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【ピックアップ!】TAKAEITA、アコースティックライブ開催

2013年06月07日

ガールズユニット、TAKAEITAのアコギライブをミニレポート!

TEXT:まことZ 

te012013年5月29日(水)、「TAKAEITA ASCOUSTIC LIVE」が渋谷ロックバーMalmsteenにて開催された。読者のみなさんはTAKAEITAをご存知だろうか。ガールズロックバンドでボーカリストを務めてきたTAKAEと、時空海賊SEVEN SEASの元ギタリストEITAの2人のユニットである。

出が元々激しめのロックバンドであるが故に、ファンはその延長線上での音楽作品を期待するところであるが、EITAがピアノやアコースティックギターを弾き、TAKAEがそこに歌を載せるというアコースティックの形でも活動しているのだ。

雨も降り足下の悪い中ではあったが、それでも多くの観客が集まった。この日はなんと、店の計らいによりTAKAEITAの曲名にちなんだオリジナルカクテル「I’m Home」が用意された。こういうところからも、店がTAKAEITAを応援していることがうかがえる。

開場しまずはDJタイム、ここではEITAも回した。選曲は90年代のヘヴィメタルが中心。時空海賊SEVEN SEASの曲調を考えると、なるほど、やはりこういう曲を聴いてきたのだなぁと納得がいく。

 

狭いハコのアットホームな雰囲気の中、いよいよTAKAEITAのライブ開演だ。最初の曲はなんと、ドイツのメロスピ(=叙情的な旋律と速弾きが特長のメロディックスピードメタル)バンドHELLOWEENの「Eagle Fly Free」のアコースティックカバー。HELLOWEENのイントロが、EITAのアコースティックギターで奏でられる。タンバリンを叩きながらTAKAEが歌を載せる。TAKAEのパワフルな歌声は、アコースティック化された曲を若干ヘヴィメタル側に引き寄せた。EITAのコーラスもバッチリはまり、2人のHELLOWEENへのリスペクトが感じられる、素敵なアレンジだ。

次はオリジナルの「New World」。歌いだしの2人のハーモニーがとてもきれいで、メロディもさすがはEITAと言いたくなる斬新にして気持ちよいものだ。「新しい世界を目指し」という歌詞にTAKAEが込めたのは、まさにスタートしたばかりのTAKAEITAとしての活動に対する意気込みのようにも感じられた。

ここでMCが入る。「Eagle Fly Free」はTAKAEITAの2人にサポートメンバーを加えたバンドスタイルで行うライブでも、是非やりたいと話す。ということは、今後のTAKAEITAはもっとメタルよりの活動になっていくのだろうか。

 

そしてEITAがアコースティックギターを置き、ここから「April」「Snow-Merry-Go-Round」の2曲はEITAはピアノを弾く。失ったものへの喪失感、郷愁、執着、そんな悲しい歌詞、そして悲しいメロディの2曲だ。TAKAEの表情からも、何かを思いながら歌っているのだろうと感じるものがある。ちなみに「April」はそのまま4月のこと、そして「Snow-Merry-Go-Round」はTAKAE曰く2月の歌、EITA曰く12月っぽいと。このライブの日は5月末。歌詞を作ったTAKAEに言わせると、曲をもらって歌詞を書く時の季節が、そのまま内容に反映されているとのことだ。

MCを挟んだ後、ファンのリクエストに応えて大黒摩季の「チョット」のカバー。EITAはアコースティックギターを弾く。TAKAE大黒摩季とは声質が異なりながらも、パワーボーカルなので曲にとても合っていた。リクエストした人も「TAKAEならきっと上手く歌ってくれるに違いない」と思ったのであろう。

そしてEITAのピアノソロ。ドビュッシーの「アラベスク第2番」だ。筆者はEITAのプロフィールを完全に把握してはいないのだが、彼女はギターよりもピアノの方が得意なのだろうと感じた。子どもの頃からずっとやっていて慣れている、そう感じた。普段はロックコンサートの取材が多い筆者であるが、この曲の演奏の時は高尚な芸術的雰囲気で、こんな趣向もたまにはいいと思った。

EITAはアラベスクの演奏を終え、すぐさま次の演奏を始めた。日本ではCeltic Womanのカバーで有名な、Secret Gardenの「You Raise Me Up」だ。TAKAEの歌唱には、少々驚いた。ロックボーカリスト、パワーボーカル、そんなイメージのTAKAEだったが、なんと、ファルセットも駆使し美しくこの歌を歌い上げたのだ。サビのファルセットで張るところは、とても惹き付けられた。TAKAEの「You Raise Me Up」は何度でも聴きたいと思わされた。

 

MCを挟み、EITAがまたアコースティックギターを構え、オリジナルの「絶対零度」。アップテンポで盛り上げるという、最後の曲としては常套的な選曲だ。無常観とそこに抗いたい気持ちを込めたであろうこの曲は、これからのTAKAEITAの活動にリンクしているようにも感じられる。

と、ここで終わりと思ったら、アンコールにも応えてくれた。「I’m Home」だ。そう、この日店がオリジナルカクテルのモチーフにした曲だ。EITAはいつもはピアノで伴奏をするが、この日はアコースティックギターでの伴奏。いつもと違うものが観られるのも、アンコールならではだろうか。歌詞の内容でいくと「絶対零度」でちょっぴり気持ちが緊張感を持っていたところ、「I’m Home」で落ち着いた、そんな解決があった。

ここでTAKAEITAのライブはスケジュール上終わりだが、まだこの日のイベントは続く。最初にEITAがDJをしたように、TAKAEも回したのだ。本人は自信がなかったようだが、回しながら歌うなど、ノッている様子。ついにはステージの真ん中に戻り曲を流したままマイクで歌いだし、そこにEITAもエアーギターで参加という、なんともカオスなはじけっぷりだ。楽しんでいる様子が伝わり、TAKAEITAを応援しているみんなは温かい気持ちになったことであろう。

さらには、イベントももう終わりだというのに、もう1曲演奏したいと言い出すTAKAEITAの2人。最後の最後でEITAがアコースティックギターで伴奏し、Avril Lavigneの「Complicated」のカバーを披露。TAKAEもステージを去るのを惜しむように、心を込めた素敵な歌声を聴かせてくれた。

2人はリラックスした様子で、本当に楽しんでいた様だ。2人の素に近い姿を垣間みた様で、ファンにとってはなんとも嬉しい1日だったに違いない。こんな落ち着く雰囲気のライブを、もっと観させてもらいたいと思った。今後のTAKAEITAのライブでは、曲数をたくさん盛り込んだデモCDが売られるそうで、これも楽しみだ。


te10◆セットリスト
M01. Eagle Fly Free(HELLOWEEN
M02. New World
M03. April
M04. Snow-Merry-Go-Round
M05. チョット(大黒摩季
M06. アラベスク第2番(Claude Debussy/ピアノソロ)
M07. You Raise Me Up(SECRET GARDEN
M08. 絶対零度
-encore-
M09. I’m Home

◆ライブインフォメーション
EITA PARK 2013 ~時空海賊再集結&TAKAEバースデー~
・2013年06月14日(金)【目黒】鹿鳴館  開場18:30 開演19:00
出演:時空海賊SEVEN SEAS / TAKAEITA /
GUEST: EBONY EYES(FINAL FIGHT PROJECT)

◆EITA 公式ホームページ
http://eita-web.com/
◆TAKAEITA myspace
http://www.myspace.com/takaeita