的。

女の子6人という珍しい編成のLOVE2009。メンバー個々の技術力の向上に加えて、一人ひとりの個性やキャラクター、持ち味が鮮明になってくると、バンドとしていっそう成熟していくのではないかと思います。高校1年生である彼女たちのロックライフは、まだ始まったばかり。LOVE2009の今後の進化に期待大!

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★LOVE2009の今後の活動予定

LOVE2009 HPへ
http://60.xmbs.jp/love2009/

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【取材協力】
STUDIO VOX池袋北口店
http://studio-vox.jp/