連載

ロック1年生  エントリーNo.10 Rengel

TEXT & PHOTO:鈴木亮介

Photoロック1年生、連載がスタートして今回で10回目となります。聞くところによると、かなりの評判?コーナーとなっているようで、大変うれしく思っています。さて、節目の10回目に登場するのは、Rengelの皆さんです。彼らの年齢は15歳。当連載10回目にして、遂に中学生バンド!の登場です。

メンバーは山口萌人君(Vocal)、坂田直哉君(Bass)、藤井皆仁君(Drums)、立川航君(Guitar)で、同じ学校の3年生。中高一貫校のため、4月からはそのまま同じ高校に進学します。学年末試験を終え、4月のライブに向けて練習中の彼らと、代々木駅前で待ち合わせ。4人の表情に若干の幼さはあるものの、受け答えは実にハキハキとしていて、言われるまで中学生だとは気付きませんでした…


———まずはバンド結成のきっかけを教えてください。

Photo山口:一昨年(08年)の11月頃に、僕とベースの坂田でバンドを組もうと話したのがきっかけです。

坂田:バンドをやればモテるよ!と誘われて。僕らは男子校なので、モテたい!ということで、ベースをやらせてくださいと志願しました(笑)

山口:その後、中1の時に同じクラスだった藤井がピアノをずっとやっていたのを知っていたので、学校帰りの電車の中で「バンドやらない?」と誘って…彼にはドラムをやってもらうことにしました。さらに、友人の中で洋楽に一番詳しかった立川に声をかけ、昨年3月頃にこのメンバーでバンドを結成しました。

藤井:結成後、7月にある校内ライブの順番決めのオーディションをひとまずの目標にしました。しかし、5月までは学校の運動会があり、ほとんど活動はできませんでした。それから1ヶ月半ほどは、試験もある中、必死に練習しました。

山口:ほとんど普通の部活のように週2〜3回スタジオに入って。さらには朝練もしました。24時間営業しているスタジオがあるので、そこで朝6時から7時の時間帯を取って…

Photo坂田:やらないとヤバいのではないかという危機感がありました。やる以上はちゃんとやりたい、と。

山口:そして何とかオーディションは1位を取ることができました。うちは中高一貫校ですが、中高合わせて27バンドあるうちの9位で、中学生のバンドでは7〜8組ある中で1位でした。

———皆さんが音楽に興味を持ったのはいつ頃ですか?今の楽器を始めたきっかけなども教えてください。

山口:僕は5歳の時からずっとピアノをやっていました。それと並行して、小5のクリスマスにアコギを買ってもらって、ギターも始めました。ミュージックステーションでYUI福山雅治を見て、自分も弾いてみたいと思ったのがきっかけです。ピアノは一人のものですが、ギターは持ち運びができて、みんなで出来る楽器なので、そこが魅力です。

坂田:うちは家で音楽が流れていた…といったことはありませんが、小4の頃、ドラマの主題歌を聴いてカラオケで歌ったりしているうちに音楽に興味を持つようになりました。楽器に触れたのは山口に誘われてこのバンドでベースを触ったのが初めてです。初めはどんな楽器か全く知りませんでしたが、弾いているうちにどんどん楽しくなって、その魅力にとりつかれていきました。

Photo藤井:僕の母(51歳)はピアノの先生で、その題材として僕が使われていた…という感じです。「どうやったらうまく教えられるかな」と。だから、物心ついた時には既にピアノを弾いていました。そして、偶然父親(51歳)が持っていた奥田民生のCDを聴いて興味を持ち、小学校高学年の頃は民生ばかり聴いていました。中学に入り、自分もバンドをやってみたいなぁと思っていた頃、山口から「ドラムをやらないか」と誘われたので、二つ返事で参加することにしました。

立川:親曰く、幼い頃に僕は「雨が降った」とか「○○に出かけた」とか、そういうことをずっと歌っていたそうです。思えば小1の時に学校でやった鍵盤ハーモニカ、それから小3の時のリコーダーなど、どれも興味を持って取り組んでいました。そして中2の2学期にクラシックギターを買ってもらいました。うちの学校は中3になると全員ギターをやるので、早めにやっておこうかなと。

山口:そう、うちの学校はギターが必修なんですよ。

立川:その頃、バンドやらない?と山口から電話がかかってきて。最初は断り気味だったのですが、いつのまにか他のメンバーの間でも「立川がギターをやる」という話が広まっていて…でも、エレキをやってみたい気持ちはあって、バンドを始めればそれを買ってもらう口実になるので、入ることにしました。

———Rengelは>The Beatlesなど王道の洋楽を中心にカバーしていますね。皆さんは元々洋楽に興味があったのですか?

Photo山口:僕と立川は元々洋楽が好きでした。もちろん邦楽も好きなのですが、バンドでは、どうせなら他のバンドと違うことをやろうということで、洋楽中心に演奏しています。最初のオーディションではGREEN DAYをやりました。簡単だしノリがいいというのが理由です。洋楽に興味を持ったのは母(47歳)と祖母(70歳)の影響です。自分が4〜5歳の時にThe Beatlesのベスト盤を買ってもらって、8歳でKISSを聞きました。それから色んなものを聞きました。

藤井:僕はずっと奥田民生ばかり聴いていましたが、民生が尊敬していたというつながりでビートルズも聴くようになりました。

立川:小学生の頃はスターウォーズのサントラが好きでした。また、車の中で知らない洋楽が流れている…という程度でした。本格的に興味を持ったのは中学生からです。父親(40代後半)にKing Crimsonの『クリムゾン・キングの宮殿』とThe Beatlesの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』をTSUTAYAで借りてこいと言われて。世の中にこんな長い名前のアルバムがあるのだとびっくりして。そのアルバム自体はすごくハマったわけではないのですが、その辺りから洋楽全般に興味を持つようになりました。

坂田:バスケ部から聞いた噂によると、立川が学校の前のTSUTAYAで山積みのCDを抱えていたらしいと…

立川:あれはドラマのDVDだよ。

———バンドで演奏する曲はどのように決めていますか?

Photo山口:最初の頃は僕が決めていましたが、最近は誰かが「これをやりたい」というのを持ってきて、難しくないかなどを皆で話し合って決めています。

藤井:洋楽が中心なので、他のバンドからは「珍しい」「変わってるよね」とよく言われます。

———昨年9月の文化祭が初ライブでしたね。その時の感想などをお聞かせください。

藤井:初日はチューニングがズレてしまって…あと2日目は弦が切れました!

立川:でも、レスポールの1弦が切れるといいことがあるというジンクスがあるのです。2日目は結構うまくいったと思います。

Photo坂田:ストラップも切れたね。アクシデントが多い初ライブでした。

山口:何の曲かは知らないけど聴いたことがある、という声が多かったです。The Beatlesの「Get Back」など、「あー知ってる知ってる」と。

藤井:知らない曲を相手に聴いてもらって、面白いと思ってもらえたらいいなと思います。

山口:難しいギターテクが…と、演奏する人が自己満足して終わる曲ではなく、みんながノれる演奏ができるように心がけています。自お客さんが盛り上がれる演奏ができれば、自分たちも楽しめると思います。

———今後の目標を教えてください。

立川:のんびり、仲良く。みんなで仲良くがんばろう!

Photo山口:仲良くやるのが一番ですね。どの曲をやるかということで意見対立は当然ありますが、スタジオに入ってしまえばそこで真っ向対立するなんてことはなく、仲良くできています。あと、僕らは負けず嫌いなので、勝ちたいですね。勝つというのは自分に対してというのもありますし、例えばライブのオーディションなどもそうですね。特にライバルがいるとか相手を倒すとかではなくて、純粋に「良い順位になれば演奏枠がたくさんもらえる」ということです。

藤井:枠をもらえた方がたくさん演奏できれば楽しい、ということだね。

———あと半月で高校生になりますが、これまでの活動と変化はありますか?

坂田:今は月に2〜3回練習をしていますが、勉強が忙しくなったり、部活が忙しくなったり、みんな時間が足りなくなると思います。

山口:確かに、時間の使い方が大変になってくると思います。また、バンドのホームページも作ったし、他校のバンドとも情報交換をして、外のライブも増やしていきたいですね。

とにかく仲が良いのが自分たちの持ち味ということで、4人で遊びに行くことも多いとのこと。何と、早朝のお台場で大規模な鬼ごっこをしたこともあるそうです!写真をご覧いただいて分かる通り、実に爽やかで好印象の4名。間もなく高校生になりますが、今年はライブなど外に出る機会を増やし、より一層活動の幅を広げてほしいと思います!

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【Rengel HP】
http://x70.peps.jp/minatolion

今後のライブ活動予定
2010年4月7日(水)【吉祥寺】吉祥寺クレッシェンド 17:30〜

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【取材協力】
Sound studio NOAH 代々木店
http://yoyogi.studionoah.jp/