大人気連載「ロック酒場探訪記」、今回はラーメン屋さんをご紹介しましょう。え?ラーメン?と思われるかもしれませんが、今回の「jun-pey ra-men」は、普通のラーメン屋ではありません。ロックな香りで満ちた店内…、店主はギタリストでイケメン…。これはもうBEEASTでご紹介しなければならない!そんなお店です。
黒くビターな特製油が自慢の「jun-pey ra-men」は、濃厚かつパンチのある醤油とんこつスープのお店。ラーメン好きなら思わずため息が出てしまうかもしれません。ロックとラーメン、この2つが大好物な私の勝手な解釈では、ロック好きとラーメン好きには共通するソウルがあるのではないかと考えています。
さてそんな「jun-pey ra-men」を目指して、横浜線の成瀬駅を降りましょう。実は成瀬という街に来たのは初めて。街を眺めながらゆっくりと歩きます。ファミリーレストランや書店などの大型店舗が並びながらも、住宅街が広がっている風景。地図を見ながらバス通りをしばらく行くと「jun-pey ra-men」の看板を発見。いよいよ取材スタートです!
岡山県出身。ギタリストを目指して上京。バイト先の横浜家系ラーメンに衝撃を受ける。某ラーメン店で修業を3年積んだのち、自分の理想とするラーメンを追い求めて、2005年に26歳で「jun-pey ra-men」成瀬店をオープンさせる。2011年には「二代目jun-pey らーめん」上石神井店をオープンし、幡ヶ谷に麺屋 壽をプロデュースした。これからも戦い続ける熱きロック魂の男。
— ドアの重量感がすごいですね。
淳平:この扉が開かないお客様も時々いらっしゃいます(笑)。こだわりということにしています。本当はここまで重いはずじゃなかったのですが(笑)
— 内外装のロックなイメージは自ら考案ですか?
淳平:そうです。イメージを内装業者のデザイナーへ伝えました。どうもウチしかやってない発想がかなりあるみたいですね(笑)
— ラーメン大好きなので最初に聞いちゃいますが、ズバリお薦めは?
淳平:黒ラーメンですね。店のイメージのブラックなメタルテイストが、ラーメンと融合されていると自負しています。
※黒ラーメン(ニンニクと香味野菜を揚げて作る黒く香ばしいマー油に、ゲンコツ・背ガラなどを8時間以上煮込んだ重量感のある白濁スープを合わせたパンチのあるラーメン)
— 通常のメニュー以外に、特別メニューもあるのですね。
淳平:毎月1つ新メニューを作りたいと思っています。期間限定で提供して、人気が出たらレギュラーメニューに加えるような感じです。1年に1回はメニューを変えています。夜は飲みに来る人もいますので、つまみ類も少し。
— オープンからどのくらい経ちますか?
淳平:7年やっています。もう根強いファンがいらっしゃるので、自分の身を粉にしても頑張って作りたいなと思っています。新しいお客さんも、ウチのラーメンを好きになれば、リピーターになってくれますので、自信のある一杯を作って提供しています。
— ロックなイメージのWEBサイトがありますが、そちらを見て来る人はいますか?
淳平:そうですね、WEBで検索しても来てくれる人もいますが、近所の方が多いですね。
— 成瀬には何かゆかりがあるのですか?
淳平:元々この辺に住んでいたのですが、店舗を探していたら、運良くココがあったような感じです。
— 独立される前もラーメン店ですか?
淳平:はい。3年ほど修行に行っていました。僕はギタリストになりたくて上京したので、最初は食っていくための仕事で、とあるラーメン店に入ったのですが。そこで、自分の追い求めているラーメンを作りたくなって、メタルも大好きだし、理想を求めて独立しようと決めました。
— ご出身は?
淳平:岡山です。岡山からギタリスト志望で出てきたので、スタジオワークでも何でも、ともかくギターで食いたかったのですが(笑)。今では家でチョロチョロ弾く程度です。もうバンドもやっていないので、老後の楽しみですね(笑)
— 独立を意識した頃のことを教えてください。
淳平:右も左もわからず入ったのですが、だんだん仕事ができるようになってくると、色々考えるようになりました。組織の中で働いていると、自分のやりたいこともできないし、イライラしてきまして(笑)。そして自分でやりたくなって、半年くらいで始めました。
— 思い立って半年ですか!それは短いですね。
淳平:もう作る仕事はできたので、あとは経営のことだけを勉強しようと考えました。その修行していた店の数字を見せてもらって勉強しました。
— 半年の準備期間だとお金の用意も大変そうです。
淳平:修行中にできるだけ頭金貯めて、あとは借り入れしてスタートしました。オープンして最初の一年は厳しかったですね。頑張っているうちに、お客さんが付いてきてくれて、今に至ります。
— 休日はいつですか?
淳平:基本的に毎日店を開けているので、1ヶ月に1回休むかどうかです。休みの日は家で寝ているか、ギターを弾いているか、飲みに行くか。以前はスタッフに任せて休んでいましたが、淳平さんが居ないと味が違うって言われて、休めなくなりました(笑)
— 仕込みはどのくらいかかるのですか?
淳平:出来る仕込みは前日からやっていますので、当日の朝は10時くらいから1時間程度です。夜は24時頃に店を閉めますが、その後プロデュースしている店へスープを配達したりして夜中まで働いています。
— プロデュースもされているのですね。
淳平:幡ヶ谷にプロデュースしている店を昨年11月中旬にオープンしました。坪数が小さいお店なので、ここの成瀬店の営業が終わったら配達しています(笑)。「jun-pey ra-men」としては2号店が上石神井にあります。
— 上石神井店もロックな感じですか?
淳平:はい。店長は元々ロック系のバンドマンで、やはりロックテイストですね(笑)。最初はお客さんで来ていて、バンドメンバーを引き連れて大勢で来ていました。黒ラーメンばかりを食べていました(笑)。ひょんなことから働く?みたいな流れでしたね。最初バイトで入って、今では店を1つ任せています。
— 今後は多店舗化が目標ですか??
淳平:色々とやってみたいですね。「jun-pay ra-men」の看板だけでなく、違う名前の店もプロデュースを進めたいと考えています。
— 夜は飲み来る人もいるとのことですが、メタルな方ですか?
淳平:いえ、普通にラーメンが好きな人です(笑)。22時以降は結構忙しいですね。メタル好きは、スピーカーの前の席にすわって、音楽に集中しながら飲んでいます。でもメタルTシャツを着て来るような人は稀なケースです(笑)
— ロックにはハマった頃のことを教えてください。
淳平:最初はDef LeppardやGuns N’ Rosesを聴いていて、段々エスカレートして激しいのじゃないと物足りなくなってPanteraとかその辺へ(笑)。最近だとThe WildheartsやHardcore Superstarを聴いていますね。
— LIVEへ行かれたりはしないのですか?
淳平:時々行きます。昨年はちょっと行かれなかったのですが、それまでラウドパークは毎年欠かさず店を閉めて行っていましたし、この前のMetallicaは最前列で観ました(笑)
お店に置かれたCDラックを見て、リクエストも受け付けているのですか?という質問に、「いえ自分で聴くためです(笑)。高校時代から集めたCDを店に置いています」との回答。カウンターに置かれたスピーカーからは結構なボリュームで音楽が流れています。スピーカーの目の前に座った私は、大音量のロックバーにいるかのような錯覚。この環境で美味しいラーメンが食べられるというのですから、これはもうロック&ラーメン好きにはたまりません。
最後に読者へのコメントを聞いたところ「ロックな方に来ていただいて、ロック話をしたいですね(笑)。僕は顔が強面なので、話しかけづらいみたいですけど、全然気さくなヤツですから(笑)」仕事をされている時の顔は、男の真剣勝負の顔なので、プロのオーラに圧倒されてしまうかもしれませんが、話してみると本当にすごくフレンドリーなのです。ロックTシャツのお客さんは少ないということで、ロックTシャツを来て行くとニヤリとされるかも!?
取材を終えて帰り仕度をしていると、“ ラーメンWalker ” 最新号を手に「ラーメン雑誌に載りました」と見せてくれました。東京23区版の76ページに「jun-pey ra-men」は掲載されています。成瀬店には駐車場が4台分あります。車でも行きやすく、友人同士やバンドメンバーを誘って、お薦めの黒ラーメンを食べに「jun-pey ra-men」へぜひ!
JUN-PEY RA-MEN
営業:11:00~15:00(昼)
18:00~24:00(夜)
定休:不定休
住所:〒194-0044 東京都町田市成瀬1-4-1
TEL:042-723-4841
公式サイト:http://www.jun-pey.com/
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