演奏

TEXT&PHOTO:N-yukano

超絶技巧派ヘヴィ・メタル・プロジェクト、地獄カルテット。個々のメンバーが、日本のハード・ロック/ヘヴィ・メタル界でも指折りの凄腕ミュージシャンが揃い、ハンパでは済まされない悶絶モノの地獄サウンドを展開することで大きな話題を集めている。特に各メンバーが執筆した教則本、通称「地獄本」は、明日の超絶テクニカル・ミュージシャンを目指すフリークス達には、今やバイブルと称されるほどに有名であり、その内容が反映されたこのバンドでのプレイは、まさに「超絶プレイの全て」を表わした、チェック必至の逸品といえよう。今回は、そんな彼らが今年GWの幕開けに行ったスペシャル・イベントの模様をレポートする。なんと今回はファースト、セカンドとアルバムをアルバム順通りに完全演奏してくれる前代未聞のライブ…って今リリースされているアルバムは2枚。ほぼ全曲演奏じゃないですか!?

◆メンバーリスト:
NOV(Vocal)、GO(Drums)、MASAKI(Bass)、小林信一(以下、小林:Guitar)

2012/4/28(土)「~この世の地獄物語~完全演奏の夜」
 
今日は地獄カルテット2DAYS ライブ「地獄の夜獣回帰」の1日目。開場前からWild Side Tokyoでは長蛇の列。会場に入ると、今日からニューグッズが発売されたのもあってか、ライブ前から物販には長蛇の列!地獄カルテットのファン、アツい!
 
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そして会場の熱気も高まる中、17:36、暗転。オレンジの照明でステージが照らされると共にファーストアルバム『この世の地獄物語』の1曲目、「深海の序曲」が流れ、GO、MASAKI、小林、NOVとメンバーが登場。と登場。メンバーも定位置に着き、「幻の楓」をお見舞いする。初っぱなから跳ねる!拳!跳ねる!とこんなに最初から、会場が揺れるくらいにノリノリなライブは、今迄無かったのではないか?というような、異常な盛り上がり方に驚かされる。そしてその素晴らしい演奏力には圧倒される。続く「存在の成りゆき」でもそのアツいペースを保ったまま、MCへ。彼らのライブはそのテクニックもさることながら、MCにも強い評判があり、今回のライブでも安定して笑える部分を連発、これも凄い!
 
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続いて「愛想くらいの知恵」「勇者の孤独」と進み、MCの流れの中から、小林の超絶ギターソロの流れへ。そのテクニックに、会場からは大きな感嘆の声があがる。そしてNOVのシャウトから暗転、メンバーのシルエットが浮かび上がるような照明の中「永遠の微笑」へ。一旦NOVが捌け、「天国への道は険し」が始まる。ステージ前列にMASAKI小林が出てきてのベース、ギターソロの掛け合いは圧巻。途中GOのドラムソロもあり、目まぐるしく変化する展開に、「一体何がどうなっているんだ!?」というようなテクニカルな演奏で会場を魅了!
 
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その後、NOVがはちまきを巻いて登場し、地獄カルテットが五周年で長かったのか、あっという間だったのか?という話の中から、再びおもしろ話が炸裂、再び笑いに包まれる会場。 しかし続く「罪と罰の戦」では、激しいヘッドバンギングの嵐。メンバーもオーディエンスもMCとの切り替えが凄い。そしてMASAKIの、前人未到ではないかと思われる壮絶なベースソロが始まった。指板の上を縦横無尽に動く指!まるで鍵盤の如く弾き倒されているベース!「超テクニカル!」頭の中にはその言葉しか出てこない程、聴いている側に隙を与えないプレイに、ただ唖然。ベースタッピングを中心としたソロにオーディエンスも圧倒されていた。 そして「朝の許しを待ちて」「狼少女の嘆き」と始まるクライマックス。この流れはアルバム順に従っているものだが、その抑揚感を意識させた作りを感じさせるこの流れ!泣ける!!ライブならではの臨場感もあって、さらに泣ける!!ベースとなるアルバムの完成度を更に強く感じさせながら「詩の苦涙」「心酔の宴」と完全演奏をやり切り、ステージを降りる4人。
 
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そしてやってきたアンコール。
Tシャツに着替えたメンバーが登場し、なぜかMASAKIがドラムセットへ、GOがベースを持ち、驚きの展開にオーディエンスの目が点になった中、LOUDNESSの「Crazy Doctor」をイントロまで演奏し、フロアを仰天させる。そして8月リリースのニューアルバム「天空の地獄絵巻」から先行配信されている「羽根の舞」「小夜時雨の狂詩曲」を演奏。「小夜時雨の狂詩曲」は初のNOV作曲の曲だ。そして「サードアルバムから1曲、雲上の城」とのNOVの声から、「雲上の城」を演奏。 早くも8月のリリースが楽しみになる抜群の仕上がりだ。そして「号泣疾走の荒野」へ。タオルを振り回すのでおなじみの曲だ。会場中がタオルをぶんぶん振り回している光景はとても爽快で楽しい気持ちになる。そしてラストは「沙汰の亡骸」。アルバムの完成度を改めて認識しながら、やっぱりライブで聴く曲から感じる迫力と会場が一体になる感覚から、ライブにはライブならではの良さがあるものだと、その意義を感じさせられた夜だった。かくして、宴は2日目「~旋律の地獄遊戯~完全演奏の夜」へと続く。
 
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2012/4/29(日)「~旋律の地獄遊戯~完全演奏の夜」
 
さて、今日は地獄カルテット2DAYS ライブ「地獄の夜獣回帰」の2日目!
昨夜の素晴らしいステージの興奮もさめやらぬ中、今日は一体どんなステージになるのだろうかと期待に胸を膨らましながら会場へ向かった。今日も会場は人、人、人で一杯。
 
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SE「緑血の遺伝子」が流れ、ステージが青く照らされると、新しい衣装に身を包んだメンバーの登場!待っていましたとばかりに歓声に沸く会場。すぐに「螺旋の民」「悪漢のあとかくし」と、ハードなナンバーを続けざまに炸裂させた。会場は熱気で溢れんばかり。メンバーを見れば、昨日よりメイクも濃いめだ!カッコいい! 続く「王と王女の晩餐会」では、おなじみのキメとして、「合唱!」のパートで手を合わせるメンバー。そして「蒼い月の下で」では、ミラーボールが会場を照らし出す。ここでNOVから、「On Bass、MASAKI!」と紹介があり、怒涛のベースソロへ。会場からは大きな拍手が起こる。とお茶目なMASAKIに会場からマッキーコール。そして再びテクニカルなベースソロ。昨日に引き続き、凄い~!とただただステージを見つめるほかない有様。MASAKIのベースソロでは恒例の、いつものヤカンも登場。
 
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エフェクトの掛かったヴォーカルから始まった「忘却の旅路」では、サビの訴えかけるような歌声で心がぎゅっとなる。そしてGOの激しいドラムソロの後、「君の後ろに僕はいるよ」へ。これもハードなナンバーだが、ラストのメロディーがぐっとくる、たまらない曲構成だ。「愛しき者の飛翔」で少しスローなペースで、優しく語りかけるようなヴォーカルと、美しいコーラスに癒やされる。 続くギターソロの後は、「明日のあなたは何処へ」「言霊の天獄」と駆け抜けていき、「本編はあと2曲、でも!アンコールという第2部がありますからね」とMASAKIのコミカルな語りが、クライマックス必至の流れを作り、フロアを大いに期待させる。 そして「熱き夜の華が咲く」「黄泉の遊園地」と続け、この日「第一部」の幕を下ろした。
 
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アンコールは昨日と同じく、8月リリースのニューアルバム「天空の地獄絵巻」から先行配信されている「羽根の舞」「小夜時雨の狂詩曲」から始まった。そしてMCでは中国にライブへ行く話から、NOVが、「向こうではアルバム出てないから、中国ではアニソンやります!ここで練習させて!」と言い、始まったのは「残酷な天使のテーゼ」!!予想外の展開にまた盛り上がる会場。地獄カルテットらしい超絶アレンジがたまらない。そして、NOVの「次はサードから、重要で難解なナンバー、雲上の城」とのコメント。言葉通りの、難解な転調しまくりの曲に、演奏後には拍手が起こる。ここでメンバーから個々に2日間の感謝の気持ちが述べられ、「号泣疾走の荒野」「沙汰の亡骸」と続き、かくして壮絶な2日間の幕は閉じられた。
 
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◆セットリスト
◆2012/4/28(土)「~この世の地獄物語~完全演奏の夜」
SE.深海の序曲
M01.幻の楓
M02.存在の成りゆき
M03.愛想くらいの知恵
M04.勇者の孤独~ギターソロ
M05.永遠の微笑
M06.天国への道は険し~ドラムソロ
M07.罪と罰の戦~ベースソロ
M08.朝の許しを待ちて
M09.狼少女の嘆き
M10.詩の苦涙
M11.心酔の宴
-Encore-
M01.羽根の舞
M02.小夜時雨の狂詩曲
M03.雲上の城
M04.号泣疾走の荒野
M05.沙汰の亡骸
 

 
◆2012/4/29(日)「~旋律の地獄遊戯~完全演奏の夜」
SE. 緑血の遺伝子
M01. 螺旋の民
M02. 悪漢のあとかくし
M03. 王と王女の晩餐会
M04. 蒼い月の下で~ベースソロ
M05. 忘却の旅路~ドラムソロ
M06. 君の後ろに僕はいるよ
M07. 愛しき者の飛翔~ギターソロ
M08. 明日のあなたは何処へ
M09. 言霊の天獄
M10. 熱き夜の華が咲く
M11. 黄泉の遊園地
-Encore-
M01.羽根の舞
M02.小夜時雨の狂詩曲
M03.残酷な天使のテーゼ
M04.雲上の城
M05.号泣疾走の荒野
M06. 沙汰の亡骸
 

 
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◆ 公式サイト
http://zigoku4.com/
 
◆ライブ情報
「地獄のエルニーニョ」
2012/6/30吉祥寺シルバーエレファント

1日目の終わりにも書いたが、ライブで聴く意味、ライブの良さ、というのを新ためて強く感じたこの2日間だった。CDで聴く曲も勿論良いのだが、やはり生で聴く良さ、一体感、そしておもしろトーク!?これは地獄カルテットならではの絶妙な要素も盛り沢山、その場でしか味わえない味に溢れている。是非ともライブで、生で体感してほしい!! サードアルバムのツアーもあるので、詳細は公式サイトをチェック!

 
こちらも是非ご覧ください。
地獄カルテット4ヶ月連続ライブ~百鬼夜会~MASAKI地獄
以下をクリック!
http://www.beeast69.com/gig/2112

 
地獄カルテット4ヶ月連続ライブ~百鬼夜会~NOV地獄
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http://www.beeast69.com/gig/1585
 
マキシ・シングル発売記念~地獄四人衆! 熱き夜の宴界ツアー~大阪公演
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