演奏

Spyralcall presents Spyralnight Vol.5

TEXT:岡田真理 PHOTO:KOJI

2009年9月22日、 渋谷La.mamaにて『Spyralcall presents Spyralnight Vol.5』が行われました。SpyralcallはDEATH METALの要素をJ-POPに取り入れた「DEATH POP」なる独自の音楽性を提唱するバンドで、渋谷クアトロなど大きな会場でのライブを大成功させた実績もあります。昨年末に行われたワンマンライブでは、一週間前にチケットがソールドアウト。着実にファンを増やしている、今もっとも注目すべきバンドです!今回はそのSpyralcallが、普段から交流のあるStarshipLove A senseGLASS TOPの3バンドを招いてのライブ。それぞれがどんなパフォーマンスを見せてくれるか、一秒たりとも目が離せません。

ドアオープンするやいなや、会場は一気に女性ファンで埋め尽くされました。渋谷ならではのオシャレな若い女の子が目立ちます。ステージの柵まで押し寄せ、今か今かとSpyralcallのオープニングアクトが始まるのを心待ちにしている様子です。

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暗転し、心臓の鼓動音が会場に響き渡りました。待ち切れないファンから歓声が上がります。激しくライトが点滅し、その歓声が更に大きくなったところで、いよいよSpyralcallの登場です。大久保英紀(Vocal & Guitar:以下ヒデキ)、熊本克哉(Guitar:以下カツヤ)、春木敬太郎(Bass:以下ケイタロウ)、そしてCoro(Drums)がステージに。渋谷La.mamaは、一気に拍手と悲鳴の渦に包まれました。

さっそく1曲目「スーパーマン」の始まりです。オーディエンスはリズムに合わせて肩を揺らし、ヒデキが「もっと!」と叫ぶと更にその揺れは激しくなります。一年半ぶりのこの曲の演奏に、ファンは1曲目からすでに熱狂。2曲目はヒデキが実際に体験した恋愛をもとに作ったという「心のかけら」。切ないギターサウンドが流れると、ファンは一転して静かにバンドを見守ります。曲が終わると温かい拍手が会場を包み、続いて「運命は気まぐれに」へ。オーディエンスは手を大きく上げて手拍子をし、曲を盛り上げます。カツヤケイタロウは向かい合い、リズムに合わせて頭を揺らします。曲が終わると「今日は最後まで楽しんでいってください!」とヒデキが叫び、オープニングアクトとしてのSpyralcallが終了しました。

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続いて登場したのはStarshipの4人。阿部大城(Vocal:以下阿部)、渋谷隊長(Guitar:以下渋谷)、松村啓太(Bass:以下松村)、かずやっち(Drums)です。1曲目の「少年、オーラを翔ける」が始まると、オーディエンスは徐々にリズムを取り始めました。渋谷の爽やかなギターに誰もが酔いしれています。ステージがブルーの光に包まれると、次は「モノクローム」。かずやっちの力強いドラムがフロアに響き、サウンドは徐々に激しくなっていきます。阿部が「素敵な夜にしましょう」とオーディエンスに呼びかけると、持っていたギターを外し今度はピアノへ。「color」の始まりです。オーディエンスは鮮やかなピアノの音と、阿部松村の綺麗なハーモニーにうっとりして聴き入っていました。次の「夏解」で再び阿部がギターを持ち、しっとりと夏の終わりを歌います。最後の曲「雨あがりの夜空に」で再び阿部がピアノを演奏。オーディエンスは熱い眼差しでステージを見つめます。いつまでも止まない拍手の中、Starshipのステージが終了しました。

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次はLove A senseの登場です。(Vocal)、ヨシナオ(Guitar)、JUN(Bass)、Coro(Drums)がステージに現れ、歓声の中さっそく「現実」がスタート。激しいサウンドに観客の体が揺れ始めると、はそれに応えるように激しくギターをかき鳴らします。「Love A senseです!今日はお招きいただいてありがとう!」とが挨拶し、次の曲「恐れ」へ。JUNのベースに煽られてオーディエンスは頭を大きく揺らし始め、更に3曲目の「線と点と情熱」では会場のボルテージがますます上がっていきます。続く「ツタワラナイモノ」では一転して、しっとりした甘い声で歌いあげる。身振り手振りで訴えかけるように歌詞を噛みしめて歌います。そしてヨシナオのギターソロで会場はひとつに。最後の曲「エルのオモチャ」では、Coroの激しいビートが響きます。曲が終わるとオーディエンスは名残惜しむように拍手を送り、Love A senseはステージを後にしました。

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続いてGLASS TOPが登場。小林佳(Vocal:以下)、阿川義和(Guitar:阿川)、青木宏行(Bass:以下青木)、長代憲治(Keyboard:以下長代)、そしてサポートメンバーの大浦ともぞう(Drums:以下大浦)が大きな拍手に迎えられてステージへ。GLASS TOPの旗を頭から掛け、ミステリアスな雰囲気で1曲目の「祈り」が始まります。時には力強く、時には囁くようにが歌声を響かせ、そこに長代のキーボードが幻想的に重なっていきます。大きな手拍子とともにGLASS TOPコールが始まると、「The Dreamy Ship」がスタート。オーディエンスは人差し指を突き上げたり、GLASS TOPのタオルを振り上げたりしています。「Rise & shine」ではステージを動き回り、大きくジャンプ。青木のベースソロ、長代のキーボードソロ、阿川のギターソロが披露され、最後に観客が大きく腕を突き上げると、そのまま次の「心の扉」へ。観客がリズムに合わせて大きく揺れます。最後の「日陰に咲く」では、の切ない声と大浦の激しいドラムビートが綺麗に重なりました。静かに聴き入るファンは演奏が終わると温かい拍手を送り、GLASS TOPのステージが終わりました。

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そしてSpyralcall。再び今夜の主役の出番です。大きな拍手に包まれると、まもなくCoroのドラムが響き「Brand New Song」がスタート。オーディエンスは前後に左右に頭を激しく揺らし、コーラス部分では力強く拳を突き上げます。カツヤがステージ中央でギターソロを魅せると、ファンの揺れは更に大きくなりました。ヒデキが手拍子を煽り、次曲「TRICK」がスタート。メンバーの姿がシルエットに見えるほど、ライトが激しく点滅します。オーディエンスはケイタロウのベース音に合わせてシャウト。次の「さよならを隠して」は、切ないバラード曲。心のこもったハーモニーが会場にいる皆を虜にしました。大きな拍手がステージに向けられると、次は「meaning of being」。ブルーライトに照らされたステージから、Coroのドラムビートが響き渡ります。そこにカツヤのギターサウンドが加わるとオーディエンスはまたリズムを取り始め、やがてそれはウエーブのように大きくなっていきます。5曲目の「Bunny color」に入っても勢いは止まりません。「もっと!」とヒデキが手拍子を煽ると、激しいリズムに合わせて誰もが左右に大きく手を振ります。ヒデキカツヤケイタロウのシャウトが響き、興奮はそのまま最後の曲「ラストシーン」へと引き継がれました。女性ファンの長い髪がヘッドバンギングで揺れます。「ありがとうございました!」とヒデキが叫び、Spyralcallのステージは熱く終了。

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すぐにアンコールを求める手拍子が起こり、メンバーが再びステージに登場。叫びや歓声が上がると、まもなくダンサブルなサウンドが。「Over and Over」が始まると、ヒデキがステージ前の柵に上ってもっと前に来るように呼びかけます。オーディエンスはどっとステージに押し寄せ、ヒデキはステージを飛び回り、カツヤは激しく頭を振って演奏します。ファンはまるでダンスするかのように大きく体を揺らします。最後に会場中から手が上がり、「Over!」とヒデキが叫ぶと、ついにライブは本当の終焉を迎えました。メンバーの名を呼ぶ声と拍手は、いつまでも止みません。

女性ファンたちの熱気に包まれた今夜のライブでは、ライブパフォーマンスに定評のあるSpyralcallをはじめ、どのバンドもパワフルでエキサイティングなステージを見せてくれました。転換時にヒデキがMCを務めて観客と掛け合いするなど、一瞬たりとも退屈することのない夜でした!Spyralcallは12月6日に同じく渋谷La.mamaにてワンマンライブを行うことが決定しています。彼らのパフォーマンスを身近で体感すれば、きっと12月の寒い夜も熱くなるはず!