演奏

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TEXT & PHOTO:桜坂秋太郎
EMW ROXX 2015
2015.3.26 @横浜7th Avenue
3月に横浜と目黒で開催されたイベント『EMW ROXX 2015』。3DAYSに渡り開催されたこのイベントは、Phil LewisL.A.GUNS/ex.Girl)& Brent MuscatSin City Sinners/ex.Faster Pussycat)のカップリング来日バンドを中心に、DIABLO GRANDEDEST0ROSEが出演。またスペシャルゲストとして、 EARTHSHAKER(DAY1)とSABER TIGER(DAY2,DAY3)が出演した。
 
L.A.GUNS、そしてFaster Pussycatのバンド名を聞いて、心ときめく世代も多いだろう。MTVが全盛期でLAメタルと呼ばれるシーンが、世界中でブームとなっていた。当時、ロサンゼルスにわざわざライブを観に行っていた私も、心ときめいた一人だ。さて今回は、3DAYS初日の横浜7th Avenueの様子をレポートしてみよう。

DESTROSE
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定刻、照明が落ち、BGMが消える。ステージに居るのはDESTROSE。本誌では何度も紹介してきたツインギタースタイルのガールズメタルバンド。今夜はサポートメンバーを2名(IBUKI/Vocals、MIKI/Guitars)入れた編成でのショーだ。昨秋発売されたミニアルバム『The Prologue』の1曲目に収録された「Prologue」が始まる。最新の代表作とも言えるナンバーに、オーディエンスは大きなヘッドバンギング。続いて『The Prologue』の5曲目に収録された「Rewrite the Curse」。ツインギターのハーモニーとシャウト!短めのMCでは、横浜でのライブが久しぶりである事を告げる。
 
続いて『The Prologue』の4曲目に収録された「悠遠」へ。IBUKIのボーカルラインに、ベースを弾きながらmihoが重ねるハーモニーが美しい。DESTROSEのナンバーは、どれも構成がよく練られていて、ボーカルメロディが口ずさめるのが特徴的だ。間髪入れず『The Prologue』3曲目に収録された「Eutopia」へと繋ぐ、ステージへ向けられるオーディエンスの拳が大きく揺れる。ラストナンバーと告げられて「Brave hearted」。ステージエンディングに相応しいアップテンポな曲調で、細かいキメのフレーズやライトハンドのギターソロからのツインギターのハーモニーと、DESTROSEの美味しい所が満載のナンバーだ。今回のイベントは大御所アーティストが多く出演するが、彼女たちもそれなりにキャリアを積んできたバンド。1番手というポジションでも、会場の熱気を最高潮まで持っていくのは、さすが!の一言だ。
◆Official Website
http://destrose.net/
 
◆DESTROSE
成美(Guitars)
miho(Bass)
RISA☆RISA(Drums)
IBUKI(Support Vocals)
MIKI(Support Guitars)
 
◆Setlist
M01. Prologue
M02. Rewrite the Curse
M03. 悠遠
M04. Eutopia
M05. Brave hearted
 
※DESTROSEは、2015.7.18(土)目黒The Live Stationのワンマンライブをもって無期限の活動休止となります。

 


DIABLO GRANDE
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2番手はDIABLO GRANDE。こちらも本誌ではお馴染みのバンド。現メンバーになって本格的に活動をスタートしたのは、2012年。まだバンドとしては少ない年数かもしれないが、それぞれのメンバーが築いてきた20年以上に渡る長いキャリアを集結させた、スーパーバンド。“アリーナロック”というコンセプトの元、まさにアリーナクラスのステージで映えそうなナンバーばかり。最高のハードロックバンドだ。唯一無二と言われるANNIEのボーカルと正確かつタイトなリズム隊に、ツボを得たギターリフを一聴しただけで、私は虜になった。2ndアルバム『DEPENDENCY INJECTION』の1曲目に収録された「Dagger」でショーが始まる。そして『DEPENDENCY INJECTION』の2曲目に収録された「Dependency Injection」へと繋ぐ。
 
短いMCから1stアルバム『HOWLING』の1曲目に収録された「Spit」(旧題:You Slipped It Out)。そして、『HOWLING』3曲目に収録された「Dancer In The Dark」(旧題: Clock In The Dark)。本当にこのバンドはカッコいい。技術的にずば抜けたアーティストである事はもちろん、心から“ロック”しているオーラが伝わってくるのだ。歌詞がオール英詞なので、なかなか覚えられないが、できることならANNIEと一緒にシンガロングしたい!と毎回思う。『HOWLING』8曲目に収録された「Brand New Day」(旧題:Dark New Day)から、『DEPENDENCY INJECTION』6曲目に収録された「Motor」でショーは終了。実は今日のセットリストは、新譜『LIVE INJECTION』の収録ナンバーなのだ。このライブアルバムは、現在のDIABLO GRANDEベスト盤と言える。ぜひ聴いてもらいたい!
◆Official Website
http://dg-online.com/
 
◆DIABLO GRANDE
ANNIE/高谷学(Vocals & Guitars)
TATSU/大上龍(Guitars)
KEISUKE/岡本啓祐(Bass)
A-JOE/石橋英城(Drums)
 
◆Setlist
M01. Dagger
M02. Dependency Injection
M03. Spit
M04. Dancer In The Dark
M05. Brand New Day
M06. Motor

 


Phil Lewis & Brent Muscat
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今回のイベントのメインアクト、Phil Lewis & Brent Muscatの時間がやってくる。二人をサポートするのは、先ほど2番手に出演したDIABLO GRANDEから、TATSUKEISUKEA-JOEDIABLO GRANDE の楽器とは違い、TATSUはギブソンSGをレスポールに、KEISUKEはギブソンサンダーバードの色違いを持っている。Phil Lewisが、「Are You Ready!」と叫ぶと、オーディエンスはLPレコードの“アノ時代”へとトリップ!Girlの1stアルバム『Sheer Greed』の1曲目に収録された「Hollywood Tease」だ。続けてL.A.GUNSの1stアルバム『L.A.GUNS』の1曲目に収録された「No Mercy」、そして2曲目に収録された「Sex Action」!Phil Lewisもオーディエンスも、ハートはいつでもティーンエイジャー!MCの後はL.A.GUNSの2ndアルバム『Cocked & Loaded』の5曲目に収録された「Never Enough」へ。“baby bye bye”という部分で“サヨナラ!”と言ったように聴こえる。
 
そして『Cocked & Loaded』の14曲目に収録された「I Wanna Be Your Man」。その後ステージはPhil Lewisだけになり、アコースティックギターを手に、弾き語りタイム。L.A.GUNSの3rdアルバム『Hollywood Vampires』5曲目に収録されたバラード「Crystal Eyes」。バンドメンバーがステージに戻ると、Brent Muscatのボーカルで「House Of Pain」へ。Faster Pussycatの2ndアルバム『Wake Me When It’s Over』の4曲目に収録されたバラードだ。曲が終わるとBrent Muscatが流暢な日本語でMC。次はFaster Pussycatの1stアルバム『Faster Pussycat』の2曲目に収録された「Bathroom Wall」!会場の空気はまったくカラッとしていないが、気分だけは完全にLos Angelesだ!Phil Lewisがステージに戻ると、『L.A.GUNS』の4曲目に収録された「Electric Gypsy」、そして『Cocked & Loaded』の7曲目に収録された「Ballad Of Jayne」と3曲目に収録された「Rip And Tear」を立て続けにプレイして、ステージが終了!
◆Phil Lewis & Brent Muscat
Phil Lewis(Vocals & Guitars)
Brent Muscat(Guitars & Vocals)
TATSU/大上龍(Support Guitars)
KEISUKE/岡本啓祐(Support Bass)
A-JOE/石橋英城(Support Drums)
 
◆Facebook Page
Phil Lewis
https://www.facebook.com/PhilLewisOfficial
Brent Muscat
https://www.facebook.com/brent.muscat
◆Setlist
M01. Hollywood Tease
M02. No Mercy
M03. Sex Action
M04. Never Enough
M05. I Wanna Be Your Man
M06. solo
M07. House Of Pain
M08. Bathroom Wall
M09. Electric Gypsy
M10. Ballad Of Jayne
M11. Rip And Tear

 


EARTHSHAKER
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今夜最後の登場は、ゲストバンドのEARTHSHAKER。こちらも本誌ではお馴染みの大御所バンド。デビューから不動のメンバーで、今も活動を続けるモンスターバンドだ。1stアルバム『EARTHSHAKER』の9曲目に収録された「夢の果てを」でスタート。名曲の数は、日本一のバンドだと私は思う。今夜はどのナンバーがセットリストに入ってくるのだろうか。新旧の作品を比較しても、一貫したメロディアスさがEARTHSHAKERの持ち味だ。EARTHSHAKERのデビュー前に、Girlで来日したPhil Lewisとの出会いについて語るMCをはさんで、22thアルバムの新譜『BIRD』の5曲目に収録された「ONE SOLDIER」と「THE BIRD」。拳を上げて歌いたくなるメロディセンスは、まさに唯一無二。日本語のハードロックシーンは、EARTHSHAKERがいたから、ここまでシーンが成長できたのだ。
 
もはやEARTHSHAKERのステージ無くてはならない、KUDOのドラムソロから、「放熱」へ。30周年の記念にリリースされた21ndアルバム『THE EARTHSHAKER』の1曲目に収録されたアップテンポナンバー。そしてMCでは、Brent Muscatが在籍したFaster PussycatEARTHSHAKERのドラマ、ファンレターの話を紹介。たくさんの夜をまだまだ走り抜けよう!と、8thアルバム『TREACHERY』3曲目に収録された「走り抜けた夜の数だけ」へ。流れるようなメロディと2バス連打のハードな演奏がたまらない!そのまま、一緒に歌おう!と、3rdアルバム『MIDNIGHT FLIGHT』の3曲目に収録された名曲「RADIO MAGIC」へ。客席は今夜一番のシンガロング大会!最後のナンバーは「MORE 2015」。「MORE」は、2ndアルバム『FUGITIVE』の5曲目に収録されたEARTHSHAKERを代表するナンバーだが、22thアルバムの新譜『BIRD』で、リアレンジした「MORE 2015」が3曲目に収録されたのだ。誰もが聴きなれたナンバーだが、新しいフレーズがとても新鮮。円熟したEARTHSHAKERの実力を感じるステージは、ここで終了。
◆Official Website
http://www.earthshaker.jp/
 
◆EARTHSHAKER
MARCY/西田昌史(Vocals)
SHARA/石原愼一郎(Guitars)
KAI/甲斐貴之(Bass)
KUDO/工藤義弘(Drums)
 
◆Setlist
M01. 夢の果てを
M02. ONE SOLDIER
M03. THE BIRD
M04. Drums Solo
M05. 放熱
M06. 走り抜けた夜の数だけ
M07. RADIO MAGIC
M08. MORE 2015

 


Encore
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アンコールは、EARTHSHAKERの他に、Brent MuscatIBUKIが登場。まさかの、The Rolling Stones「Gimme Shelter」が始まる。3DAYSの初日という事もあり、喉の調子が悪いPhil Lewis は登場せず、代わりにBrent Muscatがその分ボーカルとしてセンターに立つ。MARCYとのツインボーカルに、IBUKIMerry Caltonの高音パートを歌う。想像していないメンバーによる、The Rolling Stonesのナンバーは、とても新鮮であり、貴重な場に居る事を実感する。
 
場内が明るくなり、『EMW ROXX 2015』のDAY1はすべて終了だ。このイベントを3DAYSやる意味は、より多くの人に観に来てもらうという意味があるのだと思う。残念ながら本誌の取材はDAY1のみとなるが、DAY2とDAY3の様子も、オフィシャルの撮影物をお借りして、少し誌面では紹介したいと思う。チケット代以上の価値が、間違いなくあるイベントなので、次回の『EMW ROXX』が発表された場合は、ぜひ足を運んでもらいたい。

 

DAY2◆2015.3.28@目黒THE LIVE STATION
DESTROSE
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DIABLO GRANDE
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Phil Lewis & Brent Muscat
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SABER TIGER
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Encore
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28-5-328-5-4

DAY3◆2015.3.29@目黒THE LIVE STATION
DESTROSE
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29-1-329-1-4
DIABLO GRANDE
29-2-129-2-2
29-2-329-2-4
Phil Lewis & Brent Muscat
29-3-129-3-2
29-3-329-3-4
SABER TIGER
29-4-129-4-2
29-4-329-4-4
Encore
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【レポート】Phil Lewis & Keri Kelli
http://www.beeast69.com/gig/188