演奏

lead_krc2015

TEXT:桜坂秋太郎

ロックファンにはお馴染みの会場、川崎CLUB CITTA’。ライヴ会場というだけでなく、イヴェント主催やアーティスト招聘をおこなっている。『KAWASAKI ROCK CITY』もその中の一つ。
 
Vol.1は2014年1月、Y&TWINGERFIREHOUSEの3バンドによるステージを実施。Vol.2は2014年11月に、WINGERSLAUGHTERの2バンドのよるステージを実施した。そしてVol.3が2015年1月に開催されることになり、今回はそのレポートをお届けしたい。
 
Vol.3は、CRASHDÏETTREATEUROPEの3バンドによるステージだ。北欧の、それもスウェーデンのバンドによるイヴェント。Vol.1と2は、アメリカのバンドでまとめ、今回のVol.3はスウェーデンのバンドでまとめた『KAWASAKI ROCK CITY』。川崎CLUB CITTA’のイヴェントへの拘りを、強く感じる。そして今回のラインアップを知り、最初に感じたのは、ついにCRASHDÏETが初来日するということだ。
 
2ブレイク直前で不運な出来事が起きてしまったCRASHDÏETだが、北欧ロックのファンは、同じくブレイク直前で不運な出来事が起きたフィンランドのHANOI ROCKSと、重ねてしまう部分があったのではないだろうか。
 
HANOI ROCKSの場合は、そのまま解散してしまうが、CRASHDÏETはメンバーチェンジで危機を乗り越え、今も活動を続けている。2004年の1stシングル「Riot in Everyone」の衝撃から10年以上の時間が流れ、ついにステージを観ることができる。
 
TREATは、ロックのマーケットが一般大衆化されるタイミングでシーンへ登場した。時期は80年代後半。ハードロックを知らない人たちにも受け入れられるキャッチーで極上のメロディを持ったバンド。北欧の哀愁テイストも盛り込んでいたため、特に日本人好みと評されることが当時は多かった。残念なことに一度バンドは解散してしまったが、再結成してまた活動をスタートしている。色あせないメロディを、今回のイヴェントでも聴かせてくれるはずだ。
 
そして大御所EUROPE。言わずもがな、世界中で大ブレイクしたモンスターバンド。一昨年30周年を迎えたが、今でもCMやBGMなどで多くの楽曲が使用されているため、彼らが大ブレイクした時代を知らない若い世代も、聴いたことが必ずあると思う。実はEUROPEも、解散はしていないが、活動停止期間がある。メンバーそれぞれがソロ活動をしていた時代だ。しかしソロ活動の経験が、バンドに大きくフィードバックされているのがこの数年のEUROPEの特徴に思う。
 

1 CRASHDÏET

 
◆MEMBER:
Simon Cruz(Vocals)、Martin Sweet(Guitars)、Peter London(Bass)、Eric Young(Drums)
 

1-11-2
 
1-31-4
 
1-51-6

 
いよいよ開演時間。登場するのはCRASHDÏET。初来日を待ちわびたファンの声援が会場に響く。メンバーが登場しSEが流れる。まずは「Change The World」でスタート。4thアルバム『THE SAVAGE PLAYGROUND』の1曲目、CRASHDÏETらしいナンバーだ。北欧のバッドボーイズは、美しきアーティスト写真のイメージとは少し違い、かなりワイルドな印象。続いて4thアルバムの2曲目にして9thシングルのミドルテンポナンバー「Cocaine Cowboys」へ。
 
スリージーという表現をされるバンドサウンドは、粗削りな部分が刺激的。2ndアルバム『GENERATION WILD』の7曲目「Down With the Dust」から、同じく2ndアルバムの5曲目「Rebel」へ。Peter LondonEric Youngの熱いリズム隊に、Simon Cruzがシャウトし、Martin Sweetの荒々しいギターが吠える。バッドボーイズ系と言われるロックンロールの、まさに直球ど真ん中のバンド。サウンドの作り方は、個人的に初期Mötley Crüeを思い出させる。そう、好きな人にはたまらない、アノ匂いが会場に充満している。
 
短いMCを挟んで、大きな手拍子の中、2ndアルバムの8曲目「Native Nature」へ。そして2ndアルバム3曲目「So Alive」。2ndアルバムからの選曲が続くが、ファンにはお馴染みのナンバーで、大きな歓声があがる。バンドもその熱気に応えるように、客席をあおる。そして名盤と名高い1stアルバム『REST IN SLEAZE』の3曲目「Queen Obscene / 69 Shots」が始まる。途中コール&レスポンスがあり、Simon Cruzが「You’re a sex bomb love machine!」と叫べば、「69 shots o’ gasoline!」と完璧なファンの反応!やはり1stアルバムのナンバーの反応は大きく、踊り狂うファンが急増!
 
MCの後は「Breakin’ the Chainz」!1stアルバム4曲目にして3rdシングル!これを待っていたと言わんばかりに、ファンは大きく拳を突き上げる!サビはもちろん、会場中がシンガロング状態だ。間髪入れずに1stアルバム2曲目にして、1stシングル「Riot in Everyone」がスタート! 大きなヘッドバンギングとこの日一番の大きな声が会場に響く!「Oh we`re the kids of the underground!」そうまさに、このバンドを表す最高のフレーズだ!ラストナンバーは、2ndアルバム4曲目にして7thシングル「Generation Wild」で締めくくる。Martin Sweetが長めのエンディングソロを弾いて、ステージは終了。
 

◆CRASHDÏET Official Website
http://www.crashdiet.org/
◆Setlist
M01. Change the World
M02. Cocaine Cowboys
M03. Down With the Dust
M04. Rebel
M05. Native Nature
M06. So Alive
M07. Queen Obscene / 69 Shots
M08. Breakin’ the Chainz
M09. Riot in Everyone
M10. Generation Wild
2 TREAT

 
◆MEMBER:
Robert Ernlund(Vocals)、Anders“Gary”Wikström(Guitars & Vocals)、Fredrik Thomander(Bass & Vocals)、Patrick Appelgren(Keyboards & Vocals)、Jamie Borger(Drums)
 

2-12-2
 
2-32-4
 
2-52-6

 
ステージセットが変わり、舞台にはTREATのロゴが入った幕が吊るされる。1990年に初来日したTREATは、今回が2回目の来日。実に15年ぶりとなるわけだが、彼らは途中で解散していた時期がある。再結成をして、こうして日本に来てくれることを素直に喜びたい。TREATはメロディアスなハードロック好きには良く知られたバンドだが、一般的な知名度としては、本イヴェントのトリに登場するEUROPEにかわなわい。しかしロックシーンへの登場タイミングによっては、EUROPE以上のバンドになっていたと個人的に思う。それほど素晴らしい楽曲が多いのだ。
 
SEが流れ、メンバーが登場。Anders“Gary”Wikströmのギターから、6thアルバム『COUP DE GRACE』の2曲目「The War Is Over」がスタート!オープニングにこのナンバーを持ってくるとは、さすがTREAT!スタートと同時に、会場の空気は一気にTREATワールドへ!「The war is over a sweet surrender!」早くもシンガロングの嵐に、Robert Ernlundも歌いながら笑みを浮かべる。続いて、2ndアルバム『THE PLEASURE PRINCIPLE』の8曲目「Strike Without a Warning」へ。Jamie Borgerの叩きだすビートに合わせて、腕を刻むオーディエンス。
 
Robert Ernlundのシャウトから、アメリカンテイストなミドルテンポナンバー、4thアルバム『ORGANIZED CRIME』の1曲目「Ready For The Taking」。Fredrik Thomanderがオーディエンスをあおる!転調しながら進行するこのナンバーは、「Get down to it!」のキメが会場を一体化する。MCをはさみAnders“Gary”Wikströmのギターリフに、Patrick Appelgrenのキーボードリフが重なる。6thアルバムの3曲目「Papertiger」だ。キーボードとギターの織り成すイントロが最高にカッコ良い!メロディだけでなく、“ペーパータイガー”という内容の歌詞がとても素晴らしい名曲だ。
 
ここからメドレーへ突入。まずは1stアルバム『SCRATCH AND BITE』の1曲目、ゴキゲンなロックンロールの「Changes」。Jamie Borgerのフィルインから、2ndアルバムの1曲目「Rev It Up」へ。TREAT流のパーティーソング、4thアルバムの2曲目「Party All Over」に繋いだ後は、1stアルバムの5曲目「Too Wild」。大歓声が上がる会場に、あのナンバーのイントロが流れ出す!ベストアルバム『Weapons of Choice 1984-2006』の2曲目に、新曲として収録された「I Burn For You」!TREAT節が全開!Anders“Gary”Wikströmのサイドヴォーカルもキマッている!
 
そのまま6thアルバムの12曲目「We Own The Night」。洋楽がキラキラしていた80年代のテイストを、うまく現代にマッチさせたようなナンバーだ。『COUP DE GRACE』が発売された当時、夜明けが近い首都高を走りながら、よく聴いたことを思い出す。ここで3rdアルバム『DREAMHUNTER』のハードな1曲目「Solo Survivor」へ。途中「ヘイ!ヘイ!ヘイ!」とコール&レスポンス。Patrick Appelgrenのキーボードから6thアルバムの4曲目「Roar」。ステージは後半戦だが、やはり楽曲作りのセンスが抜群に上手いバンドだと再認識。オーディエンスの歌う「Ready to roar, ready or not!」が響き渡る!
 
4thアルバムの7曲目「Gimme One More Night」。Jamie Borgerのタメの利いたビートに分厚いハーモニーがたまらない。そして4thアルバムの8曲目「Get You On The Run」。1stアルバムの3曲目をリアレンジして収録しただけあり、一度聴いたら忘れられない「Get you on the run, find you all alone」のフレーズ。続いて同じ4thアルバムの5曲目、アップテンポな「Conspiracy」を経て、Anders“Gary”Wikströmのワイルドなギターに美しいメロディがのる6thアルバムの7曲目「Skies Of Mongollia」へ。ラストナンバーは3rdアルバムの7曲目「World Of Promises」!TREATのベストナンバーと言っても過言ではない!オーディエンスが歌う「Living in a world of promises!」のシンガロングが物凄い!終わってほしくない気持ちに反して、ステージは終了となる。
 

◆TREAT Official Website
http://www.treatnews.se/
◆Setlist
M01. The War Is Over
M02. Strike Without a Warning
M03. Ready For The Taking
M04. Papertiger
M05. Medley(Changes – Rev It Up – Party All Over – Too Wild)
M06. I Burn For You
M07. We Own The Night
M08. Solo Survivor
M09. Roar
M10. Gimme One More Night
M11. Get You On The Run
M12. Conspiracy
M13. Skies Of Mongollia
M14. World Of Promises
3 EUROPE

 
◆MEMBER:
Joey Tempest(Vocals)、John Norum(Guitars)、John Leven(Bass)、Ian Haugland (Drums)、Mic Michaeli(Keyboards)
 

3-13-2
 
3-33-4
 
3-53-6

 
ステージセットが転換される。EUROPEの幕がかけられ、キーボードが独特の配置にセッティングされる。今回の『KAWASAKI ROCK CITY』のVol.3は、3バンドによるイヴェントだが、この前日にEUROPEの単独公演が開催された。私はそのEUROPE単独公演も観たので、まずそちらの話をしておきたいと思う。内容は、2ndアルバム『WING OF TOMORROW』を完全再現して、さらにヒットソングも演奏するというものだった。名盤と名高い2ndアルバムだが、全曲披露するのは今回初めての試み。オープニングから10曲目までは、2ndアルバムそのままの曲順で、11曲目からは通常のセットリストになっていた。
 
※2015年01月09日(金)EUROPE単独公演セットリスト
M01. Stormwind、M02. Scream of Anger、M03. Open Your Heart、M04. Treated Bad Again、M05. Aphasia、M06. Wings Of Tomorrow、M07. Wasted Time、M08. Lyin’ Eyes、M09. Dreamer、M10. Dance The Night Away、M11. Riches To Rags、M12. Firebox、M13. Prisoners in Paradise、M14. Love Is Not The Enemy、M15. Superstitious、M16. Seven Doors Hotel、M17. Drum Feature、M18. Ninja、M19. The Beast、M20. Rock the Night、M21. Last Look At Eden(encore)、M22. The Final Countdown(encore)

 
さて、昨夜の単独公演は大いに盛り上がったが、今夜のセットリストはどう組んでいるのだろうか。新旧のナンバーを、どのようなバランスで入れてくるのか、とても楽しみだ。SEからスタートしたのは、9thアルバム『BAG OF BONES』の1曲目「Riches to Rags」。John Norumのうねるギターリフに、Joey Tempestが粘りのあるメロディをのせる、最新のEUROPEのナンバー(※取材時:現在は10thアルバム『WAR OF KINGS』がリリースされている)だ。同じく9thアルバムの3曲目「Firebox」へと繋ぐ。Mic Michaeliの幻想的なキーボードに、John Norumのアルペジオが印象的。サビの「Just a man It never stops!」は、会場から大きなシンガロング!
 
最新のモダンなEUROPEナンバーの後は、4thアルバム『OUT OF THIS WORLD』の1曲目「Superstitious」!言わずもがなの大ヒットナンバー。曲間、John LevenのベースとMic Michaeliのキーボードの伴奏だけになり、Joey Tempestが歌いだしたのはWHITESNAKEの「Here I Go Again」。そしてコール&レスポンスの後で、「So, keep on walkin’ that road and I’ll follow~」と曲に戻る流れは、さすがベテランバンドの余裕。こうした遊び感覚は、年齢を重ね、紆余曲折を経たバンドならでは。短いMCの後、2ndアルバムの2曲目「Scream of Anger」へ。昨夜の2ndアルバム完全再現でも感じたが、やはり初期のEUROPEには、北欧系ハードロックの美味しさがぎっしり詰まっている。
 
8thアルバム『LAST LOOK AT EDEN』の8曲目「No Stone Unturned」へ。EUROPEのファンであれば、大きく3つの時代がバンドにはあると感じているはず。初期の時代、大ブレイクした時代、そして活動停止を経て再始動した現在。これらすべての時代が、EUROPEというバンドのカラーなのだと、ステージを観ていて思う。ファンそれぞれに好きな時代があるかもしれないが、彼らが生み出す音楽は、どの時代も素晴らしい。特にライヴ演奏の安定感は、ハードロックバンドの中でずば抜けていると感じる。曲紹介があり、5thアルバム『PRISONERS IN PARADISE』の7曲目「Prisoners In Paradise」。大ブレイク時代の最後の作品に入った名曲だ。オーディエンスの腕が左右に揺れる。活動停止に入る前の、複雑なバンド心が、歌詞に表現されているような気がする。
 
MCから2ndアルバムの7曲目「Wasted Time」へ。フロアはもちろん、私がいる2F席まで、会場はヘッドバンギング状態。曲が終わるとJoey Tempestは、「ホット酒、コールド酒」のアンケートを取る、Mic Michaeliは力強くコールド酒に手をあげる。5thアルバムの12曲目「Girl From Lebanon」が始まるが、John Norumのギタープレイは本当に別格だ。Kee MarcelloJohn Norumは一度脱退して復活。その間に在籍したギタリスト)のナンバーも、自分のカラーに染めている。曲によってギターを変え、最適なサウンドとフレーズを、笑顔で弾いている。彼が敬愛するスーパーギタリスト、Gary Mooreの神的な域に、もう達しているだろう。
 
1stアルバム『EUROPE』の3曲目「Seven Doors Hotel」のイントロが流れると、今夜一番の大歓声!いきなりシンガロング大会だ!EUROPEのデビュー当時、特にこのナンバーは、世界中のハードロック好きに大きなインパクトを与えた。曲が終わっても、サビの「Oh, oh, oh!」を叫ぶオーディエンス。4thアルバムの7曲目「Sign Of The Times」から、9thアルバムの7曲目「Demon Head」へ。そして昨夜は演奏されなかった3rdアルバム『THE FINAL COUNTDOWN』の3曲目「Carrie」。EUROPEのナンバーの中でも、MTVの再生回数は1,2を争う名バラード。私のカラオケの十八番だが、歌メロがかなり違う。今のJoey Tempestメロディを、今度試してみよう。
 
John Levenがオーディエンスをあおり、7thアルバム『SECRET SOCIETY』の7曲目「Love Is Not The Enemy」。Ian Hauglandだけがステージに残り、「ウィリアムテル序曲」をテーマにドラムソロが始まる。 EUROPEのライヴの安定感は、彼の力が大きいのかもしれない。日本公演だけに、3rdアルバムの5曲目「Ninja」を入れて、8thアルバムの6曲目「The Beast」へ繋ぐ。Joey Tempestがステージからフロアへ降りて、オーディエンスとコミュニケーション。そして3rdアルバムの2曲目「Rock the Night」。盛り上がらないわけがなく、オーディエンスの拳は、力強くステージへ向けられる。曲間では再び遊びタイム。John Norumが、Deep Purpleの「Woman From Tokyo」をつま弾き、Joey Tempestが歌う。Joey TempestJohn Levenに何かを囁き、QUEENの「Flash Gordon」。コール&レスポンスから曲に戻り、本編が終了。
 
アンコールは、8thアルバムの2曲目「Last Look At Eden」。個人的には再始動後の作品で一番好きなアルバムだけに、ライヴで体感できて幸せだ。そしてある意味、EUROPEのステージ終演をお知らせするナンバー、3rdアルバムの1曲目「The Final Countdown」のイントロをMic Michaeliが奏でる。これでEUROPEともお別れ!オーディエンスも最後のパワーを拳へのせて、バンドへ送る!こうしたお約束の終わり方に、賛否あるのは事実だ。しかし、私はこれが良いと思う。70年代くらいまでと違い、80年代以降はアンコールもセットリストに入れてショーを組み立てる手法が定着している。それならば、よりわかりやすい方が良いと思うからだ。Joey Tempestがお礼を言いながら、メンバーがステージを後にする。
 

◆EUROPE Official Website
http://www.europetheband.com/
◆Setlist
M01. Riches to Rags
M02. Firebox
M03. Superstitious
M04. Scream of Anger
M05. No Stone Unturned
M06. Prisoners In Paradise
M07. Wasted Time
M08. Girl From Lebanon
M09. Seven Doors Hotel
M10. Sign Of The Times
M11. Demon Head
M12. Carrie
M13. Love Is Not The Enemy
M14. Drum Feature
M15. Ninja
M16. The Beast
M17. Rock the Night
M18. Last Look At Eden(encore)
M19. The Final Countdown(encore)

ex5昨年の3月、私はバルセロナにいて、ちょうどEUROPE公演を街頭広告で知った。スケジュールの関係で、残念ながらタイミングが合わず、観ることはできなかった。ちょうどその公演の様子がYoutubeの動画にあり、数曲だけチェックした。少し無理をしてでも観ておくべきだったと後悔が残る。欧州・欧米・アジアなど世界中で演奏しているバンドと、海外の訪問先で公演が重なった場合、ぜひ観ておくことをお薦めしたい。海外のライヴは、日本で観るのとは、ひと味もふた味も違うからだ。
 
ビジネスで訪問している場合は、文化的な違いも感じることができるかもしれない。日本では、特に仕事の後に、堂々とライヴに行く人は少ないのではないかと思う。「ちょっと用があるので、お先に失礼します」的な感じだ。比較的海外の場合は、その逆のパターンではないかと思う。
 
今回の会場、川崎CLUB CITTA’は、CINECITTA’という複合施設の中にある。この施設は名前の通り、イタリアをイメージして作られている。ヨーロッパを感じさせる石畳の道を帰りながら、『KAWASAKI ROCK CITY』Vol.3の余韻にひたる。
 
CRASHDÏETTREATEUROPE、音楽的な趣向では少し違う部分もあるが、同じスウェーデンから生まれたロックバンドに変わりはない。本国であれば別かもしれないが、一度にこの3バンドを観る機会は、日本では難しい。ゲストコーナーには、スウェーデン大使まで来ていた。それだけ貴重なイヴェントだったと言える。私はまだスウェーデンに行ったことがない。私の生活の中では、家具のIKEAに行って、スウェーデンのお菓子を買うくらいの話しかない。いつかスウェーデンの街を歩き、その匂いをかぎ、本国での彼らのライヴを体感したいと思う。