三寒四温という言葉の通り、冬と春とが一進一退の攻防を繰り広げていますね。進路という意味で無事「春」を迎えた皆さんは、しっかりと新年度に向けた準備をしておきましょう。
連載「キャンパスロック図鑑」、40校目となる今回は愛知県名古屋市にある私立大、椙山（すぎやま）女学園大学が登場します。椙山女学園大学は1949年に開設された総合大学で、生活科学部、国際コミュニケーション学部、人間関係学部、文化情報学部、現代マネジメント学部、教育学部、看護学部の7学部と大学院を設置しているほか、付属の幼稚園および小中高校もあり、中部地方では唯一、幼稚園から大学院まである女子校として知られています。読み方が難しい「椙山」という校名は、全身の名古屋裁縫女学校の創設者であり尾張藩士族の椙山正弌の苗字にちなんでいます。
そんな椙山女学園大学から今回ご紹介するのは、「フォークソング研究会」！部長を務める生活科学部3年、バンドではドラムを担当する永井佑季さんにお話を伺いました。
永井：現在の部員は、1年生17名、2年生15名、3年生13名の計45名が在籍しています。ホームバンドという3年間継続して活動している固定バンドは、現在10バンドです。また、学年関係なく先輩後輩混合でセッションバンドも組んでおり、9月のShining Time（＝ライブハウスにて行う主催ライブ）や大学祭などに出演しています。1年生から共に励まし合いながら継続してきたホームバンドにも、学年の枠を超え趣味の合う部員とバンドを組めるセッションバンドにも、それぞれ異なった魅力がありますが、どちらのバンド活動もとても楽しいです。私たちは、毎週月曜日の17:00から大学内の教室を借りてミーティングを行っています。ミーティングは週に1度部員たちが顔を合わせる大切な時間です。このミーティングで各ライブの運営担当からの連絡事項を伝えたり、今後の活動について話し合いをしたりしています。授業後のミーティングは大変ですが、話し合いをしっかりと行うことが楽しいライブに繋がるのだと考えています。主な活動場所は名古屋市内のライブハウスです。また、学内にスタジオがないため、名古屋市内のスタジオを借りて練習しています。
永井：部活の名前はフォークソング研究会ですが、軽音楽部として活動しています。私たちは椙山フォークソングを略して、椙フォと呼んでいます！女子大の部活ですので、部員は全員女の子です。女子大の軽音楽部と言いますと、女性ボーカルのバンドばかりをコピーしている印象を持たれる方もいらっしゃるかと思います。しかし男勝りなかっこいいバンドが好きで、男性ボーカルのバンドをコピーしている部員も多いです。もちろん、可愛いガールズバンドに憧れている部員もいます！その他、各々好みのジャンルは、ポップス、ロック、アニソン、洋楽と多岐に渡ります。また、入部時は半数以上が初心者ですが、経験者も初心者も分け隔てなく部活動に励んでいます。コピーバンドとして活動しているバンドが多いのですが、最近はオリジナルに挑戦するバンドも出てきました。部員一同力を合わせ、ひとつひとつのライブを楽しんでいることが椙フォの特徴です！
永井：椙フォの主な年間行事は、6月の新歓ライブ、8月の合宿、9月のShining Time、10月の大学祭、12月の定期演奏会、春休み中の追コンライブです。合宿は、毎年4泊5日で長野県へ行っており、スタジオでの練習はもちろん、部員みんなで花火をしたり、ゲームをしたりして交流を深めています。合宿4日目に行うライブは毎年とても楽しいです。そして、合宿での練習の成果をShining Timeで出し切ります！年間行事の中でも、大学祭は大きなイベントです。ステージ作りから始め、2日間に渡りライブを行います。大学祭は、現役の部員の出演はもちろん、他大学の方のバンドやOGの先輩方のバンドにもゲスト出演をして頂いています。その他にも、他大学の方とジョイントライブを行ったり、ライブハウス主催のライブに参加させて頂いたりもしています。活動頻度は部員によって様々です。のんびりと活動している部員もいれば、毎月のようにライブに参加する意欲的な部員もいます！
永井：やはり、女子大の部活動ということもあり、力仕事が大変です。部室が地下にあるため、機材を外に出すにも一苦労です。大学祭の準備なども体力を要しますが、部員全員一丸となって力を合わせ、機材を運び出します。その姿はまるで、引越し屋さんのようです！その他にも、機材に弱い部員も多いため、機材の不調時には頭を悩ませることもあります。そんな時は、椙フォを約20年間も支えてくださっているプロの音響の方に助言を頂いています。その頂いた助言と共に、それぞれが知識を持ち寄り、みんなで一緒に考えることで、なんとか困難を乗り越えてきました。あとスタジオが学校内になく、練習はバンドごとにスタジオを借りて行っているため、ライブ前はいつもスタジオの出費にも苦労しています！
永井：私は中学生の頃からバンドに憧れていました。なかなかバンドを組むチャンスがなかったため、大学に入学したら絶対に軽音楽部に入部すると心に決めていました！私にとって椙フォは、バンドを組むという夢を叶えてくれた場所であるのと同時に、もっと上手くなりたい！という目標を与えてくれる場所でもあります。椙フォに入部して、楽しいことばかりではなく、部員と対立してしまったり、上手に運営ができなかったりして、悩むこともありました。苦しくて、逃げ出したいこともありましたが、困難と向き合うことで、少しは成長できたのではないかと考えています。部活のみんなが頑張っている姿を見ると、とても強い気持ちになることができます。今後も部員のみんなにとって、椙フォは大切な存在であり続けるのだろうと思います。
永井：現在（回答時の11月中旬）は、12月7日に行われる定期演奏会を目標に練習に励んでいます。この1年の成果を発揮する大切なライブです。また、私たち3年生は本定期演奏会をもって引退します。現役としてライブに出演するのは、これが最後です。長いようで短かった3年間を思い出すと胸が熱くなりますが、ライブ当日は部員全員で楽しいライブを作り上げたいと思います！本年度は活動の幅を広げるため、積極的に外部のライブに参加し、ライブハウスや他大学さんとの親睦を深めて参りました。今後も積極的な活動を続け、楽しい部活動であり続けたいと考えています。私たちは12月に引退をし、サポートをする側へと回りますが、現役の部員のみんなは、椙フォをより素晴らしい部活にしてくれることでしょう。
※椙山女学園大学よりメッセージ
1949年、中部地方で最初に認可された新制大学として誕生した椙山女学園大学は、常に時代の課題に対応し、女子大学としての役割と、その存在理由を模索しながら、発展を続けています。それは、目まぐるしく変化する社会の中でも変わることのない、人としての確かな価値観を育む学びの実践であり、変化していく社会に対して、その意義を求めて女子教育を深く実践してきた歴史でもあります。社会と向き合い、女性がその可能性を拓く大学として、組織、地域など多様な集団との協働により、社会に貢献する自立した女性を育成しています。
http://www.sugiyama-u.ac.jp/daigaku/campus/club_bunka.html
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今年の4月から団体名が「椙山フォーク・軽音楽部」に変わります。
2月18日 4年生追い出しライブ
3月11日 名古屋大学フォークソング同好会とのジョイントライブ
5月11日 名古屋大学Shana Clubとのジョイントライブ
・ 大学住所
〒464-8662 名古屋市千種区星が丘元町17番3号
・創立年
1949年
・学生数
5833名（2013年5月1日現在）
・ 大学HP
http://www.sugiyama-u.ac.jp/
◆ビースト推薦文
中学の頃からの念願を叶え、部長としても奮闘した永井さん、3年間お疲れさまでした。女子大ということで全員が「ガールズバンド」になるわけですが、ジャンルやコピー曲は実に幅広く、そしてライブ活動も本格的にやっている様子が伝わってきます。20年来の付き合いになるプロの音響スタッフが支えてくれているのも心強いですね。
バンド単位での活動はもちろんのこと、学年を超えたセッションや部活動全体での活動を通じて、様々な「社会」を学んだことでしょう。それはまさに、大学の教育理念である「目まぐるしく変化する社会の中でも変わることのない、人としての確かな価値観を育む学びの実践」です。大学を卒業し社会に羽ばたいていった時に、たとえ楽器を置いたとしても心の中で音楽は鳴り続けます。その音楽を忘れずに、ますますShiningな時を過ごしてほしいと思います！
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【連載】キャンパスロック図鑑 バックナンバーはこちら
http://www.beeast69.com/category/serial/campus
