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ロック1年生 エントリーNo.11 optimism

TEXT & PHOTO:鈴木亮介

Photoロック1年生、11回目となる今回は横浜の高校2年生4人バンドoptimismをご紹介します。半年前に結成し、今年はYHMFなど大きな大会への出場を目指して奮闘中です。

冷たい雨の降りしきる4月の夜、横浜・泉区にある「Studio Bloom」を訪ねると、ちょうどoptimismの皆さんが練習中でした。メンバーは芳岡淳君(Vocal & Guitar)、山下亮太君(Guitar)、小寺貴行君(Bass)、石川泰地君(Drums)の4名です。現在、芳岡君と小寺君は横浜隼人高校、山下君は県立瀬谷西高校、石川君は市立桜丘高校と、通う学校はバラバラですが、どのようにして集まったメンバーなのでしょうか。

—皆さん学校がバラバラですが、バンド結成の経緯を教えてください。

芳岡:元々は中学の同級生だった芳岡山下石川が中3の時にバンドを組んだのがきっかけです。3人とも別の高校に進学したため、中学卒業と同時にバンドは解散し、しばらくは活動をしていませんでした。学校の軽音楽部の活動がさかんではなかったため、もっとバンドをやりたいと思って、再び声をかけました。そして、ベースで上手い人はいないかと探していて、小寺と運命的な出会いをしました。

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小寺:僕がたまたま学校帰りにギターを持っていて、友人と下駄箱で「いい曲ないかなぁ」と話していたところに芳岡が通りかかり、興味を持ったらしいのです。それで声をかけられ、バンドに入ることになりました。それが昨年の10月のことです。

—バンドの活動頻度はどのくらいですか?

芳岡:月2回程度ですが、ライブ前は週1~2回に増やしています。演奏する曲はASIAN KUNG-FU GENERATIONなどのコピーや、オリジナルもありますが、合わせるのが難しく奮闘しています。高校はバラバラで、しかも小寺は野球部と掛け持ちだったり、皆忙しいとは思うのですが、同じ曜日に部活が休みなので、予定は合わせやすいですね。とにかく音楽が楽しいので、活動の中で「苦労」というものは特にありません。

—そもそも皆さんはいつ頃音楽を始めましたか?そのきっかけも教えてください。

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山下:僕は中2の冬にギターを始めました。文化祭で先輩のライブを見て、かっこいいなぁと思い、自分もやってみたいと思いました。あと、音楽を始めた理由は率直に、モテたかったからですね。バンドをやっていたら女子から人気がでるかなぁと(笑)

芳岡:僕はそれから遅れること数ヶ月、中2の2月頃ですね。山下がギターを弾いているのを見て、面白そうだなと興味を持ちました。

石川:ドラムは小5の1月からです。始めたきっかけは特技が欲しかったことと、昔からゲームが好きで、リズム系のゲームを家でやっていたら親に「お前はリズム感がある」と言われ、ドラムを薦められたことがきっかけです。小学生の時は地域の音楽教室に週1回習いに行っていました。中学校では吹奏楽部に入り、打楽器を担当しましたが、友人から誘われてバンドに入ることになりました。自分から熱望したわけではありませんが、やってみたら楽しかったので、今も続いています。

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小寺:2歳上の兄が高校で軽音楽部に入り、ギターを始めました。それで自分も触らせてもらったのですが、なかなかうまく弾けませんでした。しかしその後兄がベースを持ってきて、それはやってみたら演奏できたので、本格的にやってみようと決意しました。自分が中2の秋ごろのことです。

—生活の環境に音楽経験者が多かったのでしょうか?

芳岡:僕の親は高校生の時、アコギを弾いていたみたいです。両親から音楽に関して影響を受けた、ということはありませんが、いずれ音楽談義をしてみたいと思います。

山下:3歳上の姉がギターをやっていました。それで身近に感じて、すぐ始めることができたと思います。

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石川:父親(50歳)がバンドを組んでいて、母親(48歳)がそれに影響されてバンドを始めたと言っていました。アコギを弾いています。結構ハマっているみたいで、週末のたびにバンドの練習をしたり、ライブに出たりしています。バンドメンバーは高校時代の同級生だったり、音楽をやっているうちに知り合った人だったり…両親が一緒に組むこともあるようです。

—家で音楽の話題になることも多いですか?

石川:両親は先日僕たちのライブに見に来てくれたのですが、「もう少しお前がどっしり構えていればバンドは安定する」とアドバイスをもらいました。

—他のバンドにはない、optimismの特長は何でしょうか?

石川:ズバリ、「ヘンタイ」であることですね(笑)。発想を自由にして、色々なものを柔軟に。

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小寺:バンドの仲はいいですね。練習後も、駅前でドーナツを食べたり、メンバーでカラオケに行ったりもします。

芳岡:そうですね。「なんだあいつら、気持ち悪いな」って言われるくらい音楽に熱中していたいです。そういう意味で、「ヘンタイ」でありたいですね。

—それでは、今年の目標を教えてください!

小寺:元明るく、楽しく、元気よく!

芳岡:音楽はずっと続けていきたいですね。ゆっくりでもいいから、どんどん上達していって、いつか大勢のお客さんの前で見せられるライブをやりたいです。売れなくてもいい、誰かに届けばいいので。そして、今年はYHMFなど大きな大会にもエントリーしています。

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山下:たくさんの人の前でライブをするためには、名前を覚えてもらわないと、ということで応募しました。自分たちの実力がどのくらいか知るためにも、とりあえず出してみよう、と。

—着々と準備をしているわけですね。

芳岡:オリジナル曲を作ったは良いが練習が思うように行かなくて…その曲を手がけたのが2月の上旬頃で、作詞作曲はすぐ出来たのですが、アレンジに2~3ヶ月かかってしまいました。応募のために最後は急いで完成させました。アレンジは上手くいったのですが歌が納得いかず…
俺の曲にしたいのではなく、optimismの曲にしたいという思いがあって作っているのですが、自分でも作りつつ、あとは1曲丸ごとみんなで作れるようになればいいなと思います。それが今年の目標ですね。

—それでは最後に、皆さんの将来の夢を教えてください。

山下:プロになるとか、音楽で食っていきたい!という野望はないのですが、バンドを趣味でやりつつ、安定した収入を得られればいいかな(笑)平凡プラス音楽って感じですかね。友達と仲良くやっていきたいです。

小寺:近いところで言うと、大学受験はしっかりしたいですね。将来就いてみたい仕事はまだ具体的に考えていませんが、ライブハウスの店員やPAなど音楽に携わる仕事は、やはり興味があります。

石川:僕は声優を目指しているのですが、今は下積み期間中です。ボイストレーニングの教室に通ったり、一方、これだけ続けてきたドラムのスキルもあるので…音楽もやっていきたいと思っていて、まだ絞れていません。今は将来の道はなるべく広げて絶やさないようにしておき、時期が来たら決断しようと思います。

芳岡:バンドはオジサンになるまでずっとできたら幸せだなと思います。バンドはもちろん、このメンバーで続けていきたいです。

Photoこれまで一度も対立したりもめたりしたことがないというoptimismの皆さん。メンバーからは「ケンカしたら音楽じゃない」という声が挙がる一方、「この先必ず一度はケンカすることがあるでしょう。でもそこを乗り越えたらまた一つステップアップできるし、どんどん仲良くなっていくと思います」という声も聞かれました。

バンド名「optimism」は楽観主義という意味ですが、その名の通り、「楽しく考えていこう」をモットーに活動していきたいと4人は話してくれました。まだまだ始まったばかりの彼らの楽しいロックライフを、今後も応援していきたいと思います!

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【取材協力】
Studio Bloom
http://www.studiobloom.jp/