連載

ロック1年生 エントリーNo.18 ビタミンぱんだ

TEXT & PHOTO:鈴木亮介

Photoセンター試験が終わり、いよいよ受験シーズンへ突入です。一人でも多くの受験生の第一志望合格を心から願っています!

さて今回登場するのはメンバー4人中3人が理系という女子高生バンド、ビタミンぱんだが登場します。

メンバーは沼澤咲さん(Vocal&Guitar)、大橋美保さん(Guitar)、高田ゆかりさん(Bass)、宮﨑瑶希さん(Drums)で、全員高校1年生。渋谷教育学園渋谷中学高校の同級生により結成されました。

今回の取材では、気になる「けいおん女子」のカバンの中身まで見せてもらいました。楽器はもちろん、こだわりのアイテムまで…「理系美人の作られ方」を徹底解剖!

— まずはバンド結成のきっかけを教えてください。

Photo高田:中2の時に私がバンドをすごくやりたくて、仲良い友達に話したのですがなかなか乗ってくれず、本気だぞということをアピールするためにベースを買ってしまいました。その後、仲の良かった大橋に「ギター買わない?」と話をして、いよいよバンドが始動しました。それが中3になる直前の春休みです。

宮﨑:その後、家に電子ドラムがあった私と、もう一人ボーカルの子が誘われ、さらにキーボードを入れたいということでピアノ経験のある沼澤を誘って5人で結成しました。

沼澤:その後ボーカルが抜けて、去年9月頃から私がボーカルとなり、4人で活動しています。

大橋:ちなみに、沼澤以外の3人が学校の吹奏楽部に所属しています。パートは高田がテナーサックス、宮﨑がクラリネット、私がフルートです。沼澤は帰宅部です(笑)

— なるほど。バンドと全然違う楽器ですね。皆さん幼少の頃から音楽に親しんでいたのでしょうか?

高田:小1から小6までピアノを習っていました。中学受験のため辞めたのですが、楽器を演奏することは好きだったので、中学入学後すぐ吹奏楽部に入り、サックスと出会いました。でも同時に軽音楽部に入ってバンドをやりたいという思いもあり、ベースを独自にやり始めることにしました。それからずっと音楽漬けです!

沼澤:私も小1からピアノを習い始め、中2の終わり頃まで続けていました。でも、楽譜は読めません(笑) その後、何となくバンドをやりたいなという思いがあり、中学3年間同じクラスで仲の良かった宮﨑から誘われたのを機に、バンドでキーボードを弾くようになりました。その後、キーボードのない曲をやることになり、ギターも始めました。最近はギター&ボーカルが主で、キーボードは弾いていません。

Photo宮﨑:私は5歳頃からバイオリンを始めました。小6までやっていましたが、全然うまくできなくて、好きじゃなかったですねぇ。ドラムを始めたのはこのバンドがきっかけです。小学生の時、受験のため吹奏楽部に入れず、吹奏楽部のドラムがカッコいいなぁとずっと憧れがありました。たまたま家に父(48)の買った電子ドラムがあったこともあり、やってみようと決意しました。

大橋:幼稚園の頃ピアノを習っていましたが、嫌いですぐ辞めてしまいました。その後、5年生の頃に学校の吹奏楽部でフルートに出会います。数ヵ月後に転校してしまいほとんど弾けなかったのですが、とても楽しく、中学入学後またやりたいと思って吹奏楽部に入りました。その後、高田に誘われてバンドをやることに。当初、自分は前に出るキャラじゃないなと思ってベースがいいと思ったのですが、「だからこそ、目立ちなよ」とギターを推されました。

— バンドを始めたのは、ご家族の影響もあったのでしょうか?

高田:バンドをやりたいと思ったのは兄(20)の影響です。兄がバンドでボーカルをやっていて、また父(50)もバンドでギターを弾いていたこともあり、自分もやりたいなと思うようになりました。父からはコードを教えてもらったり、メンバーにアドバイスをもらうこともあります。

宮﨑:母(46)がずっとバイオリンをやっていて、その影響で私も習っていました。

大橋:家族に楽器経験者はいないのですが、父(45)が学生の頃ギターをやりたかったみたいで、私がギターが欲しいと言ったらすぐに買ってくれ、習いに行くのも承諾
してくれました。家では「もっと練習しろよ~」と言われます(笑)あと、私はピック集めが好きなのですが、かわいいピックがあると母が仕事帰りにイケベで買ってきてくれます。

— では、バンドの活動について教えてください。

沼澤:最近は主にSCANDALのコピーをやっています。あと私の中ではアン・ルイスの「六本木心中」がお気に入りですね。ライブは、昨年11月にビタミンぱんだ初の主催ライブを開催。12月には児童館ライブでトリを務めることができました。

高田:ライブ前は詰めて練習します。長期休みであれば毎日スタジオに入りますが、普段は学校の吹奏楽部の練習が月水木土と週4日あるので、毎週日曜に集まることが多いですね。

— 吹奏楽部の練習との両立が大変そうですね。違う楽器を掛け持ちしているのも苦労しませんか?

Photo大橋:練習自体は大変じゃないですね。ただ、休みが全然ない!というのはあります。土曜日も隔週授業や部活もあり、日曜日にバンド練なので、このメンバーと一週間ずっと会ってます。

宮﨑:クラスはバラバラなのですが、学校の休み時間は気づくとこの4人が揃ってますね。バンド練習の後に一緒に遊びに行くことが多いです。今日もこの後渋谷の楽器店に行きます!吹奏楽に関しては3人とも4年目で、だいぶ吹奏楽の楽器に慣れてからバンドを始めたので、そんなに苦はないですね。

高田:指の動き似てるし(笑)サックスの指の動きが意外とベースに使えるんですよ!それから、ピアノはやっていてよかったと思います。音感がつくので。

大橋:確かにフルートは結構指を動かすので、ギターの指づかいに役立ってるかもしれません。あと他のバンドの演奏を聴いていると、たまに「ズレてるな~」って思うことがあります。そういう時に吹奏楽部の知識が役立つというか…「何でここで合わせないの!」「何でそんなに練習しないのにステージ立ってるの!」って(笑)

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そんな音楽漬けの彼女たちですが、普段一体どのようなものを持ち歩いているのでしょうか。男子はもちろん、女子も気になる、4人のカバンの中身を見せてもらうことに!!さらに、こだわりの楽器についても、解説してもらいました。



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— 活動で苦労していることはありますか?

高田:最近はSCANDALばっかりやっていたので、そろそろ他のバンドもやりたいと思っています。友人のバンドがTHE BACK HORNをやっていて、いいなぁと思ったのですが、男性ボーカルの曲は声が出しにくいし、そもそも女性が男性ボーカルだと微妙かな、という気もして…それがちょっとした悩みですね。あとは、今後どういうジャンルに持って行くか。今、オリジナルも作成中です。私が作曲で、歌詞は宮﨑が書いています。

Photo沼澤:部活などに入っていない分、ライブで対バンしたバンドと積極的に情報交換をするようにしています。あと、他のバンドを見ていると「もっとギターの音量を上げた方がいいな」とか「このバンドは走ってるな」と勉強になることが多いです。

大橋:上手いバンドは参考になるし、友達がどんどん増えて世界が広がっていくのもいいですね。他校に友人がいるというのも嬉しいです。あと、練習やライブ本番では自分達の演奏をビデオに撮ってチェックしています。「全然動いてないな」「もっと笑わないと」と反省点は多々ありますね。

宮﨑:結成当初はみんなの音楽の好みが全然合わなかったけど、やっているうちに趣味が合うようになってきました。最近は楽譜を探しに行くと、「これいいね!」と全員一致ですぐ決まります!

沼澤:心は一つだからね(笑)

— 今後の目標を教えてください!

Photo高田:スラップ…ベースの奏法をもっと広げていきたいのと、エフェクターを使って音作りをしていきたいのと、ボーカルとのハモりの音程をなるべく合わせていきたいと思います。あと、オリジナルを完成させたいです!

沼澤:私個人の目標としては、指板を見ずにしっかりギターを弾きながら歌えるように頑張ります。

宮﨑:スティックを落とさず、走らないことと…先輩バンドでとても上手なドラマーがいるので、その先輩みたいに上手くなりたいです!

大橋:ライブで観客が盛り上がってる時に、私はただ突っ立って弾いてる事が多いと指摘があったので、しっかり動いてのれるようにしたいです。ソロをしっかり弾けるようにもしたい!あとは、記憶力を高めたいな、と…

高田:今年は初詣でおみくじを引いたらメンバー全員大吉だったんですよ!確実にビタぱんイヤーが来ますね。大学受験まであと1年くらいしかないので、今年はライブをたくさんやりたいですね。交友関係も広げていきたいし、あと、バンド大会にも出て切磋琢磨したいです。

日曜の朝早い時間にも関わらず、4人とも元気!笑顔の絶えない楽しい取材でした。バンドの目標についてはこの他にも、「ライブで盛り上げる曲が多いのでバラードなどジャンルも広げていきたい」と語ってくれました。

4人の通う学校が中高一貫ということもあり、進路についても既にしっかりと考えているようです。高田さんは英語の先生、宮﨑さんは建築系、大橋さんは薬学系を志望しているとのこと(沼澤さんは内緒★でした)。

今4人で1つの目標に向けて頑張って、そこで得たかけがえのないもの…それが将来、どんな道に進もうとも必ず自分を支えてくれるはず!

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ビタミンぱんだ HP
http://x36.peps.jp/vitapan

NEXT LIVE
2011年02月20日(日)【池 袋】音処・手刀
※AM9:00~

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【取材協力】
サウンドスタジオノア 渋谷1号店
http://shibuya1.studionoah.jp/