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【ピックアップ!】ヴァージニアの“夢工場”、Wild Nothingのインタビュー!

2012年09月10日

米ヴァージニア州出身のWild Nothing待望のセカンドアルバム!
そこに描かれた世界とは!?メンバーインタビュー到着

米ヴァージニア州出身のドリーム・ポップ/シューゲイズ・バンド、Wild Nothing。2010年の夏、インディ・シーンで最大のカルト・ヒットとなったデビュー・アルバム『Gemini』から2年、最新アルバム『Nocturne』が完成した。このアルバムの意味するもの、そしてバンドとして作り出そうとしている形を、唯一のメンバーであるJack Tatum(以下、Jack):に語ってもらった。


—:音楽を始めた頃からwild nothingとして活動を始めたきっかけ、そして現在までの経緯を教えていただけますでしょうか?

Jack:音楽を始めたのはかなり前、10歳くらいの時なんだ。父がギターを弾いていたから、ギターを教えてもらって、自分の好きなバンドの曲を弾くようになってね。で、10代の頃から自分で曲を作って、それをレコーディングするようになった。でも大学に入るまでは他の人とプレイすることはなかったんだ。バンドもやったんだけど、本気でやっていたわけじゃない。このプロジェクトを始めたのは、アルバムを出す半年ほど前だった。wild nothingっていう名前の由来は…覚えていないな。いい名前だと思っただけ(笑)。ちゃんとした理由はないんだよ。名前を付けなきゃ、っていう時にいくつか思いついたものの一つで、最後まで頭から離れなかっただけ。自分一人でレコーディングするようになってからはかなり経ったね。最初は15、16歳くらいだったかな? でも、数年前にやっとスタイル等が固まってきたと思う。

—:貴方が構築されるサウンドの形態の一つとして“ポップ”であるという部分は自他共に認めるところかと思いますが、軽快ながらその中にあるメロディは、洗練され且つ憂いのような面もあり、シリアスな雰囲気を感じまず。この面と照らし合わせて、ポップという部分をご自身としてはどのように考えられていますか?

Jack:僕にとって“ポップ”であるということは…一つじゃ表現できないな(笑)いろんなことを意味している。ポップ・バンドっていうと、僕にはいろんなバンドが頭に浮かぶし、それは他の人の頭には浮かばないようなバンドだったりもするからね。一つ言えるのは、僕にとってのポップ・ミュージックは、そんなにポピュラリティ=人気から来るものじゃなくて、むしろ曲の書き方とか、構成等の特徴を示している。例えばすごくシンプルなものでも、良いポップ・ソングって聴くと即座にわかるんだよね。ぱっと耳に入ってきて、すぐに好きになる。僕が目指しているのはそういう魅力なんだ。

—:前作『ジェミニ』と、今回の『ノクターン』という2枚のアルバムを完成され、それぞれ制作に対して新たに考えられたアプローチはあったかもしれませんが、逆に自身の中で持たれている、共通している部分もあるかと思うのですが、いかがでしょう?そのようなものが存在したのでしょうか?また、あったとしたらそれはどのようなものでしょうか?

Jack:曲を書くプロセスは前とほとんど同じだったな。今でも素材のほとんどは自分一人で、家で書いたからね。で、その曲をどんな感じにしたいか、アイデアを残しておくためにところどころを録音するんだ。僕の曲の書き方そのものはあまり変わってないな。今でも曲作りってパーソナルな、一人でやる作業なんだよ。今回も全部のパートを僕が書いている。

—:具体的なサウンドについてお伺いしたいのですが、ギターやキーボードのハーモニーもさることながら、リズムのバリエーションが非常に多彩ですね。どのような発想で曲に対するリズムのイメージを構築されるのでしょうか?

Jack:大抵の曲はギターで書きはじめるんだ。キーボードやベース・ギターで書くこともある。それが形になってくると、自然にリズムが付いてくるんだよね。コード進行やメロディができてくると、「ドラム・ビートはこういう感じだな」とか、リズムが付いてきて。ほとんどのリズムはかなりシンプルで、「シャドウ」や「ノクターン」、「カウンティング・デイズ」はかなり似たようなドラム・ビートだと思う。でも、「スルー・ザ・グラス」のリズムはちょっと他と違うし、「ディス・チェイン・ウォント・ブレイク」はリズムの要素が重要になった曲だと思う。それもやっぱり、曲ごとに違う。僕としては、リズムに重きを置いているわけじゃないけどね。

—:今回のアルバムを“自身のポップ・ミュージックの理想世界の窓となるアルバム”とおっしゃっているとのことですが、詩人の理想世界とは、具体的に言うとどのようなヴィジョンをおもちなのでしょうか?また、今回の作品について、自らが主張したいと考えているイメージなどはありますか?

Jack:僕が“ポップの理想世界”って言った時に意味していたのは、きちんと構築されたポップ・ソングを作り続けていたアーティストたちを呼び起こすような感じだね。Fleetwood Macみたいな。ポップ・ミュージックっていうと、僕の頭に最初に浮かぶのがFleetwood Macだったり。コンテンポラリーなポップ・ミュージックでも、今のアメリカのメインストリームな音楽でもなくて。ある意味、過去を思い出すんだ。もちろん、Fleetwood Macは世界最大のバンドの一つだったけど、時代によって違う。だから僕にとってのポップは、シンプルで普遍的なソングライティングで、今回挑戦したのもそういう曲、そういう世界に入っていくのを目指している。


◆アルバム情報
Wild Nothing
『Nocturne(ノクターン)』
2012年09月12日発売  2,300円(税込)
YRCG-90080  解説/歌詞/対訳付
★日本盤ボーナス・トラック収録

◆Wild Nothing 日本オフィシャル・サイト
http://bignothing.net/wildnothing.html

※このニュースは(株)よしもとアール・アンド・シー洋楽プロジェクト/(株)BIG NOTHING 提供の情報を掲載しています