【ピックアップ】METALLIC SPIN遂に登場！！7/21ライブレポート

2012年08月18日

TEXT：BEEAST編集部

昨今、巷を騒がせている謎のガールズ・メタル・バンドMETALLIC SPINが7/21、遂にそのベールを脱いだ。ヘヴィ･メタルとしては既にスタンダードともいえるJUDAS PRIESTの「Hellion」が鳴り響くと、いよいよステージに彼女らが現れる。立て続けに「Hellion/Electric Eye」「I don’t know」と、激しくメタルの名曲を披露し、会場の空気を急激に上昇させる。そしてステージのオープニングを宣言するキーフ･リチャード(以下、キーフ:Vocal)「日本ノ皆サン、トマドッテイマスカ！…Oｈ、Sorry！日本ノ皆サン、盛リ上ガッテイマスカ！！」「Yeah！」その間の悪い日本語の間違え方すら、まるで計算されたかのような光景だ。バンド名METALLIC SPINを略して“Men（メン）”と自らが叫ぶ。そのおちゃらけた様子は何ともいえずユニークだが、プレイはかなり聴かせる要素が十分だ。先程まで激しくアクションしながら8ビートをキープしていたチョパコ・ガーエフ(以下、チョパコ:Bass)と、半分意味不明の強烈なキャラクターを表していたアナーキー・ストッキング(以下、アナーキー:Keyboards)は、続くJourneyの名曲「Who’s crying now」で、甘い雰囲気のバッキングを作り出し、単に激しいだけではないという空気を作り出す。そしてその上に乗るキーフの声は伸びやかで艶やかながら、曲中の剛と柔をしっかりと表現しきる。

ダンサブルにも聴こえる16分のドラムから、会場に拍手の音が響く。ギターとベースのユニゾンメロから、IRON MAIDEN「Run to the hills」と分かると、その拍手は一層強くなったようにも聴こえた。Aメロのヴォーカル･メロディでは、微妙なクセの節回しがBruce Dickinsonを感じさせ、彼へのリスペクトすら感じさせるような広がりを見せる。
そしてステージもいよいよ大詰め、キーフが派手にバズーカ･クラッカーをフロアにお見舞いすると、次はRAINBOWの「Lost In Hollywood」。途中でブレイク、カワイ・トモーゾ（以下、カワイ:Guitar）が一人ソロをしながら居眠りしてしまうという“寸劇”（？）を演じながらも、緊張感抜群の疾走サウンドを展開。先日のインタビューで彼女らが語った「80年代のカッコイイ音楽を追及している」という言葉とその原色系の派手な風貌から、LAメタル等の派手で煌びやかなサウンドを想像してしまいがちだが、こうしてこの日のセットを見ると、なかなかシブい選曲にも見える。音楽的志向にも、もっとピュアで正統派のメタル･サウンドを醸し出している。

そしてエンディング。これまでの選曲とは一転、アコギのイントロからガラっとヘヴィなサウンドへチェンジする様が、多くのメタルファンをとりこにしたMETALLICAの「Battery」と、意外性のある展開を見せる。安定感十分なノーズ（Drums）のドラムを中心にハード＆ワイルドなサウンドを会場で炸裂させると、フロアではサビの「Battery！」という叫びが、フロアからとどろく。拍手喝さいの中ステージを降りても鳴り止まない“Men”コールに、再びステージに現れた彼女ら。キーフが叫ぶ。「日本ノ皆サン、マダマダズンドコ聴キタイデスカ！？ドコドコシタイデスカ！？」「Yeah！」興奮を煽られた観衆が大声で応える。ラスト･ナンバーは、彼女らが「So Great！So Cute！So Crazy！」と、リスペクトしているというGacharic Spinの「ブラックサバイバル」をプレイ。本家に勝るとも劣らない迫力のあるサウンドで会場にモッシュ･ピットを発生させた。「次ハ、札幌マデ歩イテ向カイマス！！」奇想天外なキーフの一言で、この日のステージは終わりを迎えた。初来日でこれだけのステージをいきなり展開した彼女ら。これからの動向には更に要注意だといえよう。

◆公演情報
7月21日(土)名古屋E.L.L & FITS ALL
『Electric Lady Loud』
◆セットリスト
M01.Hellion/Electric Eye(Judas Priest)
M02.I don’t know(Ozzy Osbourne)
M03.Who’s crying now(Journey)
M04.Run to the hills(Iron Maiden)
M05.Lost In Hollywood(Rainbow)
M06.Battery(METALLICA)
Encore
E01.ブラックサバイバル(Gacharic Spin)

[来日LIVE情報]
9月1日(土)Zepp Sapporo
HAMMER BALL 2012 supported by ZEPP / WESS
OPEN 16:30 / START 17:00
前売￥6,500円　当日￥7,000円 (1Drink 500円別途)
10月13日(土)吉祥寺Club SEATA
「G∀LMET Presents Metal Diva Festival 2012」＜東京の陣＞
OPEN 16:00　START 16:30
前売￥2500-　当日￥3000(1Drink 500円別途)

【オフィシャルサイト】
http://www.metallicspin.com