今年2013年は、例年をはるかに超える猛暑に襲われている。なるべく外に出ないようにしている人も多いのかもしれない。しかし7月21日、日比谷野外大音楽堂は違った。ただでさえ暑いこの季節に、この会場は熱気に包まれていた。
 
今宵の日比谷野音は、the telephonesの単独公演、「the telephones One Man Disco Tour ～Keep Your Live～ FINAL!!!『野音 DE DISCO!!!』」だ。5月27日、北浦和KYARAからの全17公演の全国ツアーを締めくくる、最後のステージである。開場前から行列ができ、the telephonesの登場を待ち望んでいる観客で場内はごった返している。
 
 
◆the telephones　メンバー：
石毛輝（Vocal, Guitar & Synthesizer）、長島涼平（Bass）、
岡本伸明（Synthsizer, Cowbell & Shriek）、松本誠治（Drums）
 

17時30分、一曲目「Four Guys From Saitama City」で、ライブの幕が開く。全員総立ちの会場からは、テンションが上がっているのが手に取るように伝わる。メンバーも会場の熱気に応えるように、パフォーマンスを加速させていく。
 
「90’s Drama Life」「Pa Pa Pa La Pa」と、このバンドの持ち味であろうディスコ調のサウンドが続く。石毛輝の弾くギターの軽快なリフが、日比谷の空に放たれているようだ。
 
 

 

そして一際目を引くのが、岡本伸明の舞台上での大暴れである。楽器の演奏はもちろんだが、確実に暴れている時間の方が長い。舞台を所構わず走り回り、観客を先導していく。それに乗るように観客の高いテンションもさらにヒートアップする。「D.E.N.W.A」までの6曲を駆け抜けるように演奏し終わった直後、観客から歓声が上がる。
 
その後も「A.B.C DISCO」など、演奏は続く。「My Final Fantasy」や「Ring a Bell」などで垣間見えたのだが、彼らは実に豪快に、しかし繊細な演奏をする。石毛輝のハイトーンボイスやギタープレイでも、楽しんで聴いていれば見過ごしてしまうかもしれないほどの手つきや発声の細やかさが伺えるのだ。岡本伸明も暴れてはいるが、シンセサイザーをあやつる手つきや、音のさばき方は驚くほどに細やかである。
 
長島涼平の一音一音が伸びやかなベースプレイ、松本誠治の地響きのように、しかし規則正しく聞こえてくるドラム。彼らの演奏技術が高いのは言うまでもない。だが、観客と一体となって楽しもうとする彼らの「DISCO」の魂は、確実に観客には炸裂していた。
 
11曲目「It’s Alright To Dance（Yes!!! Happy Monday!!!）」の最中には、客席に風船が投げ込まれるなどのパフォーマンスも行われる。そして「It’s OK」から少し曲調が変わり、うねるようなディスコ風の音がさらに加速する。
 
観客と一緒に踊り狂うナンバー「A A U U O O O」や「Monkey Discooooooo」などを演奏し、そして最後には「Congratulations!!!」。DISCOを締めくくるのにふさわしい、ご機嫌な一曲である。こうしてthe telephonesのライブは一旦終わりを告げた。
 
 

しかし、彼らはまだ終わらない。アンコールではthe telephonesの代表曲とも言える「happiness,happiness,happiness」、「Odoru～朝が来ても～」を演奏。熱狂のライブは、華々しさの頂点で幕を閉じた。
 
最後には2013年秋にニューシングル「Don’t Stop On Move, Keep On Dancing!!!」の発売と、ニューシングルを引っさげての全国ツアーの開催を発表したthe telephones。彼らの音楽は止まらないだろう。「踊れ！」とばかりに叫ぶ楽器とメンバー。それに応える観客がいる限り、the telephonesは躍進し続ける。魔法の言葉「DISCO！」を叫ぶ用意をした方がよさそうだ。