連載

※この記事は取材した2011年のアーカイブです。最新情報ではありません。

セレクション8(大阪)「CRUNCH」真綾ママ
TEXT & PHOTO:桜坂秋太郎

大人気連載「ロック酒場探訪記」が帰ってきました!しばらくぶりの更新となります。復刊後は今までカヴァーできなかった大阪エリアのお店を、いくつかご紹介したいと思います!

第8回目のお店は…大阪は梅田にある「CRUNCH」(クランチ)をご紹介しましょう!その店名から想像出来る通り、メタルなイメージを膨らませながら歩いていると、あの黄色い“目立つロゴ”が目に入りました。絶対に間違えないロゴの看板は、私のような遠方からの訪問者にとって、わかりやすいイメージです。

店内に入ると、期待を裏切らないザクザクしたサウンドのシャワーを浴びて、麗しの真綾ママが開店準備の最中。少々お時間をいただいて、取材をスタート。目の前の大画面モニターに圧倒されながら、お話をうかがってみたいと思います。

ママ 真綾(Maaya)プロフィール
京都府出身。大阪梅田の老舗ニューハーフショーハウス「ジャック&ベティ」を卒業後、2009年1月16日にハードロック・ヘヴィメタルなバー「CRUNCH」をオープン。大阪梅田の東通り商店街に面し、整理しきれないほどの大量なCD/DVDを常備して、お客様をおもてなし。ギターが大好きで、自身もギターをプレイする、筋金入りのロックママ。絶品トークで毎晩ファンが増殖中。

— コンセプトがとても明確ですね。お店はいつ頃オープンされたのですか?

Photo真綾:ちょうど3周年イベントをやります。1月で丸3年ですね。最初はスラッシュ色がちょっと強かったのですが、今はそうでもないと思います(笑)

— 店名からしてブレが無いですね。

真綾:昔からスラッシュメタルが大好きだったので、そのまんまベイエリアクランチから名前を付けました。ギターのリフがザクザクで、ソロがピロピロしているのが理想ですね。

※ベイエリアクランチ
一般的に、サンフランシスコのベイエリアを活動中心としていたスラッシュメタルを指し、EXODUSやTESTAMENTがその中心バンドとして活躍。

— こういう形態のお店をやろうと思ったのは、いつ頃からですか?

真綾:CDもたくさん集めていたし、自分でお店をやるならメタルな感じと自然に思っていました。人とお酒を飲むのが好きだし、自分でやってみようかなと。

— 思ってからすぐ開店できました?

真綾:本前のお店を辞めるのが難しかったですね。すぐに辞めさせてもらえなかったので。辞めてからはトントン拍子です。

— 前のお店からの独立ってわけじゃないのですよね…(笑)

真綾:前のお店はニューハーフショーの「ジャック&ベティ」なので、独立ってわけでは無いですね(笑)。でもここ(CRUNCH)からも近いですよ。大阪に出てきてから、ずっとこの界隈ですね。

— 大阪に出てきて、どのくらい経ちますか?
真綾:8年くらいですね。大阪に出てくる前は、電気工事関係とかやっていました(笑)

— ロックにハマったキッカケを教えてください。

真綾:中学校の頃、学校でメタルを聞いている人がいて、それで興味持ちました。一時期はフュージョンにもハマりましたけど、メタルはずっと好きですね。

— ギターをプレイされるようですが、いつからですか?

真綾:ギターは学生の頃やっていまして。しばらく離れていたのですが、お店(CRUNCH)をやり始めてから、また弾くようになりました。ライヴにもよく行きます。

— ライヴに行く時、お店は?

真綾:閉めています(笑)。お休みが無いので、ライヴに行く時が休みみたいな感じです。でも、ライヴが終わったら、お店に戻ってきます(笑)。そんな遅い時間から開けても、誰も来てくれないのですけど。そういう時はギター弾いて遊んでいます。

— お店の客層はどんな感じですか?

真綾:年齢は30代後半から40代が多いですね。もっと若い人にも来てもらいたいです。でも一時に比べたら最近は増えてきましたね。若い子が来てくれるとうれしいです!

— やはり男性が多いですか?

真綾:そうですね。男女比率は8対2ですが、2割の女性も当然メタラーです(笑)。結構遠くからも来てくれます。ほとんどはホームページを見て来店です。時々は通りすがりに看板を見て入ってくる方とか(笑)。メディアは「大人のロック」という雑誌に一度載りましたけど、mixiとかの口コミの方が多いですね。

— ネットを中心にお店のアピールが出来るのは良いことですよね。

真綾:mixiだと遠方のマイミクさんとか、出張のついでに寄ってくれます。最近はFacebookもやっています。あ、海外のメタルトラベル何とか?ガイドというのを見てきた外人もいました(笑)。ネットで勝手に広がっていますね。

— コアなお客さんが多そうですが、メタル好きの理想的な店ですよね。

真綾:お客さんも、自分でこういう店やりたい!って、良く言います(笑)。でもロックバーは全然儲からないです。まず貯金して、それを崩す覚悟でやるしかないですね(笑)

— 音は常時爆音ですか?

真綾:お客さん次第です。月に数回イベントをやっているのですが、その時はかなりデカイですね(笑)。映像中心のVJイベントと、DJイベントの両方をやっています。

— ギターがたくさんありますが、自由にお客さんが弾けるのですか?

真綾:ギターは何本もあるのでセッションもします。結構大きい音で出します。生ドラムはさすがに厳しいけど、電子パーカッションを使って盛り上がりますね。ギターはお店に飾っている以外にも、こうして(隅にギターケースが複数重なっている)ケースに入っています。

— このデコレーションされたギターだけはショーケースに入っていますが、飾り物ですか?

真綾:このギターは、MADAM REYさんからもらいました。彼女がPV(※プロモーションビデオ)で使ったギターですが、お店に飾ったら?と言ってくれました!汚れないように飾ってあります。このギターの写真を撮って帰る人も結構います。お店をオープンするまでは、メタルな装飾を内装にしたかったのですが、時間が無くて今の形でスタートしました。でも、もうこれでいいか!と今は思っています(笑)

— なるほど(笑)。ドリンクメニューは一番何が出ます?

真綾:ビールですね。それからジャックダニエル関係のコークやロック。あとはなぜかジントニックがやたらと出ますね。

— メンバーズカードがあるそうですが。

真綾:「ウサミミ倶楽部」というのを作って、メンバーズカードを渡しています。もうすぐ666番のThe Number of the Beastです(笑)。今日も作っちゃいますか?(笑)※ウサミミを付けて実際に私もカードを作ってもらいました!

— このカードの特典は?

真綾:1回来店されると1ポイント溜まります。100ポイント溜まったら…千円くらいの割引ですね(笑)。ポイント制度って他のロックバーはやってないですよね?こんなアホみたいなことしているのはうちだけですよ(笑)

— 来店されたお客さん全員分を作るのですか?

真綾:基本的に作っています。このカードを作っている関係で、お客さんの顔と名前を覚えられるメリットがあります。あ、イベントの時はやってないです(笑)

何はともあれ、真綾ママの“マメさ”には驚きました。一人一人のお客様を考える気持ち、そしてアイデアマン(ウーマン?)。マイギターを持参して、真綾ママに抱いてもらった2ショット(CRUNCHのmixiコミュニティ内みんなのギターコーナーにて公開)を撮ると、可愛いハート型のオリジナルピックがもらえるそうです。

インタビューの最中、何度も「何でも聞いてください!」と真綾ママに言われました。フランクな雰囲気の中、居心地の良さを実感した取材でした。百聞は一見に如かず、私に騙されたと思って、メタル好きは足を運んでみてください!

関西の方だけでなく、関東や九州・北海道の方にも、この記事でCRUNCHを知ったからには、是非一度行ってほしいと思います。間違いの無い、鉄板なお店だと断言しましょう。仲間同士でも一人でも、ピンクのフライングVの扉を開けて、さぁ!真綾ママのメタルワールドへ!!

MUSIC BAR CRUNCHクランチ)<閉店>

営業:19時~3時 [Weekday]~5時[Weekend]
住所:〒530-0027 大阪市北区堂山町2-8
大扇レジャービル3F
TEL:06-6363-2223

公式サイト:http://www.bar-crunch.com/



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