連載

TEXT:鈴木亮介

まだまだ暑い日が続いていますね!ロンドンオリンピックに湧いた今夏、ロックスター勢揃いの閉会式は圧巻でした。次にオリンピックが開催される頃には、現在大学生の読者の皆さんは社会に出て活躍しているのですね。

さて、ロックの箱根駅伝ことキャンパスロック図鑑、24校目となる今回は東京の武蔵大学が登場します!1922年に創立した旧制武蔵高等学校を前身とし、1949年に設立。現在は経済学部、人文学部、社会学部の3学部と経済学研究科、人文科学研究科を設置し、”ゼミの武蔵”として知られています。練馬区にある江古田キャンパスは池袋から7分、新宿からは15分という利便性と、武蔵野の豊かな自然が共存した、快適な学習環境の整ったキャンパスです。

そんな武蔵大学から今回は、軽音楽研究会をご紹介しましょう!
人文学部3年で、自身はドラム奏者である大古田昌也(オオゴダ・マサヤ)部長に話を聞きました。

— まずはじめに、武蔵大学軽音楽研究会の特長を教えてください。

大古田:軽音楽研究会の特長はとにかく部員同士の仲がいいことです!先輩後輩問わず、部室に足を運んでは好きな音楽の話をして盛り上がり、学生生活における悩みや喜びもお互いに分かち合う、そんな暖かい空気に溢れている居心地のいい部活です。部全体としての音楽の嗜好性はJロック、Jポップ色が強いのではないかと思います。しかし、それぞれ違う価値観を持った部員たちが集い、ひとつのジャンルにとらわれずにたくさんの音楽に出会い、自らの嗜好の幅を広めることができるのがこの部活の醍醐味です。そのため、部員の数だけ好みのジャンルが存在し、パンク、UK、メタル、ヴィジュアルなど多岐にわたります。また、軽音楽研究会の名物といえば、熱いライブを目の当たりにし、そのリズム、パフォーマンスに煽られ、勝手に身体が動き出し巻き起こる怒涛のモッシュ、ダイブです!汗だくになり感じる音楽のすばらしさは最高です!

— 部員数やバンド数はどのくらいでしょうか? また、主な活動についても教えてください。

大古田:現在部員は1年生から4年生で約60名が所属しています。主な活動は、大学施設のスタジオや教室を利用し年6回ほど行うライブです。固定バンドを組むのではなく、ライブごとに異なるバンドを組む形式なので、サークル単位での固定練習日はなく、部員全員が集合することもめずらしいです。また、各ライブにおいてバンド数の制限はほとんどなく、各担当楽器に縛られることもないので、一人ひとりの活動頻度はばらばらです。そのため、全体的に見てみるといい意味でゆるく、自由に音楽を楽しめる雰囲気と場所だと思います!

— ライブやイベントにはどのようなものがありますか?

大古田:6月に行う新歓ライブで新1年生と上級生が一緒にバンドを組み、新歓を兼ねたライブを行います。9月には3泊4日の合宿があり、合宿ライブを行います。合宿ライブのバンドの組み方はあみだくじで決めます。スタジオ完備の合宿所で練習をして、3日目にライブを行います。また、サマーコンサートと夏休み中にライブを行います。11月には学園祭があり、学園祭の1・2日目は、教室を借りてライブを行います。このライブとは別に、3年生全員で野外ライブをします。学園祭で3年生は引退し、次の世代へと受け継がれます。12月にはクリスマスコンサートがあり、クリスマスにちなんだ曲を選曲したりしてライブをやります。3月には4年生最後のライブ「追いコン」を行い、卒業生のお祝いもします。また、不定期で大学内の他の軽音系サークルとの合同ライブを年に2回くらい行っています。

— 活動の苦労や困ったことなどがあれば教えてください。

大古田:活動の上での苦労は、人数が多いため、まれに個人のやり方について意見が食い違うことです。ただ私たちの部活は、厳しくルールなどを設けて規律するようなことはなく、その都度皆がしっかり考えて行動しているので、そこまでは苦労と感じたことはありません。自由に各自責任を持ち、皆で楽しく音楽をするからこそ、仲良く円滑に活動ができているのだと思います。他に、代が交代した直後のライブで機材のつなぎ方がうまくいかず、大変だったことがありました。そのときは少し焦りましたが、ライブを重ね各自の役割を認識し、今ではスムーズにセッティングができるようになりました。毎回のライブで学ぶことが多く、とても有意義な活動ができていると思います!

—大古田部長にとって武蔵大学軽音楽研究会はどのような存在ですか?

大古田:私にとって軽音楽研究会とはなくてはならない存在、大学生活をすごす上で必要な存在であるとともに、自分自身の生活リズムのひとつでもあります。軽音楽研究会に入部する以前は大学に来て講義を受け、昼食をとり、また講義を受け、バイトに行き……というような一般的な生活を送っていました。しかし、今ではこのような生活リズム一つひとつに軽音楽研究会の存在があります。講義が終わったらライブに向けて練習し、練習が終わったらご飯を食べに行き……毎日が楽しく充実しています。軽音楽研究会は自分の中で大学生活の中で一番大きな存在です!

— 最後に、今後の目標を教えてください。

大古田:音楽に多様なジャンルがあるように、軽音楽研究会に所属する部員も一人ひとりにそれぞれ好きな音楽があります。今年4月に新入生を迎え部員数も増えたので、軽音楽研究会の音楽のジャンルもより多様化したと感じます。そこで私たちが大切にしていくべきことは、偏ったジャンルに特化するのではなく、どんなジャンルの音楽も部員皆が楽しんで演奏できるような雰囲気をつくっていくことです!また、部員は経験者だけではなく、大学入学後楽器を始める初心者も所属しています。昨年3月に卒業された前々部長は私たちに「音楽は上手い、下手じゃない。楽しむか、楽しまないかだ。」という言葉を残していきました。その理念を受け継ぐとともに、私たちなりに部員皆が好きな音楽を楽しめる部にしていくことが私たちの目標です。我々3年生は今年の学園祭でのライブを最後に引退します。3年間の集大成となるステージで最高のライブをするという個人の目標に向けても努めていきます。
 

※武蔵大学よりメッセージ

Photo武蔵大学は、1922(大正11)年に創設された、わが国初の旧制七年制の武蔵高等学校を前身としています。「人間形成を根幹に、明日の新しい日本を担う、優れた人材を育てる」という理想を掲げた旧制武蔵高等学校は、その後、1949(昭和24)年の学制改革にともない、武蔵大学となりました。創立から90年を経た現在、武蔵大学は3学部8学科の総合大学へと発展しました。激しく揺れ動く社会環境のなかにあって、創設時に掲げた
◆東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物
◆世界に雄飛するにたえる人物
◆自ら調べ自ら考える力ある人物
という「建学の三理想」は、今なお褪せない価値をもち続けています。「ゼミの武蔵」に象徴される伝統の少人数教育を一層強化し、教員との密接なコミュニケーションのなかで、これからの社会を支え、発展させ得る「自立した活力ある人材」を育成しています。

※写真は2012年秋竣工の武蔵大学新1号館の完成予想図です。

◆武蔵大学軽音楽研究会
HPはなし

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◆武蔵大学 プロフィール
・ 大学住所
東京都練馬区豊玉上1-26-1
・創立年
1949年(前身:1922年創立旧制武蔵高等学校)
・ 学生数(2012年5月1日現在)
4520人
・ 大学HP
http://www.musashi.ac.jp/

◆ビースト推薦文
本来、音楽にジャンル分けをする意味を持たないのと同様、サークルの活動についても定義付けをする必要はないのだと思います。その時に集まったメンバーで、その時一番やりたい音楽を。それがジャズでもロックでもポップでもアニソンでも、熱い仲間とともに熱く盛り上がれるということが、何よりも大切!そして、多才な仲間が集まれば方向性を巡って時に意見が割れ、対立することもあるでしょう。それでも”仲良く、熱く”できているのは、違いを許容する、つまり互いを認めることができているからだと思います。その姿勢は今の大人達も見習わなければなりませんね!


 
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