演奏

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※記事の公開が遅れた事をお詫びいたします。(編集部)

PHOTO:株本和美
THE NAMPA BOYS presents 『NAMPAの年末大感謝ワンマン!~10周年直前SP~』
2015年12月18日@東京・TSUTAYA O-Crest

THE NAMPA BOYSが、2015年12月18日に東京・TSUTAYA O-Crestにてワンマンライブ『NAMPAの年末大感謝ワンマン!~10周年直前SP~』を開催した。2005年にボーカリスト小林聡里(以下:小林)とベーシスト田中悠貴を中心に結成、のちにギタリスト澤柳昌孝、ドラマー後藤駿(以下:後藤)が加わり、メンバー全員が1993年生まれの長野県松本市出身の4人組。そんな彼らだが、12月4日に、2016年3月5日に地元長野県松本市のALEXで行われるイベントをもってメンバー全員がバンドを卒業することを発表。ファンの間に衝撃が走った。
 
THE NAMPA BOYS Member:
小林聡里(Vocals & Guitar)、田中悠貴(Bass)、澤柳昌孝(Guitar)、後藤駿(Drums)

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この日は、卒業発表後、初めてのライブで、なおかつ最後の都内単独公演とあって開演前のフロアはどことなく落ち着かない様子。THE 虎舞竜の「ロード」をSEに4人が順番に登場。小林が中央の立ち位置につき、ゆっくり一礼した後、「みんないろいろ思うところはあると思うけど、2度と戻れないこの夜を一緒に楽しもう」と口をひらいたのち、ギターの爆音でフロアにあいさつ。歓声があがる中「いくぜ渋谷-!!!」とあおり立て、「夜明けの太陽」で幕を開けた。
 
続けざまに「ハロードリー」、「MUSIC」を熱演、疾走感あふれる「Iama」のイントロが鳴り響くとフロアの熱量も加速していく。そのまま1・2・3・4のカウントから「螺旋インセクト」に入る。メリハリのある構成と、美しいメロディのコーラスが印象的な一曲から、幻想的な世界観を携えた「月照」と一気に6曲を届けた。
 
小林は「あらためまして、ようこそ。なんとか走り続けてくることができました。今日は遊びに来てくれて本当にありがとうございます。10年間振り返ると色んなことがありました。俺が「辞めろ」っていわれたり、太ったりやせたり(笑)。東京に出てきて走り続けた10年間を見せられたらいいなと思います」と冗談を交えながら述べ、しっとりと美しいミディアムテンポの「アタシの人生」から、小林のアカペラの入りが印象的な「ネイヴァーリンの音楽家」を披露した。「もう一回、もう一回立ち上がろう~」という歌詞が、一層この日は心に染みてくる……。
 
曲が終わると小林は「今、歌っているとき、一瞬だけアリーナが見えました」と語るが、フロアは“卒業”という現実に戸惑いを隠せない様子。そんな“奇妙な緊張感”を和ませようと、小林は「異様な雰囲気の中行われているTHE NAMPA BOYSのワンマンライブですが、気持ちはお察しします。(バンドの卒業は)俺が悪いわけじゃないので、俺を責めないでくださいね。今日の注意事項です。俺も切ないから」と冗談交じりに語るが、ファンたちは複雑な面持ちで、彼の次の言葉を待っている。

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それを感じ取った小林は「10年ってやっぱり長いし、俺たちも来年で23歳になります。音楽をやっていなかったら、こういう出会いもなかったのですごく幸せです。今までも楽しい時間を過ごしてきたから、今日もみんなに楽しんでほしいです。だからみんなも俺たちも、やれるだけやりましょう。いや、そんなMC無いか(笑)全力でやらなきゃ」と笑顔を見せた。
 
少し会場の緊張もほぐれたところで、バンドを始めた頃に作ったという曲「世界と色は」を披露。ノリのいいポップな楽曲を4人が顔を見合わせながら笑顔で演奏する姿に、会場にも笑顔が戻る。「(この曲を)知っている人は少ないかも」と小林は前置きをしていたが、手拍子がおこったりサビで拳をあげたりと、各々楽しんでいた。
 
当時は3ピースだった話や、バンド名がダサかったという中学生時代の思い出話に花が咲くが、「バンドっていうのは前に進んでいくもので、THE NAMPA BOYSも過去にばかりすがってもいられないので、新しい歌をやろうと思います」と告げ、ゆったりしたギターを奏でながら小林は「大人になったね~」としみじみつぶやき、至極のバラード「鳥の歌」を聞かせた。未来へ向かうひとの背中をそっと押してくれそうな、やさしく包み込むアンサンブルに胸を打たれる。

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そして、小林は真剣なまなざしで、「THE NAMPA BOYSは、きっとこの4人で完成しました。この歌たちがずっと続いていくために卒業という道を選びました。まだまだTHE NAMPA BOYSの歌が、みんなの中で生き続けてくれますように、願いを込めてこの歌を歌います」と語り、「僕じゃないなら」に突入。
 
ラストにギターをかき鳴らしながら「僕じゃないなら、あなたじゃないなら、意味は無いのさ!」と歌う詞のとおり、THE NAMPA BOYSならではの楽曲、4人にしか出せないクルーヴを再認識。熱を取り戻したフロアにむかって、小林が「今日は普段とはちょっと違う空気のライブで。俺たちも今日は特別な日と捉えて演ってきました。THE NAMPA BOYS10周年スペシャルは、3曲ぶっ続けて終わります。お前らしんみりしている場合じゃねえぞ!! THE NAMPA BOYSがどういうバンドか見せつけて帰ります。やれるか-?渋谷ー!!」とあおる。
 
そこからアッパーな「MAKEINU SONG」でアゲていく。曲の途中にドラムの後藤が「みんな、THE NAMPA BOYSは卒業するけど、私のことは嫌いに……ならないでください!」と、某アイドルを彷彿させるような台詞を叫び、笑いを誘うが、小林から「ややウケ」と鋭い突っ込みが…。その後ソロに突入、派手な照明で「悪魔」の激音が鳴りひびく。ラストは「あいらぶゆー」でファンとともにかけ声を上げ、飛びはね、会場と一体となり最後を飾った。

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すべてを出し切ったステージだが、熱は冷めない。すぐにアンコールの拍手が鳴り響くと、しばらくしてメンバーが再登場した。地元松本でのラスト公演を発表したのち、小林は「卒業っていってもみんなピンときてないよね。THE NAMPA BOYSがみんなの中で残れるように卒業します。解散じゃないし、死ぬわけじゃないし…。あれ?笑ってよ~…。別に仲悪くて辞めるわけじゃないので、そこのところ一つよろしくお願いします」とメッセージを放つ。
 
そして、「今日は10年の節目を記念してのライブでもあるし、みんなは、それをお祝いに来てくれて…。うちらもみんなにパワーを与えられたら良いな、って思ってステージに立ったけど、パワーをたくさんいただきました。俺はどこいっても通用するぞと思ってこれまで音楽を作ってきたので。まあ、売り上げとかリアルなこともあるけれど…。みんながいいな、と思った音楽を信じてくれるからライブを観にきてくれるんだと思うし、そういうものを作れたことを誇りに思います。こうなってみると、しんみりするもんだね…。すごく幸せな時間をありがとうございました。3月の卒業までは、走り続けていきます。まぁ……、このバンドが動かなくなっても、みんなの帰る場所であるように」と心境を語る。
 
そこからギターイントロを奏で「待つ元」を噛みしめるように丁寧に演奏。しかし、それだけでは終わらないのが彼らだ。小林は「もう1曲やります。ありがとう!!」と叫び、最後は「プランジ」を披露した。エネルギッシュなステージに応えるごとく、オーディエンスも体を揺らしながら手をあげる。演奏を終えた4人が、手をつなぎ一礼をすると、場内はその勇姿に割れんばかりの大きな拍手を送った。
 
この日、THE NAMPA BOYSは、3月5日に地元長野県松本市のALEXで卒業公演をワンマンで行うことを発表。彼らが松本で単独公演を行うのは初めてとなる。
◆Setlist
M01. 夜明けの太陽
M02. ハロードリー
M03. MUSIC
M04. Iama
M05. 螺旋インセクト
M06. 月照
M07. アタシの人生
M08. ネイヴァーリンの音楽家
M09. 世界と色は
M10. 鳥の歌
M11. 僕じゃないなら
M12. MAKEINU SONG
M13. 悪魔
M14. あいらぶゆー
-encore-
M15. 待つ元
M16. プランジ
◆THE NAMPA BOYS Official Website
http://thenampaboys.com/
 
◆Live Information
卒業式Final Season~最初で最後の待つ元ワンマン~」
・2016年03月05日(土)【長野】松本ALECX
 

 
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そして明日3/5(土)、THE NAMPA BOYSは卒業式を行います!!最後の勇姿をみてください by THE NAMPA BOYS