連載

ロック一年生 エントリーNo.22 liverpool

TEXT & PHOTO:鈴木亮介

Photo先日、大手携帯サイトが「flumpool名曲ランキング」を発表していました。お父さんお母さん世代にはあまりなじみがないかもしれませんが、映画『君に届け』の主題歌などで注目を集め、10代を中心に爆発的な支持を集める4人組バンド・flumpool。今回のロック1年生は、そんなflumpoolに魅せられ、集まり、バンドを組んだという男子高生5人組バンドliverpoolをご紹介します!

メンバーは宮出大地(Vocal)、渡邊龍馬 (Guitar)、佐藤大地(Bass)、平田葵(Drums)、久本悟士(Keyboard)。全員現在高校1年生で、4月から高2。昨年の結成からもうすぐ一年を迎えようとしています。
桜木町からほど近い公共施設「ふりーふらっと野毛山」のスタジオで練習中のメンバーを直撃しました。

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---皆さんは5人とも同じ高校ですか?

渡邊:いえ、僕と宮出久本が同じ中学校出身で、宮出佐藤が同じ高校です。ドラムの平田は一人だけ学校も住んでいる地域も違います。

---なるほど複雑ですね。ではまずはバンド結成のきっかけを教えてください。


宮出:僕とベースの佐藤が同じ高校の軽音部で、それぞれ別のバンドを組んでいたのですが、互いにflumpoolが好きだということがわかって、「じゃあflumpoolのコピーバンドを作ろうか」と思い立ったのが、結成のきっかけです。その後、中学の友人でflumpoolが好きだった渡邊に声をかけて。当時楽器は何もやっていなかったのですが、バンドやろうよと呼びかけて、ギターを担当してもらうことにしました。そして、キーボードは中学の時に一緒にバンドを組んでいた久本を誘いました。

Photo佐藤:それからドラムは僕がmixiでドラムを探していたところ、偶然「ドラムをやっていてflumpoolが好きで神奈川県在住」という平田を発見し、誘いました。この5人が揃ったのが去年の6月です。

---5人とも元々flumpoolが好きだったのですか?聞き始めたのはいつ頃でしょうか?


宮出:僕は中学1年生の頃「ブラッディ・マンデイ」というドラマの主題歌として「Over the rain ~ひかりの橋~」を聴いて、好きになりました。

久本:僕の場合、実はこのバンドを組んでから特に聴くようになりました。ちなみに普段は特にこのバンドが好き!というのはなく、色んな曲を聴きます。

Photo平田:中1の頃、auのリスモのCMになっている「花になれ」を聴いたのがきっかけですね。まず僕より先に親が好きになって、「これいいよ~」って結構紹介してくれました。その後テレビで「星に願いを」を聴いて、本格的に好きになりました。

渡邊:僕の場合は中学の頃宮出に「これいいよ」って教えてもらったのがきっかけですね。

佐藤:僕も中学の頃に好きになって、それからロックばかり聴いてますね。flumpoolのほかには、NICO Touches the WallsONE OK ROCKもよく聴きます。flumpoolを好きになったきっかけは「君に届け」だったのですが、当時受験期だったので携帯電話もパソコンも没収されていて、誰の曲か調べられず、でも「この歌いいなぁ」と思っていました。

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---なるほど。では、皆さんが音楽を始めたきっかけを教えてください。


宮出:最初はピアノですね。小学校低学年から6年生頃まで習っていました。その後小6の頃にYUIにハマって、おばあちゃんにアコギを買ってもらって弾き始めました。中学でflumpoolが好きになり、中2からはエレキも弾くようになり、今に至ります。中3の時に組んだバンドは、簡単でみんなが知っている曲ということで、flumpoolはもちろんですが、レミオロメンの「3月9日」などもやっていました。

久本:僕は幼稚園の頃から小6まで、ヤマハのピアノ教室に通っていました。バンドを組んだのは中3の頃に宮出に誘われたのが最初ですね。そのバンドは卒業式後のお別れ会のために組んだようなバンドだったので、卒業後は自然消滅。僕は特に音楽を続けることもなく、高校ではテニス部に入って活動していたのですが、再び宮出に誘われて、じゃあやってみようかなと思い、再度鍵盤を弾くことになりました。

Photo平田:父(48)が昔からドラムをやっていて、ギターやベースも家にあったので幼少の頃から結構いじって遊んでいました。その後、小5の頃に家に電子ドラムが来て、それも叩いて遊んでましたね。高校入学時に軽音部に入ることになり、ドラムをやろうと思い立ちました。その後、佐藤とmixiを通じて知り合い、「flumpoolのコピバンを組む。この日にスタジオをとったから来て!」と声がかかり、組むことになりました。今は、高校の友人と組んだバンドとこちらとを2つかけもちしています。

渡邊:僕も高校に入ったらバンドを組みたいと思っていたのですが、僕の通う瀬谷西高校は軽音部のレベルが高くて、ちょっとチキちゃって(=怖気づく)、自分は中学の頃から楽器を弾いていたわけでもないし、これは無理だな、と。結局どの部活にも入りませんでした。帰宅部としてフラフラしていたところ、中学の同級生である宮出が声をかけてくれたので、思いきってギターを始めることにしました。flumpoolが好きになったのもそうですし、結構宮出の影響を受けてます。彼に人生左右されてますね(笑)

Photo佐藤:僕も幼稚園から小5までピアノをやっていました。高校では、音楽をどうしてもやりたい!という積極的な理由ではなく、運動部よりは楽そうだから、という理由で軽音部に入りました。楽器の選択も「ベースなら一番かっこいいし、簡単そうかなぁ」とベースにしました。でも実際は難しいですね!

---バンドの活動について教えてください。


宮出:今のところflumpoolのコピーオンリーですが、オリジナルの制作も進めています。練習は月2~3回ほど集まっています。ここ「ふりーふらっと野毛山」でやることが多いですね。メンバーが集まりやすいということと、使用料が2時間で1バンド350円という安さが僕達高校生にとっては魅力ですね。

---活動の苦労はありますか?

Photo宮出:強いて挙げるならば、平田だけ横須賀在住なので遠い、ということですかね。

渡邊:あとは僕のバイトが忙しいということですね。それはバンドに関係ないか(笑)

---ライブはこれまでに何回くらい出ていますか?お客さんの反応はどうだったでしょうか。


宮出:このバンドでライブは2回出演しています。一回はここ「ふりーふらっと野毛山」主催のイベントで、もう一つは川崎でやりました。ちなみに今、flumpoolのコピーは8曲ほど完成しています。

平田:お客さんは結構かっこいいと言ってくれましたが、僕らが目標とする演奏レベルにはまだ全然届いていないと思うので、その差を埋めていくのが今後の僕らの課題だと思っています。

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---flumpool一筋、ということですが、正直飽きることはないですか?皆さんにとってflumpoolの魅力って何でしょうか?


宮出:完全に好きになっちゃってるので、最近はそんなにflumpoolは聴かないんですよ。でも、たまに聴くとめっちゃ癒されるというか、「やっぱflumpoolだな」と思わせるものがあるんですよ。親近感があります。

渡邊:僕は逆に、flumpoolしか聴かないですね。曲ももちろんですが、メンバーの人間性も好きです。朝学校に行く時も、1ヶ月間ずっと同じ曲を聴いていても飽きないくらい、それくらい好きですね。

平田:飽きる…ということはないですね。自分も宮出のように正統派のロックとかパンクとかが好きで、他のバンドもたくさん聴くのですが、それでも時々flumpoolが聴きたくなるというか…声とメロディがすごく好きなので、聴くと安心しますね。悩んだ時に歌詞をじっくり聴いて癒されます。

Photo宮出:このメンバーでライブに行くこともよくあります。去年のツアーはみんなそれぞれ行きましたし、年末のさいたまスーパーアリーナのライブは久本を除いて4人で行きましたね。今年のツアーの県民ホールも4人です。彼は…1回は連れて行きたいですね。

---そんなflumpool好きが結集したliverpoolですが、今後のバンドとしての目標を教えてください。


宮出:僕らも本家のflumpoolと同様にドラムだけ違う地域の出身で、それでいて仲が良いという所など、共通点が幾つかあります。やりたいことも、「ニコ(=NICO Touches the Walls)っぽいオリジナル作りたいよね」とか音楽的にも合っていると思うので、オリジナルを積極的に作って、ライブや大会にもどんどん出てみたいですね。閃光ライオットにも挑戦してみようと思います。そして、うちはキーボードがいることで音楽の幅も広がって行くと思うので、いい音楽を作りたいですね。

Photo最後にメンバーの皆さんに個々の目標を聞いたところ、「幅広く色んな音楽を聴いて、楽器の知識も付けて、それをオリジナル曲や演奏に活かしていきたい」(佐藤君)、「いずれは作曲もしてみたいが、まずは自分のスキルアップが第一。ドラムとしてこのバンドを支えていけたら」(平田君)など、非常に音楽に対して真面目な姿勢が伺えました。ガツガツ前に出てという感じではないものの、内に秘めた闘志は相当力強いものを感じました。

そして、渡邊君は「自分は始めたばっかりなので、小さな目標だけど、まずは宮出のギターを超えるくらいうまくなりたい」と話してくれました。

メンバー内に目標とする人がいて、互いを尊敬しあいつつ切磋琢磨できるのは素晴らしいこと!高校2年生の一年間は、受験も先輩も忘れて思いっきり没頭できることでしょう。是非とも、飛躍を期待していますよ!

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◆liverpool ホームページ
http://67.xmbs.jp/liverpool/
 
NEXT LIVE!
2012年4月2日(月)【鶴見】Top`s
 
 
 

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【取材協力】
ふりーふらっと野毛山
http://yokohama-youth.jp/koryu/